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夫の飲食店をnoteで伝える、占い師の妻の日々

    「無名人インタビュー」マガジンで過去インタビューも読めますよ!

    今回ご参加いただいたのは 飲食店経営者の嫁 さんです!
    妻Twitter 代々木上原店Twitter 代々木上原店Instagram 国立店Instagram

    ▷イントロ 

    今回は、酒場回になりましたね。酒場の魅力についてつまびらかにする回。
    でも今回応募いただいた、妻さんはノンアルコールの人だったので、お酒の魔力ではなくて、酒場の持つ人の魅力にフォーカスできました。
    良き。
    コロナで打撃を受けた夫の飲食店のサポートのため、SNSで酒場の魅力を発信しようとする嫁さんのチャレンジをご覧あれ。

    1、嫁さんは占い師

    qbc:お店のことを紹介したいということでしたが、どこから始めましょうか?

    嫁:どうしようかな。
    もともと私は、夫のつながりもあって、飲食店っていう空間がすごく好きなんですけど。
    その飲食店の情報が載っているネットとか雑誌とかって、やっぱり食べ物とかお酒の紹介中心ですよね。
    「あまり人に焦点を当てたものがないな」とずーっと感じてて、元々飲食店の人を紹介する情報発信をやりたかったんですね。

    qbc:はい

    嫁:コロナのタイミングになってしまった時に、食べたくても来れないとか、発信したくてもなかなか届きにくいってなってしまった時に、
    そのお店を作った夫だったりとか、お店や空間を作ってくださるスタッフさんの魅力を伝えて、いつか会いたいなーという気持ちにつなげていきたいと思って。

    いつか会って話したいなとか、食べ物やお酒だけじゃない飲食店の魅力を紹介したいっていう思いがあったんです。

    qbc:分かりました。切り口いろいろあるかと思うんですが、まず嫁さんは占い師さんなんですよね。
    まずここから始めてみるのが面白いかなと。笑

    嫁:私、占い師っていう風に言ってるんですけれど、その中でもかなり特殊なタイプなんです。
    一般的に皆さんが考える占い師さんとはまたちょっと違う。

    後天的占い師と言いますか、会社に入って、全然最初占い師になるって思わずその会社に応募して面接をして、最後社長に「占い師になってみない?」みたいなことを言われたんです。

    qbc:あるんですね! そんなこと。

    嫁:いろんなサイトを運営している会社で、その事業のひとつに占い事業っていうものがあり、
    今からそれを大きくしていこうというタイミングだったみたいなんですよ。
    私もともと大学でチベットの勉強していた時期があって、シャーマンとかそういうのにも興味があったんですね。
    なれるもんならなってみたいな、そんな人生面白いなっていうので「なります」って言って。
    !
    qbc:受け入れちゃったんですね!

    嫁:元々占いが好きとか、そういうパワーがあったとかではないんですが、会社に入って今年で10年目です。
    基本的にはネット上でやりとりをさせて頂いています。
    主にメールです。24時間できるので。気持ちが苦しいとかちょっとモヤッとした時にメールを送ってもらってっていう感じですね。
    どっちかって言うとカウンセリングと言うか、あくまでもお客さんと私の共有を進めていくツールに占いがあるって言う感じなので。

    qbc:なるほど。

    嫁:でも最近は、エッセイと言いますか、こういう風に考えられていったらステキだよねとか、ちょっと苦しくなったらこういうこと考えてみたらっていう文章を書くことが多いです。
    もう手相を見てあなたは何歳何歳で結婚してみたいなのはもうめちゃくちゃご無沙汰ですね。

    qbc:占い師さんをやられる前は?

