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二人の障害児の父が運営する障害者グループホーム

    今回はひさしぶりにタイトルに悩んだ回でしたねー。
    一般的な悩みポイントは、
    1,あまりにもストレート過ぎて人を傷つけそう。
    2,その人らしさを取るか記事の名称としてのわかりやすさを取るか。
    3,短期的なその人らしさを取るか、長期的なその人らしさを取るか。
    なんてところなんですが、今回は2と3の複合でしたね。子供の話がメインではないんだけれども、記事としての入り口は子供のほうが良かろう、という感じでした。
    私qbc個人の最適解は「泣いて生まれたんで笑って死にたい人」だったんですが、これだと意味レベルが抽象的すぎるので中身がわかりにくい。まあ。今回採用したタイトルも、じゃあ子供のために何をしたのよ、というところなんですが。
    まあ。それは本文をお読みくださいませね!!!!!
    無名人インタビュー本日もお楽しみくださいませ! まぁせまぁせ!
    【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

    今回ご参加いただいたのは 二人の障害児の父 すけじろう さんです!

    ナカザワ:今日のインタビューはどういうものにしたいですか。

    すけじろう:特になくて。単純に企画として面白そうだなと思って、無名人インタビュー自体が。僕結構セミナーとか行くと、逆に質問する側だったんですね、めちゃくちゃ。講師に対して、これどうなのこうなのって。元々質問って講師を試すためにするんじゃなくて、自分のレベルがばれるじゃないですか。要はそれを何百人ってやってはるわけじゃないすか、無名人インタビューって企画で。

    ナカザワ:確かに企画としてはそうですね。

    すけじろう:それがすごいなと思って。それをずっといわゆる企画としてやってはる方に、一体どんな質問をされるんだろうって知りたかったというのがあって。本当に面白い企画やなって思って。
    別に僕が何かこれ喋りたいからというよりは、この企画自体に一回参加したいなと思ったってのが正直なところですね。

    現在:ブログを書いて、子どもと遊んでゲームしてって過ごしてます。だから働いてないです。

    ナカザワ:すけじろうさんは、今は何をされてる方なんでしょうか?

    すけじろう:過去の記事で皆さんにそれを聞いてたので、これを聞かれたら僕なんて答えようか考えてたんですよね。
    何をしてるかって言われると、今一番やってるのはブログ書くことですね。日々、ブログ書いて子どもたちと遊んでます、っていうのが一番正しいかな。

    ナカザワ:何についてのブログですか?

    すけじろう:子どもに知的障害があるんですよ。元々全然違う業界にいたんですけど、子どもの知的障害がわかったときに、障害福祉の業界を知りたくなったので障害者専用のグループホームの立ち上げをしたんですね。
    その業界に入って、業界の実態というか、良いも悪いも知るじゃないですか。僕自身は自分でそこそこ納得できる良いグループホームを作ったんですけど、他のホームの中には、ぶっちゃけ子どもを行かせられへんなっていうところが多かったんですよね。
    あくまでその業界に入ったからこそ知ったことではありますけど、他の親御さんってそれを知らずにいるわけじゃないですか。でも入居をしてから絶対知ることになる。
    親として安心できるのかっていうとこから始まって、グループホーム自体を自分たちで持ったらええやん、って。

    ナカザワ:なるほど。

    すけじろう:同じように障害児育児されてる方に、障害福祉事業をやってみませんか、という案内をしていこうかなとブログを始めてみたんです。
    開業支援というか、例えばこれだけ儲けがあるから子どもにもお金残せるよとか、仕事を辞めたとしてもこれぐらいあったらそれを生業にできますよねとか、そういう情報。
    要は親として不安なんですね。健常者の子どもであったとしても不安はあるじゃないですか。その不安っていうのは、絶対に自分で動かないと消せない。
    なので、こんな情報があるんだからやってみませんかとか、自分で動いてみてその不安を除去できる方法を獲得しませんかとか、そういうのも含めて書いているって感じですかね。

    ナカザワ:今の生活の収入源としてはグループホームの運営ですか?

