はじめに
この記事でわかること:
✓ PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の役割と実際の仕事✓ なぜ「何もしない人」がプロジェクトを成功させるのか✓ PMOがPM・PLとどう違うのか(比較表付き)✓ PMBOK「10の知識エリア」をPMO視点で解説✓ 20年の現場経験から見た「縁の下の力持ち」の醍醐味
影の立役者?それとも「何でも屋」?——PMOとして生きる私の独り言
プロジェクトを成功させるのは、実は「何もしない」人かもしれない
システム開発の世界には、不思議な現象があります。
凄腕のプログラマーが集まり、最新の技術を駆使し、潤沢な予算がある。それなのに、なぜか空中分解してしまうプロジェクト。一方で、一見地味で目立たないチームが、淡々と、しかし確実にゴールを駆け抜けていくプロジェクト。
この差は一体どこにあるのでしょうか?
私はこれまで20年以上、システム開発の荒波に揉まれてきました。プロジェクトリーダー(PL)として現場の最前線で泥にまみれ、プロジェクトマネージャー(PM)として胃の痛くなるような決断を繰り返してきました。そしてここ10年ほどは、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス) という役割を専門にしています。
そこでたどり着いた一つの結論があります。それは、「プロジェクトを成功に導くのは、自らコードを書かず、直接的な指示も出さない『黒子』の存在である」 という、ちょっとした逆説です。
「え、PMOって何?美味しいの?」
「管理ばかりして現場を邪魔する人たちでしょ?」
そんな声が聞こえてきそうですね。今回は、システム開発の舞台裏で私たちが一体何を企み(いえ、何を支援し)、どんな思いでホワイトボード(最近はオンラインツールですが)に向かっているのか、その一端を少しだけ覗いてみてください。
PMOの役割とはなぜ「PMO」という役割が必要なのか?
「PMO(Project Management Office)」を直訳すると「プロジェクト管理室」。日本PMO協会によれば、「組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システム」 と定義されています。
……うーん、硬いですね。お煎餅よりも硬い。
簡単に言うと、**「PM(プロジェクトマネージャー)が倒れないように支え、チーム全員が迷子にならないように地図を整備し、時には潤滑油として人間関係を滑らかにする役割」**です。
私の主な役割は、以下の5つに集約されます。
No12345役割ルールの標準化業務支援リソース調整環境整備その他管理業務内容「報告書はバラバラ」「会議の仕方もバラバラ」を防ぐための共通ルール作り。PMが意思決定に集中できるよう、資料作成や事務作業をサポート。「あのチームのエンジニアが足りない!」「予算がピンチ!」といった問題を横断的に調整。開発ツールやコミュニケーションツールの選定・導入。進捗、品質、リスクなど、数え上げればキリがない「現場の困りごと」の整理。