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映像デザイン事務所CreDes代表、機能不全家族とヤングケアラーの経験

    昔ホームランって打ちたくありませんでしたか? 野球のホームラン。あとサッカーでゴールするとか。バスケでスリーポイントシュート入れるとか。
    どうです? やりたくありませんでした? 逆上がりさえできなかった私ですが、一度はそういうことやりたいなって思ったりしましたね。
    かっこよくヒーローになりたかったな。
    でもなれなかったな。
    ふふん。
    でも、死んだ私の父親はスポーツマンだったんですよね。父の葬式で、父の高校時代の友人の人から、聞いたんです。「栗はさ、バスケでドリブルすればゴールの下からシュートできるのに、わざわざ難しくスリーポイントを打ったりするやつだったんだよね。野球でも、外野のフライとか、わざとボールの落下地点から離れて、滑り込みでボールをとったり。パフォーマンスが好きなやつだったよ」って。
    まさか運動できない私の父がそんなスポーツマンだったなんて。
    幼稚園のころ、公園で野球を教えてもらったときに、私がぜんぜんバットでボールを打つことができなくて、できなさすぎて泣いて、めちゃくちゃ一人で怒って一人で家に帰ってきたの、まだ覚えています。
    自分の子供がこんなに運動できないなんて、父親はショックだったのかもしれないな。死んだ今は聞けないですけどね。父のことは嫌いだったけど、今でも嫌いですが、でも、時々こうやって思いだしますよ。
    今回は無名人インタビュー1年ぶり2回目、いつもの無名人形式ではなく、フリーインタビューです。
    ふふ。今日の無名人インタビューもよろしくお願いいたします!
    【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

    今回ご参加いただいたのは Komeda Aiko さんです!

    映像とデザイン制作の事務所開設5年目

    qbc:今、何をされている方でしょうか?

    Aiko:私は個人事業主で映像とデザイン制作とマーケまでワンストップでしています。CreDesという事務所を始めて、5年目になります。元々開業したのは奈良県だったんですけども、今は新潟に住んでいます。
    お仕事自体はその、オンラインでどこでもできるので、東京のお仕事を受注させていただいております。

    CreDesさんのサイトはこちら!

    qbc:最近やっているお仕事はどんな感じですか?

    Aiko:どこまでって言っていいんだろうな。今ですね、東京のお仕事だと、俳優の東ちづるさんが代表をされている一般社団法人Get in touchという団体がありまして。
    そこが、今年渋谷で「まぜこぜ一座公演月夜のからくりハウス『歌雪姫と七人のこびとーず』」という舞台がありました。その公演の編集(1時間30分くらい)をしていますね。

    あとは中小企業の顧客では、元々製造業をずっと長くしていらした会社さんだったんですが、新しく製造以外に事業展開していこうと、いわゆるDXですね、事業拡大したいってことで相談をいただきました。
    それで、ECサイトの新規開店から売上確立までトータルでさせていただいて。そこで売上を、目標金額が月700万とか、600万とかだったんですけど、半年以内に達成できるようにサポートさせていただいてて。

    qbc:すごい、700万。

    Aiko:でも私だけの力じゃないですよ。営業さんとか現場の方も力を合わせて。企業努力も非常に大きい。

    qbc:何を売っているか、聞いても大丈夫ですか?

    Aiko:いわゆる暮らしに関する商材などを取り揃えてて。

    qbc:BtoB?

    Aiko:そうですね。今まではBtoBだったんですよ。なんですけど、新しくやっていきたいってことで、今どんどんどんどんチャレンジされてて。そんな感じで。

    qbc:めちゃくちゃでかい成果じゃないですか。

    Aiko:ありがとうございます。でも私だけの力じゃないから。あんまりドヤ顔するのもなんか変なんですよね。
    業界でずっと頑張ってはった会社さんが、営業の方とかみんな力を合わせてヤッターって感じで達成できた、みたいな感じなんですよ。

    qbc:その他は?

    Aiko:あとは、今度私、北海道に仕事で行かせてもらうことになって。そこでですね、東神楽町っていう北海道の住み心地いい街でランキング2位の町で、子供が仕事体験をするイベントに携わることに。
    イベントの運営会社さんと仲良くさせてもらっていて。で、子供にどんな仕事を体験させよっかって企画会議になったとき、動画クリエイター体験とか面白そうだねってことで。
    子供のサポートとか指導、先生をさせてもらう予定です。そんな感じの仕事もやってます。

    qbc:へえ。どういう関連で仕事をもらってるんですか?

