
一杯目のコーヒーは、まだ温かい|喫茶店|地図にない灯り🌙
やぁ、いらっしゃい🌙
今日は、少しだけ物語を。
とある喫茶店のお話です。
温かいコーヒーでも飲みながら、
ゆっくり読んでいってね🌙
『一杯目のコーヒーは、まだ温かい』
商店街のはずれに、小さな喫茶店があった。
古い木の扉。
少し傾いた看板。
窓辺には、いつも小さなランプが灯っている。
店主には、ひとつだけ習慣があった。
その日、
お店を訪れたお客さんの数をノートに書くこと。
開店初日。
ノートに書かれた数字は「0」だった。
朝から淹れ直したコーヒーは、
もう何杯目だろう。
時計の針が閉店時間を指したころ。
カラン、と扉が鳴った。
「あの……まだ、やっていますか?」
制服姿の女の子だった。
「ええ、もちろん」
「でも、あまりお金がなくて……」
店主は少し考えて、笑った。
「今日は開店記念日だからね。最初のお客さんにはサービスなんだ」
もちろん、そんな決まりはなかった。
女の子は窓際に座り、
温かいカップを両手で包んだ。
何かを話すわけでもなく。
ただ、窓の外を眺めていた。
やがて帰り際、女の子が尋ねた。
「ここ、明日も開いていますか?」
「ええ。明日も、その次の日も」
女の子は少しだけ笑った。
「よかった」
「どうして?」
「帰り道に、灯りがあるって……なんだか安心するから」
そう言って、小さく頭を下げた。
その夜。
店主はノートを開いた。
『1』
たった一人。
でも、不思議と寂しくなかった。
それから、長い年月が流れた。
喫茶店には、いろいろな人が訪れた。
試験に落ちて泣いた学生。
結婚の報告に来た恋人たち。
仕事を辞めたと笑う会社員。
いつもの席で、いつものコーヒーを飲むおじいさん。
毎日、誰かの物語があった。
店主は、その一つひとつをノートに残した。
ある日、数字が「9,999」になった。
翌朝。
店主はいつものようにランプを灯し、扉を開けた。
カラン。
「いらっしゃいませ」
入ってきたのは、小さな男の子と、その母親だった。
窓際に座った男の子は、ココアを注文した。
母親は店内をゆっくり見渡していた。
「……変わってない」
店主は顔を上げた。
「昔、来られたことが?」
女性は微笑んだ。
「はい。ずっと昔に、一度だけ」
そして、少し照れくさそうに言った。
「お金が足りなかった私に、コーヒーをサービスしてくださったんです」
店主の手が止まった。
「……ああ」
忘れていなかった。
あの日、最後に扉を開けた女の子。
女性は窓辺のランプを見つめた。
「あのころ、学校にも家にも居場所がない気がしていて」
「でも、このお店の前を通るたびに思っていました」
「今日も、あの灯りがついてるって」
男の子が不思議そうに尋ねた。
「ママ、泣いてるの?」
「ううん。嬉しいの」
女性は笑って、息子の頭を撫でた。
「ママね、昔ここで元気をもらったの」
「だから、今度はあなたと来たかったんだ」
店主は何も言わず、温かいコーヒーを淹れた。
その日の夜。
いつものノートを開く。
『10,000』
一万人。
ずいぶん遠くまで来たものだ。
店主はページをめくった。
何冊も、何冊も。
そして、一番古いノートを取り出した。
開店初日。
たった一つだけ書かれた数字。
『1』
その横に、当時の自分が小さく残した言葉があった。
『明日も、灯りをつけよう。』
店主は窓辺のランプを見つめた。
あの日から、一度も変えなかった場所。
あの日から、ずっと灯し続けてきた光。
自分はただ、毎日お店を開けていただけだった。
でも。
あの小さな灯りを、誰かが何年も覚えていてくれた。
店主はノートを閉じた。
そして、明日のためにコーヒー豆を挽き始めた。
明日も、きっと誰かが扉を開けるから。
おしまい。
ゆきさん!!!
フォロワー1万人おめでとうございます🌙
いやぁぁぁ!!!
ついに!!!
ついに1万人ですよ!!!🌙
すごすぎます!!!
2025年8月31日。
フォロワー0人から始まったnote。
そこから、毎日の3行日記。
長編小説『ルミナール戦記』への挑戦。
共同マガジン『綴り灯』の運営。
そして今回のショートショート企画『地図にない灯り』。
たくさんの言葉を書いて。
たくさんの人と出会って。
今日、ついに1万人。
めっちゃすごいですよね🌙
ゆきさんは、2026年の目標として
「フォロワー1万人」を掲げていました。
そして、本当にそこまで歩いてきた。
かっこよすぎます!!🌙
だから、今日はこの物語を贈ります。
喫茶店の店主が灯していた、小さなランプ。
それを誰かが覚えていてくれたように。
ゆきさんの言葉も、きっと知らないところで
誰かの心に残っていると思います。
1万人という数字は大きい。
でも、その始まりは、
たった一人だったんですよね。
その一人一人を大切にされてきたからこそ、
今日があるのだと思います。
もちろん。
1万人は、ゴールじゃない。
でも今日は。
ここまで歩いてきた道のりを
たくさん褒めていい日だと思います🌙
そして次の誰かが、
また新しくゆきさんの物語に出会う。
そんな楽しみな未来が、まだまだ続いていくはず。
ゆきさん、本当におめでとうございます!!
🌙 今回参加した企画
雪綴ゆきさん主催のショートショート企画
ひとつの場所から、
いろんな物語が生まれる企画です。
小説を書いたことがない方でも参加できます。
皆も、自分だけの喫茶店の物語を書いてみよう😊
それじゃ、またね。
明日も、あなたの帰り道に灯りがありますように。🌙