    すけじろう:立ち上げたグループホームは売却したんですよ。
    もう中身を知ったので、知り合いに売却して、その知り合いがずっとやってくれてるんですよね。
    それで、将来うちの子がそのグループホームに行けるっていうのがもうわかってる。今は売却したことによって生活自体はできるようになりました。今は仕事してないんですけど。その分子どもと一緒にいようかなと。

    ナカザワ:お子さんは今おいくつなんですか。

    すけじろう:小2と年長と1歳です。

    ナカザワ:まだグループホームに入る年齢ではないですね。

    すけじろう:そうですね、一番早くても10年後とか。
    僕も記事書いてて多少誤解されてる部分もあるんですけど、開業支援は僕自身が教えてるわけではなくて、教えている人の会社を紹介してるだけなんです。

    ナカザワ:グループホームの創業支援している人を紹介している、ということですか?

    すけじろう:そうですね。僕が開業するときに教えてくれはった会社を紹介して、勝手にそこの営業マンみたいに動いてるって感じです。実際、雇われている訳ではないんですけど。

    ナカザワ:グループホームの立ち上げ方を教えてる会社というのが世の中に存在してるんですね。

    すけじろう:そうです。障害福祉事業の開業支援って感じですかね。

    ナカザワ:なるほど。最初に何をやってる方ですかって聞いたときにブログを書いてるのが一番で、次は子どもと遊んでる、と。これは時間配分的な意味なんでしょうか。

    すけじろう:完全に時間配分ですね。お金をもらってないので、仕事ではないです。
    ブログ書いてることをその会社は知らないですし。何人かはブログを書いたことによって、その会社さんに案内したので、そんなんやってんの?とは言われましたけど。

    ナカザワ:今はどんな1日を過ごされてるんですか。

    すけじろう:ブログを書いて、子どもと遊んでゲームしてって過ごしてます。だから働いてないです。でもそれは今年入ってからですけどね。
    2022年までは働いていました。鍼灸師の資格も持ってるので、鍼灸師として普通に自分の店で働いてました。
    ちゃんとブログを書き始めたのは5月ぐらい。それまではただのニートでしたね。

    ナカザワ:最近ですね。今その生活を送る中で一番楽しいのはどういうときですか。

    すけじろう:ずっと楽しいですね。

    ナカザワ:一番とかはなく?

    すけじろう:はい。別に朝起きるのも自由ですし、夜寝るのも自由だし。子どもたちを学校に送って行くことはありますけど、ほんまに何も縛られてはいない。
    それはお金が尽きれば当然いずれ終わることですけど、尽きたら終わればいいだけかなと思ってて。

    ナカザワ:終わるっていうのは今の生活スタイルが、ですか?

    すけじろう:そうです。そのときには働けばいいので。
    でも、例えば8歳の長男の時期っていうのはこの1年間しかないわけじゃないですか。働かない状況が可能だったら、その分、それを味わったらいいんちゃうかなと思って。妻も専業主婦なので、うちは共働かずです。

    ナカザワ:時間配分だと家事がなかったんですけど、すけじろうさんは子どもと遊ぶ担当なんですね。

    すけじろう:そうですね。

    ナカザワ:この時代に、共働かずというライフスタイルが存在するんですね。

    すけじろう:その分、貯金はがんがん減ってますよ。別に、ずっと安定した収入があって働かなくていいんじゃなくて、働いてないを選んでるだけなんですよ。

    ナカザワ:グループホームを売却されたのとかそのあたりでライフスタイルが変わってるんですか。

    すけじろう:売却はさらに1年前なんです。元々鍼灸師として独立してずっと1人でやってたんですけど、グループホームを始める上では絶対にスタッフさんを雇用しないといけないじゃないですか。
    初めてそこで人を雇用する体験ができたんですけど、収入は良い分ものすごいしんどかったんですよね。

    ナカザワ:1人でやるよりってことですか。

    すけじろう:自分ならぱっとやることを人に1回ワンクッション伝えてやってもらう必要があるじゃないですか。自分1人だったらすぐ動けるのにな、みたいな億劫さがずっとありながらやっていました。
    人に動いてもらうスキルと自分が動くスキルって違うじゃないですか。僕は自分で動いた方が早いと思っちゃうので、人に動いてもらうスキルはちょっと乏しいなと。
    もちろんありがたい金額が入ってきますけど、それだとストレスだなって思って。実際運営してたのは4年5年ぐらいです。