    嫁:八百屋さんをやっていました。道端に歩いてる人に果物を売りつけたりとか、なんか訪問販売みたいな。
    夫の飲食業界に興味を持ったきっかけとか原点が、多分八百屋さんなんだと思います。

    qbc:おお。ここから話を本格的に始めるのが良さそうですね。

    2、夫との出会いも飲食店でした

    嫁:もともと外語大を卒業して、本当はベンチャーの旅行会社に入る予定だったんです。
    けど、ぎりぎりになって内定を蹴って、その果物の訪問販売、移動式八百屋さんみたいなところに就職するんですね。
    そこが、今思えばマルチでブラックで最悪な会社だったんですけど、1日50キロぐらい走り回って、いろんな人に声かけて、ひたすら果物を売るみたいな。

    qbc:はい。見たことありますね。

    嫁:その時に、人と会って、自分が好きだ! 自分がいい! って思ったものを直接お客さんに伝えて買ってもらうというか、そういう営業がすごく楽しいなーっていうのを感じたんです。
    人との出会いとか人とのご縁の場っていうのに、すごく魅力を感じていたんですね。
    で、今の占い師の仕事はご縁があるとは言っても、基本オンラインなので直接話してというところがないんです。
    今の会社に入ってから、飲み屋さんにめちゃくちゃ行き始めたんですよ。笑
    その時に夫とも出会ったんですが。

    qbc:なるほど。笑

    嫁:とにかく人と会って話したいっていうのが強くって。
    私、一切お酒が飲めないので、ウーロン茶とかジュースを飲むんですけど、
    そこの飲み屋さんに行ったら素敵なご縁を紡ぐことができるとか、何か楽しい時間が待ってるっていうところにすごく魅力を感じていて、
    お会計する時も私の場合はどっちかって言うとその飲み物・食べ物っていうよりも、そういう時間をくれてありがとうみたいな。
    また来た時にこのお店が残ってるように、このお金をプレゼントというか、なんかお賽銭感覚だったんですよ。

    qbc:うんうん。

    嫁:また来た時残ってますようにみたいな。

    qbc:夫さんのお店自体はどこにあるお店だったんですか?

    嫁:その時は六本木のアントンビーってクラフトビール屋さんで。
    しかもその時、そのアントンに行きたかった訳ではなくて、当時会社が六本木にあったんですけど、せっかく六本木で働いてるんだから、
    ちょっと六本木の飲み屋さん行ってみたいっていうので、ふらふらふらふら歩いて、たまたま入ったお店で夫が働いていたんですね。

    qbc:なるほど。

    嫁:最初、夫の印象はもうめちゃくちゃ悪くて。
    当時私はアフロだったんですけど、行った瞬間「何こいつ?」みたいな視線をガンガンを浴びせられて、しかも頼むのジンジャーエールだし。
    異彩を放っていたんでしょうね。
    朝7時までやってるお店だったんですが、たまたまその日は早終いする日だったらしく、お店が閉まるギリギリで行っちゃったんです。
    向こうからすれば、朝方にばばばってアフロのすごいシラフのやつが来たみたいな感じだったんでしょうね。笑

    qbc:インパクトすごかったんでしょうねえ。笑

    嫁:で、チラチラ見られるんだけど全然話しかけてくれなくて。
    他の客さんとはいっぱい話すのに、私の方は気にかけつつ話してくれない。
    でも私はその八百屋さんの時に人と接するのがすごい好きっていうのがあって。
    でも占い師になって、なかなかオフラインで人と会えない。
    だから話すために来たっていうのがあるのに。
    全然話しかけてくれなくて「え? やだこの人」っていうのでもう早々に帰ったんですね。

    qbc:お客にカウントされてないみたいな。

    嫁:そうそう、本当、もう一気飲みしてお会計みたいな。

    qbc:ジンジャエールですけどね。

    嫁:ジンジャエールを一気飲みして、「すみません、お会計で」みたいな感じで。
    その時帰りに「お酒飲まないんですか?」ってみたいなことを言われてカチーンときたんです。「えぇ飲みませんけど、ごめんなさいね」みたいな感じでその時は帰ったんですよ。
    それがすごい悔しくて。
    なんか六本木に負けた気がして。
    当時、歌舞伎町で遊ぶことがすごい多かったんですよ、私。
    なので六本木は別な、ちょっと憧れ、ちょっと敷居が高いイメージがありました。

