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里親家庭で育ち、卒論では児童福祉の政策を書いた

    私は社会的養護という言葉を知らなかった。このインタビューで知った。
    そういうことなのかと思っていたら、そうしたらたまたまお知り合いの方からALLHOMEさんという会社のことをお伺いして、ああ、自分の知らないところで自分の知らないことが起きて、それに対して困っている人たちがいて、またそれを解決しようとする人たちが現れているんだなと思った。
    どうして、知らないことがあるんだろうか。
    いや問い方がおかしいのか。どうして、「知らないことがある」のを知ってしまうのか。
    知ることは懊悩の始まりじゃないのか?
    いや違うか。
    知らなくても、知らない何かがあるという不安からは逃れえまい。
    ならば知ることは続けようと思う。
    無名人インタビューが、どうかあなたの知る手立てのひとつであり続けますように。
    ALLHOMEさんの動画を見ると現状がよく分かるかも。

    (主催:qbc)

    今回ご参加いただいたのは 野崎ろく さんです!

    現在 : 多分独学っていうものに一定の価値を見いだしてるだけだと思います。

    のの:野崎さん、今何をされている方ですか?

    野崎:今はアルバイトをしてます。大学をこの春に卒業したんですけど、アルバイトで生計を立ててる、フリーターっていうんですかね、世間的には。そんな感じの人間です。

    のの:どのようなアルバイトをされてますか?

    野崎:ビジネス教育を提供する会社のITの部門にいます。
    ビジネスに関する知識を紹介する動画のサービスがあるんですけど、それに関連する部門です。メインの動画以外にも、例えば企業が社内研修をするときに使う機能とか、いろいろ作っていて。それが、お客様に向けて公開される前に、チェックする、そういう仕事をするチームにいます。

    のの:大学でもそういうITのことを学ばれてたんですか?

    野崎:いや、全く。

    のの:そうなんですね。1から始められたんですか?

    野崎:大学の授業でプログラミングを取ったことがあるんですけど。それは一般教養として取ったもので。元からガチガチの理系の専攻というわけではなく。そんな感じですね。

    のの:今そのアルバイトをどのぐらいの頻度でされてるんですか?

    野崎:頻度は週5です。月から金まで。9時半から18時です。

    のの:本当に社員の方と一緒って感じですね。働かれてみてどうですか?

    野崎:大学の頃からやっていた職場ではあるので。
    2年目なんですけど、自分の立ち位置が難しいなって思います。

    のの:どんなふうに難しいですか?

    野崎:元々新卒採用してない会社なので、近い年齢の人がほぼいないっていうこともあります。あと、やっぱり周りがもう、「できる人」しかいないので。
    その中で私が、業界未経験のところでポンと入っちゃったところとか。
    あとは1年目だったら許されたことも、2年目だと評価が変わるんじゃないかとか。そういう心配をしたり。

    のの:これからもそこの会社で働いていこうかなって感じですか?

    野崎:それもちょっと微妙になってきたので。自分ができるスキルとかを今洗い出して、ちょっと他のところを検討しているところです。

    のの:そうなんですね。何か趣味などはありますか?

    野崎:趣味は、韓国語の勉強です。

    のの:韓国語、K-POPが好きとかですか?

    野崎:K-POPは好きですが、勉強のきっかけはそこではないです。ちっちゃいときから韓国にルーツのある友達が周りにいたので、韓国語をやりたいなと思ってて。でも時間がなかったりとか、あとなんというか暗号みたいなハングルに抵抗がありすぎて、長らくやってなかったんですけど。大学の4年生の時に勉強を始めて、これもまた2年目ですね。

    のの:何か話せるようになりました?

    野崎:もう大体喋れます。

    のの:独学ですか?

    野崎:はい。喋れるようになりたいっていう一心で勉強してました。だからか聞くのが一番上手で、次に喋るのが得意ですかね。書くのも同じくらいで、音読が一番下手です。
    声に出して読むのが難しすぎて。日本語を読むみたいにうまく音に変換できない。詰まっちゃったりとか。

    のの:他の言語よりも韓国語を学びたかったって感じですか?

    野崎:英語がある程度できるようになったので、次の言語をやりたいって思ったのが大きいです。
    英語が、日本語とかけ離れすぎてて勉強がしんどくなってきたっていうか。どこまでいっても相容れないラインが見えたので、嫌になってちょっと放棄したって感じですね。

    のの:なるほど。韓国語の方が話しやすいですか?