    ナカザワ:なるほど。

    すけじろう:元々の目的が、業界を知りたかったっていうことと、子どもの将来の不安を除去したかったということでした。それは両方とも叶ったので、あとはそのグループホームの質を常に維持してくれるなら、それでいいかなっていう感じですね。
    元々教えてくれた開業支援コンサルは、自社でホームをいくつもやってるところだったので、二つ返事で受け入れてくれてっていう感じです。

    ナカザワ:じゃあ売却するまでのそういったときよりは、今の方が楽しいというか。

    すけじろう:そうですね。今はストレスはもうほぼゼロです。他のホームに対する不満とか、常に持ってたんですけど、業界から出てしまえば不満溜まるんじゃなくて、良いホームを増やそう、に変わりましたね。

    同じように不安を持ってる親御さんがグループホームを作ろうと思ってくれはったら良いホームにできる可能性が高いじゃないですか。あくまで確率の話ですけど、お金だけ追いかけてる人より自分の子どものためにこうしたいと思う人のほうが。
    それが北海道に1個とか、各都道府県に1個ずつできたら、いざ僕の子どもが将来大人になってグループホームに入居するタイミングで、「お父さんが作ったとこ嫌や」ってなっても、47都道府県どこでもいいぞ、って言えるじゃないですか。
    そういう形で子どもも嬉しいし、僕も嬉しいし。仕事としてやってるわけではないっていうのはそういうところですね。良いホームが増えることで自分も恩恵を受けるので。
    仕事じゃない、趣味。趣味だと変な表現ですけど。

    ナカザワ:結構ずっと出てきてるんですけど、すけじろうさんの思う良いグループホームの定義はなんですか。

    すけじろう:これは人によって違うと思うので、あくまで僕の中でなんですけど、基本的には自由なところです。管理されてないというか、そんな感じが僕の中で良いホームだと思ってます。
    ただ、グループホーム作りたいっていう方が僕と同じ理想を掲げてるかどうかはまた別なんです。しっかり管理されてて、外出を厳しく見守って交通事故とかを防ぐっていうのを良いホームと思ってる方がいるかもしれませんし。
    だから、親自身が自分が良いと思うホームを作って、まず親のストレスとか不安をなくせたら子どもに対する接し方も変わるよねっていうところから始まってるので、僕が思ってる良いホームが増えるかどうかっていうところは重要ではないんです。

    ナカザワ:なるほど。

    すけじろう:僕と同じように、気が楽になる親がまず増えたらいいよねっていう。それが増えたらそれがきっかけになって、ひょっとしたらお友達になれるかもしれないし。僕が思ってる良いホームの定義も、理解してくれはるかもしれないし、逆に僕が理解できるかもしれないじゃないですか。
    例えば、うちの子が僕の良いと思ってるホームじゃなくて、真逆のホームを良いと思ってたら、子どもの入居をとっかえっこしましょう、ということもできるわけでしょ。
    要は、そういう可能性を作りたい。僕の理想のホームを押し付ける気はないです。

    ナカザワ:なるほど。

    すけじろう:世の中、グループホームに入れてもらってるって考える親御さんの方が多いんですよ。世話をしていただいてるみたいな。
    それで、そういう方たちに囲まれて殿様商売になる、っていうのをいくつも見てきてるんです。

    基本的に数が全然足りてない。特に重度の障害を持つ方であればあるほど足りてないので。まず母数を増やすところから始めたいですね。ある程度の利益が確保できる事業なので。
    障害の区分によって報酬の上限が決まっているので、計画が立てやすい事業なんです。

    ナカザワ:それは障害児向けの事業についてですか?

