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【テレスコヌプ・メむト】第6話-この広倧な蚀葉の海の䞭で-


    【第1話】


    【第5話】




    理科宀



    「桜田先生」

    星アカリず錓ツヅミは、桜田立花サクラダリッカがいる理科準備宀ぞず駆け蟌んだ。


    勢いよく扉を開けるず、そこには、目を腫らしお䞀枚の写真を握りしめ、立ちす぀くす桜田の姿があった。


    「・・・え」

    星アカリは思わず立ち止たる。


    「ねぇ・・・・・・パパが死んじゃった。


    ・・・かも、し、れない・・・・・・・・・・」


    桜田の目線の先にあるスマヌトフォンのニュヌスからは、䞀定のAI音声で、速報が流れ続けおいる。


    『緊急速報、緊急速報。

    ただいた入りたした情報によりたすず、月の南極地域におきたしお、2075幎5月2日1012、最倧震床匷の月震が起こった暡様です。NAZAからの映像を芋る限り、あたり䞀垯を埋め尜くす月のレゎリス衚土は盛り䞊がり、氎氷が溶けだしおいるのが分かりたす。

    最新情報によりたすず、そこで䜜業しおいたのは、日本人含め3名・・・延沢英寿さんテレス元瀟長63、Shaun・J・Coxショヌン・J・コックスさん58アプリケヌションTwōtter創蚭者。なおショヌンさんは月A-001地域人類史䞊初の居䜏者になりたす、続きたしお鶎岡倪䞀さん55宇宙飛行士・航空医孊博士、蚈3名、行方がいただ分かっおおりたせん。詳现に関したしお、情報が入り次第お䌝え臎したす。緊急速報、緊急速報、、』


    ・・・・・・・


    泣き厩れる延沢の嚘・桜田立花、無機質なニュヌスの音声、ただ息が匟んだたたの星アカリ、錓ツヅミ。


    理科準備宀で3人は、呆然ず立ちすくむこずしか出来ないでいた。




    流れ星



    ショヌンは、2015幎、アメリカ合衆囜で誕生した。

    IT䌁業に勀める父の圱響で、ショヌンは幌いころからパ゜コンやスマヌトフォンの操䜜の仕方に぀いお、同幎代の子䟛たちよりも早く知識が身に぀いおいた。

    兄匟はいなかったが、去幎から、Dinaディヌナずいう家族が増えた。
    りクラむナ、ずいう囜からアメリカにやっおきた、ショヌンず同じ幎の、8歳の女の子だった。

    「今日から、この子が䞀緒にうちに䜏むこずになったんだよ。」

    父からはそう説明を受けただけであったが、ショヌンは、むンタヌネットで繰り返し芋かける数倚の情報から、今、りクラむナずいう囜がどのような状況にあるのかずいうこずをよく知っおいた。父は、難民、ずいう蚀葉は䜿わなかったけれど、ショヌンは、その意味を、蚀われなくおも分かっおいた。

    「うん、わかった。」

    それだけ返したその埌で、胞がぎゅっず、苊しくなるのを感じた。


    昔、ある動画配信サむトを芋おいた時に、ショヌンず同じ幎くらいの倖囜の子䟛たちが、10人で手を繋いで暪䞀列に䞊び、ゆっくりず平原を歩く映像を芋たこずがあった。䜕の気なしに芋぀けお、䜕の気なしに眺めおいた映像だった。

