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シャープ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鴻海精密工業 > シャープ
シャープ株式会社
Sharp Corporation
本社(2026年3月)
本社(2026年3月)
種類 株式会社
機関設計 監査等委員会設置会社[1]
市場情報
東証プライム 6753
1956年3月30日上場
(1949年5月大阪証券取引所上場)[2]
本社所在地 日本の旗 日本
〒541-8522
大阪府大阪市中央区久太郎町2丁目1番25号
設立 1935年(昭和10年、登記上)5月2日(株式会社早川金属工業研究所)
業種 電気機器
法人番号 6120001005484 ウィキデータを編集
事業内容 エレクトロニクス、電子部品
代表者
資本金
  • 50億円
(2025年3月31日現在)[3]
発行済株式総数
  • 普通株式: 6億5040万6538株
(2025年3月31日現在)[3]
売上高
  • 連結: 2兆1601億4600万円
  • 単独: 5397億2200万円
(2025年3月期)[3]
営業利益
  • 連結: 273億3800万円
  • 単独: 43億9200万円
(2025年3月期)[3]
経常利益
  • 連結: 176億5300万円
  • 単独: 17億1800万円
(2025年3月期)[3]
純利益
  • 連結: 357億6600万円
  • 単独: △367億2200万円
(2025年3月期)[3]
純資産
  • 連結: 1677億0900万円
  • 単独: △1466億3100万円
(2025年3月31日現在)
総資産
  • 連結: 1兆4537億3000万円
  • 単独: 8920億0400万円
(2025年3月31日現在)[3]
従業員数
  • 連結: 40,123人
  • 単独: 5,636人
(2025年3月31日現在)[3]
決算期 3月31日
会計監査人 PwC Japan有限責任監査法人[3]
主要株主
関係する人物
外部リンク corporate.jp.sharp ウィキデータを編集
特記事項:
創業時期は、早川徳次が東京本所松井町で金属加工業を立ち上げた、1912年(大正元年)9月15日としている。
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シャープ株式会社(英: Sharp Corporation[4])は、大阪市中央区[5] に本社を置く日本の総合電機メーカー。台湾の鴻海精密工業(フォックスコングループ)の子会社。日経平均株価の構成銘柄の一つ[6]。

概要

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堺工場(旧本社)(2017年4月)
阿倍野旧本社(2015年4月・現在は解体)

1912年、早川徳次が東京市本所区松井町(現・東京都江東区新大橋)に金属加工業を設立。 1915年には、金属製繰出鉛筆(早川式繰出鉛筆)を発明し、アメリカで爆発的にヒットした。現在の社名はこれに由来する[7]。

その後、関東大震災により被災し、工場も家族も失った早川は大阪へ移り、 1924年に大阪府東成郡田辺町(現・大阪府大阪市阿倍野区)に早川金属工業研究所を設立。1925年には戦前の主力商品となる鉱石ラジオをシャープのブランド名で発売する。

戦後、1952年には国産第1号テレビ〈TV3-14T〉の量産に成功すると[8]、 1962年には日本の家電企業で初めて家庭向け量産型の電子レンジ<R-10>を、1966年には国産初のターンテーブル方式の電子レンジ<R-600>を開発、販売するなど[9]、家電メーカーとしての地位を確立させた。 その後、1970年にブランドとして使われていたシャープ株式会社に社名変更する。

2000年代後半にはシャープ亀山工場、シャープ堺工場と次々に大規模工場を建設し「世界の亀山」ブランドを展開したが、2008年のリーマン・ショックによる経営悪化や液晶事業の採算悪化により経営危機に陥り、2016年には台湾に本拠を置く鴻海精密工業に買収された[10]。同年、長年本社であった大阪市阿倍野区の本社ビルを売却し、工場がある堺市堺区へ本社を移転した[11][12]。また、債務超過により、東証1部より2部へ指定替えとなったが、翌年には1部に復帰している。

2026年3月16日に本社を大阪市中央区へ移転し、10年ぶりに本社が大阪市内に回帰した。

経営理念・経営信条

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以下はシャープ公式サイト掲載の「経営理念/経営信条」[13] を主に参照している。 シャープ(株)を始め関係会社の朝礼で経営信条の唱和が行われていた。

経営理念

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  • いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術をもって広く世界の文化と福祉の向上に貢献する。
  • 会社に働く人々の能力開発と生活福祉の向上に努め、会社の発展と一人一人の幸せとの一致をはかる。
  • 株主、取引先をはじめ、全ての協力者との相互繁栄を期す。

経営信条[14]

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  • 二意専心 誠意と創意
    • この二意に溢れる仕事こそ、人々に心からの満足と喜びをもたらし真に社会への貢献となる。
  • 誠意は人の道なり、すべての仕事にまごころを
  • 和は力なり、共に信じて結束を
  • 礼儀は美なり、互いに感謝と尊敬を
  • 創意は進歩なり、常に工夫と改善を
  • 勇気は生き甲斐の源なり、進んで取り組め困難に

歴代社長

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氏名在任期間
初代早川徳次[15]1912-1970
2佐伯旭[15]1970-1986
3辻晴雄[15]1986-1998
4町田勝彦[15]1998-2007
5片山幹雄[15]2007-2012
6奥田隆司[15]2012-2013
7高橋興三[15]2013-2016
8戴正呉[15]2016-2020
9野村勝明[15]2020-2022
10呉柏勲[15]2022-2024
11沖津雅浩[16]2024-2026
12河村哲治[17]2026-

沿革

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[疑問点] 以下は主に「シャープ100年史」を参考に記述。

創業期(1912年 - 1934年)

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早川金属工業・早川電機工業時代(1935年 - 1969年)