    qbc:違いますよね。

    嫁:人種が違う感覚ですね。そんな六本木に負けた気がして、悔しくて別の日違うお店に行ったんですよ。
    それが六本木のアボットチョイスっていうアイリッシュパブのお店で、そこもすごい雰囲気が良くて、私が飲食店に望むような楽しい時間を過ごせて。
    あぁステキーと思ったら、なんとアントンとアボットが同じ系列の店だったんですね。

    qbc:なるほど。

    嫁:でアボットで夫さんとまた出会い、色々話していったら「実はお会いしたことがあるんですよ」「え?」みたいな。
    「あ、あの時のいけすかない人だ」みたいな。
    っていうところから夫との付き合いが始まるんですけど。

    qbc:はい。

    嫁:夫は人との出会いをすごく大事にする人です。
    ここ最近ですかね。
    自分のお店は単なる美味しいご飯・美味しいお酒を提供する場所じゃなくて、ご縁を紡いでいく場所なんだって熱く語ってくれます。
    私も夫にインタビューとかをすることがあるんですけど、その時にお店の魅力っていうのはスタッフさんの人間力だったり、お客さんと素敵なご縁が紡げる所だったりとか。
    スタッフさんもお店の魅力は人柄だって言ってるそうです。

    飲食店に対して共感できる部分が私が感じていたものと同じっていうのがあって。
    多分そういうところを感じてずっと言葉にせずとも何となく感じていたからこそ、
    このタイミングで「人」であったりとか、
    素敵な出会いが待ってるっていうところにフォーカスをして、私もお店を発信しているのかなーと思っています。

    qbc:なるほど。その後ご結婚されて、スタートが荻窪で、オーナー店。
    その2年後に上原店を出し、国立店も出すことになると。
    荻久保と上原は自己資金での出店だったんですね。

    嫁:そうです。
    最初の荻窪店を出す時に、新宿とか六本木とかをあえて外した住宅街でやりたかったらしいんですよ。

    qbc:そうすると、会社とか出先から帰ってきた時のお店ですね。

    嫁:地域密着型というか、東京の中でもちょっとローカル色が強いというか。
    その地域の文化があるところにお店を出したいって言ってました。
    最初小田急沿線でも探していたんだけれど、もともと知ってるお店が入ってた物件が空くっていうので荻窪に出すことに決めてるんですよ。
    その2年後に上原で出すんですが、上原でも物件いくつか探してたのかな?
    その時に聞いたのが、もともと美容室だから飲食店のキッチンが入るかどうかわかんないって言ってました。
    でも結局上原で出せるようになり、その3、4年後に国立を出してるんです。

    3、夫さんの話

    嫁:国立ができたストーリーが私はすごい面白いなと思ってて。
    上原でやり始めた時にちょっとね、今までとは別のことをやりたいって言い出したんですよ。
    もともと夫はバーテンダーとして飲食業界に入り、そのアントン・アボットでビアパブだったりビアバーっていうものを知って、その流れを汲んで荻窪・上原を出したんですけど。
    もっとちょっと違ったことがしたいとずっと言ってて。
    当時は本当にもうフラフラしてました
    「毎日言うこと変わるやん!」みたいな。

    qbc:なるほど。

    嫁:「海外出店したいんだよね」とか、飲食に関わりはあるけれど、何か食べ物・飲み物を提供するとは違うことがやりたいとか。
    忍者のコンセプトバーがやりたいとか、おにぎり屋さんやりたいとか、焼き鳥屋さんやりたいとか本当にフラフラでした。
    夫の実家が神奈川なんですけど、その時に夫が知り合いの人から、ちょうど神奈川の小田原の中古車ディーラーの中にカフェをやりたいって人がいるからちょっと話をしてみないかって言われて。
    そのカフェに向けて色々やってたんですけど、結局その話が頓挫してしまって。

    qbc:はい。

    嫁:でその後すぐに、別なご縁で国立でドッグカフェをやりたいって言ってた方の息子さんと出会ったようなんです。話は、ドッグカフェをやろうとしていた物件をそのまま誰かに手渡すんではなくって、誰かと一緒に組んで飲食店というものをやってみたい、そのパートナーが欲しいということだったみたいなんですね。
    その話を受けて、夫が国立に出向き、街の雰囲気とかを見て「この街ならやるやる」って流れになったんです。
    国立っていう街でやってみたいっていうのでスタートしたみたいですね。