    すけじろう:障害児向けもそうだし障害者のグループホームもそうなんですけど、要はお客さんをどんどん呼んで忙しくなってきたらスタッフを増やすんじゃなくて、最初から定員が決まってるので、背伸びする必要は全然ないんです。
    利用者さんによっては、こっちのレベルが足りないときはお断りして、逆に準備が整ったら、どうぞって言えるわけですから。

    ナカザワ:なるほど。

    すけじろう:そんな感じでできるのにしてないとこが多いから、殿様商売のとこが多いので、どうなのみたいなふうに思ってるって感じです。
    あと、やっぱり家族に介護福祉士がいるのであれなんですけど、介護福祉業界って基本低賃金で、忙しい業界じゃないですか。皆さんのイメージもそうだと思うし実際そうでもあると思うんですね。
    いわゆる賃金が高い業界より勤めてる人間のクオリティって下がりがちじゃないですか。
    例えば僕の妹なんかそうなんですけど、ここしか行けへんかったし、みたいなことを自分で言うぐらいなんですよね。賃金が下がれば下がるほど、仕方なく働いてる方の割合が増えると思うんです。実際そういう面もあると思うんです。

    じゃあ、収入がこれだけあるっていうのがわかって、これだけスタッフに渡せるとかっていう計算ももちろんできるってことは給料上げてあげることも可能じゃないですか。そういうホームや運営会社が増えたら、業界自体の質が上がるんじゃないかなって思うんです。僕がやってたときも、割と高めの給与設定してたので、みんな辞めませんでしたからね。

    過去:自分を押し殺して選んだ結果、自分にとって悪い結果になってしまった。じゃあ俺、素を出した方が良くなかったか、と。

    ナカザワ:すけじろうさんは子どもの頃はどんなお子さんでしたか。

    すけじろう:今僕が喋ってるのを聞いていてナカザワさんがどういうふうに思いはるかはちょっとわかんないですけど、少なくとも180度違うと思っています。今の僕の感じとは。

    基本おどおどしてるし、いかに周りに合わせようとするというか、自分なりに空気を読んで自分を押し殺していた方がうまくいくかなと考えてた子どもでしたね。

    ナカザワ:それはいくつぐらいのときのことですか?

    すけじろう:割とずっとです。中学校2年生ぐらいのときに、1回不登校になってるんですけど、自分を押し殺して、この方がいいかもと思ってやった結果が不登校だったんですね。
    僕は今でこそ不登校にマイナスイメージを持ってませんけど、まあプラスイメージを持ってる子って少ないじゃないですか。

    ナカザワ:自分が不登校になってることに対して、っていうことですね。

    すけじろう:はい。それで、自分を押し殺して選んだ結果、自分にとって悪い結果になってしまった。じゃあ俺、素を出した方が良くなかったか、と。そこから徐々に変わっていった感じです。

    ナカザワ:それは不登校になったのがきっかけですか?

    すけじろう:不登校になって変わったと言うより高校に行こうかなって思いはじめて、高校行ってから変わりました。

    ナカザワ:不登校だった時期とかお聞きしちゃっても大丈夫ですか。

    すけじろう:中学2年生から卒業までです。1年半、2年近くぐらいですかね。

    ナカザワ:なるほど、中学卒業まで不登校で、高校に行こうと思ったのはなんでだったんですか。

    すけじろう:本当に何となくとしか言いようがないんです。中3の12月ぐらいに、急に、俺このままじゃやばいかもって思って。それで、「高校行こうと思うわ」っていうのを親に喋って、「ああそうか、でも金ないから私立無理やぞ」と。

    しかも学校行ってへんかったから公立も難しいですよね、内申点がないので。ちょうど母親の知り合いのお子さんで通信科行っている人がいたんですね。それで、通信科に行くかと一旦思ったんですけど、進研ゼミもちゃんとできたことないのに通信でちゃんと勉強するかなって思って。
    よく調べたら通信科があるところは定時制もあって、夜間じゃなくて昼間の定時制があったんです。通信科のカリキュラムと合わせたら、定時制やけど3年で卒業できるみたいな公立高校があったんです。ちょうどいいやんと思って。

    中3の1月ぐらいに、中学1年生の英語から始めて、3月に中学校卒業と同時に無事に入学もできて。
    その辺から、やったらできるやんっていう自信もあるじゃないですか、多少。そっからちょっとなんか周りに合わせんと素を出そうかな、ほんでちゃんと喋れるようにしようかなって。
    高校やったら誰も知ってる人がいないので、ちょうどいいと、徐々に自分の本音を増やしていったんですね。