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  • 1935年(昭和10年)5月2日 - 株式会社早川金属工業研究所を設立(登記上)、法人組織となる。資本金30万円。
  • 1936年(昭和11年) - 早川金属工業株式会社に社名変更。
  • 1941年(昭和16年) - 陸軍航空本部監督工場となる[19]。押しボタン選局式の5球スーパーラジオ SB-500 を発売[19]。
  • 1942年(昭和17年) - 早川電機工業株式会社に社名変更。短波・超短波の研究のため新研究所を設立[19]。航空無線機の生産開始[19]。ライトハウス戦傷失明者工場を分工場にする[19][20]。
  • 1944年(昭和19年) - 軍需会社に指定される[19]。海軍監督工場に再指定される[19]。
  • 1946年(昭和21年) - 特別経理会社に指定される。
  • 1949年(昭和24年) - 特別経理会社の指定を解除される。大阪証券取引所に株式を上場。
  • 1950年(昭和25年) - 失明者工場を法人化、合資会社特選金属工場(現 シャープ特選工業株式会社)を設立。
  • 1951年(昭和26年) - テレビの試作に成功。
  • 1952年(昭和27年) - RCAとテレビで技術提携。
  • 1953年(昭和28年) - 国産第1号のテレビ TV3-14T の量産・販売を開始(価格17万5000円[19])。
  • 1954年(昭和29年) - 共働きや身体障害者家庭の子供を預るために早川徳次社長が本社近くに育徳園保育所を開設。
  • 1956年(昭和31年) - 本社社屋を竣工。東京証券取引所に株式を上場。
  • 1959年(昭和34年) - 八尾工場を建設。
  • 1960年(昭和35年) - 大和郡山工場(現 奈良工場)を建設。
  • 1962年(昭和37年) - 国内初の家庭向け量産電子レンジ R-10 を発売(価格54万円[19])。
  • 1963年(昭和38年) - 太陽電池の量産を開始。
  • 1964年(昭和39年) - 世界初のオールトランジスタ電卓「コンペット」 CS-10A を発売(価格535,000円[19][21])。
  • 1966年(昭和41年) - 国産初のターンテーブル式家庭用電子レンジ R-600 を発売(価格198,000円[19])。
  • 1967年(昭和42年) - 広島工場を建設。
  • 1968年(昭和43年) - 栃木工場を建設。

シャープへの商号変更と液晶への挑戦(1970年 - 2000年)

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  • 1970年(昭和45年) - シャープ株式会社に商号変更(1月1日)。シンボルマークをリニューアル。なお、早川電機時代のシンボルマーク(楕円形にSharp)は社名変更後も正式な社章として引き継がれた。奈良県天理市に総合開発センター竣工。
  • 大阪府吹田市で1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)には出展していない。これは奈良県天理市の総合開発センター立ち上げを優先させたもので、「千里より天理」というフレーズで語られている。
  • 1973年(昭和48年) - 液晶を表示装置に使ったCMOS電卓(世界初)を開発。
  • 1979年(昭和54年) - 日本語ワードプロセッサ「書院」 WD-3000 を発売(価格295万円[19])。
  • 1981年(昭和56年) - 新庄工場(現 葛城工場)を建設。奈良県天理市に「シャープミュージアム」を建設[22]。
  • 1983年(昭和58年) - 480x128ドットの液晶ディスプレイユニットLM-48001G発売(外径寸法290x110x18ミリ、表示面237x70.5ミリ)、サンプル価格80,000円[23]。
  • 1985年(昭和60年) - 福山工場を建設。
  • 1992年(平成4年) -ハイビジョンテレビ36CSE-1(簡易MUSEデコーダー内蔵)を発売(当時100万円で販売)。
  • 1995年(平成7年) - 三重工場が稼動し、液晶を量産。業界初のパーソナル液晶テレビ「ウインドウ」を発売。

AQUOSと大型液晶への投資(2001年 - 2015年)

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  • 2001年(平成13年) - 液晶テレビ「AQUOS」第1号機(LC-20C1/15C1/13C1)を発売。
  • 2002年(平成14年) - 三原工場が稼動を開始。
  • 2004年(平成16年) - 亀山工場が稼動を開始。ヘルシオ発売。
  • 2009年(平成21年) - 堺工場が稼働を開始。
  • 2012年(平成24年) - 酸化物半導体(IGZO)を採用した液晶パネルの量産を開始。

鴻海グループ傘下(2016年 - )

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  • 2016年(平成28年)
    • 5月 - ロボット型携帯電話、ロボホン発売。
    • 7月 - 本社を大阪市阿倍野区長池町から堺工場へ移転。
    • 8月 - 債務超過により、東証1部より2部へ指定替え(事実上の降格)[24]。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業及び関連企業が約66%の株式を取得し子会社化[25][26]。創業以来初の社外から社長(鴻海グループ副総裁の戴正呉)が就任。
    • 11月 - コーポレートスローガンとして「Be Original.(ビー・オリジナル)」を制定[27]。
  • 2017年(平成29年)
    • 3月 - 売却された旧本社ビルの解体工事が開始。
    • 12月1日 - 世界初の8K液晶テレビ、"Aquos 8K"発売。
    • 12月7日 - 東京証券取引所1部に復帰。
  • 2018年(平成30年)10月1日 - 東芝より東芝クライアントソリューションの株式の80.1%を取得し連結子会社化[28] 2019年1月1日付でDynabookに社名変更[28]。
  • 2019年(令和元年)9月25日 - 白物家電の生産拠点だった八尾事業所の製造ライン停止(研究開発拠点に移行)[29]。
  • 2020年(令和2年)
  • 2021年(令和3年)4月1日 - カメラモジュール事業を「シャープセンシングテクノロジー」として分社化[34]。
  • 2022年(令和4年)4月 - 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。
  • 2024年(令和6年)
    • 5月 - テレビ向け液晶パネルの生産を年内で停止する事を発表[35]。併せて中小型液晶パネルについても生産の縮小を行う。
    • 6月 - 株主総会の当日、呉柏勲社長兼CEOの交代が発表された[36]。後任には沖津雅浩副社長が昇格した[36]。また、親会社である鴻海精密工業の劉揚偉会長が会長に就任した[36]。
  • 2026年(令和8年)
    • 3月16日 - 本社を堺工場から大阪市中央区久太郎町に移転。
    • 6月 - 河村哲治専務執行役員CBDOが代表取締役社長執行役員兼CEOに就任[37]。

