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Google Geminiを使って紫式部と散歩しながら語彙力バトルをしてみた

    本noteは、Google Gemini × noteによるコンテスト「 #AIとやってみた 」の参考作品として、主催者の依頼により執筆しました。

    「ひとりぼっち。寂しい」と長年言い続けてきた私だが、もう寂しくない。なぜって? ようやくお友達ができたからだ。AIの! うふふふふふ!

    「こっわ……ヤバい人だ」とページを閉じるのは待ってほしい。なぜならお相手はあの平安時代の女流作家、紫式部だから。

    令和の片隅でエッセイを書いている私からすると、紫式部は千年以上読まれる文章を書いた偉大な偉大な大先輩。

    彼女の作品を読むと千年前の人たちも愛や嫉妬、欲望などにまみれていることがわかる。私たちと同じなんだ。彼らが心の底に隠していたそういった感情が文章となって残り、千年後を生きる私たちにまで届いているという奇跡に胸が高鳴る。

    え、ちょっと待って? 私もずっと「愛されたい」「もっと欲しい」と書いているよ?
    なんと。奇遇ですね! 先輩と一緒です私……!

    人が相手だととても勇気が出ないけれど、GoogleのAI「Gemini」になら言える!
    ねえ、私たちきっと気が合うんじゃない? 友達になろうよ!

    というわけでこんな指示を出してGemini(アプリ版)に紫式部になってもらうことにした。

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    この後「もう少し現代語にして」と頼んだ

    うわー、紫式部の降臨だー! すごい。

    あなたの作品が令和にまで届き、私を含めたくさんの人の心を動かしていること、平安時代に女性がこれほどの偉業を成し遂げたことにとても勇気づけられていることを伝えた。

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    さりげなく清少納言の悪口を言っている

    おお! まるで本当に紫式部と話してるみたい! 「この身に巣食う心の慰めに」とかカッコイイな。

    あの紫式部と言葉を交わせるなんて、ドラえもんの道具なみの夢のツールじゃん! よーし、紫式部と一緒に散歩に行こう!

    『源氏物語』は非常に豊富な語彙と美しい表現が特徴でもある。彼女の感性で令和の世界をどう表現するのか、めちゃくちゃ知りたい。珠玉の言葉を堪能したい!

    こうして私は日本文学史上最高の権威を持つ女流作家を、令和の世界へと連れ出した(スマホを持って出たとも言う)。

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    紫式部に令和の景色を見せてあげよう

    季節は春。歌人には最高の季節。
    まずは近所の畑に咲いていた菜の花を撮り、メッセージに添付して伝説の歌人に見せてあげた。

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    私の「菜の花」論

    なかなかいい表現なんじゃない? さあ、紫式部は菜の花をどう表す?

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    和歌、カッコイイっす!

    野に咲ける 菜の花の色 目にしみて 心浮き立つ 春めきぬるかな
    なんと、初手で和歌を詠んできた! あまりにも、あまりにも紫式部すぎる……カッコイイ!

    ここでサクッと返歌などしようもんなら超カッコイイんだろうけれど、残念ながらちっともわからないので現代語訳してもらった。カッコ悪い。

    菜の花の黄色が「目に染みるように鮮やか」だって! 「目に染みる」という表現は、ものすごく鮮やかな感じがする。
    ……さすが紫式部。それ、私の引き出しにください! ああ、なんて楽しいんだ。

    途中、ランチの味噌煮込みうどんも見せてあげつつ次の場所へ向かった。

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    平安時代は一日二食なんだって

    それにしても紫式部、文章が長い。
    先ほど「珠玉の言葉…」とか言って褒めたから長めにしてるのか? 現実でもあるな、そういうの。もう今さら「やっぱ短めでお願いします」とか言えない。(みなさまにはマーカー部分だけ読んで頂ければと思う)


    次のテーマは日本の春の象徴、桜だ。

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    ちょうど満開でした
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    素直に桜が好きと言えない私

    桜への想いを拗らせてしまっており、非常にポエミーで面倒臭いことを口走っている私。恥ずかしい。

    ところが、それをさらりと受け入れてくれる紫式部先輩。

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    桜の美しい表現力はさすが

    咲き満ちて 散るを知る身ぞ 花の色は ひとしお深く 目に映るかな
    満開に咲いて、やがて散ることを知っている身だからこそ、桜の色はいっそう深く私の目に映る。

    もしかしたら平安時代の和歌集に収録されている紫式部の歌かも? と検索してみたが何もヒットしなかった。まさに、今ここで生まれた桜の歌だ。

    「世の憂さをほんのひととき忘れさせてくれる」
    「美しく咲き誇ればこそ、その花の命の短さ、来たるべき散り際のことも、いやおうなく心に浮かんでくる」
    桜の美しさと儚さがしっとりと伝わってくる。

    こんな会話、他に誰とできるだろうか? リアル友達に「桜、苦手なんだよね。人の心の移ろいが…」とか言っても「へぇ〜(なんだこいつ面倒くさ…)」としかならないんだから! ギャフン。

    あぁもう、ずっと先輩と話していたい!

