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#018 体調は少しずつ悪くなりはじめる

    病院に行くのを嫌がるようになった息子と、輸血が必要なほど体調が悪化していく妻の記録です。

    義両親への状況共有がうまく伝わらない戸惑いも書いています。


    3月10日(水)

    今日は妻にLINEしているが、全然返信がない。

    昨日あたりから返信が遅い気がする。

    何か感じているのか・・・

    それとも先生から何か聞いたのか・・・

    精神的なダメージをうけているのか・・・

    調子が悪いのか・・・

    どうしたんだろうか。


    午後、一人で面会に行って少し励ませればいいな・・・と思っていたところに返信。

    「薬で頭がぼんやりしている」とのことだった。

    とりあえず一安心。

    だけど、最近のLINEのやり取りを思い返したり、面会した感じだと、少しずつ調子は悪くなっている気がする。


    また、今週の金曜日に妻のご両親を交えて先生から病状について説明していただくことが正式に決まった。

    妻のご両親とは、このままこの病院で治療を続けるのか、妻の実家付近の病院で治療を行うのかも検討できればと思っている。


    今日も息子を幼稚園に迎えに行ってから病院に行った。

    だけど息子が病院に行くのを嫌がっている・・・

    病院というよりも、妻の部屋に行くのを嫌がっている感じだ。

    最近はビデオ通話していても、息子は妻と会話しなかったりするし、少し気になってはいた。

    息子に話を聞いてみるが、うまく言葉にして話すことはできない。

    だけど「弱っているママを見るのが嫌」ということは伝わってきた。


    妻がいない家では

    「ママはそろそろうんち出たかな?」とか、

    「ママいつ退院するんだよっ!」とか、

    「ママが元気になったら、あそこ連れて行ってあげたいんだけど」とか・・・

    息子はママの話ばかりしている。

    だからママのことが嫌いなワケがない。

    弱っているママを見たくないから、嫌がってしまうみたいです。

    んー、複雑だな。

    どうしたら良いものか・・・


    今日は息子に病院に慣れてもらうため、スマホを持ち込んで、病室でYoutubeを見せることにした。

    この作戦がうまくいき、かなり集中してYoutubeを楽しんでいたので、「もう飽きた」とか、「帰りたい」とか言うことはなかった。

    夜ご飯の時間だから「帰ろう」と息子に言うと、逆に「まだ帰らないっ!」と言って、病院に居続けようとした。

    スマホ様様だな笑

    とりあえず妻と同じ空間に居させてあげられてよかった。


    夜、息子が眠った後は、妻の父に電話をした。

    先生から現段階で言われていること

    「金曜日に先生の口から正確な病状について話をしてもらえる」こと

    「妻には余命のことは伝えていないが、自宅と実家、どちらで看取ってあげるのか検討したい」こと

    などを伝えた。


    3月11日(木)

    今日は日中、妻の母から電話があった。

    お義父さんから「話を聞いた」とのことだ。

    お義母さんは、自分が仕事を辞めるから実家に連れていき治療に専念して、「頑張ってがんを治そう!」みたいなテンションだった。

    お義父さんに伝えたことが、全然伝わっていない感じだ・・・

    もしかしたらお義父さんにも伝わってないのかな?

    お義母さんは、かなり楽観的だし、介護なども必要なのだが、そういうこともあまり気にしていないようだ。

    これまでの状況、先生からの話などを総合すると、もう終末期であり余命をどのように過ごすかという状況に来ているんだよね。

    だから明日ご両親が来たときには・・・

    妻の希望である我が家に連れ帰って人生の最期を迎えるのか

    実家でご両親や姉妹などに囲まれながらにするのか

    そういう話をしたかったんだけどな。

    どうも状況が理解できていないみたいだ。

    明日、先生に話を聞いたら理解してもらえるのかな。


    最近は、面会時やビデオ通話で退院したらどのように治療しようか、という話も妻としている。

    妻にはまだ余命のことなどは伝えておらず、妻自身は”治療”と考えていることもあり、自宅で療養したいようだ。

    だけど、私は「先が短いこと」を考えると、介護も必要だし、ご家族や友達とも会えるだろうし、実家の方が良いのかも・・・と思っている。

    妻の方は体調が良くないということもあり、今は家族ともあまり会いたくないみたい。

    家族と会うのは体調が良くなってからでいいかな、と言っている。

    だからこそ、自宅で落ち着いて療養したいみたいだ。

    また、退院して一番ネックになるのは、”病院で看護師さんがやってくれていることができるのか?”ということだ。

    妻が言うには「実家では難しいだろう」とのこと。

    (この時は、なんでだろう・・・と思ったが、後で理解できました。)


    妻の方は、今日採血をしたところ「かなり貧血が進んでいて、このままでは抗がん剤治療ができない」と言われたそうだ。

    貧血といっても「生理や鉄分不足のような貧血ではなく、腫瘍の影響によるものらしく、輸血をしないとどうにもならない」らしい。

    明日はご両親が来るため「明後日に輸血をすることになった」とのこと。

    また、最近はおならが出ず、お腹が張っているらしく、かなり痛いらしい。

    「今夜からお腹を動かす薬を飲む」と言っていた。

    左腕もどんどん使いづらくなっているようで「痛くなったりもする」とのこと。

    「痛み止めを使う頻度も増えている」らしい。

    さらに、今日は「便が漏れていた」ようで、「オムツをはき始めた」とのことだ。

    「介護用のおしりふきを買ってきてほしい」と頼まれたので買って持って行った。

    「自覚はあまりないけど、身体はどんどん蝕まれている・・・」と、妻はとてもショックと受けていた。


    夕方になると、今日も息子を幼稚園に迎えに行き、妻の面会へ。

    今日の息子は、病院に着いても嫌な顔をせず、病室へ元気よく入っていった。

    昨日長く病室に居たので少し慣れたのか、「ママの部屋のトイレでおしっこするんだ!」なんて言いながら笑

    昨日の面会時はベッドサイドの椅子に座ってYoutubeを見ていた。

    だけど、今日はベッドに乗り、妻の横に座って、妻とくっついていた。

    妻とおしゃべりしたり、電動ベッドをいじったり、Youtubeを見たり・・・

    妻がご飯を食べるのを見届けてから病室を出た。

    息子と妻が仲良くする姿を見ることができて、とても嬉しかった。


    病室を出てエレベーターに乗り、ロビーで降りると、急に息子が「んーんー」と顔をしかめながら言いだした。

    「なになに?わからない。はっきり言って?」と息子に言っても、「んーんー」と繰り返すだけ・・・。

    ロビーのベンチに座って、「ゆっくりでいいからお話ししてごらん?」としつこく聞くこと約10分・・・。

    「ママに会いたい・・・」と一言。

    病院に慣れてきて、ママとも話ができるようになってきたので、ママと別れるのがツラくなってきたみたいだ。

    とりあえず「また明日来ようね」と説得して、なんとか病院をでた。

    帰りには「三人でママのお部屋にお泊りしたいな」と。

    看護師長からは「泊ってもいい」って言われているし、あとでお願いしてみようかな。


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    37歳でがんと診断された妻を、43歳の私が息子と看取るまでの約1年半の記録です。いま、がんの配偶者を看ている方に向けて、診断・入院から在宅介護・看取りまでに実際にやったこと、調べたことを残しています。整理しきれていない感情も、削らずに置いています。

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