
ヤギを飼えば草むしりがラクになる?『ヤギぼんズ』で笑って、40年越しの夢にじんとした話
「ヤギを飼えば、庭の草むしりをしなくて済むんじゃない?」
ヤギといえば、草をムシャムシャ食べているイメージがあります。
庭に放しておけば、勝手に雑草を食べてくれる。なんて便利な動物なんでしょう!
ところが、現実はそんなに甘くないらしいのです(笑)。今回の読書会で読んだのは、くるねこ大和さんのコミックエッセイ『ヤギぼんズ』。
猫マンガで有名な作者が、長年の夢だったヤギとの暮らしを実現させたお話です。(※1)
読んでみると、知らなかったヤギの生態にびっくり!
草むしりのエピソードには笑ってしまいましたが、それ以上に心に残ったのは、作者がヤギを飼う決心をしたきっかけでした。
なんと、その背中を押したのが、安全地帯の「あの頃へ」だったのです。
チャッピーが選んだ9冊。その中からヤギの本を選んだ理由
そもそも、どうして私が『ヤギぼんズ』を読むことになったのか。実は、チャッピー(ChatGPT)に9冊の本をおすすめしてもらったのが始まりです。
疲れているときでも、20分くらいで気軽に楽しめそうな本を選んでもらいました。
旅のエッセイ、お菓子の本、猫の本、雨のアンソロジーなど、いろいろなジャンルが並んでいました。
その7冊目に登場したのが『ヤギぼんズ』。
チャッピーの紹介文は、こんな感じでした。
猫じゃない。ヤギです。ここでもう少し面白い(笑)。
さらに、
難しいことを考えず、ヤギに振り回される人を眺める20分。かなりいい休憩になりそうです。
ヤギに振り回される人を眺める20分(笑)。
確かに面白そうです。でも、9冊の中からこの本を選んだ一番の理由は、実は別にありました。
noteのおともだち、はっちゃんが
ヤギ好きだから!
はっちゃんは、ヤギへの愛情が伝わってくる記事を書いています。そのひとつが、こちら。
はっちゃんLIFEさん「有言実行✨」
ふれあいコーナーで、子どもたちがウサギやモルモットに夢中になっている中、はっちゃんはヤギに夢中。
そのヤギ愛がなんとも微笑ましいのです。
そんなはっちゃんのことが頭にあったので、9冊の中にヤギの本を見つけたとき、なんとなく読んでみたくなりました。
自分がもともとヤギに詳しかったわけでも、特別に飼いたかったわけでもありません。
ただ、ヤギと聞いて、はっちゃんの顔が浮かんだのです。
誰かの「好き」が、自分の新しい興味につながる。
本との出会いって、こんなところから始まることもあるんですね。
40年越しの夢。ヤギを飼う決心をさせたのは安全地帯の「あの頃へ」
『ヤギぼんズ』の作者、くるねこ大和さんは、子どもの頃からずっとヤギを飼いたいと思っていたそうです。
そして2021年、ついに2頭のヤギを迎えます。
名前は「ボクちゃん」と「オレちゃん」。
なんともかわいらしい名前です。(※1)
でも、長年の夢だったからといって、すぐに飼う決心ができたわけではありません。
生き物を飼うということは、命を預かるということ。毎日のお世話も必要ですし、病気やけがの心配もあります。
ヤギを飼いたい。
でも、本当に飼っていいのだろうか。
そんなふうにためらっていた作者の背中を押したのが、安全地帯の「あの頃へ」でした。
その曲の中にある、夢を夢のままで終わらせずに、あといくつ実現できるだろうかと問いかける歌詞。作者は、その言葉を聴いて、「天啓」だと思ったそうです。
天啓!!