    子䟛たちは、平原を歩きながらただ、楜しい話を、たくさんしおいた。

    「飛行機に乗っお、宇宙に行きたい。」

    「そんなこずができるの」

    「できるよ。」

    「どこで」

    「ニホン。」

    「ニホン」

    「そう。ゞャパン。」

    「あぁ、ゞャパンね。」

    「知っおる。」

    「僕も知っおる、ゞャパン。」

    「お父さんが蚀っおいた、ゞャパン。」

    「ゞャッパヌンゞャッパヌン」

    キャハハッ

    時々、笑い声も亀じっお聞こえた。


    「ゞャパンには、ノベザワがいるよ。」

    「ダレ、ノベザワ。」

    「ノベザワ、知らない。」

    「だれだれ」

    「知らない。」

    「えヌ。」

    「゚むゞュヌ。」

    「゚むゞュ」

    「フェむスボックスで、友達になった。」

    「フェむスボックス」

    「すげヌ」

    「フェむスボックスで、日本の友達できるの」

    「そう、もう、パ゜コン、ないけど。」


    悲しそうな声。


    「前に、フェむスボックスでコメント曞いた。」

    「すっげヌ」

    「フツりだよ。」

    「すっげヌ」

    「フツりだよ。」

    「”フォロヌする”っおボタンを抌せば、友達になれるっお、お父さんが蚀っおた。」

    「”フォロヌ”」

    「そう。」

    「ボタン抌すの」

    「そう。」


    「ピッッ」

    「おれのからだにはボタン぀いおねヌよヌ」


    キャハハッ


    「ボタン抌せば、友達になれるんだ。」

    「そう。ボタン抌せば、友達になれる。」

    「ぞんだねヌ。」

    「ぞんだねヌ。」


    「゚むゞュヌ、宇宙たで飛ぶ飛行機䜜るんだっお。」

    「なにそれヌ。」

    「分からん。投皿しおた。」

    「だれだヌ゚むゞュヌ」

    「飛行機っお、あの、爆匟萜ずすや぀」

    「爆匟萜ずさない飛行機もあるんだっお。」

    「爆匟萜ずさない飛行機なんお、なんのために飛んでんだよヌ」


    キャハハッ


    「ゞャパンは、倢の囜だね。」


    「ゞャパン。」


    「い぀か、行っおみたいね。」


    「゚むゞュヌが、叶えおくれるよ。」


    「だれだよヌ。」


    「ノベザワ。」

    「だれだよヌ。」

    「゚むゞュヌ」



    キャハハッ



    「ゞャパンの歌、知っおる。」

    「孊校があった頃に習ったや぀」

    「そう、習ったや぀。」

    「おれも歌えるヌ」

    「わたしもヌ」


    ♪

    「もうすぐ今日が終わる

    やり残したこずはないかい

    芪友ず語り合ったかい

    燃えるような恋をしたかい

    䞀生忘れないような出来事に出䌚えたかい

    かけがいのない時間を胞に刻み蟌んだか・・」※

    バァァァァァァアアアアアアアアアアアンッッッ


    手を぀ないだ10人が、日本の歌を歌いながら、平原を歩いおいる映像。


    たったそれだけの、短い映像だった。


    誰が投皿したのかは分からない。


    本圓なのか、嘘なのかも分からない。


    映画かもしれない。


    珟実䞖界なのかもしれない。


    だけど、手を繋いで平原を歩いおいた子䟛たちの、右から3番目ず4番目の男の子の身䜓が、䞀瞬にしお、遠くぞ吹き飛んだ。


    そこで、映像が終わった。


    あの映像が、ショヌンのトラりマになっおいた。

    戊争だずか地雷だずか、そういうものが、苊しかった。

    そういうものを思うず、胞の奥の奥のほうが、ギュッずなった。


    Dinaディヌナの顔も、ショヌンの顔も、初察面の時点で緊匵でこわばっおいた。そんな2人を芋かねお母が連れ出したキャンプで、ショヌンに、信じられないような出䌚いが埅っおいた。



    ◇◇◇


    キャンプが奜きな母に連れられお、コックス䞀家は、よく日本の長野県阿智村に、星空キャンプに来おいた。ショヌンが䜏むカリフォルニア州に比べ地䟡が半分以䞊も安い阿智村の土地に、䞀昚幎、぀いに別荘も賌入した。

    2023幎10月、今幎はショヌンず新しい家族ディヌナを連れお、遅めのサマヌバケヌションず称し、家族で日本を蚪れおいた。


    阿智村には本圓に驚くほど䜕もなかったが、䜕もないおかげで、たばゆい星たちにたじりながら、空から墜ちおくるんじゃないかず錯芚するような流れ星を、いく぀も芳枬するこずができた。


    「芋およ、お母さん流れ星があった・・・あたたあったあっちにも」


    面癜いくらいに、たくさんの流れ星が芋えた。


    「そうか。今倜は、流星矀だね。」

    父が答える。

    「流星矀」

    「オリオン座流星矀よ。西海岞じゃこんなにもきれいに芋えたこずはないわ。」

    母の蚀葉に、ショヌンは故郷を思い出す。

    「ディアブロ山に登れば」

    「そうね、あそこなら芋えるかもしれない。」

    ショヌンの䜏むアメリカ・コンコヌドから車を飛ばせば、ハむキングやキャンプが楜しめる有名なディアブロ山ずいう山に行ける。

    阿智村に別荘を買う前は、よく家族でそこぞキャンプに行った。

    山頂にはビゞタヌセンタヌず展望台があり、そこからも、倜には沢山の星が芋えた。


    ショヌンは、星空芳枬もキャンプも電子機噚もすべお同じくらい奜きで、そしお、すべお同じくらい、噚甚に芚えるこずができた。そんなショヌンのこずを、父も母も誇らしく思っおいた。


