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『信じていた嘘』タケシとミドリ

    最近のこの時代、タケシとミドリは、どちらもよくAIに相談する。
    だって、そういう時代からだ。

    そして、夫婦だから、もちろん揉める。
    、、、というより、最近はちょっとしたことで揉める。

    そう、お互い50前後の年代、、、更年期。


    あるときのことだった。

    タケシが、必要最低限のことしか話さなくなった。

    「ご飯どうする?」

    「なんでもいい」

    「明日どうする?」

    「別に」

    「、、、。」
    ミドリからすれば、タケシの口数の少なさが当然気になる。

    「なんで最近、口数少ないの?」
    でも、タケシには、特にミドリに対して怒っている理由があったわけではない。

    大きな台風が来たり。

    仕事でいろいろあったり。

    車が故障したり。

    細かいストレスが、ちょこちょこ積み重なっていただけだった。

    ただ、それをミドリには言っていなかった。


    そして、ミドリは子どもとの会話の中で、
    「パパ、最近、休んでもストレスがあるって言ってたよ」という話を聞いていた。

    だからミドリは考えてしまう。
    「それって、、、私のせい?」

    タケシは何も言わない。
    とどのつまり、ミドリはどんどん考える。
    そして、こういうとき、やっぱり人間って、余計なことまで考える。

    そこで悩みを解決するために登場するのがこの時代だから、やはりAI。

    いつものようにミドリがAIに相談している。
    「夫のタケシが最近、必要最低限しか話してくれません」
    「子どもにはストレスがあると言っているみたいです」
    「なんででしょう?」

    すると流石はAIは、状況を整理しながら答えてくれた。

    そして出てきたのが、
    「タケシさんに、一日ひとりで自由に過ごす時間を作ってみては?」
    という提案だった。

    なるほどとミドリは思った。

    夫婦で解決しようとするんじゃなくて、一度、ひとりにしてみる。

    でも、ここには、大きな勘違いがあった。

    タケシ本人は、休みの日はミドリと一緒に過ごしたい。
    別に、ひとりになりたいわけじゃない。
    ストレスの原因は、台風だったり、仕事だったり、車の故障だったり。
    そこをタケシ自身が、ちゃんとミドリに伝えていなかった。

    でも、伝えてもらってないから、だからAIにも、そのことは分からない。

    AIが悪いわけじゃない。

    与えられた情報から、もっともらしい答えを出しただけだ。

    問題は、その答えを見た人間が、
    「AIが言っているんだから、きっと正しい」
    と思ってしまうこと、ここなんだと思う。

    AIは相談相手にはなれる。
    でも、最後に判断するのは人間だから、そこを忘れてはいけない。

    もし、
    「AIがそう言ったから」
    だけで夫婦の大事なことまで決めるようになったら、それはもう、自分たちで生き方の人生を決めているとは言えない。

    こんな時代だから、最近、タケシとミドリは、いろんなことをAIに相談している。
    夫婦喧嘩。
    家族のこと。
    子供の将来。
    これからどうするか。

    安定的にAIはいつも、もっともらしい答えをくれる。

    だからこそ、怖い。

    AIが間違えることより、人間が考えることをやめることのほうが怖い。

    「AIがそう言ってるから」
    ではなくて、
    「AIはそう言ってるけど、俺たちはどうしたい?」
    そこを考えないといけない。

    今回のタケシなら、
    「俺、休みの日はミドリと一緒にいたいんだけど」たぶん、これが答えだった。

    これは、AIには分からない。

    夫婦にしか分からないことが絶対ある。
    そして、ここでタイトルの意味が出てくる。

    『信じていた嘘』というタイトル。

    AIが嘘をついたわけじゃない。
    ミドリも嘘をついていない。
    タケシも嘘をついていない。

    ただ、「AIの答え=自分たちの答え」だと、いつの間にか信じてしまっていた。

    それは、タケシとミドリが信じていた嘘だった。

    AIに相談することは、悪くない。

    むしろ、便利だし、助かることもたくさんある。

    でも、最後に決めることまでAIに任せてはいけない。

    夫婦のことなら、夫婦で決める。
    間違ってもいい。
    勘違いしてもいい。
    ときにはケンカしてもいい。
    その面倒くささまで含めて、人間なんだと思う。

    だからこれからも、
    「これ、AIに聞いてみる?」
    と言いながら、最後はちゃんと二人で決めようと思う。

    、、、たぶん、そう言いつつ既にAIに聞いているタケシだった。



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    なかよくね


    おしまい。

    このテーマに勝手ながら参加をさせていただきました。
    ありがとうございます。

    #拝啓文芸部


     
     
    こんにちは!ぱぽこめです。タケシ(パパ)ミドリ(ママ)コズエ(JK)ワカバ(JC)カメの何気ない家族物語を書いています。それ以外に『カフェBranch tip(イコライズ編)』『ウォーキングびより』『競馬ライフ』『株主優待ライフ』なども書いています。物書きになりたいです(笑)

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