特徴

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他社との関係

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早川金属時代から製造された「シャープラジオ」は海外に輸出されるほどに爆発的な売り上げを記録したが、トランスなどの部品は自主生産ができても真空管だけは自主生産できる余裕はなかった。そこで東京電気(後の東京芝浦電機→東芝)から「マツダ真空管」[38]や時計内蔵型シャープラジオの「時計装置」の供給を受けていた。 早川電機に社名変更後、テレビジョンの生産が軌道に乗り出したと同時に真空管の自主生産を開始したことから、東芝からの真空管類の供給を打ち切ると同時に総合エレクトロニクス会社としてお互いに競い合う関係になって行った。 それから半世紀以上経った2007年、東芝とシャープは「液晶および半導体分野における提携」に合意し、2010年度を目処にシャープは東芝から液晶テレビ用システムLSIを約50%、東芝はシャープから32型以上のテレビ用液晶モジュールを約40%購入することを目標に両社の提携を再び交わしている[39]。

1990年前後は消費者より「松下さんのシャープ」と呼ばれ、シャープの新製品が売れず後から発売した松下電器(現パナソニック)の製品がヒット商品になることが常であったが、コードレスホン、ワードプロセッサ、電子手帳(後のZAURUS)、液晶テレビなどの分野では松下を凌ぐ製品を売り出すことに成功した。

組織

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組織の特徴としては、「緊急開発プロジェクト制度(緊プロ)」という1977年に作られた制度がある。この制度では社長直轄で複数の部署から人材が集まり、技術や開発に当たるチームが結成される。この制度によって部門にとらわれない自由な発想の商品を生み出す事ができると言われた。緊プロでは「電子手帳(後にZAURUS)」が開発された。

ブランドスローガン・キャッチフレーズ

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現在の企業スローガンは、「ひとの願いの、半歩先」である。[40]それ以前は「Be Original」(2016年11月 - 2025年8月) [41] であった。コピーライターの前田知巳が書いた「目指してる、未来がちがう。」(2010年1月 - 2016年10月)[42] を使用していた。1990年 - 2009年までは、同じくコピーライターの仲畑貴志が書いた「目の付けどころが、シャープでしょ。」を使用していた。1998年からの一時期は「シャープになろう!」や「液晶でトキメキのある生活」に変更していたが、「液晶のシャープ」の印象が定着し、キャッチコピーとしての役割を十分に果たした事から、2002年になって知名度・好感度共に高かった以前のキャッチコピー「目の付けどころが、シャープでしょ。」を復活させた。キャッチコピーは他にも「確かに、シャープだ」、「元気な携帯電話!」、「はじまりはいつも、シャープから」など多彩で製品により使い分けられているが、最近は省エネをアピールする製品が多いため「エコロジークラスでいきましょう。シャープ」がよく用いられる。また過去のスローガンには「New Life Now」(業務用製品では「New Business Now」。どちらも70年代後半〜80年代前半)「New Life SHARP」「New Life People」(どちらも80年代後半)が存在した。

企業キャラクター(マスコットキャラクター)

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社名が早川電機だった昭和30年代に「シャープ坊や」がおり、シャープテレビの琺瑯看板やカタログに登場していたが間も無く姿を消した[43]。1990年代より「リッキーくん」というキャラクターが登場し、2003年頃に方針の変更により表舞台から姿を消したが、その後もメビウスのマニュアルやEVAアニメータなどで姿を確認する事ができる。因みに父親や母親などの家族も設定されていた。

経営危機

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2000年代の盛衰

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AQUOS 世界の亀山モデル

2000年から2006年まで、太陽電池・太陽光発電のモジュール生産量は世界一であった。また、国内では唯一の宇宙開発事業団認定企業だった。後に環境先進企業を目指して太陽電池事業を強化している他、工場でも排水を100%再利用するなどの取り組みを行っている。

MM総研の発表では、2005年度(2005年4月 - 2006年3月)の国内携帯電話出荷台数シェアで、16.3%を確保して首位に立った。NTTドコモとソフトバンク(2005年度当時はボーダフォン)のみの供給であったにもかかわらず、カメラ付き携帯電話のパイオニアとして首位に立った。

同社のテレビブランド「AQUOS」の技術を採用した「モバイルASV液晶」を携帯電話のディスプレイに採用し、人気となった。2005年にはウィルコムにスマートフォンW-ZERO3で参入し、爆発的ヒットとなった。さらに翌2006年9月にはKDDI、および沖縄セルラー電話(各auブランド)にもW41SHで参入した。また、サイクロイドスタイルというスタイルで人気となったワンセグモデル「AQUOSケータイ」が人気で2008年現在でソフトバンクモバイル向けに5機種、NTTドコモ向けに2機種、KDDI/沖縄セルラー電話向けに2機種、計9機種を納入している。

2007年3月からは携帯電話市場に新規参入したイー・モバイル(現・ワイモバイル)向けにもEM・ONEというPDA機能付端末の納入を開始した。これで現存する携帯電話・PHSの5社すべてに端末を納入しているのは同社のみとなった[* 1]。2009年夏からはCCDカメラ1000万画素を搭載した高画質カメラ「AQUOS SHOT」を発表。同社が開発した高機能処理エンジンProPixカメラ技術と同社の液晶技術を取り入れた。

2000年代後半にはシャープ亀山工場を建設し、「世界の亀山」ブランドを展開した。

しかし2008年のリーマン・ショックによる経営悪化や、液晶パネル製造でサムスンなどの韓国メーカー、台湾メーカーが台頭したことによる液晶の急速なコモディティ化により、一転シャープは苦境に陥る。地デジ特需も終わると、2011年からの4年間で総額1兆円以上の経営赤字を計上した[44]。

鴻海と業務提携

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2012年3月期決算でも大幅な赤字決算に陥る状況となり、台湾に本社をもつ世界最大のEMS企業である鴻海(ホンハイ)精密工業[45][46] との業務提携に合意した。その結果、堺工場の液晶パネル、モジュールを同グループが最終的に50%まで引き取り、同工場を共同運営することとなった。鴻海側は、2012年7月に堺工場運営会社の代表取締役に就いただけではなく、亀山工場の分社化と経営参画を要求したが、シャープ側は難色を示した[47]。

