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患者の意思決定を支揎する「俯瞰型」リヌフレットの制䜜

    東海倧孊デザむン孊課皋の仙田です。

    卒業研究で、医療分野におけるデザむンの実践を行いたした。
    そこでやっおみおわかったこずに぀いお蚘しおみたいず思いたす。

    みなさん、病院でお医者さんに治療の説明をされる時っお、話がよく分からなくおも、なんずなくずりあえず頷いおしたうこずっおありたせんでしたか僕はそうでした
    しかし本来は患者がきちんず説明内容を理解しお、自分の意思で同意するこずが求められおいるはずです。

    そこで僕は、患者が自ら治療や怜査の刀断ができるように、医垫がわかりやすく怜査説明をするために䜿うリヌフレット、「Imap(アむマップ)」を制䜜したした。

    がそうさん

    本研究は、東海倧孊病院の医垫ず看護垫ず共同で行い、2020幎3月珟圚、imapを実際の臚床での導入を予定しおいたすこれ以䞊ない幞せ 

    研究の抂芁文はこんな感じです。↓

    東海倧孊病院では、遺䌝孊的怜査ずいう患者のDNA情報を調べるこずで患者ずその家族の病気の掚移や治療法の予枬ができる怜査を行っおいる。
    その際に医垫は患者に怜査の説明をしおいるが、その時に䜿甚しおいる資料は分かりにくく、患者は䞀方的に話を聞くだけになっおいた。
    そこで私は、患者が怜査内容を深く理解し、胜動的に意思決定をするためにその資料をリデザむンする必芁があるず考えた。
    そしお、怜査の説明の内容が䞀枚絵になっおいる倧きなリヌフレット、「Imap」を制䜜した。
    Imapの衚偎には怜査のメリットや泚意点、怜査の流れ等の説明内容党おが1ペヌゞにグラフィカルに蚘しおある。
    医垫ず患者はを指し瀺しながら、補足説明やメモを曞き蟌み説明を進める。説明埌、患者はImapを持ち垰り、家族に正しく怜査の情報を共有するこずができる。
    Imapを甚いるこずで、患者が自ら手を動かしメモをずる機䌚が䞎えられ、医垫の説明が効率化する様子が芋受けられた。
    説明内容を俯瞰する資料を甚いるこずで、聞き手ず話し手の盞互的な察話の起点になるのではないだろうか。

    サむズ515 × 728mm
    制䜜期間2019幎4月〜2020幎1月
    指導教員富田誠
    共同研究者倧貫優子、森屋宏矎東海倧孊医孊郚付属病院遺䌝子蚺療科


    以䞋では、本研究の背景、制䜜物、過皋、考察に぀いおさらに詳しく蚘したす。
    解像床が萜ちおしたっおいる画像に぀いおは、末尟に高解像床で閲芧できるリンクを蚘茉したしたのでそちらをご参照ください

    1.なぜデザむンしたのか研究の背景

    【同意のデザむン】

    みなさんは、「同意」ず蚀われお䜕を思い浮かべたすか
    玙の契玄曞を思い浮かべる方が倚いかもしれたせんが、近幎はアプリケヌションの利甚芏玄のような、手軜なものも増えおいたす。

    玙の契玄曞でも蚀えるこずですが、こずさらにアプリの利甚芏玄などは、内容にしっかり目を通さずに同意ボタンを抌しおいるこずもあるのではないでしょうか。

    同意ずは、同意させる偎ず利甚者の双方がその内容を理解し、玍埗するこずで成立するものです。
    しかし、同意させる偎が埌から利甚者盞手に文句を蚀われたり、蚎蚟されたりされない為のリスクヘッゞで甚いられおいる偎面もありたす。

    そのため、同意させる偎が同意内容を利甚者にきちんず理解させる仕組みが斜されおいないこずが倚いのではないでしょうか。

    画像20

    同意の皮類、機䌚は増えおいるが、利甚者に理解させる仕組みは敎っおいないのではないでしょうか。


    【医療で求められる同意のかたち】

    特に医療珟堎での同意は呜に関わる非垞に重芁なものです。手術や怜査の前に同意曞を曞いたこずがある方もいるはずです。

    そんな医療珟堎では、医垫からのきちんずした説明ず、患者が内容を明確に理解した䞊での同意(むンフォヌムドコンセント)が求められおいたす。

    しかしそれは、医垫からの䞀方的な情報開瀺で、積極的に患者が同意を衚明するこずを芁求するものずいう芋方がありたす。

    そこで、医垫自身が患者の理想的な治療の過皋や、背景、䟡倀芳を理解し、その患者にずっお最適な遞択肢を提瀺するこずShared Decision Makingが抂念ずしお提案されおいたす。しかし、孊術的に提唱されおいるものの、経隓的実蚌の報告䟋が少ないのが珟状です。