    なんでしょうね、私が思う夫って、何かがあると絶対助け舟というか、天からご縁の糸がスルスルスルって降りてきて、それでどんどんうまく行っちゃう。
    誰かに必ず助けてもらえると言うか、本当にそういうタイプなんです。
    国立のお話は、まさに夫を象徴するようなストーリーの出店だったんです。
    国立のお店は完全にメキシカンでやっていて、カウンターもなく、箱もすごい小さくって。
    夫にすると、もう挑戦の連続と言うか。

    qbc:はい。

    それまでずっと23区内、それこそ荻窪・上原の前は本当に都心の新宿とか六本木とか中野とか、いわゆる飲み屋さんがいっぱいあるところで営業していたんですね。
    カウンターがあって、お客さんと直接会話をして、関係を深めていくことで成り立つようなところでやっていました。
    ところが国立はそういう状態が作れないお店で、壁にぶつかりまくりでした。
    もうこれまでやってきたこととのギャップがすごかったらしくて、「なんでこうなんだろう、なんだでああなんだろう」みたいなことをうんうんうんうんずっと言ってたんですよ、家で。

    qbc:なるほど。

    嫁:荻窪店は独立したてで、夫ともう一人店長さんと二人で始めたお店なんです。
    なのでファンを掴まなきゃっていうので、夫が自ら体を張って頑張っていました。
    上原の時は私が見るにその荻窪の立ち上げの時よりも、もっと肩の力が抜けて自然体な感じでやっているんだろうなっていうのを感じました。

    夫がやりたいことに共鳴してくださるお客様がいらしてくれてるのかなっていう印象ですね。
    私が国立に行けてないので、どういうお客様が来て下さってるのか全然分からないんですけど。
    国立は国立で夫の料理に対する考え方がすごく出てると思います。
    料理に対する考え方がすごく色濃く出てるお店だなーっていう風に感じてますね。

    qbc:荻窪、上原、国立、みんな良い街ですよね。それぞれのちゃんと趣きのある土地。

    嫁:私も荻窪、上原、国立の雰囲気はすごい好きで。
    私今子供が二人いるんですけど、長男が生まれた時にまさか夫の荻窪のお店が入ってる同じビルの保育園に通ってたんですよ。
    私のお家から電車で2、30分かかるんですけど、荻窪っていう街が私もすごい好きだったので、全然苦じゃなかったし、できれば住みたいなっていうような。
    今はね子供がいるので、上原のお店もあまり行かないんですけど、行くとやっぱりあーこの空気感好きだな、行きたいなー、住みたいなーって思うし。

    4、嫁さんが「人」を好きな理由/酒場の力

    qbc:人が好きだなって思うピークってどこですか?

    嫁:会って話をするだけで、ありがとうっていっぱい言っていただけたりするところですかね。
    何ですかね、八百屋さんをやっていた時、蒲田ってお野菜がすごい安いところでやっていたんです。
    で、蒲田でこんな値段で売るなんてといっぱいお叱りを受けました。
    私が売っている果物が、国産の高級ラインと言いますか、お中元とかお歳暮とかで送るような果物を売ってて。
    マンゴーとかも一個6000円のを平気で売ってたんですね。

    qbc:高い!