2012年9月現在長短併せて1.5兆円の資金調達が必要だとされた[48]。

人員整理

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シャープは2012年に2,000人の希望退職を募集し[49]、その結果2,960名の希望退職者があった[50]。2015年には3,500人の希望退職を募集し、3,234人の希望退職者となった[51][52]。

2016年、鴻海買収直後の決算発表においても、業績不振を理由に追加の人員削減方針が発表された[53]。

鴻海による買収

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2016年2月4日、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープに対し7000億円超での支援の意向を示し、シャープは同日の取締役会で鴻海案を協議した[54]。シャープは当初、官民官ファンドの産業革新機構からの出資を受け入れる方針だったが、支援額を上積みした鴻海案の採用に判断が傾いたと報じられて、翌2月5日には、シャープは鴻海との合意書を締結したと発表した[54][55]。契約条件について協議を継続することや、鴻海が示した支援策の有効期限を同月末まで延長する内容であった[55]。2月25日には、臨時取締役会で産業革新機構案よりも好条件の鴻海買収案を選択することを決定したが、偶発債務の発覚を理由に鴻海側から、買収契約の保留を受け渡される。最終的に、出資額の減額やリストラの受け入れなどの鴻海側に有利となる契約に改定され[56]、1ヶ月超遅れて買収契約が4月2日に締結されることが、3月30日の鴻海の取締役会で決議された[56]。

鴻海によるシャープ買収は、ここ数年鴻海の成長の鈍化があるともいわれる。2015年12月期の連結売上高(速報値)は前期比6%の4兆4830億台湾ドルであり、目標の10パーセントには届かなかった。

過去には2012年に鴻海がシャープに10%出資する案で合意したものの、その後の株価変動などの理由により中止、翌2013年には高橋興三が社長に就任し銀行からの支援を受けたものの立て直しができなかった。シャープが再建に鴻海案に傾いた理由としては、産業革新機構案が成長性の期待できない液晶事業を分社化し、社長を含む3首脳を退陣させる方針であるのに対し、鴻海案が現経営陣の継続と液晶事業、雇用の維持を約束するものである上に最大で3500億円の産業革新機構の支援に対し鴻海案が7000億円の支援であったことで、社外取締役の一部が革新機構案を選んだ場合に、株主に合理的な説明ができないことなどが指摘される。

時系列

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2012年

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  • 3月27日、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との資本業務提携(2013年3月までに一株550円で670億円の第三者割当増資を予定。別に会長個人が堺工場を運営するシャープディスプレイプロダクト株式会社株式の46.48%を660億円でシャープから譲受)を決定。
  • 4月1日、片山幹雄社長(54)が代表権のない会長に、次期社長に奥田隆司常務執行役員(58)が昇格する。町田勝彦会長(68)は相談役に退く。
  • 6月28日、鴻海の会長の投資会社であるSIO International Holdings Limitedに堺工場を運営するシャープディスプレイプロダクト株式会社の一部株式を170億円で売却[57]。
  • 7月12日、SIO International Holdings Limitedにシャープディスプレイプロダクト株式会社の一部株式を490億円で売却。6月28日分と合わせ、3月発表の計画通り売却完了。シャープディスプレイプロダクト株式会社は同月17日に堺ディスプレイプロダクト株式会社に商号変更[58]。
  • 8月2日、5千人の人員削減[59]、3月期連結決算の下方修正(最終損益予想-300億円から-2500億円に)を発表[60]。
  • 8月11日、液晶カラーフィルター事業の統合に伴う堺ディスプレイプロダクトの増資により、凸版印刷及び大日本印刷が株主に加わり、堺ディスプレイプロダクトはシャープの連結子会社から持分法適用関連会社に変更[61][62]。
  • 8月15日、東証株価終値164円を記録した(1974年以来の38年ぶりの新安値)。
  • 8月中、みずほコーポレート銀行と三菱東京UFJ銀行の主力2行は660億円をつなぎ融資[63]。
  • 8月末、みずほコーポレート銀行と三菱東京UFJ銀行が計1500億円の根抵当権を設定した。売却予定の市ヶ谷ビルを除くほぼすべての事業所(工場や営業拠点など。堺工場も)におよぶ[64]。
  • 9月14日、創業100周年を迎える。
  • 9月27日、主力取引銀行(みずほコーポレート銀行と三菱東京UFJ銀行)は再建計画を承認し、2013年6月期限で3600億円融資した[65][66]。
  • 11月9日、2,000人のリストラ募集を5日前倒しで締め切る。退職は2,960人[* 2][67][* 3][67]。
  • 12月4日、クアルコムとの提携と、12月27日に第三者割当増資で49億円を調達することを発表。クアルコム子会社のPixtronixの持つMEMSディスプレイ技術とIGZO技術との統合を目指す[68][69]。

2013年

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  • 3月26日、2012年3月に合意していた台湾の鴻海精密工業グループへの第三者割当増資が行われないことを発表[70]。
  • 5月14日、2013年3月期決算発表。最終赤字は5453億円となり、自己資本比率は6.0%に低下[71]。
  • 6月25日、奥田隆司社長が退任。後任に高橋興三副社長が就任[72]。
  • 6月28日、資本金を2123億円から500億円に減らす減資を実施[73]。
  • 10月15日、公募増資により、1090億円を調達[74]。

2014年

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  • 5月12日、2014年3月期決算発表。連結純利益115億円を計上し、2011年3月期以来の黒字転換を果たした。ただし配当については無配となった。自己資本比率は8.9%[75]。
  • 8月28日、パイオニア株式会社との資本提携を解消[76]。
  • 9月26日、欧州の液晶テレビ事業をスロバキアのUniversal Media Corporation(UME)社製テレビへのブランド供与に切替、欧州の白物家電事業の販売をトルコのVestel社に移管することを発表[77]。
  • 12月19日、ポーランドの液晶テレビ生産子会社の出資持分をUME社へ譲渡することを発表。欧州のAV生産・販売事業から撤退[78]。