    Aiko:例えばSNSとかお客さんの知り合いの知り合いとか、口コミで広がりつつも。でもあれかな、いろんな知り合い、いろんな人に対して、私はこういうことできます、あれもできますよ、それ面白いですね、一緒にやりましょうみたいな感じで、結構グイグイ行ってるんで。そんな感じで輪が広がっていってる気がしますね。

    qbc:いわゆるデザイナーさんって、職人肌で営業が苦手そうな印象だったんですけど。

    Aiko:あーそういう方もいらっしゃいますね。
    でも自分で自分が、営業が上手だって自慢するように思ったことはあんまりないから、今、謎の気恥ずかしさをすごく感じながら喋ってます。

    qbc:えーそうなんですね。私は直接Aikoさんとお会いしてるから、なおさらしっかりしてるんだなっていう風に思ってますよ。

    Aiko:この間もそういう風に言われたことがあって。
    その方は映像作家さんで。なんでしょう、その方も無名人さんと同じような感じのことおっしゃってましたね。あんまり実感はないんですけど。

    qbc:シンプルに。お仕事をしているときの。

    気持ちのいい仕事のコミュニケーションとは?

    qbc:Aikoさんがお仕事のコミュニケーションで気をつけていることって、なんですか?

    Aiko:うーん。例えば、メールとか電話でもそうなんですけど、必要最低限のビジネスマナーとか言葉遣いは気をつけるようにしていて。
    それから、気持ちいいコミュニケーションができるようにも気をつけていますね。
    アンテナを常々はってるんですよ。例えばメールのやり取りとか電話のやり取りをしたときに、先方とのキャッチボールがすごく気持ちが良かったなって思ったら、私も先方の良いところを今後参考にして真似しようとか。
    先方の、こういう言い回しってすごい分かりやすかったな、参考にしようとか。そういったことにアンテナをはっていて。
    それが派生して、仕事を獲得するときとか、何かを提案するときには役立ってるなと感じますね。

    qbc:確かに、時々チャットする時も、企画の感想をいただいたりして、いろいろ見ていただいてるなっていうのを感じますね。

    Aiko:見てますよ、めっちゃ(笑)

    qbc:そうそうそう。そこ重要なことですよね、相手に関心を持ってるっていうのはね。

    Aiko:無名人さんもすごいですよ、ほんまに。こんなに人間に興味もって活動してる人、他に見たことないですね。

    qbc:いやーそんなそんな。ありがとうございます。
    その相手に関心を持とう、というマインドは、何かきっかけがあって身についたものなんですかね。

    Aiko:最初からできてたわけじゃなくて。自分の言動とかって、やっぱ子供の頃に注意されたりして。
    家で注意される環境だったから気をつけるっていうのかな。日々日々気をつける、常に自分を改善していこうみたいな感覚ですね。

    qbc:逆に、できてなくて失敗したことはありますか?

    Aiko:ずっとそういう自信のなさをもちろんずっと感じてますよ。そうですね、だから、あんまり自信がないんですね実は。
    できているように見えるけど、私は自分で自分ができてると思ったことってあんまりないんで。反省っていうのは、何に対しても、ちょこちょこよくよく振り返ります、常に。

    新入社員のときはやっぱり(笑)すごく失敗したし、上司にメールの書き方とか「全然駄目だよ」って、直してもらったりして。まあ、そういうことの積み重ねですかね。

    qbc:コミュニケーションで気をつけていることは、何かありますか?

    Aiko:相手にとって分かりやすいかどうか。こう言ったら伝わりやすいか。相手にとって分かりやすいって何だろうなとか。
    あとは、相手はこういう風に考えてるのかなとか、想像を巡らせたりとか。先回り、先回り。

    qbc:最近、先回りができたと実感したエピソードはあります?