    ナカザワ:高校に入るための勉強とか、どういう高校があるか調べたりとか、これは自分で自発的にやったんですか。

    すけじろう:自発的ですね。それでもそれこそなんでって言われたら、いいんかなこのままで、って思ったっていうそれだけなんですけど。

    ナカザワ:いいのかなこのままでっていうのは、具体的にどういう感情ですか。

    すけじろう:将来の自分の姿が浮かばなかったんですよね。
    このまま中学校卒業しました、まだ家に不登校としていますってなったときに、高校生でもなく、かといって就職してるわけでもないから社会人でもない、この15、6歳の少年の僕は一体何になんねんやろうと思って。

    ナカザワ:高校に入ったら自分の立ち位置とかに関する思いは変わりましたか。

    すけじろう:僕は基本サラリーマンが向いてると思ってたので。組織として全体のフォローをしながらやってくのが向いてると思ってたんで、もう今完全に真逆ですよね、1人でなんでも動いていきたいみたいな。だからそのときは当時はそういうふうに思ってましたけど。

    ナカザワ:高校というか当時?

    すけじろう:高校も大学もそうです。

    ナカザワ:大学はどんなふうに選んだんですか。

    すけじろう:大学は、心理学と、理学療法士になるための医療系に憧れていたのでどっちにしようかなって悩んでて。
    ちょうど高校の成績が割と良かったので、ここやったら指定校で行けるし交通費も出るぞ、優秀枠でいけるぞみたいなこと言われて、ほんならそこ行きますって言って選んだのがたまたま心理学だったんで、心理学科に行きました。

    逆に理学療法を学んだら、心理学を勉強することってないですけど、心理学を勉強した後にもう1回専門学校行くとかはできるじゃないですか。そっちの方が、悪い言い方したら決断は先に遅らせられるかなと。

    ナカザワ:俗に言う、潰しが利く的な。

    すけじろう:はい。実際は心理学も潰しが利かないんですけどね。当時はそう思って先に心理学行ったって感じですね。

    ナカザワ:そのあと鍼灸師の資格を取られたんですね。

    すけじろう:そうです。大学卒業した後専門学校行って。ちょっとモラトリアム期間を長くして。

    ナカザワ:学校に行かなかった時期があったわりに学生だった期間としては長いんですね。

    すけじろう:そうですね、長いですね。

    ナカザワ:ずっと見ていらっしゃる親御さんだったり周りの方からは、変わったとか言われますか。

    すけじろう:両親との仲はあまり良くなくて、さっさと離れたかった気持ちもあるので、あんまり親とその話はしないかな。
    小学校中学校のときの知り合いとかもいなくて、高校以降しかいないからそんなに変わったって思われてる感じはないかもしれませんね。

    ナカザワ:じゃあ最初におっしゃってた、180度違うっていうのは、今の時点の自分から見た自分の評価って感じですか。

    すけじろう:そうですね。高校の時点でもだいぶ違うなと思いますけど。
    そんなに深いとこまで知らないじゃないですか、友達でも。実際一緒に働いたわけじゃないわけですから。
    遊んだりする上でのキャラと実際仕事するときの向き不向きってまた全然別だと思うんで、そういう意味では、僕がほんまに変わったよねっていうのを知る人間ってもう多分ほぼいないんじゃないかな。

    ナカザワ:大学を卒業して医学というか、そちらの専門学校に行って、鍼灸師の資格を取るに至るって感じですか。

    すけじろう:心理学でカウンセラー系を最初狙っていたんですけど、基本的にカウンセリングを必要とされてる方って心が病んでるだけじゃなくていろんな症状があるんですよね。頭が痛いとか、夜寝れないとか。
    そういうのって、要は自律神経症状といわれる症状なんです。当時まだそういったことが言われていない時期だったので、自分で調べて、自律神経とかそういうストレス性のもので出てることがあるんだなっていうことを思ったわけです。
    カウンセラーとして独立するイメージは全くなかったんですけど、そういう治療をしながら自分のカウンセリングスキル使えたら、両方できるやんみたいな。
    心も体も癒せる、って思って調べたら針が自律神経に向いてるっていうのがあったんで、いいやんそれっていう感じで。

    ナカザワ:なるほど。癒したかったんですか。

    すけじろう:どうなんでしょうね。当時はいろんな理由があったんですけど、モラトリアム期間を長びかせたかったってのもあるでしょうし。人に影響を与えたかったみたいなのも絶対あるし、自分きっかけで何かが変わっていくのが面白いとかね、そんなんだったんですかね。