    嫁:そうそう。わーって売ってる時におばちゃんとかに「もともとここは安いが野菜がすっごい安いからそんなの売らない方が良いよ、ここじゃないほうがいいよ」みたいなことを言われたりとか。
    でも皆さん買ってくれなくても、世間話が始まったり良くしてくださって。
    大体一ヶ月に1回そのエリアを回るっていう感じだったので、最初は嫌な顔してた方も、買ってくれなくても話をしてくださったりとか。
    買ってくださる方はなんか「あなたが来ると一ヶ月経った気がするわ」とか。

    qbc:なるほど。

    嫁:そういう人の温かさというか。
    買ってもらわないと仕事としては成り立たないんですけど、でもお金じゃないところで人とご縁を繋いでいけたっていうのがすごく楽しくって。
    いつだったかな? いつも果物買ってくれるおばあちゃんがいたんですよ。
    「仏さんにあげるお供えにちょうどいいわ」みたいな方がいらしたんですけど、亡くなってしまって。
    「また来たよ」と言おうとしても、全然もうインターホンとかにも出てくれないし。
    なんだろうと思ってたら近所の方が「実は..」みたいな。

    qbc:はい。

    嫁:その時にそんなこと思ってもいなかったので、その儚さと言うか、人っていつどうなるか分からないじゃないですけど。
    だからこそ今あるご縁を大切にしなきゃなぁとか、買ってくれなくっても、そういう風に立ち止まって話を聞いてくださった方は大事にしたいなっていう思いがすごく強くなっていって、というところですかね。
    もともと実は私あんまり友達がいなくて、人見知りなんですね。
    こんなにお話しさせていただいているんですけど、中々、なんでしょう?
    夫の言葉を借りると、なんか無差別テポドンみたいな性格らしくて。猪突猛進というか。
    ちょっと癖があるんですかね、私自身に。

    なのでなかなかそういう共鳴できる方が少ないというか。

    qbc:共鳴してくれる人ですか。

    嫁:そうですね。共鳴し合える人が少ない。
    なかなか進んでお友達を作りに行くタイプじゃなかったので、やっぱりそういう私と仲良くしてくれてる人はもうみんな神様みたいなところがあって…人が好きなんですかね。
    特に飲み屋さんで出会う方はこんな私でも受け入れてくれる懐が深い方がとっても多くて。
    なんだろう。
    行けば自分を受け入れてもらえるじゃないですけど、いろんな話を聞いてもらえたりとか。
    だって不思議なんですよね、会社と家の行き来だったら絶対出会わない人たちと、そこに行けば出会えるって言うのがすごく。

    qbc:酒場の力ですよね、ほんと。

    嫁:そうそうそうそうそう。大学生の時にも一人で行動することが多くて。
    全然一人焼肉、一人ラーメン、一人映画館とか全部ほぼOKなんですけど、ディズニーランド以外は。笑
    酒場に一人で行くようになった時に、そこでいろんな人と出会えたりとか、学生時代に色んな大人の人と出会うことができて、それこそ超有名企業の人事されてる方だったりとか。
    当時大学生だったので、絶対に自分のフィールド、大学とかバイトとかサークルとかじゃ出会えない人たちと出会えた。
    自分のご縁がばっと広がったのが酒場で。
    そこで出会う人たちがすごい好きだったんですかね。

    qbc:楽しいですよね。素の顔が覗けるというか。会社じゃないし、仕事じゃないし、家でもない。でもリラックスできる、楽しむ場所。

    嫁:その人が会社の上司だったら絶対見えない顔が見えたりとか。

    qbc:そうそう。しがらみの無い間柄というのは、基本的な酒場の持っている機能と言うか要件というか。そういう人が集まるサロン、そのための場所というか。

    嫁:サロンはまさにぴったりで、私が持つ夫の飲食店のイメージって、中世のサロンみたいな。

    qbc:日本語のサロンって意味ぐちゃってますけど、基本はパトロンがいて、色んなカルチャー、アートの話をするって場所じゃないですか。
    考えてることを自由に話せる場所と言うか、それを許す場。

    嫁:仕事とか関係なく、音楽だったりその時あったことを話せる場に、すごい近いのかなって思います。
    そういうところは、食べログだったりdancyuではなかなか見えてこないところで、そういう話ができたり、人の魅力があるお店の紹介、情報発信をしたいんですね。

    qbc:そうですね。

    嫁:食べ物の味って忘れちゃうし、食べに行きたいお店も忘れちゃいますけど、人の魅力って消えないというか、会いたい人ってそんなすぐ忘れちゃったりしない。
    私は会いたいなと思う人ってずーっと心に残ってるものなので。

    qbc:はい。

    嫁:人の良さで今のお客さんとも繋がっていたいし、未来のお客さんとも繋がりたいなっていう思いがあって。
    だったらもう私がやろうじゃないか、それで一人でもお客さんが来てくださるんだったら。一人でも夫のお店を心に残してくれる人がいるんだったら、情報発信をやりたいなっていうので。

    5、単刀直入に夫さんのどこが好きなんですか?

