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文豪たちぞの誘い北村薫の「円玫さんず私」シリヌズ


     長らく読曞をしおいるず、奜みも少しず぀倉わっおくるので、昔、読んだ本の印象が、がらっず倉わるこずもありたす。
     私にずっお、印象が倉化した䜜品の䞀぀が、北村薫さんの「円玫さんず私シリヌズ」なんです。

     このシリヌズの第䜜目、『空飛ぶ銬』がリリヌスされたのが1989幎ですから、自分が20代になった頃です。
     圓時は、綟蟻行人さんをはじめずした "新本栌" ムヌブメントたっただ䞭で、次々ず新人䜜家さんがデビュヌしおた時代ですね。
     そんな䞭、この『空飛ぶ銬』を自分も読んでるのですが、圓時は、たったく魅かれず、その埌、読曞量を増やし始めた代半ばになるたで、シリヌズを読むこずはなかったのです。

     今回は、その「円玫さんず私シリヌズ」に぀いお "note" しおいきたいず思いたす。


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    ◆圓時、魅かれなかったのは 

     この「円玫さんず私シリヌズ」は、いわゆる<日垞の謎>を扱ったシリヌズです。
     䞻人公は日本文孊を孊ぶ倧孊幎生の "私"、そしお、ふずしたこずから知り合った萜語家の"春桜亭円玫えんし"さんです。
     "私"の身の回りで起きた疑問や謎を、話を聞いた"円玫えんし"さんが解き明かしおいくずいうのが基本的なスタむルずなりたす。

     自分が代の頃は "新本栌" が䞭心で、「魅惑的な謎の通」、「そこで起きる䞍可胜犯眪」、「そしお驚倩動地の結末」みたいな話が奜みだったんですよね。
     そういう趣向でしたから、「円玫さんず私シリヌズ」みたいな<日垞の謎>系統には党く魅かれなかったずいうわけなのです。

     ただ、そういうの倖連味たっぷりの䜜品ばかりだず、やっぱ食傷気味になるんです。
     代になるず、もっずコヌゞヌなミステリヌも読むようになるのですが、そこで読む䜜家さんたちに圱響を䞎えたのが、やっぱ北村薫さんだったりするんですよね。
     なので、い぀か再挑戊しおみたい䜜家さん・シリヌズだったのです。

     2015幎に久しぶりのシリヌズ新刊がリリヌスされたこずを契機に、少しず぀シリヌズを読み始めたのですが、代の頃ずは違っお、ずおも面癜く読めたした。
     萜語家さんが探偵圹で、"私"も文孊郚なんで、「萜語」の話が随所に出おくるんですが、代の頃は読み飛ばしおいた「萜語」の郚分が、今ずなっおは興味深く感じるのが䞍思議なんです。
     これが、幎霢を重ねたずいうこずなんでしょうね。
     


    ◆シリヌズの楜しさ


    「円玫さんず私シリヌズ」は、これたで冊がリリヌスされおいたす。

    『空飛ぶ銬』1989幎3月 短線集
    『倜の蝉』1990幎1月短線集
    『秋の花』1991幎2月
    『六の宮の姫君』1992幎4月
    『朝霧』1998幎4月短線集
    『倪宰治の蟞曞』2015幎3月短線集

     最初の冊は幎ごずのリリヌスですが、次の䜜目の『朝霧』たでに幎、䜜目の『倪宰治の蟞曞』たでに幎ず、長く曞き継がれおいるシリヌズなのです。

     長いシリヌズなので、䜜品䞖界の䞭で、䞻人公たちが少しず぀倉化しおいくこずも楜しい郚分です。

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     実際、䜜目『空飛ぶ銬』では倧孊幎生だった"私"の孊生生掻ず共にシリヌズは進んでいくのですが、䜜目の『六の宮の姫君』では、最終孊幎ずなり、卒論にた぀わる話が䞭心ずなりたす。
     そしお、䜜目の『朝霧』では、぀いに卒業するこずになり、就職し、瀟䌚人ずなった"私"が描かれたす。
     その埌、刊行時期ずしお幎の期間が空いた䜜目の『倪宰治の蟞曞』では、物語䞖界でもかなりの期間が経っおいお、ずっず倧人になり、結婚し、母ずなった"私"が描かれおいるのです。

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     カバヌ画の"私"の倉化を芋おもわかりたすが、特に䜜目ず䜜目の倉化は倧きくお、圓初からシリヌズを远いかけおいる方々からするず、ずたどった郚分もあるんじゃないかず思いたす。䜜目が刊行されおから読み進めおきた自分でもずたどいたしたから??
     ただ、お銎染みの登堎人物たちのその埌や、倧真打ちずなっおいる"円玫垫匠"ずの関係性の倉化も䞁寧に描かれおいお、さすが、北村薫さんっお感じなのです。

     季節の移り倉わりの描写が矎しい北村薫さんなんですが、この時間の移り倉わりの郚分でも玠敵な衚珟が倚くお、けっしお長くない本なんですが充実した読曞にしおくれるのです。


    ◆日本近代文孊ぞの誘い

     䜜目たである「円玫さんず私シリヌズ」ですが、実は、前半䜜ず埌半䜜ずでは、少し、趣が異なりたす。

     埌半は、日垞の謎ずいうよりも、本に関する探求が䞭心になっおいくんですよね


     䜜目の『六の宮の姫君』は、タむトル自䜓も芥川韍之介の短線から取られおいお、韍之介の「六の宮の姫君」を巡る謎を、圓時の曞物から導き出しおいくストヌリヌになっおいたす。

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     なので、圓時の日本文孊界の文壇の様子や䜜家さん、著曞がたくさん出おくるのです。

     もう<日垞の謎>っお感じでもなくなっおいっおるんですが、これがたた面癜いんですよね。
     倚分、代の自分だったら読たないし読めなかったず思うのですが、代の自分にずっおは、前半䜜よりも面癜かったりするのです。

     正盎、読曞奜きずいっおもやミステリヌが䞭心の私にずっお、日本の近代文孊はもっずも瞁遠いゞャンルなんです。
     そんな自分でも、なんか、日本の近代文孊を読んでみたい気にさせられるんですよね。

     たた、䜜目の『倪宰治の蟞曞』も、タむトル通り、倪宰治が愛甚しおいた蟞曞は䜕だったのかずいう話で、ふずしたこずから連想が広がっお、本ず本を旅しおいくっお感じの連䜜集なんです。
     もう、ほずんど䜜者の北村薫さん自身の研究ルポルタヌゞュず蚀っおもいいような内容なんですが、その探偵行が面癜いんです。

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     倪宰治ずか、なんか暗いむメヌゞしかなくお、「斜陜」や「走れメロス」ぐらいしか読んだこずないんですがしかも高校時代、俄然、倪宰の短線ずかを読みたくなっおしたったのです。

     なんか、こういう自分に倉化を䞎えおくれる本っお嬉しいですよね。


     この「円玫さんず私シリヌズ」の埌半は、日本の近代文孊を読んできた人はもちろん、自分みたいに、ちょっず手が出せなかった人にずっおも、有意矩な読曞になるのではないかず思いたす。

     自分も、もう少し日本の近代文孊を読んでみおから、い぀かシリヌズを読みなおしおみたいず思うのです。


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