    Aiko:なんでしょう。動画編集ってコミュニケーションが結構シビアで。ディレクターとかクライアントとか、何人かが一つの作品を作ろうと思うと、意思疎通が難しくなるときがあるんですよね。センスや演出って正解がないものに関して、みんながそれぞれの感覚を持ってるんで。
    そこで、自分が進行途中で「あれ?」って違和感を持った部分もあって。
    この編集って、もしかしてAの方が良いのでは、でも指示はBに近いけど。
    今、これをこのまま素直に言ったら多分進行が妨げられちゃうだろうな。優先順位を考えて、後々の良いタイミングで確認しようとかっていう風に、流れを狙って。
    ズバズバ自分の意見ばっかり言うんじゃなくて、良いタイミングを見計らって言おうかなーって。それで進行が全体的に良い感じに進んだなーっていうのはありました。

    qbc:演出面みたいなところですか?

    Aiko:演出面で工夫が必要な箇所があって。仕事は基本オンラインでコミュニケーションは実際顔を合わせてできる状況じゃなかったんで。
    経験則ですが、そもそも進行中にどっか齟齬がでて、食い違いが出てくるだろうなというのは想像の範囲内だったんで。
    この仕事はコミュニケーション難しいやろなっていう前提でいて、課題は起こりうるものやろうなって事前に予想しました。
    で、やっぱり課題が起こったら、「今のタイミングは、まだ言うべきタイミングじゃないから、のちのちの流れでコミュニケーション取ろう」みたいな計算というか、先回りというか。
    ちょっとごめんなさい、説明が。コミュニケーションって言いながら、今自分が一番説明できてなくて、めっちゃ恥ずかしいんですけど(笑)

    qbc:大丈夫です、そんなことないですよ。
    その状態って、結局、ガッとそのまま言宇都問題になってしまうってことですかね。

    Aiko:そう。例えば外食に行ったときに、店員さんに声かけたいタイミングってあるじゃないですか。もし、店員さんがバタバタっとしてる状況かもわからずに、すみませーん すみませーんって呼びまくると、ちょっとスマートじゃないというか、ね。
    店員さんがよさげやなーっていうタイミングを見計らったりして声かける。いい感じに声をかけるっていうような、そういう計算。

    qbc:編集作業は、後ろの方の工程じゃないですか。撮影と同時進行だったんですか?

    Aiko:撮影は終わってました。

    qbc:そのまま編集すると、そういう意図に沿わないんじゃないかみたいなことを指摘するとか? 

    Aiko:そうですね。それとか、メールのやりとりの時に、互いの認識がズレないように「これどういう意味ですか?」とコミュニケーションしたり。当たり前のことだけど。

    qbc:そういう細かい確認をスルーしちゃうってこともできるじゃないですか、仕事って。

    Aiko:あー。

    qbc:この人の言う通りにしようみたいな。

    Aiko:あーありますね。もちろんありますけれども。サラッとした方がお互いにとっていい時もありますしね。

    でも、信頼関係次第ですね。私は、本当に信頼関係というか。先方が私を信頼してくれてるし、私も先方を信頼してるので。なんでしょう、密なやり取りをしてもいいなーと思って。あーちょっと上から目線になっちゃった。密なやり取りをしても大丈夫やなって思って。

    qbc:なるほど。今、結構重要なお話で。
    今のがコミュニケーションできる実際だとして、このできるようになるまでの成立の話がききたいんです。どうやって習得していったのか。

    Aiko:あーなるほどー。そう言ったら、無名人さんもめっちゃ上手ですよ。コミュニケーション上手やと思います。

    qbc:ありがとうございます! まあ、私は時々相手を怒らせたりしてますけどね。

    Aiko:あっそうなんですか。
    でも私、自分自身は他の人とあんまり変わらんと思ってるんで。

    qbc:繊細に気づけるセンサーと、それからそこに対してどうアクションするかというプランが作れるかどうかなんですよね。

    Aiko:はい、はい、はい。

    qbc:あとは経験なんですけど、そういう仕事の暗黙的コミュニケーションに必要な要素を全部持ってらっしゃるなーって思って。お話をお伺いして。

    Aiko:いやーそれは恐縮です。

    気持ちの良いコミュニケーションを身につける方法

    qbc:気持ちの良いコミュニケーションって、どうやったら身につくんでしょうかね。

    Aiko:一個いいトレーニング方法がありますよ。
    自分ばっかりが報酬もらう立場を経験するんじゃなくって、自分に対してお仕事してもらう、サービスを受ける、良いサービスをどんどん受けていく経験をすること。
    あとは、誰かの仕事っぷりを目にできる機会があれば、それはチャンスですね。そこでビンビンにアンテナをはって、今のめっちゃええなー、今のすごいスマートやなー、おもしろいなーてチェックすること。私はそういう機会を、吸収するチャンスって思いながらいつも人のお仕事を見てますし。そこです、はい。

    qbc:なるほど。ちなみに、飲食店に入ったらまず何を見ます?