    ナカザワ:うんうん。

    すけじろう:大学のときマッサージのバイトとかしてたんで、一対一でずっと喋りながらマッサージすることは、割とできてたので、向いてんちゃうって思いながらやってたっていう。
    それが仮に鍼灸師じゃなくて、整骨院とかの柔道整復師やったかもしれないし、高校のとき思ってた理学療法士の方やったかもしれないし。
    そのときたまたま独立開業ができてなおかつ自律神経系にも行ける鍼灸を選んだっていうところです。

    ナカザワ:サラリーマンが向いてると思ってた割には開業の方に行ったんですね。

    すけじろう:開業ができるとはそのときは思ってませんけどね。
    勉強した当時は思ってませんでしたけど、結果的にそういうふうになってたっていう感じです。結構行き当たりばったりですね。

    ナカザワ:資格を取った後はきっと独立前は鍼灸院に就職をされた?

    すけじろう:そうですね。整骨院に2年半。
    ちょうどオープニングスタッフを募集してて、1年間普通にスタッフとして働いて、1年後に院長になって1年半ぐらいでやめました。

    ナカザワ:そんな早く独立したり店長になったりするんですね。

    すけじろう:独立はやる気の問題じゃないすかね。院長なる云々はわかんないです。鍼灸師で整骨院の院長になるってなかなかないので。

    ナカザワ:資格によって違うんですか?

    すけじろう:整骨院には監督する柔道整復師が必要なんですけど、僕鍼灸師なんでその柔整師にはなれないんですね。なので基本的に柔整師がいるなら整骨院の院長を鍼灸師に任せる必要はないじゃないですか。
    ただそんなんあんまり気にされへん方やったので、やる気があるやつがやればいいやん、って管理柔整師は当時の社長のままで、僕が院長やってたんです。
    行政に出すような書類は院長は多分僕の名前ではないです。あくまで院長代理扱いになるのかな。

    ナカザワ:届け出上は別の人?

    すけじろう:そうですね。それがいいのか悪いのかわかんないのですけど、その会社もうないんでいいですけど。院長代理ですね、だから。

    ナカザワ:それで鍼灸師として働き、グループホームの運営をやったりしながら、今に至ると。

    すけじろう:うん、そうですね。

    未来:今楽しく過ごせてる延長上に死が待ってるだけかなと思います

    ナカザワ:すけじろうさんから見てですけど、ご自身の未来というか将来の自分の姿としてはどんなイメージがありますか。これからの自分どうなってるんだろうっていうところで言うと?

    すけじろう:いや、全くないです。
    それこそお金が例えば来年でつきそうですってなったら、多分尽きる前に何か仕事はするじゃないですか。でもそのときやることって多分あれですね、もっかい独立するんじゃないすか。
    開業をするか、もう一度グループホームしようと思うかぐらいじゃないですかね。
    グループホームとか福祉系の企業を起業するときって、融資受けやすいんですよ。

    ナカザワ:なるほど。

    すけじろう:昔の名前で言ったら国金とか、信用金庫さんとかにも受けがいいので。
    しかもプラン的にはこんな感じでこんだけの見込みが取れますっていう数字がすぐ言えますからね。最初にホームを開業するときも、500万借りに行ったら結局1000万借り入れしてくれましたから。そんないらんけど借りれるんやったら借りとこかみたいな。
    こっちが希望した金額より多くを向こうがいけると思って上司に相談しがてくれたぐらいなので。しかも鍼灸師としてはやってましたけど、持ち家もないし、何の担保もなかったので、だからお金を借りるのにもいい事業なんだなっていう。
    それが早まるか遅なるかの違いなだけで。それまでは別に使えるんだから貯金は使えばいいじゃないって思ってるので。

    ナカザワ:お子さん3人いて家族もいて、仕事はないけど、いざとなったら働こうかなっていう感じなのかな。

    すけじろう:そうですそうです。人が聞いたらこいつ社会なめてんのかっていうような。あんまりお金に執着がないんですよね。良い暮らしたいとか、別にないですし。

    ナカザワ:お金だったり物理的な面はそういうところなのかなって思うんですけど、もうちょっと長く考えたときに、死ぬときにはどういう感じでいたいとか、そういうのはありますか。

    すけじろう:泣いて生まれたんで笑って死にたいですかね。

    ナカザワ:どういった理由で笑ってても、大丈夫ですか?

