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Photo by950am

氷織屋先生と白犬 0.プロローグ【創作大賞2024】(これが第一話になります)

    あらすじ
     卒業式の前の日、高校三年生のクラス生徒が集まったカラオケボックスで火災が発生した。しかしそれは決して単なる火災ではなかった。その日、カラオケボックスで行われていたのは、自分たちの葬式と称した、高校三年の期間で担任の氷織屋先生と生徒達で行っていた異常な高校生活の告白だった。一方、隣の部屋では、生徒達を狙う黒い影が潜んでいた。氷織屋という担任の思考に少しずつ染まっていった生徒達一人一人の告白から浮かび上がる、普通の高校で起きた猟奇的な事件と、その末路とは。

    配信終了

    この作品は、事実を参考にしたフィクションです。
    全て、実際の人物や団体とは関係ない映像です。

    動画の背景が突然真っ黒に変わり、白い文字が不気味に浮かび上がった。予告なく始まった生配信で、高校生たちが一人の先生に関する告白を次々としていた。全ての告白が終わった後、画面にはこの文字が現れた。動画が終了したと思われた時、SNSの評判を見て集まった視聴者はコメント欄に続々と書き込みをしていた。

     ――こんな高校生いないわ

     ――気分が悪いだけのクソ動画

     ――マジ悪趣味だった、時間返せ

     ――今北。50字で

     ――帰れ 2文字

     ――共感できないけど映像はリアルだった

     ――まさか、あの事故の裏側?!

     ――演技が嘘くさくなかった。役者の名前を知りたい。

     ――氷織屋先生の考え方、共感できる

     ――完全犯罪のやりかた教えて欲しい

     ――氷織屋先生の授業を受けてみたかった

     ――録画しといたので、再配信するわ

     ――それは私にとって恐怖な感情です

     ――ふざけるなゴミ

     ――ゴミがゴミって言ってる

     画面にメッセージが表示されてから十五分の間、何の変化もなかった。動画を見ていた視聴者は次々と離れていき、視聴者数が一桁に落ちた。その瞬間、画面に表示されていた文字に取り消し線が追加された。

    この作品は、事実を参考にしたフィクションです。
    全て、実際の人物や団体とは関係ない映像です。

    そして、取り消し線の引かれた文字は消えた。

    この作品は、事実            です。
    全て、実際の           映像です。

    東斗新聞 令和六年 三月九日 朝刊

    3月9日深夜2時頃、東京都荒山区令上3丁目の雑居ビルから火が出ていると、複数の通行人から消防に119番通報があった。消防によると、雑居ビルの6階にあるカラオケルームが爆発し、炎上した。消防によると、火災は火元となったカラオケ店を中心に大きな被害を出しており、カラオケルームの客が火災に巻き込まれたと見て捜査を始めています。現場となったカラオケ店の部屋には漠間高校三年四組の生徒全員がいたと見られ、阿多山区警察は調査を始めている。

    #創作大賞2024
    #ホラー小説部門



     
     
    創作大賞2025ミステリー部門入選、第一回ひなた短編文学賞大賞、2023年度新作落語台本優秀賞、2000字のホラーWeb別冊文藝春秋賞・受賞、ショートショートガーデンコンテスト最優秀賞、第一回ちくま文学賞大賞、愛媛新聞 超ショートショートコンテスト優秀賞