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Photo byomori55

第1回国勢調査のポスターがおもしろい

     国勢調査は5年に1度、西暦年の末尾が0の年と5の年に行われます。去年2020年がその年に当たりますが、オンラインで回答できるようになったのはそのときが初めてです。私もその際に初めてオンラインで回答しました。
     日本で国勢調査が始まったのは1920年(大正9年)、今から100年前です。さて、100年前の国勢調査はどんなものだったでしょうか。それが分かる場所があります。総務省統計局の敷地内にある「統計資料館」です。東京都新宿区、実は私の勤務校のすぐ近くです。
     そこに展示してある「第1回国勢調査」のポスターがおもしろいのです。なにがおもしろいって、ほとんどの漢字に「ふりがなみたいなもの」が振ってあります。「みたいなもの」というのは、「読み方」を振っているのではなくて、「意味をわかりやすく」振っているのです。

    統計資料館1

    上左のポスターから見出しを除く全文をここに書き写してみましょう。

    調査事項しらべることがら
    一 氏名なまえ
    二 世帯に於ける地位しょたいの あるじとの つづきがら
    三 男女の別をとこか をんなか
    四 出生うまれた の 年月日としつきひ
    五 配偶の関係つれあひが あるかないか
    六 職業しょくげふ及と職業上の地位その みぶん つとめがら
    七 出生地うまれたところ
    八 民籍別みんせきべつ 又または 国籍別こくせきべつ

    此こ の 調査しらべ は 租税の賦課ぜいきん にも 犯罪つみびと の 捜索しらべ にも 又また は 戸籍寄留こせききりゅう にも 関係かんけい は 絶対ぜったい にありませんから 安心あんしん して 有あり のまヽを 申告しんこく して 下くだ さい

     漢字が読めない人への配慮だったのだろうと思いますが、漢語(=熟語=音読みの言葉)をなるべく使わずに、和語(=やまとことば=訓読みの言葉)を使っているのです。その点がとても新鮮に感じます。現代の感覚からいうと、むしろお洒落なんじゃないかと思います。
     もう1つ、右上のポスターから抜粋すると、

    社会よのなか の 実況ありさま
    現在そのとき の 状況ありさま
     正確にまちがはぬやうに
     提出するわたす

     もっといきましょう。

    統計資料館2

     左上のポスターでは、

    申告書用紙かくかみ
    申告書かいた かみ

     ところで、そのポスターには、

    全まった く 書か けない 人ひと は 書か いて 上あげ ます

    という優しい文面があります。かと思いきや、右上のポスターには、

    此こ の 調しら べに 漏も れては 国民こくみん の 恥はぢ です

    という厳しい文面もあります。いろんな意味で時代を感じます。
     ところで、この記事では上の4つを「ポスター」と呼びましたが、当時はそんな言葉はおそらく無かっただろうと思うのですが、さて、当時は上のようなものを何て呼んでいたのでしょう?
     「広告」かなぁと思ったりしましたが、でも漢字が読めない人のために何て「ふりがなみたいなもの」を振るんだろうとまたまた気になって、そうすると「はりがみ」かなぁと思ったり。
     一般の見学者がほとんどいないような小さな施設ですが、意外と楽しめました。

    ※ 実験的に使えるようになった「ルビ機能」をさっそく使ってみました。

    ◇      ◇      ◇

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    情報科・数学科教員にして   作家・旅人・芸人 AI評論家・火山ハンター

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