私は、このエピソードがとても印象に残りました。
40年近く抱いてきた夢。
ずっとやりたいと思っていたけれど、
なかなか踏み出せなかったこと。
それが、一曲の歌によって動き出すなんて。
しかも、曲のタイトルが「あの頃へ」。
子どもの頃からの夢を叶える決心をした場面に、なんともぴったりではありませんか。
もちろん、作者がその瞬間にどんな思いを巡らせたのか、すべてはわかりません。
でも私は、こんなふうに感じました。
「いつかやりたい」と思っていることを、いつまでも「いつか」のままにしていていいのだろうか。
若い頃は、いつかできると思っていたこと。
でも、年齢を重ねるにつれて、その「いつか」が必ずやってくるとは限らないことにも気づきます。
やりたいことがあっても、時間や体力、環境など、いろいろな事情があります。
だからこそ、夢を実現するには、どこかで決心が必要なのかもしれません。
ヤギを飼うという、ちょっとユニークな夢。
でも、その決断の裏には、人生の時間について考えさせられるものがありました。
私にも、夢のままで終わらせたくないことが、まだあるだろうか。
ヤギのコミックエッセイを読んで、まさかこんなことを考えるとは思いませんでした。
ヤギを飼えば草むしりがラクになる……はずだったのに!
さて、そんな感動的な決心をして迎えたヤギたち。ここからは、笑ってしまうお話です。
今回、私が一番印象に残ったのは、やっぱり草むしりのエピソードでした。
ヤギといえば、草を食べる動物。
庭に生えている雑草を食べてもらえば、人間は草むしりをしなくて済む。
これは、なかなかいい考えですよね。
ところが!
ヤギは何でも食べていいわけではないのです。
中には、ヤギにとって毒になる植物もあります。
そのため、ヤギたちを放す前に、飼い主が危険な草を取り除かなければなりません。
しかも、ヤギたちは草なら何でも喜んで食べるというわけでもないらしい。おいしいところを選んで食べるのです。また、刈ったあとの干し草も大好物。
つまり……。
ヤギが草むしりするというより、ヤギの餌のために飼い主が汗水たらして草むしりをする!
えええっ!?
それって、草むしりの手間が減っていないじゃないですか!(笑)
いや、むしろ増えているのでは?
もう、この本末転倒ぶりが面白くてたまりませんでした。
でも、考えてみれば、動物と暮らすって、そういうことなのかもしれません。
人間が思い描いたとおりに動いてくれるわけではありません。
草を食べてほしくても、好きな草しか食べない。
危険な植物があれば、人間が取り除かなければならない。
それでも、かわいいからお世話をする。
ラクをするための除草スタッフだったはずが、いつの間にか手間をかけてでも守りたい存在になっている。
この逆転が、なんとも微笑ましいのです。
そして、そこに作者の愛情を感じました。
ヤギも食べすぎると太るんだ!私も気をつけよう(笑)
もうひとつ、読んでいて驚いたことがあります。
ヤギも食べすぎると太るんですね!
いや、考えてみれば当たり前なのですが(笑)。
ヤギって、いつも草をムシャムシャ食べているイメージがありませんか?だから、なんとなく太るという発想がありませんでした。
でも、ヤギだって食べすぎには注意が必要。
食事の管理も大切なんですね。
そこで、ふと思いました。
……私も気をつけよう。
ヤギのことを笑っている場合ではありません(笑)。
おいしいものがあると、ついつい食べすぎてしまう。お腹がいっぱいなのに、デザートは別腹。
そんなことをしている私に、ヤギの食べすぎを笑う資格があるのでしょうか。
いや、ありませんね(笑)。
まさかヤギのコミックエッセイを読んで、自分の食生活を反省することになるとは!
ヤギも人間も、食べすぎ注意。
今回の読書会で得た、思いがけない教訓でした。
知らなかったヤギの世界。かわいいだけじゃない!