    Aiko:スマートで気持ちいい接客かどうかは見ますねー。

    qbc:それはどこに現れたりしますかね?

    Aiko:言葉遣いと、あと立ち振る舞いですね。あとは柔軟さっていうか、自分の頭で考えて喋ってるなって感覚、やっぱ伝わってくるんで。

    qbc:昔からそういうセンサーがあったんですかね。

    Aiko:やっぱあれかな。自分、めっちゃ家がきつかったから、それで我が身をとりあえず振り返るみたいな癖ができたのかも。そんなところかなー。

    qbc:編集さんだっていうのもありそうですね。

    Aiko:あー、ですね。あとあれかな。やっぱ憧れる上司でも先輩でもいいんですけど、この人いいなーと思ったときに、仕事の面とか生き方もそうですけど、いいなと思ったときに、自分もあー憧れるなーって思って。よし、じゃあ真似できるとこがあれば真似しようっていう感じ。そういった向上心を持とうっていう感じですね。

    すごい尊敬してる社長さんがいて。人に対するありがとうとかお礼を言うときに、お礼のバリエーションがすごい多い方なんですよ。
    いつもありがとうございますとか、誠にありがとうございますとかじゃなくて、ありとあらゆるボキャブラリーで、ありがとうをすごく言える方で。憧れかな。向上しようって気持ちになりますね。

    qbc:どんな伝え方をしてるんですか?

    Aiko:例えば具体的に、あれは無名人さんが先にしておいてくれたから、これが助かったからありがとうとか。具体的なことに対してありがとうって言ったりしますね。

    機能不全家族

    qbc:生まれ育った環境が厳しい環境だったからっていうのは、過去のインタビューでもお伺いしたのですが。あらためて、どういった家庭環境だったんでしょうか。

    Aiko:いわゆる機能不全家族だったんです。例えばヤングケアラー、対立関係、お父さんお母さんのインナーチャイルド、子供にとって劣悪な環境でした。

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    機能不全家族に関するフリー素材(制作著作 Komeda Aiko)
    なので私は家族のお世話とか、カウンセリングみたいなことを子供の頃から担ってました。それが若干、やっぱ自分の性格として形成されてるなーと感じますね。

    qbc:カウンセリングっていうのはどういう感じだったんですか?

    Aiko:3人兄弟で、姉・兄・私なんですけど。お姉ちゃんとお兄ちゃんが障害者で。兄は身体障害者で、姉は精神障害者だったんですね。
    で、お母さんがですね、非常に自分にコンプレックスを感じていて。親族からすごい言われてるんですよ「うまく子供を産めなかった」というか「うまく子供を産めなかったのはお母さんの責任」じゃないかって。

    お母さんはお母さんで、自分の遺伝子が全部悪いみたいに思っちゃってて。それをですね、私が小学5年から6年とか、お母さんの話を全部受け止めてみたいな感じで。ずっとそれが日常的だったんですけど。
    でも、カウンセリングっていう対等な関係じゃなくって、お母さんにとっての気持ちいい正解を私が言えなかったときには、すごくひどい言葉とか怒られたりとか。なんかね、正解じゃなかったときの失敗・冷たさを感じてたので。すごくメンタル擦り減らす家やった感じですね。

    qbc:今の文脈で言ってしまうと、その経験が、今は役には立ってるってことですか?

    Aiko:そうそう、そうですね。
    私は人からしっかりしてるねーとか言われるんですけど、やっぱしっかりせざるを得なかったのが、やっぱね、子供の頃からの環境で。

    qbc:難しいですね。

    Aiko:ん-。いいんだか悪いんだか。

    qbc:何とも言えないですね、人生って。

    Aiko:そうですね。なんとも。虐待を受けた子にね、その経験が役に立ったねーなんて、絶対言えないから。何とも難しいですね、人生とは。

    qbc:環境がやっぱり人を作るっていうのは、ひとつ、ざっくりまとめちゃうとそうなっちゃうんですけど。

    Aiko:それは大いにね。子供の人格を形成するのって、やっぱり環境って言いますしね。

    qbc:ご自身の中では、今の「過去を笑って話せる状態」はいつ頃作られたんでしょう?