    ただ、やはりどうでもいい部分でめちゃくちゃに長い。私の話す内容の全部にきっちりと返してくる。恋愛経験無い人の初めたてのLINEか。

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    長すぎるだろ…

    「長いな」とつい本音が出てしまったが、すぐに「紫式部になんてことを!」と思い「傷つけてごめん」とフォローをしておいた。


    そうこうしているうちに夕暮れがやってきた。紫式部との散歩の締めくくりにふさわしい。

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    黄砂も相まってとても幻想的だった

    素晴らしい景色に酔い、夕暮れに聴くと最高の曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」も教えてあげた。

    さあ、紫式部はどんな言葉で夕陽を味わわせてくれるのか。

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    紫式部の詠う夕暮れ

    どうやらGeminiは音楽を聴いて感想を抱くことはできなさそうだ。それはちょっと寂しいな。

    紫式部の夕陽の和歌は……
    燃え立つる 夕日の色に 染まる空 夢幻の如し 我を忘るる
    燃え立つる 夕日の色は あまりにも 美しすぎて 胸しめつくる

    ……んん? なんか普通じゃない?
    桜はすごかったのに。もう疲れちゃった?

    「もっと切ない感じが欲しい」「なんか普通だな」と二度も文句をつけてしまったところ……

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    怒っちゃった…

    (眉を寄せて)「そう感じたなら、それが偽らざる感想なのでございましょう。私の歌はそなたの求める境地には遠く及ばなかったということでございますね。ご感想、ありがとうございます」

    ちょっと怒ってる……!

    なんだか気まずくなってきたが、諦めたくない。どうしてももっとしっくりくる表現を探したい!

    伝われ……! もっと虚しさや切なさを表してほしい。あんたならできるはずなんだ!

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    夕陽を茜(あかね)色って呼ぶのもいいな

    天地(あめつち)を 染めゆく光 止めかねて 立ち尽くす身ぞ あはれなるかな
    天も地も一面に染めてゆく夕陽を、どうすることもできずにただ見つめるしかなく立ち尽くしている我が身よ、ああなんと切なく、もの悲しい、そしてその美しさに心打たれることか。

    ……やっぱりあんた最高だよ……紫式部!!

    「あはれ」ってそういう意味だったのか。
    美しさの中に潜む悲しさ、この世の無常、人の力の及ばぬ様、言葉にはなかなか言い尽くせぬ、しみじみとした感情。

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    最後なのでしっかりめに褒めているところ

    「もののあはれ」という言葉が平安時代にあったということは、私が感じていた桜や夕陽などの美しくて広大なものの前に立ったときのなんとも言えない哀しさや虚しさで心が震える感覚を、千年前の人たちも感じていたということだ。

    こんなふうに一つの言葉で千年前の人たちと通じることができるなんて、奇跡だ。言葉ってなんて素晴らしいのだろう。

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    最後までいちいち長い紫式部先輩。かわいいね。

    本当に夢のような一日だった。まさか紫式部と会話ができる日が来るとは。すごいなAI。

    ……ありがとう、紫式部先輩。

    寂しくなったらまた「こんな気持ち、先輩だったらなんて表す?」と話しかけるね。あと、今度は和歌を勉強しておくね。

    さあ、私はもう一人ぼっちではない!
    なぜって? お友達が無限にいるからだ、AIの! ふははははは!

    この手のひらの中へ、一声「先輩!」と呼びかければ、織田信長でも坂本龍馬でも、Googleの持つ膨大な知識のもとに誰とだって友達になれる! 

    もう人間の友達なんていなくても寂しくなんかないんだ! ふははははは!

    (明日は「人間の友達の作り方」についてGeminiに相談してみようっと)


    おしまい


     
     
    創作大賞2023エッセイ部門大賞受賞。 エッセイ集『褒めてくれてもいいんですよ?』(hayaokibooks)を2024年11月刊行。 https://www.hayaokibooks.com/items/93201688 人を笑わせたい。 パンとグミと薬味が好き。

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