    すけじろう:笑うというか後悔が今のところ1個もないので。
    戻れるならいつに戻りたい?とかいう話がありますけど、僕は全然戻りたい時期がなくて、やり直したいこともなくて。中学校不登校でしたけど不登校にならないようにしたかったですかって言われたら全然そんなことない。したからこそ今楽しいし、みたいな感じで。
    だから嫌なことはたくさんもちろん経験してますけど、結果今楽しいなり幸せなりなんやったら、それって必要なことだったって思います。何の後悔もなく生きてるので多分笑って死ぬだろうなって思います。
    今楽しく過ごせてる延長上に死が待ってるだけかなと思いますけど。

    ナカザワ:楽しくないときないっておっしゃってましたね。

    すけじろう:そうですね。それはたとえ別に病気であったって、一緒ですし…そう言えたらいいですけど、その病気になったことないのであれですけど。

    ナカザワ:後悔してることがないのはなぜだと思いますか?

    すけじろう:全部自分で決めたからです。要は、ちょっとだけブログにも書いたんですけどそういう話。
    例えば学校行きませんっていうのを、自分で決めたんです。
    学校に行かないって決められなくて、結果的に行っちゃってましたっていうのと、俺は学校に行くぜって言って、学校に行ってるのって別じゃないですか。

    ナカザワ:うんうん。

    すけじろう:逆に学校に行く、を決めれへんから学校に行きませんでした、ということと、学校に行かないって決めることも別じゃないですか。
    同じ行かないなんですけど、そういう意味では全部自分で決断をして、自分で決めてやってきたので、自分で決めたことって流されたわけじゃないから。決めたのは自分なんで。

    ナカザワ:あっちに決めたらよかったなとかは思わないってことですか。

    すけじろう:思わないですね。だって結果論なんで。
    そのときそう思ったんだから。それが他人によって決められたんだったら思うと思うんです。あの時こっちの方の言う事に従ったら良かったかなとか、あいつがこう言ったからこっち選んじゃったなとか。
    人の意見がどうのこうのじゃなくてとにかく自分で決めたから、その後間違った選択だと思ったら、変えようと思わないといけないと思うので。
    だから中学校不登校になりましたっていうのを、間違いにしないためには良い中学校生活を送ったぜ俺は、と行ってなくても思うようにしないといけないわけじゃないですか。

    ナカザワ:学校に行かないことを自分で決めたと思うんですけど、学校に行かないという決断をするに至ったのは、空気を読んでというか周りの人の様子を見てそうしたってことではなかったんでしょうか。

    すけじろう:行かないきっかけがそうだったっていうだけです。
    いじめられてる友人がいたんですけど、その友人と普通にお喋りをすると、ターゲットにされる。ターゲットになりたくないからその友人が避けられてたんですね。
    僕はその友人を主に考えたんで、そんなんかわいそうやなと思って、普通に喋ったりしてたらターゲットが僕に来たんですね。ちょっとずつのらりくらりかわしながらしてたけど、大喧嘩をしたんです。いい加減うっとおしくなって。
    そのとき、先生に怒られたの僕やったんですよね。喧嘩した理由を言ったら、助けるからですよ、って言われたんです。それで、この人に教わることはないなっていうので行かないことにしたんです。

    ナカザワ:なんか180度違うっておっしゃってましたけどそんなに違わないですね、今と。

    すけじろう:でもそれは僕の意見じゃなくて、その方がその子にとっていいかもって思ってやったんです。僕がいじめを許せへんくてとかじゃなくて、その子にはそうしてあげた方がいいかもって思ってやったわけです。
    結果的にはターゲットが僕に移ったらその友達にも無視されましたから。

    ナカザワ:そういう意味で、自分で決めたってことなんですね。

    すけじろう:そうですね。だから頑固さは変わってないですね。
    でも、本当に小学校低学年とか幼稚園ぐらいのときって、ずっと1人で、すごいおとなしい子だったんです。

    ナカザワ:確かにおとなしい感じはしないですね。
    お子さんが知的障害、今結構不安な方っていっぱいいらっしゃると思うんですけど、正直なかなかグループホームを作っちゃいましたっていう人には、私は会ったことがなかったです。