    野崎:英語に比べたらそうですね。日本語を話すときと頭の動かし方が同じ気がします。あとネガティブなことを言うときに、日本語だとやっぱりそのイメージが頭にまずガンってくるんですけど。例えばしんどいとか、できないかもとか言ったときに、言霊があるんじゃないかと思うんですけど。韓国語だと全くそれがないので、否定的な言葉はわりとそっちで書き出したりとかはしますね。

    のの:いずれは韓国に行きたいなって思ってるんですか?

    野崎:旅行で行きたいなとかそういうレベルですけど。そこまで韓国にめちゃくちゃ思い入れがあるかっていうと、多分そんなにないんですよね。笑

    のの:他に趣味とかありますか?

    野崎:強いて言えば、ベースを弾くことですね。

    のの:それはどのぐらい前からされてるんですか?

    野崎:ベースは大学の2年生からで、今4年目ですかね。

    のの:どんな曲を弾かれるんですか?

    野崎:そうですね、マイケル・ジャクソンがちっちゃいときにいたジャクソン5っていうグループの曲が一番好きで、よく弾くのですが。
    ただその曲が難しすぎたので、初めの方はクイーンの曲を弾いてました。イギリスのロックバンドの。

    のの:難しそうなイメージあるんですけど。

    野崎:なんでしょう、ベースって音を出すことに関してはちょっと時間かかるんですけど、音を出すという段階をクリアしてしまうと、はじめるのはそんなに難しくない楽器だと思うんですよね。音の出し方、響き方、リズム感とかそういうことを突き詰め始めたらきりがないので、奥が深いし、簡単とは言えないですけど。

    のの:ベースを始めようと思ったきっかけとかあったんですか?

    野崎:なにかの曲を聴いたときに、たまたま聴いた端末が、低い音をあんまり拾ってくれないスピーカーで、ベースの存在をわからずにその曲を聴いてたんです。でも、同じ曲を、すごく低音をよく拾ってくれるスピーカーで聴いたときに、ベースがあるときとないときで、同じ音楽が全く別に聴こえて。
    ベースって、ボンボンやってるだけかと思ったら、めちゃくちゃ音の根幹を作る楽器なんだと思って。やってみたいなって思って始めました。

    のの:それも独学ですか?

    野崎:ですね。

    のの:すごい。ご自身で学んでいけるっていうところがすごい。

    野崎:多分独学っていうものに一定の価値を見いだしてるだけだと思います。

    のの:なるほど。

    野崎:自分の力でできたっていうこととか、既存のものを使わずに0から1を生み出すとか。そういうことの方が、他のことよりも価値があるって思ってるんだと思います。無意識に。

    のの:なるほど。そこに喜びを感じているっていうか。

    野崎:そうですね、やりがいとかを感じていたいです。

    のの:お仕事も同じ感じですかね?

    野崎:仕事はどうなんでしょう。それはまた別かもしれないですね。

    のの:そうなんですね。お仕事か趣味かって言ったら、どちらの方が中心ですか?

    野崎:趣味寄りですかね。極端に寄ってるわけじゃないんですけど、どちらかというと趣味に寄ってると思います。

    のの:うん。家でリラックスしてるってよりは、何か学んでることの方が楽しいですか?

    野崎:楽しいかどうかわからないんですけど、割とそうですね。リラックスがあまり得意じゃないと思います。常に何か読んだり、打ったり、動画見ながら、韓国のドラマ見ながら、わからない言葉を調べたり、そんなことをしてますね、ずっと。

    のの:読書とかも結構されるんですか?

    野崎:最近はあまりしないですが。スマホを持ってない時代が結構長かったんですけど、私は。その時はすごいしてたと思います。本の虫ってほどじゃないんですけど、割と読んでる方だった。

    のの:ちょっと話変わるんですけど、最近楽しかったことはありますか?

    野崎:楽しかったことはあったはずなんですけど、忘れてしまいました。何かあったと思うんですけど、ちょっとぱっと思い出せないです。

    過去: 頑張っていい子にならなきゃではなく、いい子でいることがデフォルトだったというか。

    のの:過去のことについて聞いていきたいんですけど、野崎さんは、子供の頃はどんなお子さんでしたか?