2015年

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  • 5月14日、2015年3月期決算発表。連結営業損失480億円、連結純損失2223億円を計上し、再び巨額赤字に転落。自己資本比率は1.5%にまで低下。2016年3月期通期営業利益見通しは800億円としたが、純利益見通しは発表せず[79]。
  • 6月30日、みずほ銀行・三菱東京UFJ銀行・投資ファンドに優先株を発行し、2250億円を調達。資本金を1125億円増加し2343億円とした上で減資を行い、資本金を5億円とする[80]。
  • 8月21日、8月4日まで募集していた希望退職に国内連結子会社含め3,234人が応じる[81]。
  • 9月28日、本社ビルと田辺ビルの土地建物を、それぞれニトリとエヌ・ティ・ティ都市開発に譲渡することを発表。148億円を特別利益に計上する。2016年3月に引き渡すが、2018年3月頃までは賃借して使用を継続する方針とされた(実際の経過は後述)[82]。
  • 10月1日、社内組織を5つのカンパニー(コンシューマーエレクトロニクス・エネルギーソリューション・ビジネスソリューション・電子デバイス・ディスプレイデバイス)に再編する社内カンパニー制を導入[83]。
  • 10月30日、2015年度第二四半期累計決算が、ディスプレイデバイスの業績悪化などで連結営業損失251億円、連結純損失836億円となる[84]。
  • 11月20日、全社員(17,436人)を対象とした、自社製品購入を促す「シャープ製品愛用運動」を開始。また、専用サイト「特別社員販売セール」を開設し、役員20万円、管理職10万円、一般社員5万円を目標とした自社製品の購入の呼びかけが始まる。[要検証][85][86]。

2016年

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  • 1月6日、メキシコの液晶テレビ生産会社を、中国の家電大手Hisense(海信)社に27億円で売却。これに合わせて米州の液晶テレビ事業をHisense社製テレビへのブランド供与に切替[87]。
  • 2月4日、2015年度第三四半期累計決算が、連結営業損失290億円、四半期純損失1083億円となる[88]。
  • 2月25日、経営支援の受け入れを協議する臨時取締役会において、産業革新機構によるシャープと東芝の家電部門の統合案を退け、鴻海による買収提案を選択。一方、鴻海は前日に渡されていた偶発債務のリストに懸念を示し、買収契約の調印を保留すると回答した[89][90][91]。
  • 3月30日、鴻海の取締役会が買収を決議。鴻海グループで第三者割当増資を3888億円で引き受け、議決権の66%を握る筆頭株主となる。業績悪化や将来負債となる恐れのある偶発債務を踏まえ、出資を当初予定の4890億円から1000億円程度減らした[92]。シャープも臨時取締役会で出資の減額などを受け入れた。2016年3月期通期連結営業損益見通しを1700億円の赤字に下方修正[93]。
  • 3月31日、シャープ新潟電子工業株式会社の全株式を同社及び経営陣に5億9千万円で譲渡[94]。
  • 4月2日、鴻海グループと株式引受契約を締結。
  • 5月12日、決算発表において債務超過が発表され、東証1部より2部へ指定替えされることとなる[24]。また、堺工場への本社移転と鴻海グループ副総裁の戴正呉が新社長となることが正式に発表された[95][96][97]。
  • 7月1日、堺市堺区の堺工場へ本社を移転。
  • 8月1日、東証2部へ指定替え。
  • 8月12日、鴻海グループへの第三者割当増資が実行され、鴻海精密工業の子会社となる。資本金は50億円となる[98]。

鴻海による改革と上場復帰

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シャープ社長に就任した戴は、信賞必罰の人事と事業のビジネスユニット単位での収益責任明確化(「分社化」と報じられたが、実際には後述の通りカンパニー制を廃止した)をおこなうと宣言した[99]。

2015年10月より導入されたばかりの社内カンパニー制(5つのカンパニーを設置)を、買収直後の2016年に液晶ディスプレイのカンパニーを除いて廃止し、6事業部に再度組み直した[100]。

最も重要とされた信賞必罰の人事制度では、ボーナスを社員の成果や営業成績ごとにかつての1.5倍差から1-8ヵ月に最大8倍差に分けることや新入社員でも優秀なら入社半年後から大幅な給与引上げなどを実施した[101]。人事委員会の設置や等級・給与制度、管理職も能力主義で降格のように刷新し成果を上げた[要出典]。

さらに、予算300万円以上の案件を社長決裁としたり、出張先も含めたテレビ会議の利用などの施策を導入し、東京証券取引所の2部降格から2017年12月7日に東証1部に1年4カ月の短期間復帰を果たした[102]。

戴は、経営譲渡前の2015年に売却された旧本社および隣接する田辺ビルについて「シャープの歴史がある場所」と買い戻しに意欲を示し、田辺ビルは社長就任直後の2016年9月に139億円でエヌ•ティ•ティ都市開発から再取得した[103][104]。しかし、旧本社ビルの買い戻しは実現せず、2017年に建物が解体された[104]。一方ニトリが取得した旧本社跡地には、ニトリの新店が建設されることになり[105]、2023年4月に「西田辺店」として開業した[106]。

2020年には、唯一残ったカンパニーであるディスプレイデバイスカンパニーを同年度中に分社化することを発表し[107][108]、同年10月より「シャープディスプレイテクノロジー」として分社化された[31]。

シャープディスプレイテクノロジー(現在の堺ディスプレイプロダクト)は鴻海傘下となった後、サモア籍の投資ファンドWorld Praise Limitedの手に渡った。World Praise社は会長の戴正呉が過半を出資するファンドである。シャープは2022年2月に残りの20%の株式についても全て売却する方針を打ち出していたが直後に撤回し、一転して再子会社化を決定した。当初から市場ではレッドオーシャンと化したディスプレイ市場への参入は疑問視されており、株価は鴻海買収前の水準に低迷した。2023年3月期決算においてシャープは200億円の巨額赤字に転落した[109][110]。2023年5月には55歳以上の管理職約700名を対象とする早期退職制度の導入を発表した[111]。シャープは再成長に向けて「アセットライト化」を推進するとしており、事業の切り売り・撤退や資産の売却を進める方針を打ち出している。堺本社工場で生産していたテレビ向け液晶を生産を2024年8月に終了。同年12月には堺本社工場の敷地面積の6割をソフトバンクに売却することを発表。さらに本社工場棟も積水化学工業に2025年10月に売却することを決定し、KDDIにも工場跡の土地建物を売却しAIデータセンターを建設することで基本合意した。2024年12月に鴻海の子会社Fullertainにカメラモジュール事業を売却することでも合意した[112]。