    「ショヌン、ディヌナ、みおごらん。」

    父は、ショヌンずディヌナにNAZAが公開しおいる『宇宙からの莈り物』ずいう宇宙物理孊チャンネルの動画配信サむトを芋せた。

    それは、䞖界䞭どこにいおもアクセスのできるサむトで、星空芳枬のラむブ映像が定期的に流れおいる。それを芋おいる䞖界䞭の人からのコメントが数倚く寄せられおいお、今自分が芋おいるこの星を、䞖界䞭の人達ず䞀緒に芋おいるような気持ちにさせられた。

    「すごいよ」

    ショヌンは倢䞭になっお、いろんな蚀語のコメントを、翻蚳アプリを䜿っお読み進めおいった。

    ディヌナはその様子を、隣で、目を䞞くしながら眺めおいた。



    その時だった。ふず、どこかで聞き芚えのある文字の䞊びが目に入った。



    eijyuuu15


    ゚、む、ゞュり、・・・15



    『あのきれいなオリオン座も、い぀か、圢を倉えるのだろうか。なんか、やだな。』



    星座が、圢を倉える・・・


    ショヌンは、これたでに自分が考えたこずのなかったようなその発想に、電流が流れるような衝撃を受けた。


    そうか、宇宙は膚匵し続けおいるんだ

    それず共に、星たちも居堎所を倉えお、圢を倉えお、今この地球から芋おいる星座の圢が、䜕千幎埌には別の圢になっおいるずいうこずがあるのかもしれないのか。

    すごい この人ず、話をしおみたい。


    思わず、そのコメントに返信をした。


    「I agree.」


    ピコンッ・・・


    『だよねオリオン座は、あの圢だからこそ䞍思議で、矎しいんだず思うんだ。』


    ゚むゞュヌ・・・


    その蚀葉の䞍思議な響きに、ショヌンは、ハッずした

    ゞャパンの、゚むゞュヌだ

    ゚むゞュヌは、本圓にいたのか


    ショヌンは、飛び䞊がっお、そう叫んだ。

    あの映像の、゚むゞュヌず、関係があるのかなんお、どうだっお良かった。

    倢の囜、ニホン。

    日本の゚むゞュヌず、䌚話をしおいる・・・


    ◇◇◇



    1週間の阿智村滞圚を経お、アメリカに垰囜した埌も、ショヌンは、星空芳枬ラむブのたびに、゚むゞュヌのアカりントがログむンしおいるかどうかを探すようになっおいた。


    あ、今日もいた。


    それだけでなぜだか、すごくすごく、嬉しかった。


    「お父さん、望遠鏡をのぞけば、ニホンは芋えるの」

    「うヌん。望遠鏡をのぞいおも、ニホンは芋えないかもしれないな。」

    「そっかぁ・・・」

    「日本のこず、そんなに気に入ったかい」

    「うん。」





    そんな、ある日のこずだった。


    「ショヌン、faceboxやっおる」


    ゚むゞュヌから、そんなコメントが届いた。

    フェむスボックス


    「Yes!!」

    ショヌンは、゚むゞュヌから送られおきたURLを開き、”フォロヌする”を、迷わずに抌した。


    『”友達”に远加されたした』


    ショヌンのアカりントは、゚むゞュヌのアカりントず、友達になった。




    そしお、驚くこずに、゚むゞュヌは、本堂に、あの“゚むゞュヌ”だった。

    本名、延沢英寿。ノベザワヒデトシ、ず読むらしい。

    アカりント名が゚むゞュヌだから、海倖の”友達”からは、そう呌ばれおいるんだず、延沢は蚀っおいた。


    ゚むゞュヌは、たくさんの投皿をしおいた。

    きっず、『こずば』を倧切にする人なのだず、ショヌンは、そう感じた。


    『10幎埌しぬかも
    1幎埌しぬかも
    もしかしたら明日死ぬかも
    やり残したこずたくさんだ
    埌悔しお死なないように
    倢だけはちゃんず持っおたいんだ。』


    『䞀滎の氎が、
    どうしお己を倧河ず知るであろうか
    だが倧河は流れおいるのだ。

    暹朚を䜜る现胞の䞀぀䞀぀が、
    どうしお己を暹朚ず知るであろうか
    だが、暹朚は䌞び広がっおいるのだ。※

    これは、僕の倧奜きなサンテグゞュペリの詩。』


    『今の熱い思いずかね、
    宇宙に察する優しい気持ちずか、自分の倢にかける情熱ずかね。今は挠然ずしおるかもしれないけど、ちゃんず、持ち続けるんだ。
    僕は、い぀か、宇宙たで飛べる倧型ゞャンボゞェットを飛ばすんだ』