    野崎:どんな子供だったんでしょう? 一生懸命いい子を演じてた子供だったと思います。でも、それを演じてる自覚が全くなかったと思います。
    頑張っていい子にならなきゃではなく、いい子でいることがデフォルトだったというか。だからそこにストレスも感じなかったですね。当時。

    のの:周りからもいい子って思われてました?

    野崎:いい子とは思われてはなかったはずなんですけど。自主学習の虫だとは言われてました。本の虫ではなくて、自主学習の虫。
    でもそれはやらないとっていう強迫観念とかじゃなくて、それこそやっぱり自分から何か、新しいことを知りたいっていう知的好奇心が、半端じゃなかったんでしょうね、多分。

    のの:なるほど。

    野崎:なので、何でこうなんだろう? と思ったら調べたがりな子でした。が、理科の自由研究とかは全然できない人でした。

    のの:そうなんですね。自分が興味を持ったことだけ?

    野崎:そうですね。

    のの:それは小学生ぐらいまでですか?

    野崎:いや...割と今でもずっと続いてるところだと思います。調べるツールがアナログからデジタルになったり。作り出すものもアナログからデジタルベースになったりとか。そこはありつつも。多分ゆるがないところというか。

    のの:変わってないところですか?

    野崎:はい。

    のの:子供の頃は何をして遊んでましたか?

    野崎:子供の頃は、5歳とかの話でもいいですか?

    のの:大丈夫です。

    野崎:恐竜とか、石が大好きすぎて、それを発掘するごっこをしてました。ごっこなので、リュックにツルハシとかシャベルとか入れて、近くの公園までそれを持っていき、恐竜の化石なんてあるわけないのに、ひたすら砂場を掘る、みたいな。

    のの:それはひとりでやってたんですか?

    野崎:ひとりでやってましたね。

    のの:なんか珍しいですね。

    野崎:恐竜の図鑑読んだりとか。読むって、読めないところもあるのであれなんですけど、見たりとかしてましたね。

    のの:かわいいものとかより、恐竜が好きだったんですね。

    野崎:そうですね。かわいいもの、全く興味がなかったですね。でもシナモンロール、サンリオのは好きでした。

    のの:友達とはどんな遊びをしてました?

    野崎:友達とは、家の近くに小川みたいなのがあったので、そこでサワガニを取ってました。小学校のときとか。自然でいっぱい遊んでたっていう感じですね。

    のの:自然豊かな場所なんですか?

    野崎:そうですね、割と都市なんですけど、郊外というか。都市のなかの落ち着いたところって感じでした。

    のの:結構自然に触れ合う遊びは好きでした?

    野崎:そうですね、そうだったと思う。

    のの:何か他にも子供の頃、興味があったものとかありますか?

    野崎:正直あんまり覚えてないですね。

    のの:何か好きなものを調べてた、みたいな感じですか?

    野崎:ひたすら。いわゆるオタクですよね。そういう性質もすごく持ってた子供だったと思います。

    のの:中学生ぐらいからはどんな感じの子でしたか?

    野崎:中学生からは、性格がちょっと変わりましたね。
    小学校は割と個を尊重する教育だったんですよ。普通の公立だったんですけど。中学校からやっぱり、集団っていうものの一員っていうのを、すごく意識しないといけない環境だったので。
    普通の公立中学校で、そのなかで個性を出しちゃまずいかもと気づいてから、すっごい頑張って隠してました、自分の個性とか。主張が強いって先生に言われたのはとてもショックで。

    のの:それまでは結構主張されてたんですね?

    野崎:主張はしてたんでしょうけど、だからって気をつけようねっていうことを言われたことがなかった。
    あとはなんか、ちっちゃいときから結構、自分の持って生まれた性別に対してすごくネガティブな思いがあって。小学校までは女の子、男の子ってバシッて分けられたりとかあんまりしないと思うんですけど、中学校になるともう服からもそうだし、体育の授業とかも別々になるし、保健も別々だしで。
    女子であるって事実をすごい突きつけられすぎて、病みかけました。そんな感じで、そういうのもあってとか、あとは一番仲のいい友達が不登校になっちゃったりとかして。それでちょっと結構、正直いい思い出が多くない学校生活でしたね。

    のの:性格はどんなふうに変わりました?

    野崎:本人比で、喋らなくなった。でも気を許したらすぐ喋り出すんですけど。

    のの:人見知りとは違いますか?