    嫁:代々木上原はもうスタッフさんに任せて、夫自身は基本国立に立つっていうスタンスを続けてた時に、いつだったかな? 去年の上原の周年で1日、2日だけ上原で働くっていう日を作ったんですよ、自分で。
    その時に、なんか古くからお付き合いしてくれる方がいっぱいいらしてくださってらしいんです。

    qbc:あぁすごいですね。

    嫁:私もちょっと顔出したんですけど、その時、お客さんが私に夫の魅力をずーっと語ってくれたんです。笑
    酔ってらしたんですけど、あいつはいい男なんだよみたいな。
    分かります、すごい分かります、いい男ですよねー。みたいな。
    それから、本当に普段なかなか来れないけど、夫が今日は出ているならって言うので来てくださった方もいまして。
    本当に愛されてるなっていう。本当に羨ましいぐらい愛されてて。

    qbc:はい。

    嫁:それもね、夫がご縁が云々っていう話もそうなんですけど。
    夫の人柄だったりとか夫の考え方に共鳴してくださる方がいっぱいいるんだろうなっていうのはありがたくもあり、羨ましくもあり。

    qbc:ちなみに、単刀直入に言って、夫さんのどこが好きなんですか?

    嫁:ずっと笑ってるんですよ、基本的に。
    家ではそんななんですけど、お店ではずーーーっとニコニコしてて。
    よく笑うし、付き合う前とか男性として好意を持つ前は、私の話にいっぱい笑ってくれる人みたいなイメージがあって。

    qbc:笑う人なんですね。

    嫁:あと本人はあんまり自覚してないんですけど、たまにすごいことを天然と言うか、たまにやらかすのがすごい好きです。
    私達の場合、どっちかっていうと私が何かをやらかすタイプなんですね。

    qbc:嫁さんは、どういうやらかしですか? 遅刻とか?

    嫁:カレーを作ってた時に、とにかく具だくさんで野菜がゴロゴロ入ってる田舎風カレーみたいのが作りたいなと思った時に、もう一口で食べようとすると顎外れるぐらいの大きさの野菜で全部作っちゃったりとか。笑

    qbc:切る回数すくなすぎでしょってね。笑

    嫁:あと、京都に旅行に行った時があって、その時にすごく高級な湯豆腐屋さんに行ったんです。
    その時にお豆腐もすごい美味しかったんですけど、しば漬けもすごい美味しくって。
    なんか一緒に食べたらどうなるんだろうっていう究極のマリアージュを楽しみたくって、私お豆腐の中にしば漬けを埋めたんですね。
    なんかこうずぶずぶずぶって。それがすごい夫には衝撃的だったらしくて。

    qbc:お店の人にはなかなか見せづらいところではありますね。笑

    嫁:でも見えなくなっちゃうんですよね。これしたいとあれしたいとなると、見えなくなっちゃって。しば漬け埋めちゃったりとか。
    あと最近は、パソコンのバックスペースキーを壊しちゃって。
    打鍵が強いんでしょうね。ばぁーってやってったらバックスペースのあのキーだけ吹っ飛んじゃったりとか。

    qbc:エンターはよく壊れますけどね。

    嫁:エンターもキートップをすっとばしたことありますね。

    qbc:夫さんの、やらかしはどんなのがあるんですか?