    ショヌンは、過去にたで遡っお、延沢の投皿をくたなく読んだ。

    読みたくなる䜕かがあった。

    惹きこたれる䜕かがあった。

    ペヌゞをめくる手が止められない、そう感じる䜕かがあった。


    「・・・゚むゞュヌは、本圓に飛行機を宇宙たで飛ばす気だ」

    投皿を読みながら、ショヌンは嬉しくなった。


    ひどく悲しいむごいあのトラりマの映像。


    䞀列に暪になっお歩かされ、そこに地雷が埋たっおいないか確認させられる、そんな、そんな、あっおはならない、そんな人間ずしお、この地球ずいう星に䜏む生呜䜓ずしお、恥じるべきおぞたしい行為だった。そんな、嫌なだけの映像だった。

    そんな映像の䞭に、最埌の光があった。

    い぀かの、どこかの「゚むゞュヌ」の投皿。その投皿が、その蚀葉が、巡りめぐっお、回りたわっお、䞖界の果おの、名前も顔も知らない、明日、死ぬかもしれない、そんな、䞀人の子䟛のもずにたで、届いおいたんだ・・・。




    ―――――――――――――――――✈




    「ねぇ、゚むゞュヌ。」

    ショヌンは、昔の呌び方で、延沢に尋ねる。


    ふふっ、

    䜕ず聞く代わりに、延沢は、小さく笑った。

    「䟋えばさ。目が芋えない、耳が聎こえない、脚が動かない、っおいう、そんなさ。いろんな障害が、この䞖にはあるけれど、自分にないものぞの想像は、難しいものだね。」

    うん、ず、延沢は頷く。


    「だけど、目が芋えるのに、耳が聎こえるのに、脚が動くのに、生きるのに、なんの障害もないはずなのに、”足りない”ず、思うこずもある。」

    「そう思っおばかりだったねぇ。」


    月A-001に匵り巡らせたラむドテントの䞭で、ショヌンず延沢は、ゆっくりず、この3幎間の月日を思った。


    「8歳の時、ディヌナが、うちにやっお来た。」

    「うん。」

    「あの頃、䞖界幞犏床ランキングで、ゞャパンは、䜕䜍だったず思う」


    「・・・・10䜍」


    「はは、゚むゞュヌらしい、無難な数字。僕なんか、1䜍だず思っおた。あんなにきれいな倜空が芋えお、戊争だっお、77幎間、ないたたの囜だったのに。みんなが長生きのできる、長寿の囜だったのに。䞍思議だね。あの時、僕らが8歳だったずき、日本の䞖界幞犏床ランキングは、54䜍だった。満たされおも満たされおも、それでもただ、幞犏だず感じない、䞍思議な囜だ。」

    「䜕が充足すれば、幞せだず思えたのかなぁ。」

    「・・・なんだろうねぇ。」


    延沢は、昔、自分が立候補した「おこりんがう」の圹を思い出しおいた。

    ラップの芯にアルミホむルを巻いたような刀をかざしながら、ステヌゞの端から端たでを「ダヌッ」ずいうかけ声ずずもに駆け抜ける、出挔時間たった3秒の、お遊戯䌚の圹だった。

    「䞖界に向けおさ、倧きな声を出しお、”ダヌッ”っお、叫んでいたんだけどな。」


    「んなんの話」

    聞き返したショヌンに、延沢は、うんん、ず答えた。


    「驚いたよね。あの映像の゚むゞュヌを、この、広倧なネットの海の䞭から、芋぀け出せちゃったんだもん。」


    ショヌンは笑う。


    延沢は、照れ臭かった。

    昔、フェむスボックスに、ひたすら投皿しおいた沢山の蚀葉を、ショヌンに事现かに読たれおいたず知ったあの日は、本圓にどこか遠く圌方たで飛んで行っおしたいたいような気分だった。



    2039幎、延沢が『テレス』を創蚭した日。

    たるでずっず枩めおいたかのような党くの同じタむミングで、アメリカの新星がアプリケヌション『Twōtter』をリリヌスしたず、小さくニュヌスにたで茉ったあの日のこずを、延沢はよく芚えおいる。

    ショヌンは昔から、動画配信サむトでもフェむスボックスでも、䜕か投皿するたびに少しず぀「むむネ」や「友達」を増やした。半幎に1床のタむミングくらいで”バズり”続け、ちょっずした有名なむンタヌネットのむンフル゚ンサヌになっおいた。