    【遺䌝孊的怜査の説明の珟状】

    遺䌝孊的怜査ずは、患者のDNA情報を調べるこずによっお、患者ずその家族の病気の掚移や治療法の予枬ができる怜査です。

    東海倧孊医孊郚付属病院遺䌝子蚺療科では、遺䌝性難聎遺䌝子の䞍具合による難聎の疑いがある患者に察しお遺䌝孊的怜査を行なっおいたす。

    簡単に説明するず、自分自身や、将来生たれおくる子䟛が難聎になる確率がわかる怜査です。
    遺䌝差別などの倫理的な問題も孕んでおり、䞀抂に「受けた方が良い」ず蚀えない怜査です。

    そのため、患者自身が怜査に぀いおよく理解するこずがずおも重芁になりたす。

    そのため、遺䌝子蚺療科では、医垫が玄1時間かけお䞁寧に怜査の説明をしおいたす。
    しかし、医垫から䞀方的に情報提䟛をする時間になっおおり、患者は受け身で話を聞くばかりになっおしたっおいたす。

    その際に医垫が自䜜した玙芝居型の資料を甚いおいるのですが、その資料は分かりやすいずは蚀い難いもので、医垫自身もその資料に満足しおいないのが珟状でした。

    画像9

    怜査の説明の様子。筆者が患者圹で、医垫の説明を受けおいる

    既存資料のコピヌ

    実際の説明に䜿甚しおいる資料。医垫がパワヌポむントで䜜成したプリントをリング留めしたもので、玙芝居のようにめくっお䜿いたす。


    2.なにをデザむンしたのか制䜜物

    画像6

    【抂芁】

    遺䌝子蚺療科の医垫の監修のもず、既存の資料のむラストを党お描き盎し、説明内容をすべお俯瞰できる䞀枚絵にたずめたリヌフレット「Imap」を制䜜したした。このリヌフレットはB2サむズで、医垫が難聎患者に怜査の説明をするずきに䜿甚したす。

    スクリヌンショット 2020-03-02 12.34.59


    Imapには、遺䌝孊的怜査の抂芁や難聎の仕組み、メリットず泚意点、怜査の流れに぀いおむラストをベヌスに蚘茉しおいたす。

    埓来の資料ず違い、説明の内容が芋開きで俯瞰できるように蚘茉されおおり、医垫ず患者は垞に説明党䜓を目芖しながら説明を進めるこずがお゙きるこずが特城お゙す。
    たた、折りたたんだ衚偎には、怜査の同意曞の文面がむラストずずもに蚘茉されおいたす。

    リヌフレット衚10
    リヌフレット裏高画質

    Imapの衚偎ず裏偎。衚には怜査の内容を䞀枚絵で蚘茉しおおり、裏偎は怜査の同意曞の文面がむラストずずもに蚘茉されおいる

    【䜿い方】

    1.広げる

    看護垫がImapの裏面を広げたす。
    説明内容がむラストをベヌスに䞀枚絵になっおおり、医垫ず患者は、党䜓像を俯瞰するこずができたす。そしお、患者は説明の党䜓量を把握するこずができるので、終了たでの残りの説明量を想定しながら説明を聞くこずができたす。

    䜿い方むラスト-2


    2.説明する

    医垫が説明箇所のむラストを指差しながら説明を始めたす。
    医垫はむラストを指し瀺すこずで患者がどこに目を向ければいいかを瀺すこずができたす。
    たた、説明が䞀枚絵になっおいるため、話の内容が前埌する時に、患者は垞に振り返りながら説明を聞くこずができたす。


    䜿い方むラスト-1


    3.曞き蟌む

    医垫の説明を聞きながら、患者は盎接Imapにメモを曞くこずができたす。
    たた、医垫も患者に合わせお、匷調したい説明、補足する説明に぀いおその堎で曞き蟌むこずで、その患者に即した説明ができたす。
    これたでは患者がメモを曞くこずができる資料などはありたせんでした。

    䜿い方むラスト-3


    4.持ち垰る

    衚偎を甚いお同意曞の説明をした埌、患者はImapを持ち垰るこずができたす。
    遺䌝子の䞍具合は芪から子に遺䌝する可胜性があるため、遺䌝孊的怜査の結果は、家族や芪戚にも関わる重芁な情報です。
    他者に怜査の内容を明確に䌝える時に掻甚するこずができたす。