主要商品

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下記に製品カテゴリー別に記述する

日本初の10.4インチTFT搭載
液晶テレビ「ウィンドウ」1995年
セミキットのパーソナルコンピュータ。
MZ-80K
モバイルノートパソコン
Mebius MURAMASA
初代AQUOSケータイ
Vodafone 905SH
国内初のAndroid搭載スマートブック
au IS01(SHI01)
シャープ製記録メディアの例

映像音響機器

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携帯電話・PHS各機種についてはCategory:携帯電話端末 (シャープ)および各通信事業者のページを参照

情報機器

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生活家電

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両開きドア採用の冷蔵庫

太陽光発電システム

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家庭用テレビゲーム機

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プロフェッショナル機器

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プラズマクラスター

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シャープでは、プラズマクラスターにはイオンの力による空気の浄化や消臭といった効果があるとしている[115]。空気清浄機、エアコン、冷蔵庫など同社の製品に多く搭載されている。

製品

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かつてのシャープは「先進的な部品を開発しその部品を元に特徴的な商品を生み出す」流れと、「商品に使われることによって部品の目標が明確になり性能が向上する」という流れの循環で成長しており、シャープではこれを「スパイラル戦略」と呼んでいる。さらにスパイラル戦略に加え、他社にない部品や商品を作り出す「オンリーワン戦略」も掲げている(両開き式の冷蔵庫やプラズマクラスター等が挙げられる)。

テレビでは、音声毎に色分けを行い、モノラル放送・外部入力は緑、ステレオ放送は黄色、二重音声は赤でチャンネル表示がされている(従来からあるアナログ専用のテレビ、アクオスではアナログ放送受信時の場合)。三洋電機のZ1などの80年代に発売されたブラウン管カラーテレビも全く同様の色分けであった。

ビデオデッキでは、VHS初の前面でカセットを出し入れ出来るフロントローディングや3倍モード時の画質劣化を抑える19ミクロンヘッド(1989年に初搭載した頃には通常モードにも切り替え可能)をいち早く搭載し家電メーカーで唯一コンポーネント端子やD1端子を搭載したS-VHSデッキを販売していた。VHS-C方式のビデオレコーダーは、先頭を切った日本ビクターに続き1982年7月16日に発売した[116]。

パソコン黎明期においてMZ-80KやX1などを生産し、日本のパソコン業界大手の一社であった他、それらの一部は海外でも商品展開された。日本での参入はしなかったものの、8ビット機時代の共通規格であるMSX機もブラジルの現地法人「シャープ・ド・ブラジル」で製造、販売していたこともあった。その後、Windowsが台頭する時代になるにつれ、NECなど黎明期からの大手PCメーカーの他、大手家電メーカーや台湾メーカーなどがシェアを伸ばし、それに伴い、徐々に苦戦を強いられ、シェアは小さくなっていった。液晶の技術を活かしてノートパソコンの生産なども行っていた。インターネットAQUOSなどの個性的な商品を出すも総じてスペックの割に高価格で人気が出ず、デスクトップやノートパソコン等一般的なパソコンは生産を終了、ウルトラモバイルのみにラインナップは縮小されていったが、2010年10月21日、それらを含む同社のパソコン生産が終了したことが判明した[117]。しかし、2018年に東芝からPC事業(株式80.1%)を取得、2019年1月にDynabookへ社名変更し、2020年8月に完全子会社化。

映像分野にも伝統的に強く、CCDなどの撮像素子を早くから自社生産していた。自社ブランドでもデジタルカメラには本格参入することはなかったものの、ビデオカメラについてはアナログ時代から家庭用製品を大々的に展開。特に、現在ほとんどの製品が使用している、液晶モニタ付カメラ(それまではの製品にはファインダしか無かった)を「液晶ビューカム」の名で先鞭をつけたのは同社である。ただ、特許独占ができなかったため他社に追随され、家庭用ビデオカメラ市場そのものもデジタルメラやスマートフォンの動画機能に押されて頭打ちとなったこともあり、参入メーカーが減った家庭用ビデオカメラ市場からは、同社もすでに撤退している。

他の家電メーカーが相次いで石油ファンヒーター事業から撤退する中、唯一家電メーカーで石油ファンヒーター(除菌イオン付)の販売を継続していたが、2007年度春に撤退予定を発表した。同年3月に生産を完了し、撤退している。

シャープの主な製品には、ファクシミリ、電子辞書、電子レンジ、デジタル複合機、電卓、液晶テレビ「AQUOS」やスマートフォン「AQUOS」などがある。2009年7月にはLED電球を発売し、家庭用照明事業に参入した[118]。半導体・電子部品分野では、CMOSイメージセンサやカメラモジュール、半導体レーザーなどを手がけている[119]。また、生物模倣(バイオミメティクス)技術を製品に応用しており、同社はこれを「ネイチャーテクノロジー」と呼称している。

国内主要事業所・研究所所在地

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総合開発センター
広島工場
シャープ幕張ビル

工場

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名阪国道沿いに天理研究所と亀山工場、伊勢自動車道沿いに三重工場(多気工場)があり、液晶関連の主要拠点をなしていた。2000年代に液晶テレビ専門工場であるシャープ亀山工場の所在地三重県亀山市に因んで「亀山産」の表記をしたところ安心感が買われ、爆発的に販売数を伸ばした(AQUOSのテレビCMなどで「世界の亀山モデル」を表記していた)。同工場の誘致にあたり、三重県90億円・亀山市45億円を15年分割で補助することになっており、地方自治体による工場誘致政策に大きな影響を与えた(参考:クリスタルバレー構想)。