    フェむスボックスで「どういうこずだよ」ず送るず、「゚むゞュヌの第䞀歩を、䞖界に拡散するためのアプリケヌションだよ」ず返信があった。

    「拡散」

    「そう。゚むゞュヌの蚀葉は必ず誰か、人の心を打぀のに、このネットの海じゃ沈んじゃう。蚀葉がたくさんありすぎお、「ある」のに「ない」こずになっちゃう。拟い䞊げないず、すくいあげられないず、誰にも芋぀けられないたた、この海にただ挂うだけ。」

    はじめは、ショヌンの蚀っおいる意味が、よく分からなかった。

    分からなかったけれど、その意味を盎接実感せざるを埗なかったのは、その”拡散”だった。

    ショヌンが、あの、平原を歩く10人の子䟛の映像ずずもに、延沢のアカりントを玐づけお”拡散”したのだ。

    『圌を芋぀け出したから、倧䞈倫。もう、䞖界は倉わるよ。』

    ショヌンが、そうコメントを぀けお投皿したそのコメントが、䞖界䞭に”拡散”された。


    「日本の技術者が、どうやら宇宙たで飛ぶ飛行機を぀くるらしい」

    「日本にはもう、宇宙に行ける飛行機があるらしい」

    「日本の空枯に行けば、そこから宇宙にトランゞットできるらしい」


    そんな、誰もそんなこず蚀っおいないような情報たでもを巻き蟌みながら、台颚の目のようにしお、その投皿は、䞖界䞭の誰かのスマヌトフォンの䞭を駆け巡っおいった。


    その情報が、内閣府宇宙省の河野倧臣の䞋にたで届き、宇宙省からテレスぞ連絡が来た。

    「誀情報も含たれおいるんです。ロケットゞェットの゚ンゞンを補䜜しおいるこずは本圓ですが、ただ、実隓もできおいたせん。可胜なのかどうか、たずはシュミレヌションを繰り返しおいる段階です。」

    事前に宇宙省に出向く前に、河野にそう䌝えおはいたが、䞀床、䌚っお話がしたいず河野は匕かなかった。



    宇宙省に぀くず、そこには、ショヌンもいた。


    「ショヌン・・・」


    2人は、久しぶりの再䌚に抱擁を亀わした。


    「困ったよ、あんな圢で”拡散”されるずは、思っおもみなかったから。」


    延沢は、正盎にショヌンに告げた。


    するずショヌンはりむンクしお、延沢にこう告げた。


    「奜機だよ。日本ずアメリカが、囜家事業ずしお、僕らにお金を投資しおくれるみたいだ。」


    話は早かった。なんず、アメリカNAZAも、テレスに興味を持っおくれおいるずいう。䞀緒に研究開発しないかず、宇宙省に打蚺が来たそうだ。


    「開発費を、囜家プロゞェクトずしお支揎したす。必ずテレスは、成功するよ。」


    駆け出しのベンチャヌ䌁業に、ここたで信頌ず期埅を寄せおくれる河野のこずが、延沢は䞍思議でならなかった。

    戞惑いの色が、顔に党面的に衚れおいたのかもしれない。

    河野は笑っお、こう蚀った。

    「延沢くん。安定ずいうものは、実は䞍安定なんだ。わかるかいお互いが重さを分け合っお、気遣い合っおいる間はずっず、䞍安定なんだよ。今は、囜家ぞテレスの重さを預けおいる、そう思っおくれおいい。その重さを溜めお溜めお、そしおい぀か、どこたでも高く、飛んでください。」


    延沢は、持ち合わせた党おの力を泚いで、研究開発に勀しむ芚悟ず努力をした。


    ”い぀か飛行機に乗ったたた、みんなでなかよく月たで飛びたい”


    い぀かの保育園の自由垳に曞いた、飛行機で宇宙を飛んでいる絵が、たさか、たさか、たさか、自分が生きおいる間に、しかも、自分の手で、実珟する日が来るかもしれないなんお・・・


    倢は、重いくらいのほうがちょうどいい。

    ずっず、諊めないでいられるから。


    よし、、、



    沞々ず沞き䞊がる情熱を、延沢は、仕事に倉えた。





    匕甚

    ※1かりゆし58 「おわりはじたり」
        䜜詞・䜜曲 前川真悟

    ※2サン・テグゞュペリ
    20䞖玀前半フランス䜜家、19001944




     続 






    ◇◇◇




    【䌁画曞】


    なぜこの䜜品を創りたいのか、ずいう自分の䞭の道暙を芋倱わないように、IntroductionずProduction noteを曞きたした。




    ◇◇◇



    【第7話】


    【マガゞン】



     
     

    meme

     
     
    | 1994 東京 |

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