    野崎:人見知りではないですね。初対面でも全然話せます。ただ、言葉を交わしてもいないのに、避けられることが多かったんですよね。そういう経験をして、他人を信じなくなっていった、といいますか。

    のの:何か部活動とかはされてましたか?

    野崎:部活はしてなかったです。

    のの:中学校は楽しい思い出もなかったって感じですかね。

    野崎:そうですね。楽しい思い出もあったんですけど、あると同時に、そのときに、例えば学校で経験してたことをひっついて思い出しちゃったりします。

    のの:高校生になられてからはどんな感じでしたか?

    野崎:高校は、伝統を重んじながらも割と自由な高校だったので。それと成績っていうか、学力のレベルが同じぐらいの人が集まってる高校だったので。
    例えば、すごく真面目に勉強してても、浮かない学校だったんですよ。だから真面目に勉強しててもいいんだとなり、独学が加速しましたね。

    のの:解放されたみたいな感じ?

    野崎:そうですね。あとは、それまで数学がめちゃくちゃ苦手だし嫌いだったのに、急に好きになって。全然勉強が苦じゃなかったですね。それが高校かな。

    のの:高校の部活動は?

    野崎:文芸部に入ってました。詩と俳句と短歌を作ってました。ひとりだけで。

    のの:ひとりですか?

    野崎:友達もいたんですけど、その子は小説担当だったんですよ。

    のの:なるほど。

    野崎:詩と短歌と、一回だけエッセイも書いたけど。なんか納得いかなくて。黒歴史になっちゃってます笑

    のの:書くのが好きで、文芸部に入られたんですか?

    野崎:俳句と短歌が元から好きだったんです。音遊びというか。韻を踏ませるであったり。特定のルールがあるじゃないですか。この音だけ、17文字だけねとか、31文字だけねっていう。その制約の中でどれだけ表現できるかっていうのを、勝手にひとりで楽しんでました。

    のの:勉強が楽しかったって感じですかね。高校生の頃。

    野崎:そうですね。あと何か恋愛の要素、小説とかドラマとかの恋愛の要素に耐性がついてきて。免疫というか。
    それまでは全然見れなかった内容とかも、全然見れるように、読めるようになったりとか。
    禁断の恋愛とか。そういうものに憧れはしないんですけど、それが理解できるようになりました。でも、自分が恋愛したりとかは全くないんですよ。読んだことをもとにいろいろ考えてましたね。なんで人は結婚するんだろうかとか、愛とは何だろうかとか。哲学みたいなことやってましたね、今振り返ると。

    のの:周りの子が恋愛してても自分は興味がないみたいな?

    野崎:そうでしたね。私が知らなかっただけかもしれないんですけど、恋愛してる子がすごく少なかったです、高校で。

    のの:高校を卒業されてからは、大学に進まれたんですか?

    野崎:はい、大学に行きました。

    のの:大学では何を学ばれてたんですか?

    野崎:政策を勉強してました。

    のの:政策。具体的には、どんな感じのことですか?

    野崎:そうですね。政策っていうとめちゃくちゃ幅が広いので。何政策、とかっていうことも言えるし。例えば政策がどういうふうに行われているかっていう面でも着目ができる。
    そういう、捉え方、焦点の当て方次第で何通りでも捉え方ができる勉強なので一言でいうのが難しいです。現場の政策とか、現場での問題解決の方法もちょっと勉強したし。あとは国レベルで政策をする上での意思決定ってどうされるんだろうみたいなことも学んだりとかしてました。児童福祉の政策について、最終的には卒論を書いてました。

    のの:元々高校生の頃からその学部に進みたかったんですか?

    野崎:福祉系に行きたかったのですが、やめとけと言われて、やめて。

    のの:そうなんですね。親からやめとけって言われた感じですか?

    野崎:いや、親じゃなくて全然別の人から。

    のの:そうなんですね。

    野崎:私、里親家庭で育ったんです。
    小学校一年生の時から、里親委託っていうんですけど、里親さんの家で生活していました。
    そういう経験をしてるから、自分の経験を生かして福祉の方で働きたいってはじめは思ったんですけど。
    でも、仕事をするなかで思わぬところでトラウマのスイッチを踏んで感情が爆発した、とかにもなりたくないし。とは思っていて。ちょっと悩んでたときに、
    福祉職で働いてる人に相談に乗ってもらって、悪いこと言わないから福祉専門でいくのはやめとけって言われて。第一目標にするのはやめました。

    のの:そうなんですね。

    野崎:まあ結局、福祉のことで卒業論文を書いたんですけどね笑。

    のの:大学に進まれてからも勉強ばっかりされてました?