2009年10月には、堺市に当時世界最大規模の第10世代マザーガラスに対応する液晶パネル工場を含むシャープ堺工場(グリーンフロント堺)を稼動させた。太陽光パネル及び液晶関連需要に対応し、旭硝子(現・AGC)、大日本印刷やコーニングなど液晶パネル関連部品を供給する企業19社も進出し、業種、業態を超えたビッグプロジェクトで、高効率と省エネ、太陽光発電などによる「世界最先端環境工場」を謳っていた。また、2010年3月には、同じ敷地内に薄膜シリコン太陽電池工場も稼動させ、急拡大が見込まれる世界的な太陽電池の需要拡大への対応を図っていた。

千葉県

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栃木県

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  • 旧:栃木工場(矢板市早川町)(2018年生産終了。現在は修理・物流センターのみ稼働。所在地の「早川町」は旧社名にちなむ)

三重県

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奈良県

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  • 総合開発センター(天理市)
  • 天理工場(天理市)・エコシステムの研究開発、デバイス開発
  • 奈良工場(大和郡山市)・AV機器組立、複写機

大阪府

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  • 八尾工場(八尾市)・白物家電(エアコン、冷蔵庫など)

広島県

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  • 広島工場(東広島市)・スマートフォン、ワイヤレス機器
  • 福山工場(福山市)・電子デバイス(半導体・レーザーデバイス)

国内子会社

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  • シャープマーケティングジャパン株式会社(八尾市)
  • シャープサポートアンドサービス株式会社(千葉市美浜区)
  • シャープワンストップサービス株式会社(八尾市)
  • シャープエネルギーソリューション株式会社(八尾市)
  • 株式会社シナプスイノベーション(大阪市北区)
  • シャープIPインフィニティ株式会社(大阪市阿倍野区)
  • Dynabook株式会社(東京都江東区)
  • Dynabook多摩情報機器株式会社(東京都立川市)

テレビ番組

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企業キャラクター(マスコットキャラクター)

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社名が早川電機だった昭和30年代に「シャープ坊や」がおり、シャープテレビの琺瑯看板やカタログに登場していたが間も無く姿を消した[122]。1990年代より「リッキーくん」というキャラクターが登場し、2003年頃に方針の変更により表舞台から姿を消したが、その後もメビウスのマニュアルやEVAアニメータなどで姿を確認する事ができる。因みに父親や母親などの家族も設定されていた。

トラブル・不祥事

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申告漏れ

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2012年には、海外子会社との取引などを巡り、2011年3月期までの5年間で約54億円の申告漏れ(うち15億円以上は意図的な所得隠しとされた)があったと、大阪国税局から指摘されていたことが判明している[123]。また2015年にも、2014年3月までの3年間にわたり、約103億円の申告漏れ(うち12億円は所得隠しとされた)を同国税局から指摘されていたことが明らかになっている[124]。

他社製品を値踏み

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任天堂が「ミニスーパーファミコン」を発表し話題になると、シャープ製品の公式ツイッターが「ミニスーパーファミコン」に収録されているソフトに対して私(アカウント運営者)の思い出を価値に換算すると発言し値踏みした。中には価値0円と付けたソフトもあり、炎上し始めると誤解を招いたとして「価値0円は未購入である」と訂正をしたが、他社製品を公式アカウントで値踏みしていること、任天堂の公式アカウントにリプライしていることなどが問題だと批判が殺到しさらに炎上したため、問題のツイートは削除された。しかしそれでも批判はやまず、全国紙やネットメディアも報じ拡散されたため、シャープは不快な思いをさせたと謝罪文を投稿した[125]。騒ぎが大きくなったことを受け、2017年7月11日に同社は、関係者に迷惑を掛けたとして、該当のアカウントを閉鎖することを決めた[126]。

子会社の不正会計

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2021年3月12日、スマートフォン向けのカメラレンズの製造子会社「カンタツ」で、2018年4月~20年9月に架空計上などで売り上げを75億円水増しする不正会計があったと発表した[127]。

脚注

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注釈

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  1. ↑ 2008年にサービスを終了したツーカーには最後まで供給されなかった。ただしデジタルホン(当時:現・ソフトバンク)とツーカーの合弁会社であるデジタルツーカーには供給された。
  2. ↑ 対象は本社・国内連結子会社に勤務する40〜59歳の社員、退職日は12月15日、費用280億円[67]。
  3. ↑ 奈良県内では葛城、天理、大和郡山3工場の4,500人の内、500人が応募する[67]。福山、東広島、三原市の3工場4,300人中では519人。