    Aiko:笑って…あーでも、これは私、笑い癖で(笑)
    癖みたいなもんなんですよね、ニコニコニコニコするのが。
    それが、家族の関係が劣悪になったのが小学4年か5年ぐらいからで。家族の空気がすごく厳しくなったときに、やっぱ自分が明るく笑ってないと空気が悪くなるなっていう気遣いがあって。そっからですね、ずーっと。

    qbc:なるほど。自分は辛い苦しい経験をしていると思い悩んだ時期っていうのは、いつからだったんですか?

    Aiko:ずっとずっとです。

    qbc:ずっとあるんだけど、笑顔だったんですね。

    Aiko:そうそうそうそう。

    qbc:人には話せていた?

    Aiko:当時は話せてなくって、初めて喋ったのが前回のインタビューでしたね。

    qbc:あーなるほど。1年前か。

    Aiko:うん。

    qbc:じゃあ、まさにあそこが、タイミングだったんですね。

    Aiko:そうですね、ちょうど1年ぐらいですね。あっという間でしたね。

    1年前の記事はこちら

    自分に向き合ってくれる人を選ぶようにしました

    qbc:インタビューから1年経って、その前と後ではどういう風でしたか?

    Aiko:すごく初回のインタビューは緊張して、自分のことを話すっていうのが、すっきりするし緊張もするし不思議な感覚だったんですけど。今思えば、あのきっかけがあって、そこから結構、次のステップに進めたなーって感覚はあるなと。

    qbc:ビジネスがすごい進んでると思いますよ。

    Aiko:いやぁなんか、なんだろうな。もうバーッて走り出しちゃう。走り出すまでがしんどいけど、1回もうバーってやっちゃえば、あぁ意外と大丈夫やったなーっていう感じ。
    で、確か前のインタビューで、私こうやって自分のことを話すの初めてで、話すの楽しいですねみたいな感じで言ってた気がするんですけど。やっぱ自分で自分のことを話せるようになるっていうのは良いことやなって、今でも思いますね。

    qbc:自分で自分のことを話せるのは良いこと?

    Aiko:うん。

    qbc:どうしてですか?

    Aiko:自分の殻に閉じこもって、誰とも関わらない、自分の中だけで渦巻いてる状態だと、しんどい。やっぱりしんどい。人は1人じゃ生きていけない感じ。1人だと歪んでいくというか、孤独というか。
    孤独が好きな人ならそれは自由ですけど、私の場合はやっぱり誰かと話せたりとかする方が、自分にとって良かったなーって感じます。

    qbc:話せたきっかけは、機能不全家族の自助会に参加したからですか。

    Aiko:そうですね、それももちろん。でも、あんまり日頃から発言するタイプじゃなかったので、どっちかっていうと、傍観してる方が多くて。体験談を聞く側の方だったんですが、いい意味で影響は少しありますね。

    qbc:1年間走ってきて、何が一番変わりましたかね。

    Aiko:良い知り合いがたくさん増えていって。自分の人間関係が良い意味でたくさん広がった。
    良い人間関係を広げられるきっかけは、自分のことを受け止めてるというか、話せるというか、自分で自分を受け止められるようになったからかな。そんな感じで良い影響が続いてるなーって感じます。

    qbc:このビフォーアフターに必要だったものって、なんだったんでしょうか。

    Aiko:拒絶されない環境。
    拒絶されずに、話を真正面で聞いてくれるっていう環境。これは、無名人インタビューさんもそうですけど、自分のプライベートの人間関係も、そういう人を選ぶようにしています。
    今までだと、気を遣って、すごく倫理的に外れちゃってる人とか、自分のことを卑下してくる人でも、私、我慢して付きあってたんですよ。そういうのを一切やめて、本当に真正面で自分に向かってくれる人を選ぶようにしました。対等な関係性。
    あとはなんやろ。よく寝てよく食べる。大事だと思います。
    2つになっちゃったけど。

    qbc:自然にその2つに落ち着いた感じだったんですか?