    すけじろう:何人かは知り合いでいるんですけど、公表してないです。隠したがるんで。

    ナカザワ:なるほど。

    すけじろう:それをきっかけに始めたっていう人はもちろん何もいるんですけど、それを公表して、みたいなのはいないですね。基本的に自分の子どもの障害って隠したがるので。
    隠そうが隠さまいが存在はするんだから、と思うんですけどね。しかも、一定確率で絶対生まれますから。身体障害であれ、知的障害であれ、発達障害であれ。

    ナカザワ:そうですね。きっと公表するのもそうですし、自分で動いて、実際に自分で作ったっていうところも全部決めて動いていく。

    すけじろう:そうですね。ホームも子どものためを思って作ってないんですよね。自分が楽だからなんですよ。自分の不安なんで、子どもは自分が先死んだらどうなんだろうとか。っていう不安を消すのって、子どもに頑張らせるんじゃなくて、自分が頑張ればいいじゃないですか。子どもは子どもの人生だし、僕は僕の人生だし。

    でも、子どもが生まれると皆さん子どもの人生を自分のものだと思ってる人が多いので、障害持って生まれたのはじぶんの責任だ、みたいな人もおられるし、一生を子どもの介護をしながら生きていくんだと考える方もいらっしゃいます。
    それが良いか悪いかとかではなくて、それが幸せならいいんですけど、つらいけど、我慢してやってはる方を多く知ってるので、もっと楽になっていい、子どもは子どもの人生でしょうって思うんです。
    例えば、知的障害があって、結婚して子どもが生まれて、っていうかたちの幸せな生活を送る人って少ないじゃないですか。でもそれ自体が幸せだと思わない人もいますよね、障害を持ってなくても。要は親がそれを幸せだと思ってるから、それをさせてあげられへんとかっていう負い目があるわけでしょ。

    ナカザワ:はい。

    なるせ:親が子どもの幸せの定義を決めるんじゃなくて、子どもは自分自身で決めたらいいだけ。当てはめるのも変じゃないですか。
    じゃあ自分の満足できるとか子どもはひょっとしたらそのホーム嫌やっていうかもしれないし、こんだけお金残されたところで使わへんっていうかもしれないし、1ヶ月で使っちゃったっていうかもしれないし。僕が死んだあともそれはもういいんですよ。僕が単純に今これってどうなんかなって思う部分を解消したくてやったからみたいな。

    ナカザワ:全部自分事で動いているんですね。

    すけじろう:そうです。完全に自分事です。だから例えば治療士としてもそうです。患者さんが喜んでくれるかどうかじゃなくて、患者さんが喜んでくれたり治ったりとかしたら僕が自分で嬉しいからやってるんです。
    だってね、あなたのためにはいいでしょうって思った行動が、そもそもその人のためにならないかもしれないじゃないですか。実際そのいじめのときも一緒ですけどね。
    だから自分の思う「良いだろう」とか「自分はこうしたい」っていうのに付き合ってくれはった人は多分同じ方向を向いてるから、ついてきはるわけじゃないですか。患者さんであれ、家族であれ。
    だから我慢して付き合う必要はないよっていう感じですね。あくまで自分のためにやってたことが結果的に子どものためになったらベストだねとか、家族のためになったらベストだねっていうだけで、家族第一とは思ったことは一度もないです。

    ナカザワ:ありがとうございます。

    あとがき

    障害は、障害者の個人にあるのではなく、障害者を受け入れられない社会システム側の障害である、という概念に触れたのは、大学生のときでした。

    障害者、健常者などという枠組みに限らず、人を切り分けている基準は曖昧で、境目に見えているものはグラデーションの一部を切り取っているだけに過ぎない。
    体感ではなく学問の一部としてそれを学んだことは、その後の人生でも影響があったんじゃないかなと思います。

    知らなければ、明日どう生きるかに困ったことがない自分がいかに恵まれているかに気づくことも難しかったかもしれません。

    この社会は、障害のある人もない人も生きづらいからこそ、どこかに境界線を設けたくなるのでしょうか。

    【インタビュー・編集・あとがき:ナカザワ】

    【文字起こし:komima】

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