    嫁:夏は缶ビールをグラスに注いで飲みたいらしくて、それで自分で嬉しそうにグラスに注いだ直後に、缶ビールから飲むみたいなことをします。
    グラスに入れたことを忘れて缶で飲んじゃう。

    qbc:アイデアが達成されたから忘れちゃうパターンですかね。

    嫁:たまにやらかすんですよね。それがすごいツボで。
    あとは人として尊敬してると言うか。
    私は仕事が大好きで、もともと結婚するつもりもなくって、本当に将来独身を貫いてお金いっぱい稼いで、なんか将来はお金で若いかっこいい男の子雇って看取ってもらうっていうのが結構ガチの夢だったんですけど。
    夫は、私の仕事だったりとか、こういう人になりたいっていうのの、私の一足先を走ってる人みたいな。
    仕事の事を相談したりとか、なんでこういう風になっちゃうんだろう、私何が悪いんだろうってなった時に仕事論が交わせる仲と言うか。

    qbc:はいはい。

    嫁:まぁ社長さんなので。

    qbc:何年ぐらいですか? 法人化されてる?

    嫁:してます。経営者になって8、9年目ぐらいですね、今。

    qbc:すごい。10期目が見えてる感じ。

    嫁:社員さん、スタッフさんに対する愛情のかけ方だったりとか、会社をこういう風にしていきたいっていう考え方だったりとか、そういうところにすごく尊敬できるポイントがあります。
    あとね、一回社員のお給料上げたいって言い出したことがあって。
    なんか最近さー、うちの〇〇がなんか冗談でお客さんに「オーナーにお給料を上げてくださいって言ってくださいよ」みたいなこと言ってるんだよねーって。
    本当にお給料上げたいんだけど、お金の大切さを知ってもらいたいんだよね、みたいな。

    qbc:はい。

    嫁:例えばお給料5万上げたとこで5万を散財されるようなことは嫌なんだけど。
    でもみんなにはそのもっとお給料上げていい分の働きをしてくれてるんだよね、みたいな相談を受けて。
    結果としてその自分の社員さんのプレゼンでお給料を上げるかどうか決める制度みたいのを作ったんですよ。

    qbc:アイデアすばらしいですね。

    嫁:こういうことが勉強したいとか、こういうことを習得したいからいくらお給料上げて欲しいとか。
    自分はお店でこうこうこういう目的を持ってやってて、こういうお店にしていきたい、そのためにも〇〇が必要だからいくらいくらプラスしてくれみたいなのをプレゼンする機会を作ってて。
    実際夫はちょっと口下手と言うか、伝えなきゃいけないことを伝えるのが苦手で、その思いがどこまでスタッフさんに伝わってるかどうか分かんないんですけど。
    その話を聞いた時に、本当にただお店で働いてるって言うのではなくて、社員さんの人生を大切にしたいんだなあこの人っていう風に感じることがあって。

    qbc:はいはい。

    嫁:夫と一緒に働くのは嫌なんですけど、夫みたいな社長のもとで働きたいなって思うことがあるんですよね。

    qbc:はいはい。

    嫁:こういう人の下で働いていったら、なんかもっともっと楽しい世界が見えるんじゃないかって言う。
    単に男性としてというよりも、人として、社会人として、仕事を持つ一人の人間として尊敬できるポイントだったり、素敵だなっていう考え方をしてるからなんですかね。

    6、情報発信

    qbc:お店のスタッフさんはどんな方たちなんでしょうか?

    嫁:上原に関しては全部任せていて、去年の世界ラグビーの時、店長さんがめちゃくちゃ輝いてくれましたね。すごく評価しています。
    すごい誠実な、野球部そのまま大人になりましたみたいな店長さんで、本当に「歩く誠実」「歩くさわやか」みたいな方です。
    その方がいるからこそ、夫も国立に行ける状況が作れたのだと思います。
    で、オリンピックも盛り上げていこう! ってなった時にコロナになってしまったんですね。

    qbc:おお。

    嫁:店長さんは店長さんで、今すごい苦しい時期です。
    なかなか自分が輝けると言うか、お店を輝かせるためにはどうすればいいか、自分の役割はなんなんだろうっていうのすごく模索されてる時期だと思います。