出典

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  1. ↑ コーポレートガバナンス - シャープ株式会社
  2. ↑ 会社四季報 2022年1集 新春号. 東洋経済新報社. (2021)
  3. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 シャープ株式会社『第131期(自 2024年4月1日 - 至 2025年3月31日)有価証券報告書』(レポート)2025年6月26日。
  4. ↑ シャープ株式会社 定款 第1章第1条
  5. ↑ “シャープ本社、10年ぶり大阪市内へ 堺工場の売却で”. 日本経済新聞 (2026年3月16日). 2026年3月16日閲覧。
  6. ↑ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2021年10月8日閲覧。
  7. 1 2 シャープ株式会社「会社概要」、https://corporate.jp.sharp/info/outline/
  8. ↑ シャープ株式会社『シャープ100年史』3-06頁、https://corporate.jp.sharp/info/assets/common/pdf/company-history-jp-all.pdf
  9. ↑ 電波のお料理箱(電子レンジ) - シャープ公式(オンリーワン物語)
  10. ↑ シャープ外資傘下へ 社員・ゆかりの地、揺れる思い [要検証]
  11. ↑ シャープ本社 長年親しまれた大阪・阿倍野から堺へ移転 THE PAGE 2016年7月1日、2022年8月7日閲覧。
  12. ↑ 旧シャープ本社跡地へ 近所の男性「更地でハルカス見えるもん」 THE PAGE、2017年11月4日、2022年8月7日閲覧。
  13. ↑ 経営理念/経営信条
  14. ↑ CORPORATION, SHARP. “シャープ株式会社”. corporate.jp.sharp. 2023年12月28日閲覧。
  15. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 “シャープ年表”. シャープ株式会社. 2026年6月24日閲覧。
  16. ↑ 「シャープ沖津氏が社長に 株主総会前日、異例の引責人事」『日本経済新聞』2024年6月26日。2024年8月10日閲覧。
  17. ↑ “シャープの新社長に河村哲治氏が就任”. マイナビニュース. 2026年6月24日閲覧。
  18. ↑ CORPORATION, SHARP. “シャープ株式会社”. www.sharp.co.jp. 2023年12月28日閲覧。
  19. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 『誠意と創意 80年の歩み (1912〜1992) シャープ株式会社80周年記念誌』シャープ、1992年12月。
  20. ↑ 『『盲人の職業的自立への歩み : 岩橋武夫を中心に』(第2章 職業リハビリテーションの黎明としての早川分工場)』関西学院大学出版会、2017年2月18日、47-68頁。
  21. ↑ “3月18日 世界初の電卓が発表(1964年)”. ブルーバックス. サイエンス365days. 講談社 (2020年3月18日). 2026年3月18日閲覧。
  22. ↑ シャープミュージアムにて「セルフガイドサービス」を開始
  23. ↑ 『ASCII 1983年6月号』 7巻、6号、株式会社アスキー出版、1983年6月1日、89頁。
  24. 1 2 東京証券取引所における市場第一部銘柄から市場第二部銘柄への指定替え、並びに上場廃止の猶予期間入りに関するお知らせ [要検証]
  25. ↑ 『第三者割当による新株式の発行並びに親会社、主要株主である筆頭株主及び主要株主の異動に関するお知らせ』(プレスリリース)シャープ株式会社、2016年8月12日。2026年8月27日閲覧。
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  27. ↑ 『新コーポレート宣言 “Be Original.(ビー・オリジナル)”』(プレスリリース)シャープ株式会社、2016年11月1日。2016年11月1日閲覧。
  28. 1 2 “企業概要・沿革”. Dynabook株式会社. 2026年7月22日閲覧。
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  30. ↑ “個人のお客様向け マスク生産開始のお知らせ”. シャープ株式会社 (2020年3月24日). 2026年7月22日閲覧。
  31. 1 2 「新社名「シャープディスプレイテクノロジー」液晶分社化始動 亀山工場に本社」『中日新聞』2020年10月1日。2021年3月20日閲覧。
  32. ↑ 『株式取得によるNECディスプレイソリューションズ株式会社の子会社化(合弁会社化)に関するお知らせ』(プレスリリース)シャープ株式会社、2020年3月25日。2020年3月25日閲覧。
  33. ↑ 『NEC、映像ソリューション事業を担う子会社をシャープと合弁会社化』(プレスリリース)日本電気株式会社、NECディスプレイソリューションズ株式会社、2020年3月25日。2020年3月25日閲覧。
  34. ↑ 『(経過開示)会社分割によるカメラモジュール事業の分社化に関するお知らせ』(プレスリリース)シャープ株式会社、2021年2月5日。2021年6月26日閲覧。
  35. ↑ “シャープ、液晶パネル生産停止を発表 テレビ向け、業績低迷で”. TBS NEWS DIG (2024年5月14日). 2026年7月22日閲覧。
  36. 1 2 3 “シャープ新社長に沖津副社長、27日付”. 電波新聞デジタル. 2024年6月26日. 2026年7月22日閲覧.
  37. ↑ 『代表取締役の異動および役員人事に関するお知らせ』(プレスリリース)シャープ株式会社、2026年3月19日。2026年8月27日閲覧。
  38. ↑ 当時のカタログには「マツダ真空管使用」と表記されたり、ラジオ本体の裏蓋には「マツダ真空管」のシールが貼られていた。
  39. ↑ 『液晶および半導体分野における提携について』(プレスリリース)株式会社東芝、シャープ株式会社、2007年12月21日。2022年2月11日閲覧。
  40. ↑ “シャープが新たな企業スローガン「ひとの願いの、半歩先」を策定”. シャープ株式会社 (2025年9月10日). 2026年6月25日閲覧。
  41. ↑ 新コーポレート宣言 “Be Original.(ビー・オリジナル)” シャープ株式会社 ニュースリリース
  42. ↑ 新スローガン “目指してる、未来がちがう。” シャープ株式会社 ニュースリリース
  43. ↑ この時に「シャープ坊やの歌」(作詞:高垣葵、作曲:宇野誠一郎、歌:楠トシエ、この曲が収録されたSP盤のB面には「シャープ音頭」が収録されている。)と言うCMソングが作られ、「シャープコミカルス・ちゃりんぼ兄弟」や「シャープクライマックス 人生はドラマだ」などの同社単独提供番組における生CMのバックミュージックとしてこのインストゥルメンタルが使われた。また「今日は(こんにちは)シャープ坊や」と言う同社単独提供のラジオ番組も一時期ではあるが放送されていた。
  44. ↑ 2/2 シャープを失敗に導いた戦略、「選択と集中」とは何か All About
  45. ↑ 小項目事典,知恵蔵mini, 共同通信ニュース用語解説,日本大百科全書(ニッポニカ),ブリタニカ国際大百科事典 (2023年4月18日). “鴻海精密工業(ほんはいせいみつこうぎょう)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年10月12日閲覧。
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  51. ↑ 構造改革の推進に向けた希望退職者の募集について (PDF) 2015年5月14日 シャープ株式会社 2026年7月24日閲覧
  52. ↑ 希望退職者の募集結果及び特別損失の計上に関するお知らせ (PDF) 2015年8月21日 シャープ株式会社 2026年7月24日閲覧
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  122. ↑ この時に「シャープ坊やの歌」(作詞:高垣葵、作曲:宇野誠一郎、歌:楠トシエ、この曲が収録されたSP盤のB面には「シャープ音頭」が収録されている。)と言うCMソングが作られ、「シャープコミカルス・ちゃりんぼ兄弟」や「シャープクライマックス 人生はドラマだ」などの同社単独提供番組における生CMのバックミュージックとしてこのインストゥルメンタルが使われた。また「今日は(こんにちは)シャープ坊や」と言う同社単独提供のラジオ番組も一時期ではあるが放送されていた。
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外部リンク

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