
眠れない夜のお話「夜空をさまよう少年」
夜眠れないときに。
眠れずにスマホでここにたどり着いた方へ。
あなたが眠くなり、スマホを閉じることができるようなお話をご準備しました。
このお話は、読むのではなく、絵と文字を同時に、ゆっくりと「ながめて」ください。
そしてあなたがこの風景の中にいることを、ぼんやり思い浮かべてください。
Edited by REI / with support from ChatGPT, Image generated with Canva「夜空をさまよう少年」

少年は夜空に浮かんでいます。羽ばたくわけでもなく、ただ自然に持ち上げられるようにして、街の上を漂っていきます。
頭上には濃い群青が広がり、ところどころに星の粒が散らされています。
その光は、かすかな呼吸のように明滅し、静かに見守っているようです。
下に広がる道路には、車の光が流れています。赤や青の信号は、星とは別の規則正しい瞬きを繰り返し、夜空のリズムに呼応しているかのようです。

屋根の並ぶ街並みは、どこまでも同じ形をしており、果てが見えません。窓に灯る光は、夜空に浮かぶ星の配置と似ていて、下にも上にも、小さな輝きが延々と続いています。
少年はふと空に目を向けます。薄い雲が流れ、星を隠したり現したりしています。
その雲の揺れは街の川のきらめきに似ていて、空と地上の区別が少しずつ曖昧になっていきました。
やがて川を越える橋の上を過ぎると、水面に映る街の光と、夜空に瞬く星の光とが溶け合い、どちらが空でどちらが地上なのか分からなくなっています。

川の揺らぎに重なるように、雲もまたゆっくりと流れ、そのすべてが同じ大きな律動の中にあるようです。
少年の身体はさらに軽くなり、街の影も川の輝きも遠のいていきます。夜空の深みはひとつの色にまとまり、その中に漂う感覚だけが残っています。
まるで見えない大きな布の上に寝そべり、その揺れに合わせて静かに運ばれていくようです。
そしてその情景そのものが、現実というよりも、ただ穏やかに流れていく幻想の一部であることに少年は気づきます。
どこまでも広がる夜空、ゆるやかに漂う街並み、遠ざかる光の瞬き。

――それらは現実の景色であると同時に、少年をやさしく包み込むひとつの物語なのです。
夢のように淡く、どこから始まりどこへ続くのかもわからないまま、静かに安らぎの意識へ導びかれていくのです。