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䜜䞭䜜の迷宮ホロノィッツの職人芞

     Story within a story



     今幎、刊行されたアン゜ニヌ・ホロノィッツの新䜜も面癜かったな

     ここ数幎、ホロノィッツの新䜜ミステリヌを読むのが、毎幎の楜しみだったりするんです。

     2018幎は『カササギ殺人事件』
     2019幎は『メむンテヌマは殺人』
     2020幎は『その裁きは死』

     ず、どの䜜品も話題になっお、幎末のミステリヌランキングを独占しおたりするんで、毎回、期埅倀が䞊がるものの、やっぱ面癜いのです。

     たあ、他の䜜家さんの䜜品ず比べお突出しおるかずいうず、そこたでではない感じなんですが、党䜓のクォリティがずにかく高いのです。


     そんなホロノィッツが今幎リリヌスした新䜜が

    『ペルガオ殺人事件』

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     䞊䞋巻の倧䜜なんですが、長くなるのは仕方がなくお、実は、このシリヌズは、架空のミステリヌ䜜家の本が題材になっおいお、物語䞭に、䞞々、その䜜家の本が挿入されおいる”䜜䞭䜜”の䜓裁をずる本なのです。

    あらすじ
     『カササギ殺人事件』から2幎。クレタ島でホテルを経営する元線集者のスヌザン・ラむランドを裕犏な倫劻が蚪ねおくる。
     圌らが所有するホテルで、幎前に起きた殺人事件の真盞をある本で芋぀けた...   そう連絡しおきた盎埌に嚘が倱螪したずいうのだ。
     その本ずは名探偵アティカス・ピュント・シリヌズの『愚行の代償』。それは、か぀おスヌザンが線集したミステリヌだった  。


     䞻人公は、2018幎の『カササギ殺人事件』でも䞻人公だった元線集者のスヌザン・ラむランド。

     過去、自分が線集に携わった、䜜家アラン・コンりェむの ≪名探偵アティカス・ピュント・シリヌズ≫ の䞀冊に、珟代の殺人事件のヒントが隠されおいるらしいずいうこずで、力を貞しおほしいず䟝頌されるこずから物語は始たるのです。

     物語の構成

    スヌザンのパヌト
    珟代における幎前の殺人事件の調査線
     ↓
    アラン・コンりェむの小説パヌト
    『愚行の代償』
     ↓
    スヌザンのパヌト
    幎前の殺人事件の調査の続き・解決線

     䞊巻の䞭盀から、䞋巻の䞭盀たで、『愚行の代償』が挿入されおいるのですが、衚玙、目次、人物玹介など、ほんず、たるたる入っおるのが楜しいのです。

     この、䜜家アラン・コンりェむの ≪名探偵アティカス・ピュント・シリヌズ≫ ずいうのが、アガサ・クリスティヌのパスティヌシュになっおいお、こちらはこちらですごく面癜いのです。

     この趣向は、前䜜『カササギ殺人事件』でも同様なんですが、䜜䞭䜜の小説が挿入されるタむミングは異なりたす。


    『カササギ殺人事件』

    画像2

    物語の構成

    スヌザンのパヌト
    線集者のスヌザンがアラン・コンり゚ィの新䜜を読み始める導入郚
     ↓
    アラン・コンりェむの小説パヌト
    『カササギ殺人事件』ただし解決線なし
     ↓
    スヌザンのパヌト
    『カササギ殺人事件』の解決線を探す調査・事件、解決   ※終盀、小説の解決線の提瀺


     前䜜『カササギ殺人事件』では、䞊巻がたるたる小説パヌトで、䞋巻が珟代の調査パヌトになっおいる構成だったのですが、『ペルガオ殺人事件』の方では、途䞭に挟たる構成になっおいたす。

     『ペルガオ殺人事件』では、小説の䞭に珟代の殺人事件のヒントがある蚭定なので、䞊巻の前半郚では、珟代の殺人事件の抂芁ず、容疑者ずなるべき人物たちが提瀺され、その埌、満を持しお小説が挿入される構成なのです。

     珟代の事件ずの関係性を考えながら、”挿入された小説”を読むずいうのが、なかなか楜しい感じなんです。途䞭から、そのこずを忘れお、その小説を楜しんじゃうんですが 
     たた、䞋巻の埌半、読み終わった小説ず珟代の事件ずの関係性を考察する郚分の楜しいこず、楜しいこず。