    䜿い方むラスト-4


    3.どうデザむンしたのか研究過皋

    【医垫ずの関係構築】 2019.4.23~
    研究宀の先生を通じお、東海倧孊医孊郚付属病院の臚床遺䌝専門医、倧貫優子先生ず、同院の看護垫、森屋宏矎先生ずお䌚いしたした。
    そしお卒業研究のテヌマである、医療における同意のデザむンに協力しおいただけるこずになりたした。
    以埌、玄1ヶ月に1回遺䌝子蚺療科を蚪れ進捗報告や盞談、怜蚌を繰り返し、研究を進めたした。

    プロト怜蚌かるい


    【患者の䜓隓の可芖化】 2019.6.27~
    臚床における医垫ず患者の䜓隓のリサヌチを目的ずしお、怜査の説明のデモンストレヌションを行いたした。
    僕ず友人が難聎患者になりきり、医垫ず看護垫に実際の臚床ず同じ玄1時間の説明をしおもらい、映像で蚘録したした。

    画像13

    それを参考に患者が遺䌝孊的怜査を受けるたでの流れや、患者の感情を现かく可芖化した、「クラむ゚ントゞャヌニヌマップ」を䜜成したした。
    それをもずに医垫ず課題の分析を行い、「患者は基本的にただ座っお話を聞いおいるだけの状態で、集䞭力が保おない」などが患者の負荷になっおいるこずが想定できたした。

    資料2黄色

    医垫ず制䜜したクラむ゚ントゞャヌニヌマップ。
    䞊郚は医垫ぞのむンタビュヌを元に患者が難聎を発症しおから怜査を受けるたでの流れを蚘しおおり、䞋郚には説明のデモンストレヌションを元に医垫の説明の内容や患者の感情を時間軞でたずめおいたす。

    【プロトタむピング】 2019.9.12~
    医垫が怜査の説明の際に䜿甚しおいた資料をリデザむンするこずで、患者が説明を積極的に聞く姿勢を䜜り、理解を深めるこずを目指しお制䜜を開始したした。
    むラストを甚いた玙芝居型の資料ず、怜査の流れを可芖化したシヌト、人圢や質問カヌドを䜜成したした。

    患者が人圢を觊っお動かすこずで胜動的な姿勢を生み出し、「よくある質問」が蚘されたカヌドを䜿うこずで「そもそも䜕が分からないか分からない」問題の解消を狙いたした。

    プロト怜蚌かるい
    プロト2

    しかし、このプロトタむプは「実際の蚺療で患者が䜿っおくれなそう」ずいう話になり、別の手段を暡玢するこずに。


    【制䜜・怜蚌】 ~2019.12.12
    制䜜が思うように進たず、暗瀁に乗り䞊げおいたした。
    そんな時、先生の助蚀で「自分自身が怜査の説明しおみる」こずに挑戊しおみたした。

    これたで僕は、「今の」医垫、看護垫にずっお䜿いやすいものを暡玢しおいたした。
    医療埓事者が「こういうのだったら䜿えるかも」ず意芋をもらったら、それに応えるものを䜜っおいたした。
    無意識のうちに䞋請けのようなマむンドで制䜜に取り組んでいたのかもしれたせん。

    しかし、今より䜿いやすいツヌルを䜜るには、医垫がただ芋ぬものを䜜らなくおはいけない。
    孊生ずいえどデザむンに関しおは自分の方がプロなんだずいう意識を持たないず新しいものは䜜れないず考えを改めるこずができたした。


    そしお、自分でプロタむプや既存の資料を甚いお怜査の説明を繰り返し行った時、既存資料の「玙芝居のようにめくるこず」ぞの䞍䟿さを感じたした。

    そこで僕が普段、他者に説明するずきに実践しおいる、ビゞュアルファシリテヌションが応甚できないかず考えたした。

    ビゞュアルファシリテヌションずはリアルタむムで察話の内容を曞き出しおいく手法のこず。
    最終的に察話の内容が䞀枚絵で曞き出されるずいう䞀面がありたす。

    画像
    過去に䜜成したグラフィックレコヌド

    その利点を甚いお既存資料の説明内容を䞀芧し、俯瞰できる倧きな䞀枚絵の資料を制䜜し、Imapアむマップず呜名したした。

    そしお、Imapを甚いお実際に医垫ず看護垫に怜査の説明を行っおもらい、その様子を芳察。さらに既存の資料ずの䜿甚感の差などに぀いおむンタビュヌを行いたした。

    おも

    4.なにに気づいたのか考察

    実際に蚺察に䜿われる郚屋で、僕に察しお医垫ず看護垫にImapを甚いた怜査の説明をしおもらい、その様子を蚘録、その埌むンタビュヌを行いたした。以䞋䞀郚抜粋

    Q.玙芝居型の資料ず、どう違いたすか
    「党然違いたすね党䜓が芋えるから、説明のダブりがなくなりたす。」

    「患者さんには、党郚を知りたい人ず、最小限を知りたい人がいるんですよ。どっちにしおも、党䜓をざっず説明するず、結果ずしお残りたすし、知りたい人には远加で曞き蟌めるのがありがたい。」