    Aiko:自然というか、頑張ってきた結果かなー。ちょっとしんどかったけど、そこを頑張ったら、後々良い影響があるだろうと思って、頑張ってきましたね。

    qbc:良くなるだろうっていう見通しは誰がくれたんですか?

    Aiko:自分を大事にした方がいいよって教えてくれたのは、全員、みんな。
    例えば、自分を対等な人間として見て評価してくれている人がいたとして、私が自分のことをゴミくずみたいに扱ってたら、その人に失礼なのかもしれないって感じて。

    これは受け売りなんですけど、自分が大事にしてるものをゴミみたいに扱われたら、悲しいよっていうふうに教えてもらって。
    じゃあ私も大事なものに該当するんですかね?って聞いたら。「そうだよ」って言われたんで。じゃあ、その言葉を信じて、しばらく自分を大事にしてみます、みたいなやりとりがあって。

    qbc:なるほど。

    Aiko:あーあと、うちの事務所、顧問弁護士とも契約してて。で、弁護士の仕事って結構正当性をズバッと言うお仕事なんで、すごく面白いと感じた意見があって。
    私は相談するときに、「被害を感じるのは、自分の勘違いかも…悲劇のヒロイン気取りかも…」みたいに、被害を受けた感覚や主張すら自分のおこがましさなんじゃないかと相談したときに。
    いや、それは当然の権利ですよ、人間としてっていうのをズバーッと言いはって。
    あーすごい、当然の権利なんやって。そこまでズバッと言われると、そうかーって納得というか。当然の権利って私にもあるんかー、自覚はわかんないけどーって。
    そういう経験を、自分の学びに変えていく感じですかね。

    変わらないもの、変えていきたいこと

    qbc:1年ですごく変わられたんだなというお話をお伺いしてきたと思うんですが、今度は逆に、変わらないだろうな、変えたくない、ということを教えていただきたいです。
    未来において、これからも変わらないだろうなという部分。

    Aiko:自分を大事にしてきたりとか、自分の権利を素直に感じるのが当たり前になったとしても、全員に対して気持ちよくコミュニケーションしようとか、スムーズに仕事を進められるようにどうすれば気持ちを重ねられるかって考えたりとか、ありがとうと言うことは、そこは自分に胡坐かきたくないし、頑張るようにしたいです。そこは曲げないって決めてますね。
    相手に対してリスペクトを常に持つ。意識づけってよりも、自然に思う。多分そこはほんまに変わらんかな。

    qbc:なるほど。それじゃあ、ちなみに、まだ自分の中で変えていきたいと思っている部分は、おありなんですか。

    Aiko:そうですね。私、いろんな仕事をやってるじゃないですか。そうすると、いろんな人と関わるんですよ。商業ベースの人から、一般の人から、福祉の方から。いろんな行政の方とか、いろんな。
    で、私は100人いたら100通りの、自分のトークと、身振り手振りが変わるんです。人格いっぱいあるんかなー私…って、ちょっと不安になるぐらい、相手によってすごく変わるんです。その場に適応しようと思うのかしら。
    それがちょっとしんどいときがあるから、もうちょっとそこを、肩を力抜いていきたいなーと思ってます。

    qbc:こうすればいいだろうな、という目途は立っていますか。

    Aiko:なんだろう。今初めて人に言ったから、初めて自分でも認識してる(笑)。逆にどうしたらいいと思います? アドバイスが欲しいですね。

    qbc:まあ、悪いことではないですよね、相手に合わせてコミュニケーションの方法を変えるっていうのは。
    ちなみにそういう風に相手に接している時、自分に自信はありますか?

    Aiko:自信はないですね。

    qbc:自信がないからそうなってると思います?

    Aiko:んーそこを意識したことないですね。自信がないからなのか、うーん。

    qbc:理由として1つ可能性があるというだけですけど。
    自信があれば、このコミュニケーションの仕方で合ってるかな? って手探り状態の不安も少なくなるから、ストレスも減ります。
    あと、自信による横柄要素も出てきて、そんなにコミュニケーションをカスタマイズしなくてもいいかな、ってなるし。相手にはネガティブですけどね、理解不十分になるから。