    野崎:そうですね。ちょっと生活の仕方が切り替わる出来事があって、勉強するときはすごいしてたんですけど、してないときは全然してませんでした。
    1回生の秋ぐらいにいきなり朝起きれなくなったんです。ものすごい朝が怖くなるっていうことを経験してから、実は今もそうなんですけど、それになってからはやっぱり調子のいいときだけ全力で働いて、働いてというか勉強して、無理なときはとことん休む。
    というふうになりました。でも、大学に入ってから興味をもった分野を一人で結局独学で勉強したりとか、それでやったことが今の仕事に繋がったりとか。結局そうなってはいますね。

    のの:朝起きれなくても、ちゃんと単位は取れたんですか?

    野崎:それが、コロナ禍がはじまった時にちょうど3年生だったんです。2020年で3年生でした。授業が一気にオンラインに切り替わってくれたおかげで、単位が取れたと言っても過言じゃないです。
    対面だったら、相当無理して、学校に這うような気持ちで行かないといけなかったりとか。あまり学校から家が近いわけじゃないので、しんどかっただろうなって思います。

    のの:朝起きれないっていうのは、気持ち的なことでですか?

    野崎:なんかもう、上から布団に押さえつけられてるぐらい体が重いんですよね。
    気持ち面では、何も不安なこととかないはずなのに、不安感がものすごかったりとかして、起きれないけど、夕方とかになると起きれるみたいな。そんなのを繰り返しました。
    ただ、そういう中でも何とかうまいことやりくりして。単位を取ったりはしてたので。何が大変なの?っていろんな人から聞かれました。相談するたびに。でもできてるじゃんって言われて。そうなんやけど、みたいな。

    のの:自分の中ではつらいっていう気持ちがありました?

    野崎:すごいしんどいのに。気合というか、もうなんかよくわからないエネルギーでやってるのに。でも他の人からしたら、何気なく、ほぼ努力もせずに、スパンってハードルを飛び越えてるように見えるみたいで。
    それがちょっとなんか癪っていうか。そんな感じはありましたね。

    のの:大学生の頃は、部活動とかされてましたか?

    野崎:してなかったですね。あまり部活に縁のない人生ですね。

    のの:自分でやっぱ学ぼうって気持ちが?

    野崎:そうですね。仲いいメンバーだとしても、ずっと一緒にいると疲れちゃうんですよね。だから寂しがり屋なんですが、多分一人の方が向いてる。
    一人で何かしたり。ちょっとぷらっとご飯に行こうよと誘ってくれたら全然行くみたいな。そんな感じですね。

    のの:普通に遊びに行ったりとかはしてました? 大学生の頃。

    野崎:本当にしんどいときはもうそれすらできなかったですね。
    でもそういうときに限って、免許を取ったりはしてましたね。何してんのって自分でも思いますけど。

    のの:それはちゃんと取れたんですかね?

    野崎:取れました。ペーパーですけど。取ったんですよね。

    のの:それで大学を卒業されて、今の仕事をされてるって感じですか?

    野崎:そうですね。本当なら就活とかもちゃんとやりたかったんですけど。
    診断とかを全く受けてないっていうのがあって。あえて診断を出してもらってないって言った方が正しいんですけど。
    やっぱり、朝起きれないとかって言ったら、普通の会社だとやっていけないじゃないですか。
    それが怖くて、結局就活も途中でやめてしまって。やばいピンチだってなってるときに、今の会社に拾ってもらったんですけど。
    就活やらないって決めたときから、ホームページの制作とかを、大学の一般教養でプログラミングをやったことを生かして独学でやってたんです。それをみた知り合いのお兄ちゃんが、自身が働いている会社に誘ってくれたっていう感じです。

    のの:ご縁で、って感じ?

    野崎:そうですね。本当、ご縁ですね。

    のの:朝起きれないっていうのがもし治ったら、また就活をしようかなみたいな?

    野崎:そうですね。ただ、朝起きれないことに関しては、もう5年目なので。もうさすがにこのやり方に合う働き方ができるところを探した方が、賢いんじゃないかっていう考えに変わってきましたね。

    のの:ありがとうございます。里親に育ててもらったっておっしゃってたと思うんですけど、親子関係は良かったですか?