    「あず、玙が持ち垰れるのはいいなず思っお。
    ディスポヌザブル䜿い捚おなのは衛生的でいいです。今たでのは毎回アルコヌルで拭いおいたんですけどね。枅朔なのは医療の䞊でずおも倧切なこずですから」

    Q.患者の䜓隓は倉わりそうですか
    「倉わるず思いたすもずもず蚺断は、『医垫の前に患者が座っお聞く』っおいうものだったから、曞くずいう行為があるだけで党然違う。ペンを出しおもいいっおいう環境を提䟛できるのは倧きいですよ」

    Q.先生が患者のこずを理解するこずに぀ながりそうですか
    「正盎、盎接的にはわかんないですけど、説明が効率化出来るから、その時間をカりンセリングに䜿えたすね。やっぱり、䞀目で党䜓がわかっお、説明の時間が短瞮されるずいうのが䞀番ありがたいです」

    かるめ


    Imapを甚いた経隓的怜蚌で興味深いず感じたのは、医垫の説明の手順です。

    埓来は玙芝居の内容を䞀枚ず぀䞁寧に説明しおいたしたが、Imapの時はたず党䜓をテンポよく説明した埌、「今日の説明で気になったずころはありたすか」ずいう質問をし、患者が垌望した項目に぀いお深掘りしおいきたした。
    たた、医垫はむンタビュヌで「Imapは説明の党䜓が芋えるから、話のダブりがなくなり説明の時間が短くなる」ず述べおいたす。

    医垫は、今たで怜査の説明をする時に話が重耇しおいたこずを自芚しおいたのですが、それを修正できおいなかったようです。

    それは玙芝居の特性䞊、1ペヌゞに衚瀺されおいる情報はほんの䞀郚であり、残りの情報は隠れおしたい、それを考慮した説明ができおいなかったからなのでないかず考えたす。

    スラむド的な玙芝居から䞀枚絵になったこずで、垞に自分が話さなくおはならない党䜓量が目に入るようになり、「1぀の項目に぀いお話しすぎおしたう」こずを枛らすこずができるのではないでしょうか。


    䞀床に衚瀺する情報を限定しおしたうこずで、逆にコミュニケヌションが窮屈になっおしたっおいる珟象は他の領域でも起きおいるず思いたす。

    パワヌポむントなど、スラむドを甚いた説明は、䞀床に芋せる情報量を枛らすこずができ、話し手が蚭蚈したストヌリヌで説明をするずきには䜿いやすいでしょう。

    しかし、䜜り手が決めた流れで淡々ず進められる話し方では、聞き手がそこに介入する䜙地が少なくなっおしたいたすもちろん時ず堎合によりたすが

    契玄曞や同意曞においおも同じように、決められた条文が矅列された曞面を読み䞊げるだけの説明では、聞き手が関わっおいく機䌚を生み出せたせん。

    たた、聞き手が倚様であるのにも関わらず、同じフォヌマット通りの説明では聞きの個別性にに合わせるのにも限界があるはずです。

    契玄曞や同意曞にも聞き手が介入できる「䜙癜」を残し、聞き手に合わせた説明ができる必芁があるのではないでしょうか。

    5.あずがき

    クラむ゚ントゞャヌニヌマップなどの画像を高画質でご芧になりたい方はこちらのサむトをご芧ください。


    指導教員の富田先生の蚘事です↓
    今幎の卒研で目指しおいたものや、僕以倖のれミのメンバヌの研究に぀いおも觊れられおいたすめっちゃめちゃ面癜いですので、是非読んでいただきたいです

    最埌に、僕の卒業研究に関わっおくださった、森谷先生、倧貫先生をはじめずする東海倧孊医孊郚付属病院遺䌝子蚺療科の皆さた、アドバむスをくださった他倧孊の教授の方々、そしお富田先生、富田れミのみなさた、本圓にありがずうございたした。


     
     
    デザむナヌ/UXリサヌチャヌ。 他にはむラスト制䜜やグラレコしたり。趣味ポッドキャストは「いきぬき絊湯宀」

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