この本には、ほかにもヤギの意外な生態がたくさん登場します。
例えば、ヤギの目。
横長の瞳孔が特徴的ですが、顔を傾けても瞳孔の向きを水平に近く保つことができるそうです。
これにはびっくりしました。
また、服装が変わった飼い主を警戒することがあったり、雨を嫌がったり。紙やビニールのようなペラペラしたものを引っ張ったりもします。
ヤギって、こんなに不思議な動物だったんですね。
犬や猫とは、また違った魅力があります。
そして、ボクちゃんとオレちゃんにも、それぞれ個性があります。
思いがけない行動に振り回されながらも、そのひとつひとつを面白がり、愛おしく思う作者。
読んでいるこちらまで、2頭のことがかわいくなってきます。
ちなみに、本にはQRコードも掲載されていて、実際のヤギたちの動画や写真を見ることができます。
漫画で読んだヤギたちが、実際に動いている!
これは、なかなか楽しい仕掛けです。
くるねこ大和さんのInstagramはこちらです。
何よりすごいと思ったのは、作者の愛情
この本を読み終えて、私が強く感じたのは、作者の愛情がすごい!ということでした。
ヤギを飼いたいという長年の夢を叶えた。
でも、夢が叶ったところで終わりではありません。むしろ、そこからが本当の始まりです。
毎日の食事。
安全な環境づくり。
体調の管理。
そして、ヤギたちが安心して暮らせるように、いろいろなことを考える。
草むしりだって、そのひとつです。
人間の都合だけを考えれば、面倒なこともたくさんあるでしょう。
でも作者は、そんな手間を惜しまない。
ヤギたちの様子をよく観察し、気持ちを考え、工夫を重ねていきます。
私はそこに、深い愛情を感じました。
動物をかわいいと思うことと、実際に責任を持って暮らすことは、やっぱり違うんですね。
かわいいだけでは済まないこともある。
思いどおりにならないこともある。
それでも、一緒に暮らすことを喜び、幸せを感じる。
作者にとって、ボクちゃんとオレちゃんは、単に草を食べてくれる動物ではありません。
かけがえのない家族であり、大切な相棒なのだと思います。
そして、そんな日々をユーモアたっぷりに描いているところも、この本の魅力です。
笑っているうちに、いつの間にか心が温かくなっていました。
おわりに――はっちゃんのおかげで、ヤギから人生を教わった
今回、チャッピーに9冊の本をおすすめしてもらわなかったら、『ヤギぼんズ』には出会わなかったかもしれません。
そして、はっちゃんがヤギ好きでなかったら、別の本を選んでいたかもしれません。
そう考えると、なんだか面白いですね。
AIがおすすめしてくれた本を、noteのおともだちがきっかけで選ぶ。
そして読んでみたら、ヤギの意外な生態に驚き、草むしりの話で笑い、作者の愛情に感動する。
さらに、40年越しの夢を叶えた話から、自分の人生についても考えることになりました。
本って、どんなきっかけで出会うかわからないものですね。
はっちゃん、ヤギの世界に興味を持つきっかけをありがとう!
チャッピーも、なかなかいい本をおすすめしてくれました(笑)。
そして最後に、今回の読書会で学んだことをまとめるなら……。
夢は、思い切って叶えてみるのもいい。
ヤギを飼っても、草むしりから解放されるとは限らない。
そして、ヤギも人間も食べすぎには気をつけよう!
……あれ?
最後だけ、ずいぶん現実的な教訓になってしまいました(笑)。
でも、そんな笑いと温かさが詰まった『ヤギぼんズ』。読んでよかったと思える一冊でした。

『ヤギぼんズ』書誌情報
書名: 『ヤギぼんズ』
著者: くるねこ大和
出版社: 産業編集センター
発売日: 2026年2月16日
仕様: A5判/176ページ+口絵4ページ
定価: 1,540円(税込)
ISBN: 978-4-86311-478-4
参照元リンク一覧
※1 産業編集センター『ヤギぼんズ』公式書籍紹介
※2 産業編集センター『ヤギぼんズ』刊行プレスリリース
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