    野崎:まあ、悪くはなかったと思いますよ。そうですね、悪くはなかったですね。
    比較的良好っていう感じ。でも、なんというか、親子というよりかは育ててくれる人と、育ててもらう側みたいな感じで。親子という感じではないんですよね。
    本当の親子がどんなものかちょっとよくわからないんで何とも言えないんですけど。だからなんでしょう、大人と子ども。親子関係っていう表現が正しいのかすら、ちょっとわからないんですが。まあ悪くはなかったです。

    のの:今は一緒に暮らされてるんですか?

    野崎:いや、もう自立しました。

    のの:一人暮らしですか?

    野崎:はい。二十歳の誕生日と同時ぐらいに一人暮らしを始めたので。なので、4年目ですね、一人暮らし。

    未来 : 本来は明るいんでしょうけど、私の目から見るとずっと靄がかかってる感じですね。 

    のの:ありがとうございます。ちょっと未来の事についても聞いていきますね。野崎さん、5年後10年後、あるいは死ぬときまでを想像していただいて、何か未来についてどういったイメージをお持ちですか?

    野崎:正直、本来は明るいんでしょうけど、私の目から見るとずっと靄がかかってる感じですね。
    ただ、小学校か中学校の卒業式で、校長先生が、「君たちは1999年生まれだから、100歳まで生きたら22世紀が見れるぞと。先生は多分見れないから、先生の分までどうかその時まで長生きしてね」と言われたことを真に受けてて。
    今でも100歳まで生きたいとか思ってますね。その100歳までがあまりにもちょっと長いなっていうふうに今は感じますね。

    のの:靄がかかってるっていうのは、実際にそう見えてる?

    野崎:そうですね。就職のこともしかり。何も悪いことはないはずなのに不安がずっと抜けなかったりするので。漠然とした不安なので。
    何か根拠というか、心当たりがあれば潰せるんですけど。それがない不安の中をずーっと生きてる感じがして。ちょっとなかなか将来のこともあんまり今は考えられないかなっていう感じですね。

    のの:その不安っていうのは大人になってからですか? 子供の頃からですか?

    野崎:子供の頃は全くなくて。それこそ朝起きれなくなってからですね。
    あのときからずっと、その不安とはお友達ですね。お友達って言いたくなかったけど、今間違えて、口がすべって言っちゃった。

    のの:100歳まで生きたいけど、でも不安みたいな。

    野崎:そうですね。生きれると仮定して。こういうのはもはや気力だと思ってるんで、なるべく健康なご飯食べてとか。それはやってますけど。
    でも、将来に対して何か明るいビジョンがあるかというと正直言ってそうでもないんですよ。

    のの:何か死ぬまでにこれだけはしたいみたいなことってありますか?

    野崎:海外に行きたいですね。スペインに行きたいんです。これだけ韓国語とか英語とか言っておきながらスペインに行きたいんですよ笑

    のの:なんでスペインに行きたいんですか?

    野崎:漠然とした憧れですね。高校のときの社会の先生が、スペインはいいぞってことを熱弁する先生で。スペインの情熱的な感じにすごく惹かれるところがあって。行きたいなと思ったり。あとご飯も美味しいし、多分。
    大学も第2外国語はスペイン語だったんですよ。英語を勉強したりとかもしてたけど。

    のの:スペイン語も話せたりするんですか?

    野崎:自己紹介だけできます。外国語のなかで一番喋れるのは韓国語なんじゃないかなと思ってます。次が英語でって感じですね。ただ、いろんな言語に触れるたびに、日本がどれだけ複雑で難しいかを感じるので、日本語が母語でよかったって思います。

    のの:他にも学んでみたい言語とかあるんですか?

    野崎:今のところはないですね。強いて言うならスペイン語もちょっとできるようになりたいっていうのもあるんですけど。
    スペイン語って喋る人の性別が話す言葉に思いっきり影響を与えるので。男性形と女性形しかないんですよね。すごく話しづらいんです。
    例えば、私が日本人ですっていうだけでも、日本人っていうその言葉に、男形と女形があるので。日本人ですっていうのにももうひと苦労みたいな。まあ、日本出身ですって言ったら関係なく言えるんですけど。
    やっぱりどうしてもそういう、性別にとらわれたくないって思ったらすごい頭を使って話さないといけないので。しんどいです。
    ちょっとそれが今、やる気の出ないハードル、原因だなっていうのと。あと、スペイン語は動詞の活用形がだいぶ多いので。それを覚えたくないというのがあって笑。

    のの:あまり性別にとらわれたくないって感じですか?