    Aiko:うーん。

    qbc:相手に合わせるということは、相手の理解を深めたい、という気持ちがベースにあるんですよ。

    Aiko:ほうほうほう。確かに。

    qbc:だからまあ、それによって疲れるのはしょうがないんですよ。コミュニケーションは感情労働なので。疲労を感じるのは、実は不可避です。

    Aiko:あっ、そっかそっか。

    qbc:仮に、コミュニケーションを伝える人たちが、みんな主婦だけとか、行政の人だけとか、仲間のデザイナーさんだけとか、そういうまとまったジャンルのグループ相手であればまだ楽だと思うんですよ。
    でも、グループ内の人のジャンルが変わってくると、めっちゃ疲れますね。

    Aiko:そっか、感情。

    qbc:そうそう。さらに、それぞれの利益も違うんです。

    Aiko:あーそうそうそう。

    qbc:ネゴシエーションっていうか、お互いの意見を納得させる、利益を調整する仕事っていうのは、非常に難しい仕事だし、それが疲れなかったら、政治家向きですよ。

    Aiko:あっそーっか。じゃあ、みんな疲れる。まあ、度合いは置いといて、みんな疲れるものなのか。

    qbc:そうですそうです。
    他の業界の話でいったら、同時通訳の人って、仕事中にチョコをいっぱい食べるらしいんですね。めちゃくちゃ脳が疲れるらしいです。
    Aikoさんも同じです。主婦の人、お役所の人、それぞれがわかりやすい用語って違うじゃないですか。その2グループに何かを同時に説明するときに、何て言えば一番通じるだろうか、って考えないといけないですよね。

    Aiko:そうそう。わかりやすい用語。そういう疲労感。うんうん、わかります。

    qbc:そういう用語、言葉の問題もあるし。
    さらに対面だったりすると、その人その人特有の肌感だったり、無言の圧とかあったりするじゃないですか。それは慣れで緩和してくる部分ではありますが、それでもそういった環境に身をさらすのは、過酷な労働だと思うんですよね。

    Aiko:ふーんなるほど。じゃあ頑張った自分へのご褒美が必要ですね、過酷な労働なら。

    qbc:そうですそうです。
    あとまあ、教えるグループを小分けにする、とかの方法もありますよ。全員同時にやるのではなくて、3チームに分けるとか。あるいはリーダー制にして、リーダーだけ参加してもらって、あとはそれぞれのメンバーに伝えてね、とか。
    なんだっけ、多職種連携ですよね。

    Aiko:多職種協働とかもありますね。

    qbc:あ、福祉の言葉でもありますよね。

    Aiko:ありますあります。

    qbc:そういうのは疲れますよ、やっぱり。理学療法士さんのインタビューも何名かさせていただいているんですが、そういうのに従事して、疲れて、鬱で倒れたりしますねえ。

    Aiko:だから難しいのかなー、人間が手を取り合うのは。もしかすると。

    qbc:そうですね。それぞれ利益は違うんですもん、だって。特に福祉は、仕事でやってる人と人生でやってる人が関わってくるし、そうなると考え方は違いますよね。

    Aiko:ですよねー。なんか、自分ができないやつだから疲れるのかなと思ったんですよ。

    qbc:いやむしろできる人だからこそ、その領域にいると思っていただいて、大丈夫ですよ。

    Aiko:あっ、なるほど。

    qbc:自信を持っていただいて。

    Aiko:なるほど。
    実はそういった言葉も、前だと、「いやいやいや私なんかまだまだ」となっていたんですけど。そういった言葉を、そういう見方もあるんだなって1回受けとめるようにしてますね、自分のために。

    qbc:1回受け止める、どんな言葉でも重要なことですね。
    まあ全てのことを受け止めてしまうと、それはそれで疲れるから、用法容量をよく守って。
    100人とか200人とか、そういうレベル感で人と話をする経験がないと、もしかしたら人の話を受け止めて手放すって感覚は身につかないのかもしれないですけど。
    人の苦しい話を受けて、自分も苦しくなってしまったりとかね。
    でも、どうしようもないじゃんって。その人の人生はその人の人生なんだから。なのに、あまり慣れてないと、相手の感情から離れられなくなって、相手の人生を助けたり、よくしようとしたりして、無理に執着しちゃうんですよね。
    で、自分が疲れて。

    Aiko:それは、家のときの自分がそうだなぁ、通じるものがあるなと感じました。

    qbc:人は人って思えるかどうかって、実は「自分の知らない世界の存在をどこまで認められるか」って感覚なのかと思います。自分とは違うものを、どこまで許容できるかの力。

