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【シカゴで一か八か】アマノ文筆クラブ

    こちらの企画に参加させて頂きます
    よろしくお願いします。🙇‍♂️

    *タイトル画像はGeminiにて作成しました。


    ショートショート


    〜シカゴで一か八か〜

     シカゴ・ウルブス対ニューヨーク・ストライプスが激突するMLB 2036年ワールドシリーズ。両チーム一歩も譲らずに3勝3敗で迎えたシカゴでの第7戦。

     1対0でウルブスがリードする9回表、2アウト満塁、スリーボール、ツーストライク。一打出れば逆転という、胃がちぎれそうな極限状態だった。

     マウンドでロジンバッグを揉んでいたのは、ここまで、スター軍団ストライプスを零封して来た、ウルブスの、MLB初の「三刀流」監督兼投手兼DHの鈴本誠二。
     誠二はこの痺れる場面で、突如として捕手を呼び寄せた。

     そして、
    「タイムだ。ピッチャー、俺に代わって……ケビン」
    そう審判に言い残すと、誠二は脱兎のごとくベンチの奥へと消えた。
      
     場内が「え? 交代? 誰に?、誠二に何かトラブルでも?」と騒然とする中、球場のメインモニターに衝撃の映像が映し出される。

     一塁側スタンドのベンチ上。そこに降臨したのは、眩しいほどに輝く超ミニスカ&見せパン姿の誠二だった。髪には大きなポンポン、胸にはMLBの公式球、足元はスパイクのままの力強いチアリーダー仕様である。

    「フレー! フレー! ウ・ル・ブ・ス!打てないぞー! プレッシャーで胃が痛いだろー!」
     MLB史上初、前人未到の「四刀流」目は、まさかのチアリーダーだった。
     誠二渾身の地元シカゴでの一か八かの大勝負だったのだ!

     あまりの光景に、マウンドに残されたピッチャー(急遽交代させられた控え選手)ケビンは呆然。ストライプスの主砲も、バッターボックスで目を見開いたまま固まっている。

    「な、なんだあの脚線美は……いや、ゴツすぎるだろ! 筋肉が気になってボールに集中できない!」

     打者が腹筋を崩壊させ、笑いで膝をガクガクと震わせる中、投手は半泣きでストレートを投げ込んだ。

     ど真ん中の絶好球。しかし、打者は視界の端でポンポンを激しく振る誠二の姿がツボに入りすぎてしまい、バットを振るどころか「ブフォッ!」と吹き出してその場に崩れ落ちた。

    「ストライクバッターアウト! 試合終了!」

     見事な(?)三振でウルブスはワールドチャンピオンに輝いた。

     歓喜に沸くマウンドの中心で、ナインから胴上げされたのは、超ミニスカ姿で満面の笑みを浮かべる誠二だった。

    誠二はこの時、シカゴのレジェンドになった。


    了


    ※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・史実とは関係ありません。

    甘野充さん、マガジンに収録していただきありがとうございます。😊

    ピックアップ、紹介していただきありがとうございます😊

     
     
    京都市出身、パン職人。 短編小説、エッセイなどを投稿

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