
「これ、AIで自動化できる?」と聞かれたら、僕が最初に確認すること。
「これ、AIで自動化できる?」
そう聞かれると、つい考えたくなります。
この資料を読み込ませて。
このExcelとつないで。
最後に、いい感じにまとめてもらって。
考え始めると、ちょっと楽しい。
そして、その「いい感じ」を考える仕事が、だいたい僕に残る。笑
でも、仕組みを考える前に、確認したいことがあります。
「今、どの作業にいちばん時間がかかっていますか?」
AIを使うかどうかは、その答えを聞いてから考えたいんです。
「資料作りが大変」の中身を、ほどいてみる。
たとえば、毎週の報告資料をラクにしたい、という相談があったとします。
最初の依頼は、「報告文をAIで書けるようにしたい」。
ところが、作業を順番に並べると、こんな流れでした。
各部署から数字が届くのを待つ。
ファイルごとに違う項目名をそろえる。
数字が合わない箇所を担当者に聞く。
表をまとめ、報告文を書く。
もし時間の大半が、届いていない数字の催促や、項目の読み替えにかかっていたら。
最後の報告文だけ早く書けても、資料全体が早く完成するとは限りません。
「資料作り」という名前でまとめられていた仕事の中に、待つ時間、探す時間、確認する時間が入っていた。
そこを見ないまま文章作成を自動化すると、いちばん困っている部分を残してしまいます。
面倒な作業にも、種類がある。
同じ「毎回大変」でも、理由によって手の打ち方は変わります。
必要な情報が届かないなら、まず提出先や締切をそろえる。
同じ数字を何度も転記しているなら、転記そのものを減らせないか考える。
そもそも誰も使っていない資料なら、続ける必要があるかを確認する。
そのうえで、文章を整える、内容を分類する、といった作業にAIを試す余地があるかを考える。
毎回同じ条件で集計する処理なら、Excelの機能やプログラムで組む案も比べたいです。
もちろん、どれを選ぶかは、扱うデータや会社で使える環境にもよります。
AIの相談から始まって、結論が「入力欄をひとつ減らしましょう」になるかもしれない。
少し地味です。
でも、困りごとが減るなら、それも立派な着地だと思っています。
作業時間と一緒に、確認する時間も見る。
もうひとつ、忘れたくないことがあります。
出力を作る時間だけで、ラクになったかを判断しないことです。
下書きがすぐできても、元の資料と全部照合し直すなら、その時間も仕事に含まれる。
間違いを見つけたときに、どこから直せばいいか分からなければ、調べる時間もかかります。
だから試すなら、いきなり全部を任せるより、小さな作業をひとつ選びたい。
会社で利用を認められた環境と、入力してよいデータの範囲を確認したうえで、同じ作業を比べてみる。
準備、出力の確認、修正まで含めて、手間が減っているか。
必要な品質を満たしているか。
最後に誰が確認すれば、仕事を終えられるか。
そこまで見て、続けるかを決める。
「生成は一瞬でした。確認はお願いします」だと、誰かの仕事が増えただけかもしれないので。
その誰かが僕、という展開も避けたいところです。笑
最初の相談では、この四つを聞きたい。
僕が相談を整理するなら、まずはこの四つです。
誰が何に使うための仕事なのか。
完成した資料やデータが、どんな判断や次の作業につながるか。手順のどこで、時間や手間がかかっているのか。
作る時間だけでなく、待つ・探す・確認する時間も分けてみる。何が変われば、ラクになったと言えるのか。
作業時間、確認の往復、入力回数など、困りごとに合う見方を決める。小さく試すなら、どこまで任せられるのか。
入力してよい情報、必要な品質、確認する人をそろえる。
きれいな業務フロー図を作らなくても、箇条書きで十分です。
むしろ、最初から立派な資料を作ろうとすると、改善のための仕事が増えます。
これは、できれば避けたい。僕の仕事も含めて。
「できる?」の前に、「どこをラクにしたい?」。
AIを使ってみたい、という入口は悪くないと思っています。
それが、いつもの仕事を見直すきっかけにもなるので。
ただ、道具を選ぶ前に、困っている場所を一緒に見たい。
「これ、AIで自動化できる?」と聞かれたら。
「今、どの作業にいちばん時間がかかっていますか?」
少し遠回りに聞こえるかもしれません。
でも、ラクにしたい仕事を間違えないために、僕はここから話を始めたいです。