    Aiko:なるほど。こういうのに気づける・考える時間とか、学習できる機会とかもやっぱ自分にとってはいいものだなーと思いますね。うん。

    qbc:いやでも、ほんと違う人みたいでびっくりしますね。

    Aiko:えっ?

    qbc:1年前のインタビューと全然違うから。

    Aiko:そう。結構違いますね。

    qbc:変わっていない部分もありますけどね。

    Aiko:へえー。

    qbc:去年のインタビューのときに、会社の偉い人とかと話がしたくて、タバコを吸わないのに喫煙所に行ったっていう話がありましたよね。そういうところは変わってないですね。

    Aiko:どういうこと?

    qbc:何かをやりたい、そのために知識を得たいって気持ちの部分ですね。
    むしろ、向上心とか、素直に知恵を吸収したいっていう気持ちは、変わってないですね、残ってます。
    むしろそこは際立ってきたのかな。本来のご自身なのかもしれません。

    もしもの未来:「隠者」の逆位置

    qbc:もしも、自分の状況が流されてしまったり、前が見えなくなったり、目標とか自分の主義を失ったり。そういったことが仮に起きたとしたら、どうなりそうですか?

    Aiko:要は、宙ぶらりんですか? 何もかも失った状況で。

    qbc:宙ぶらりんよりも、篭っちゃう方ですね。孤独とか。
    その結果、どういったことが起きそうですか?

    Aiko:多分だけど、過去のトラウマ。トラウマである家族が、私に何としてでも干渉して、接触を試みて。お前には価値がないみたいなことを一斉に言ってきたら、多分自分の感覚が過去に戻って、閉じこもる自分が蘇っちゃう。
    もう誰にも何にも喋らんし、何も発信せえへんし、何も創らへんし、一切誰にも心を開かんくなったら、やっぱ殻に閉じこもっちゃうだろうし。

    qbc:それを脱出する方法ってありますか?

    Aiko:脱出は、もし自分がそうなっちゃった、なりそうやなーとかなったときには、これまで私の関わってくれた信頼のおける人に、今実はしんどいんですよねとか、SOSを出すこと。
    多分そんときには、無名人インタビューに申し込んで、今絶望してる私をインタビューしてくれっていう風に(笑) なんとしてでも外部と繋がる。あっでも絶望してることを喋れるのは、やっぱり信頼関係あるからですよ。

    qbc:ありがとうございます。

    Aiko:なんとしてでも外部にSOSを出す、自分なりにっていうことをやりますね。

    qbc:その逃げ出し方は、覚えたことですか?

    Aiko:そうですね。

    qbc:いつ頃覚えたんでしょう?

    Aiko:2020年からですね。

    qbc:どうやってです?

    Aiko:実家から逃げるように、サーっと逃げたんですよ。絶縁するために。パーッと飛び出して逃げて。そこで1回殻に閉じこもって。でも、私のすごく限られている友人1人と私の夫にSOSを出して。

    qbc:実家に住んでいたわけじゃないですよね?

    Aiko:そうです。

    qbc:物理的に距離を取ったってことですかね。

    Aiko:そうですね、そうです。
    SOSが出せたのは、自助会かな。自助会がみんな基本SOSを出す場なんで、心のモヤモヤとか。で、そういうのを見て、こういうSOSの出し方があるんやなーって学んで。

    qbc:ありがとうございます。最後に言い残したことはありますか?

    Aiko:無名人インタビューさんと私と、応募いただいた方で喋る企画を今、企画中なので。お話したい方、大大大募集中です!! こんなんでいいですか?

    qbc:大丈夫ですよ。ありがとうございます。

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    あとがき

    人って変わるもんなんだああと。
    無名人インタビュー、4年目になり、複数回応募の方もちらちら出始めました。
    なんちゅうかね、人って変わるし。そのきっかけに無名人インタビューはなりうるんだって。
    あー早く世の中にインタビューがもっと浸透してほしい。
    趣味がインタビューの世界に早くなってほしい。
    ひとつひとつ階段を上りながら、新しい世界を作っていきたいと思います!
    がんばれ自分!!!!!

    【インタビュー・あとがき:qbc】

    【文字起こし・編集:花梨】

    #無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #仕事 #コミュニケーション

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