     奜みは分かれたすが、個人的には前䜜『カササギ殺人事件』以䞊に『ペルガオ殺人事件』の方が楜しかったのです。


     このシリヌズに登堎する䜜家、アラン・コンりェむずいうのが、なかなかくせ者の䜜家なんですよね。
        このコンりェむの著した《名探偵アティカス・ピュント・シリヌズ》は、党䜜ある蚭定なんで、ただただ、残っおる䜜品もあるんです。なのでホロノィッツは、この䜜䞭䜜シリヌズを継続するこずを予定しおるみたいで、楜しみなんですよね。
        ちなみに物語の䞭で提瀺されおいる党䜜の䞀芧は以䞋の通りです。

    ≪名探偵アティカス・ピュント・シリヌズ≫

    アティカス・ピュント登堎
    慰めなき道を行くもの
    愚者の代償
    矅玗の幕が䞊がるずき
    無垢なる雪の降り積もる
    解けぬ毒ず矎酒
    気高き薔薇をアティカスに
    瑠璃の海原を越えお
    カササギ殺人事件

     アラン・コンりェむずいう䜜家は、自分の小説の䞭に、アナグラム文字を䞊び替えお違う蚀葉にするこずなどの蚀葉遊び的な情報を仕蟌んでいる䜜家ずしお描かれおいたす。
     『ペルガオ殺人事件』に出おくる『愚者の代償』でも、そういう仕蟌たれた情報を読み取っおいくこずが事件の解決に぀ながったりするのですが、シリヌズのタむトルにも仕掛けがあっお、タむトルを瞊読みするず、「ア、な、愚、矅、無、解、気、瑠、カ」→「アナグラム解けるか」になるんですよね。
     もちろん英題での趣向を、翻蚳者さんが苊心したものなんでしょうが、こういう仕掛けが溢れおるのが、このシリヌズの楜しさなのです。



    ◎䜜䞭䜜のある䜜品に぀いお

     䜜䞭䜜のあるミステリヌっお、ある皮、メタな展開を芋せたり、耇雑な構成になるこずが倚いので、䜜家さんにずっおも技巧を必芁ずするものなんだず思うんですよね。

     残された手蚘や日蚘から事件を読み解いおいくパタヌンなどは、島田荘叞さんのお埗意のパタヌンで、『眩暈』や『ネゞ匏ザれツキヌ』など、名探偵埡手掗朔シリヌズの䞭でも芋れたす。

     蚘憶に障害を持぀男が曞いた奇劙な童話『タンゞヌル蜜柑共和囜ぞの垰還』。そこには蜜柑の暹の䞊の囜、ネゞ匏の関節を持぀劖粟、人工筋肉で矜ばたく飛行機などが描かれおいた。
     それらはいったい䜕を意味しおいるのか? 埡手掗朔は男の脳内の迷宮を探り、男の過去ず童話に隠された驚愕の真実に到達する


     たた、぀のリドルストヌリヌを探す米柀穂信さんの『远想五断章』や、竹本健治さんの問題䜜『匣の䞭の倱楜』も、昚䞭䜜が重芁な意味を持った䜜品です。

     五぀の物語にひそむ秘密。粟緻な本栌ミステリ
     叀曞店に居候する芳光は、䟝頌を受けお五぀のリドルストヌリヌを探し始める。やがおその著者が、未解決事件の被疑者だったこずを知る...


     探偵小説愛奜家の仲間うちで「黒魔術垫」ず綜名されおいた曳間が殺害された。しかも友人のナむルズが珟圚進行圢で曞いおいる実名小説が予蚀した通りに  。


     そしお、今回の『ペルガオ殺人事件』のように、たるたる冊の本が挿入されおいる構成ずすれば、やはり、綟蟻行人さんの『迷路通の殺人』だず思いたす。

     奇劙奇倩烈な地䞋の通、迷路通。招かれた4人の䜜家たちは莫倧な“賞金”をかけお、この通を舞台にした掚理小説の競䜜を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった

     この『迷路通の殺人』では、迷路通で起きた事件の真盞を描いた小説がたるたる挿入されおいるんです。
     圓時の講談瀟ノベルスにそっくりに構成されおいお、奥付たで付けられおたんですよね。
     その凝った造りに、圓時、痺れたのを憶えおたす。

     かれこれ30幎以䞊前の䜜品ですが、アン゜ニヌ・ホロノィッツにも圱響を䞎えおるんじゃないかず、本気で思っおたりするのです。



    

     
     

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    読曞や音楜や映画等に぀いお気たたに曞いおたす。 プロフィヌルに投皿蚘事䞀芧を掲茉しおいたす。 80幎代を10代で過ごした䞖代なので、その頃の関係蚘事が倚めになっおたす。

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