
ダッシュボードまで作ったのに、現場には届いていませんでした
ある製造業の会社で、データベースを作りました。
その上に、数字が一目で分かるダッシュボードも作った。
部長のところまでは、ちゃんと届いていました。
ところが、しばらくして分かったことがあります。
現場には、まったく展開されていなかった。
止まっていたのは、部長のところでした。
データが集まらないと、何も始まらない
ダッシュボードは、データが入って初めて意味を持ちます。
そのデータを入れるのは、現場の人です。
現場が使っていなければ、データは集まりません。データが集まらなければ、ダッシュボードはずっと空のままです。
このとき、僕はこう書きました。
「データが集まらないので、AI以前の問題です」
「データなしで進めるのは、僕でも不可能です」
AIも分析も、材料がなければ何もできません。
「部長止まり」は、よくある
これは珍しい話ではありません。
新しい仕組みは、だいたい上から入ります。社長や部長が「これをやろう」と決める。
そこまではいい。
問題は、決めた人のところで止まってしまうことです。
部長は、自分が分かったので満足してしまう。現場には「そのうち説明する」まま、時間が過ぎる。
その間、現場は今までどおり紙やExcelで回しています。
待っている間に、手待ちが増える
もう一つ、怖いことがあります。
仕組みが中途半端な状態だと、手待ちが増えるんです。
新しいほうに入れるべきか、古いほうでいいのか分からない。誰に聞けばいいか分からない。だから止まる。
このときの状況を、僕は「手待ちだらけで、大火傷しそう」と書いていました。
道具を入れたのに、前より遅くなる。これが一番まずいパターンです。
先に現場に置く
じゃあ、どうすればよかったのか。
今なら、順番を逆にします。
ダッシュボードより先に、現場が入力する画面を作る。
現場の人が毎日使う、いちばん面倒な記録を一つ選んで、それを楽にする。
楽になれば、勝手に使われます。使われれば、データが溜まります。
データが溜まってから、ダッシュボードを作ればいい。
上が見たいものから作ると、現場には届きません。現場が楽になるものから作ると、上が見たいものは後からついてきます。
で、今日から何ができるか
一.社内の新しい仕組みを一つ選んで、実際に誰が使っているか数える
導入した人だけが使っているなら、そこで止まっています。
二.現場が毎日つけている記録を、一つだけ楽にする
集計や見える化は、その後で十分です。
三.「そのうち説明する」をやめる
説明が要る仕組みなら、説明する日を今週中に決める。
ダッシュボードは、現場の頑張りを映す鏡です。
現場が何も入れていなければ、鏡には何も映りません。
で、今日から何をひとつ変えますか。