    野崎:そうですね。とらわれたくないっていうか、いろいろあると思うんですよね。
    生まれた性別を受け入れてて、かつ、でも社会的には性別に縛られたくないって人もいれば、生まれた性別を受け入れられなくて、社会的にそう扱われると心と体の性別が合わないから嫌だっていう人もいるなかで。

    私は、どちらかというと後者なんですけど。話すたびに前者だと勘違いされて。それもちょっとしんどいなと思ったりとか。そんな感じです。
    就活とかするにあたっても、性別欄とかを見るだけでも、本当に勘弁してくれっていう気分になったりとか。正直そういうので就活しなかった点もあるので。
    どうやったら自分でいられるのか? この社会で。
    っていうのを考えたら就活せずに終わっちゃった感じですね。

    のの:もしも、今持ってる漠然とした不安がなくなったら、どういう人生になると思いますか?

    野崎:常にポジティブでいるような人生じゃないですか。わからないですけど。
    やりたいことを精いっぱいやって、悔いのない人生を、みたいな。
    今悔いがあるとは言わないですけど、何も思い残すことなく、いろんなことに取り組めるだろうなって思うし。目標に向かってもっと努力できるだろうなっていうのはすごい思います。

    のの:何かやりたいこととかありますか?

    野崎:そうですね。仕事に関する資格を1個取りたいですね。そのための勉強とか。
    本当は勉強が好きなのに、でもしんどいって思っちゃうことがなかなか自分でも受け入れられなかったりとかするので。やっぱりモチベが続かないんですよね、以前みたいに。
    だから、それがもしなくなったら、絶対いい人生だろうなって。今が悪いとは言わないですけど。それこそ思い描いてた人生だなって思います。

    のの:うん、ありがとうございます。話を聞いてて、興味があることをすぐ勉強する方なのかなって思ったんですけど、これからも興味を持ったら、すぐ勉強しちゃうと思いますか?

    野崎:はい。しちゃうと思います。「とりあえずやってみる」精神で。
    例えば、やるのにすごく膨大なお金がかかるとかだったら結構考えるんですけど。始めることにそこまで障壁がないんだったら、やればいいじゃんっていう考え方の人なので。自分が。だからやると思いますし、調べると思います。

    のの:性格的には本当はポジティブなんですかね?

    野崎:だと思います。

    のの:そろそろ最後の質問なんですけど。何か最後に言い残したことっていうか、これだけは言っておきたいみたいなことってありますか?

    野崎:最後に言い残したいこと。今一瞬死ぬのかなって思いましたけど。
    そうですね。
    でも、おかしなことに、最後に言い残して今から死にますってもし本当になったときに、多分出てくる言葉は面白いことに、人生に悔いはなかった、だと思うんですよね。
    やれるだけやった、みたいな。そんなことを今ふと思いました。
    でもこのインタビューを終えるにあたって言い残したことは、特にないですね。

    のの:このインタビューを読んでくださる読者の方に伝えたいことは、ありますか?

    野崎:こんな人もいるんだよっていうことですね。こんな人間もいるよって。
    なんかあまりいないパターンな気がしていて。いろんな意味で。そうですね、だから、ちょっとレアかなと思って。レアキャラだといろんな人に言われることがあるので。
    こんな人もいるんだよって。

    のの:ありがとうございます。

    あとがき

    今回の野崎さんは、私とあまり年が変わらないのに、知的で発せられる言葉の一つひとつに驚かされるばかりでした。あと、何より独学で学ぼうと思える姿勢が凄いなぁと感じました。こういうのって本当に才能だなぁと思うばかりです。とにかく野崎さんの考え方にすごく感銘を受けました。今もこれからも、私が野崎さんの不安を理解することは絶対に出来ないし、理解されたくもないとは思いますが、知ることと応援することぐらいは出来るので、これからも陰ながら応援しています。最後気持ち悪い人みたいになってすみません。

    インタビュー担当:のの

    編集協力:あおい

    #無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #社会的養護 #ジェンダー

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