
喜木凛の道案内|本と人をつなぎたい私の、これまでと今。
はじめに*最終更新2026年10月14日*
はじめましての方も、いつも読みに来てくださっている方も。
ここを訪れてくださり、ありがとうございます。
喜木凛です。「きき りん」と読みます。
図書館で働く司書であり、4歳の娘を育てる母であり、本とことばのそばで文章を書いている人です。
本が好きで、本の話をするのも好き。
誰かの文章を読んで、「この作品、もっといろいろな人に届いたらいいな」と思うと、紹介することばを考えたくなります。
このnoteの合言葉は、読む×書く×育てる。
本を読むこと。ことばを書くこと。
娘や企画、そして自分自身を、少しずつ育てること。
ここでは、そんな私のこれまでと、今取り組んでいることをお話しさせてください。
記事を選びたい方には、別のページに道しるべをまとめています。
気になるテーマから読みたいときは、こちらのサイトマップへどうぞ。
本が好きで、読めなくなったこともあります。
小さいころ、母によく絵本を読んでもらいました。
何度も開いた『ちいさいおうち』。大きなカステラに憧れた『ぐりとぐら』。
本の中には、まだ行ったことのない場所や、会ったことのない人たちがいました。
小学生のころには、ミヒャエル・エンデの『モモ』に出会いました。
分厚い本を読み終えた喜びと、物語の中に長くいた感覚。今も大切にしている一冊です。
けれど、大学で心理学を学んでいたころに病気をして、活字を読めなくなった時期があります。
文字は見えているのに、意味が頭に入ってこない。
好きな本を開いても、同じ行に何度も戻ってしまう。
「本が好き」という気持ちは変わらないのに、読めない。そのことが、とてもつらかったのを覚えています。
だから今も、本が好きなのに読めない人のことが気になります。
読みたい気持ちはあっても、仕事や子育てで、ページを開く余裕のない日もあると思います。
たくさん読める日も、表紙を眺めるだけの日も。
その人なりの距離で、本のそばにいられたらいい。
私が本のことを書き、図書館で働く根っこには、そんな思いがあります。
この肩書きは、ゼロの紙さんから。
私は、「ブックシェアコーディネーター」という肩書きを名乗っています。
この言葉を贈ってくださったのは、ゼロの紙さんです。
ゼロの紙さんは、短歌やエッセイを綴り、その人に合うキャッチフレーズや肩書きも手がけている方。2023年9月、私もお願いして、素敵な言葉の候補をいただきました。
私の記事を読んで、本と人との懸け橋になりたいという気持ちを汲み取り、言葉にしてくださったことが、本当にうれしかったのです。
一緒にいただいたキャッチフレーズが、こちらです。
本とあなたをつなぐ、心と言葉がひとつになるとき
本を読むのが好き。
好きな世界を、誰かにも知ってほしい。
その人に届く言葉で、本の魅力を伝えたい。
自分の中にあったそんな気持ちに、名前をつけてもらったようでした。
今も、誰かの作品を紹介するときや、企画を考えるとき、この肩書きを思い出します。
本と人が出会うきっかけを、私なりにつくっていきたい。その思いを確かめられる、大切な言葉です。
▶ 当時の喜びを綴った記事:肩書きに憧れて。
▶ ゼロの紙さんのお仕事について:言葉であなたを包む時~心より感謝を込めて。(皆様のキャッチフレーズ・肩書紹介)
図書館でも、家でも、ことばを探しています。
書店で働きながら司書資格を取り、2014年から図書館で働いています。
本を探している人の話を聞くこと。
まだ言葉になりきっていない「知りたい」を、一緒にたどること。
一冊の本が、その人の手に渡るまでには、いろいろな仕事があります。
好きな本に囲まれているだけでは見えてこない、難しさや悩ましさもあります。それでも、本と人が出会う場所に関わっていたいと思っています。
司書の仕事について率直に書いた記事は、公開から時間が経った今も、読んでいただいています。
家に帰れば、4歳の娘との毎日です。
寝る前には、両腕いっぱいに抱えてきた絵本を読む。
幼稚園の体操服を洗う前には、ポケットの中身を警戒する。
娘の思いがけない言葉に笑ったり、早くしてほしいと焦ったり。
本の中ではたくさんの物語を読んできたのに、目の前の子育ては、わからないことばかりです。
いちごのかき氷を、最後の一滴まで飲み干す娘。
かき氷機が届く火曜日を、待ちきれない娘。
そんな小さな場面も、過ぎてしまえば、もう同じようには出会えません。
覚えておきたくて、私は書いているのだと思います。
娘のことだけでなく、夫との暮らしや、仕事のこと、自分の気持ちがうまくつかめない日のことも書きます。
書いているうちに、「私は、こんなことを考えていたのか」と気づくことがあります。
迷いながら書いた文章に、誰かが自分の経験を重ねてくださることもあります。
2021年8月20日に始めたnoteは、少しずつ、私にとって大切な居場所になりました。
誰かの「書いてみたい」が生まれる場所へ。
自分の文章を書くことと同じくらい、誰かの作品に出会うことも好きです。
創作大賞2026では、応募作品を読み、帯コピーをつけて紹介する「この作品に帯をつけるなら」という企画に取り組みました。
長い物語から、どんな言葉を受け取ったのか。
これから読む人に、何を手渡したいのか。
短い帯の言葉を考える時間は、作品を何度も思い返す時間でもありました。
また、同じテーマから、それぞれの物語やエッセイを書く参加型企画「みんなのことば帖」も主催しています。
同じ月を見上げても、浮かぶ言葉は人によって違う。
自分ひとりでは思いつかなかった景色に、参加してくださる方が連れていってくれます。
そして2026年10月には、Xで始めた「まだない本の図書館」に、121冊の架空の本が並びました。
お願いしたのは、本のタイトルをひとつ考えていただくこと。
そこから私が内容を想像し、生成AIも活用しながら、あらすじや帯文、表紙と裏表紙をつくりました。
著者名は、タイトルをくださった方のお名前です。
「ジャケ買いしたい」
「実際に中身を書いてみたい」
そんな言葉をいただけたことが、とてもうれしかったです。
まだ中身のない本から、読む人の気持ちや、書く人の想像が動き始める。
画面の向こうに、本当に図書館が広がっていくようで、わくわくしました。
▶ Xで「タイトルだけください」と呼びかけたら、121冊の図書館ができました。
本を紹介することから、誰かの「書いてみたい」が生まれるきっかけをつくることへ。
ゼロの紙さんからいただいた肩書きの中で、できることが少しずつ増えている気がします。
これからも、本と人のあいだで。
本を読んでいた子どもが、書店員になり、司書になり、母になり、文章を書くようになりました。
振り返ると、本そのものだけでなく、本の向こうにいる人にも、ずっと心を寄せてきたのだと思います。
この人は、どんなところに心を動かされたのだろう。
この物語を、どんな人に読んでほしいだろう。
今は本を開けない人にも、届けられるものはあるだろうか。
そんなことを、これからも考えていたいです。
メンバーシップ「凛のことのはライブラリー」では、本や暮らしについての文章、週報などをお届けしています。
読むだけの日も、ひとこと話したくなる日も、自分のペースで立ち寄れる場所に育てていきたいと思っています。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
次に何を読もうか迷ったら、読むためのしおりとなるサイトマップをのぞいてみてください。
その日の気分に合う記事が見つかったら、うれしいです。
本の話でも、子育ての話でも、書くことの話でも。
どこかに「私も」と思うところがあったら、気軽にお話ししてくださいね。
これからも、本と人をつなぐ言葉を探していきます。
喜木 拝