    qbc:なるほど。

    嫁:なのでわたしのnoteで、今後はどんどんスタッフさんの魅力とか、そういうところを発信していきたいと思っています。
    今、完全に夫の情報だけの発信になっているので。

    qbc:はい。

    嫁:お店のファンを作りたいっていうのがnoteのもともとのスタートなので、そこをどんどん続けていきたいです。
    数多くの人に届けたい、色んな人に届けたい、決してそういうところではなくて、私が感じてる魅力に共感できる人といっぱい繋がっていきたいと考えています。
    食べログとかdancyuとか、ほかの色んな飲食店に関わる魅力を発信する場がある中で、私がやってる意味っていうのを強調していく。私が感じている魅力を、ありのままに届けて行きたいっていうのが一番強いです。
    なので、noteの主役は夫で、私は綴り手、黒子っていうスタンスを貫いていたんですけど、これからは私という人間が感じる魅力にフォーカスしていきたいです。
    私という人間はこういう考え方を持っているんだよとか、こういう経験してきたんだよとか。

    qbc:人の魅力に集中していくわけですね。

    嫁:そうですね。ご縁を受け止める場所。
    美味しいご飯を食べに行く場所というよりも、いろんな出会いを受け止める場所を発信していきます。

    qbc:変な話、美味しくなくても思い出に残るってこともありますからね。

    嫁:そうそう。
    究極、自分が作りたいものちょっと作らせてっていうのでも。ちょっと作るから貸してみたいなのでも。

    qbc:あぁ面白いですね。そういうのが楽しいっていう人は行ってみようって思いますよね。ちょっと寄り道したりとかしてね。

    嫁:ちょっと前にコラボメニューを出したんですよ。
    そのコラボのことを書いた私のnoteを見てお店に初めて足を運んでくださった方が何人かいらっしゃるんですね。
    すごい素敵な空気感で、スタッフさんもすごい気さくな方が多くて楽しかったです、また来ますって、そう言っていただけることが多くて。
    やっぱりお店にまで来てくれたら、そこでしっかりお店のスタッフがもてなしてくださるというか、しっかりそこで魅力をパパパパッと発信してくれてるので。

    qbc:きれいな役割分担ですよね。情報発信とお店でのおもてなし。
    情報発信役が、お酒飲めない人というのも面白い。

    嫁:お酒が飲めない人でも楽しく過ごせたり、ご飯を食べれたり。
    夫の作るご飯は最高に美味しいので、そこでも楽しんでいただけたらいいなと思います。
    このご時世なのでテイクアウトとか。お店に行けたら人と話ができてよかったーとか。
    今この時を一生懸命生き抜こうって思ってもらえたらなーっていう風に思っています。
    不思議なもので、私がどんどんお店のこと好きになっちゃってるので。

    qbc:お店の人はこの嫁さんのnoteを読んでるんですか?

    嫁:スタッフさんも読んでくださってるらしくて。夫はあんまり読まないんですよね。笑

    qbc:あーなんとなくわかりますね。うん。

    嫁:結構、夫にはチェックして欲しいとか言ったりしてるんですけどね。

    ▷アウトロ

    私には野望がある。嫁夫同時インタビュー!
    あと実は私の職場は上原なんで、行かなきゃなって思ってます。徒歩5分圏内なんじゃないか?? 近所の別の店で、出勤している時は飲んでます。テレワークだからあんま会社行ってないのよ。
    今回は酒場回でしたが、実際問題、無名人インタビューと通じるものがありまして。
    それはつまり、家庭、交友、職場のどこにもしがらみのない見知らぬ相手と対面した時に生まれる、なんとかコミュニケーションしようという力ですね。
    知らない相手に自分を知ってもらうために発動する力といいますか、あれ不思議ですね。
    生物個体は殺し合うという大前提に立つならば、それは殺し合うことを回避するために発動される、ひとまず仲良くやっていこうぜ機能なのかな、と思ったり思わなかったり。
    あいよ! 今回も遅くなってごめんねさい!
    次回もよろしくー!!!!!

    編集協力:えつこさん

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