メインコンテンツへスキップ
見出し画像

#022 抗がん剤治療がはじまる

    いよいよ抗がん剤治療が始まった2日間の記録です。

    副作用がまだ出ていないうちにと、妻の好きなものを食べさせてあげる一方、息子は朝から預かり保育で大泣き。看護師さんからは「今のうちにしておきたいことはないか」と聞かれました。

    3月15日(月)

    今日は、抗がん剤治療が始まる日。

    朝、妻に確認すると、痛みは安定していて「グラタンを食べたい気分になっている」とのことだった。

    昨日とは一転して、調子が良くなったみたいだ。

    昨日の祈祷が効いてくれたのかな?

    それなら良いんだけど。


    抗がん剤は午後から点滴し始めたが、特に問題なく終わったようだ。

    夕方に息子を幼稚園に迎えにいって

    妻のリクエストであるグラタンと、自分たちの夕飯を買って病院へ。

    妻はグラタンを完食して、病院で出された夕食のうどんも何口か食べられた。

    抗がん剤の副作用はまだ出ないみたいだし、食欲のあるうちに食べたいものを食べておいてもらいたい。

    先生によれば食事制限はないらしいので、毎日食べたいものを持って行ってあげようと思う。


    3人で食事をした後は、息子をベッドに乗せて、三人で並んでYoutubeを観た。

    いつも面会時は、食後にテーブルを片付けたり、歯みがきの準備、妻の髪をとかしたり、足をマッサージしたり、冷蔵庫・洗濯物の整理など、やることが多くて息子にはスマホを預けて放っておいていた。

    だけど、今日は息子が「どうしても一緒に」とせがむので仕方なく・・・

    息子はずっとママの手を握りしめていて、初めて見るくらいニコニコしながらYoutubeを観ていた。

    今日は、満足感があったのか、息子が帰るときにゴネることはなかった。


    家に帰ってからは、祈祷でもらった御札にお酒をお供えして、病状を報告。

    また、帰ってからは妻とビデオ通話をつないだ。

    自宅で食後のデザートを食べるところ、

    息子の爪切りや耳かきをするところ、

    歯みがきするところ、

    息子がソファーで眠るところまで中継してあげた。

    妻は少しでも自宅気分を満喫できたかな。


    今日は、妻の体調がここ何日かで一番良かった。

    妻の体調がいいと、こちらの気分も上がるし、明日も頑張ろうという気持ちになれるな。

    今日は良い一日だった。


    3月16日(火)

    今日から幼稚園は春休み。

    いつもは幼稚園に行って、14時から預かり保育に行くのだが、今日からは朝から預かり保育になる。

    とにかく息子は預かり保育に行きたくない人。

    だから朝から預かり保育に行くことは内緒にしていた。

    不意打ちで預かり保育に着くと、息子はドアを開けた瞬間に状況を理解したみたい。

    突然、大声で泣き出した。

    私に抱きついて離れなかったが、先生が引きはがしてくれて、奥の部屋に連れて行ってくれた。

    大丈夫かな・・・

    あとで幼稚園の先生に聞いた話では「お昼もおやつも食べたし、お昼寝もできた」らしい。

    「いつも来る瞬間だけ泣いていて、遊び始めちゃえば元気になるので大丈夫ですよ」とのことだった。


    妻の方は、今日も安定しているみたいだ。

    抗がん剤による吐き気もでないため、先生から「吐き気の副作用は出ないかも」と言われたんだとか。

    食べたいものも沢山あるようなので、できる限り買って持っていこうと思う。

    さらに、今日はリクライニングできる車椅子で病棟内を周回したらしい。

    痛みもあるし、疲れてしまうので長時間は無理だが、25分間ほど車椅子に乗れたとのこと。

    ちなみに車椅子に乗る際は、ベッドからの移乗を4人でやるため、とても大変らしい。

    だから、私も手伝えるように練習したり、教えてもらおうと思う。

    夕方に息子を迎えに行った後は、病院へ行き、いつものように三人でご飯を食べた。


    少し話がしたい

    食事が終わると、看護師さんから「少し話がしたい」と呼び出される。

    看護師さんが言うには、妻はこの病棟に移ってから「痛みの調整がうまくいっているようで、だんだん調子が良くなってきている」とのこと。

    「ただし、3週間後には、抗がん剤治療の効果を測定し、次の判断をしなければいけない。」

    また、体調については「今がピークで、これから体調が悪くなる可能性も考えられる」そうだ。

    なので、「何か今のうちにしておいてあげたいこと」や、

    「記録に残していきたいことなど」はないか、

    あれば「病棟の方で全面的にサポートするので何でも言って欲しい」という話だった。

    ありがたい申し出だけど、本人に全部話していない状況では・・・難しそうだな。

    とりあえず、私の方からは「今は治療に専念してほしい」こと、

    「平日は毎日三人で夕飯を一緒に食べたい」

    「休日は明るいうちから三人で一緒にいる時間を作ってあげたい」とだけ伝えた。

    看護師さんは「リクライニングの車椅子に乗れたので病院内のラウンジなどで一緒にご飯を食べたりすることもできる。」

    だから「言ってくれればいつでも車椅子の移乗を手伝いますよ」と言ってくれた。

    「何かあれば、できることは最大限手伝います」と。


    この病棟に移ってから思ったが、

    ここの看護師さんやスタッフさんは、とても親身になって話を聞いてくれたり、

    言わなくてもこちらのことを気遣ってくれる人が多い。

    良い病棟に移れてよかったな。

    今日も、ベッドに3人で並んでゆっくりYoutubeを見る時間をつくってあげた。

    息子は満足したようで、今日もゴネることなく帰ることができた。

    帰宅後は、今日もビデオ通話しながら、お風呂のドアを開けたままお風呂に入って、寝室まで行って、枕元にスマホスタンドを置いて、三人で一緒に寝た。

    息子は「一緒に寝てるみたいじゃんっ!」と喜んでいた。

    毎日、いつ息子がゴネ始めるか、ビクビクしながら色々な事を試している。

    とりあえず少しずつ面会や自宅での生活のリズムがつかめてきたのかなといった感じ。


    前の記事:#021 抗がん剤治療前に祈祷に行く

    次の記事:#023 抗がん剤治療の経過報告をうける

     
     
    37歳でがんと診断された妻を、43歳の私が息子と看取るまでの約1年半の記録です。いま、がんの配偶者を看ている方に向けて、診断・入院から在宅介護・看取りまでに実際にやったこと、調べたことを残しています。整理しきれていない感情も、削らずに置いています。

    あなたへのおすすめ