
分水嶺を行く。水と国を分けた鳥居峠、藪原宿から奈良井宿へ ー 旅の栞 中山道木曽路編 ー
毎度、なぐなぐツーリストのツアー(なぐツー)に参加いただき、ありがとうございます。今回は、中山道木曽路で宿場町をハシゴしちゃいます。もちろん、歩きますよ。
近年、混雑ぶりが半端ない「奈良井宿」。なぐツーお得意の、ずらし旅プランを紹介します。
今回のプランは、コチラ
JR木曽平沢駅周辺に、車を駐車。
一気に、藪原駅まで列車移動。
藪原宿ー鳥居峠ー奈良井宿を歩き、平沢地区もブラブラ。
トータル時間は、4~5時間
木曽の自然と歴史を、満喫するプランです。
それでは、はじまるよ
集合は、木曽平沢駅に朝8時半です!
はやっ!
▼ 楢川支所トラップにひっかかるな
ずらし旅の難題って、なんだい?
そう、駐車場なんだい。
外角低め旅は、駐車場探しから始まるのだ。
事前に調べたところ、
候補は、楢川支所とうるしの里広場の2か所。
今回は、楢川支所を選択。
はい、これがトラップだったんです(笑)

【無料駐車場】
・楢川支所駐車場・・・
とくれば、「楢川支所駐車場」と検索するよね。そして、Googleさんが案内してくれたのが、「塩尻市 楢川支所」の駐車場。

ところが!
この住所(平沢2221-1)は、なんと!
「塩尻商工会議所 楢川支所」だったんです。
塩尻市と塩尻商工会議所・・両方あるなんて、聞いてないよー
ということで、塩尻市観光協会が案内する「うるしの里広場」駐車場が安心。ここなら木曽平沢駅まで徒歩10分。
前置きが長くなりましたが
列車に乗ります。
▼ 木曽平沢駅
木曽平沢駅には、券売機がありません。
交通系ICも使えません。現金のご用意を

8時38分発
中津川行の列車は、意外に混んでいた。
途中の奈良井駅、多くの客が降りようとしたが大混乱。
車内精算しかも「キャッシュオンリー」であった。
一切合切断固として、交通系ICは拒否なのだ。
さすが、ワンマン カー
えっ? ワンマンは、そういう意味じゃなくて・・?

トンネルを過ぎると、そこは
▼ 木祖村
雪国ではなく、木祖村であった。
トンネルを境に、塩尻市と木祖村に分かれる。
精算の混乱で、10分程遅延して、藪原駅に到着。
3連休の中日にも関わらず、降りたのは数名であった。ずらし旅成功の予感。
空気が気持ち良い。この空気感の違いが、旅なんだよね。ワクワクしてきた。看板が充実していて、迷うことはないが、(英語と日本語のバイリンガル)マップが駅舎に置いてあった。心配ならゲットしよう。
まずは、鳥居峠を目指そう。
▼ 藪原宿
すぐに、宿場町の街並みが見えてくる。
昔ながらの風情が残る。

宿場町の入口付近は、外敵防御のため道がクランク(枡形)になっている。そういった地形の意味が分かってくると、旅先の風景が面白くなってくる。知識と体験の融合が楽しい。
藪原宿は、高級な櫛(お六櫛)の生産地でもある。
妻が欲しがっていたが、悩んだ末、断念。
ちょっと、手が出ない価格・・・
オイラの時計を質に入れるかな(笑)
オー・ヘンリー かっ!
▼ 分水嶺ってなによ
いよいよ、登り坂になってきた。
分水嶺、鳥居峠を目指すのだ。
その前に、喉を潤そう。

この、原町清水は、木曽川水系として太平洋にそそぐ。鳥居峠の反対側は、信濃川水系となり日本海側に出るのだ。ほんの少しの運命のいたずらが、その後の人生、いや水生をわけるのだ。なんだか、ロマンを感じませんか?
オイラだけ?
▼ 鳥居峠
旧中山道を歩きます。登山道より高低差が少なく歩きやすい。

なんといっても、緑の中を歩くって、気持ちがいいよね。
藪原宿を見下ろす。
山が深いのだ。さすが分水嶺。

ピークを過ぎる。ここから水たちは、日本海を目指す。鳥居峠は山が深く、現在も国道、鉄道ともにトンネルで峠を抜ける。
山は、国もわける。
信濃国と美濃国が、木曽が欲しい!と、領地を競い合った結果、879年には鳥居峠付近を国境とするという裁定が出ている。今でも、木祖村と塩尻市の境は、鳥居峠だ。
深い山には、今でも自然が残る。
他に類を見ないトチノキ群だ。

何かを語り掛けてくるようだ。
▼ 奈良井宿
2時間半ほど歩くと、奈良井に到着。
下界に来たって感じ、緊張が解ける瞬間。当時の旅人も同じ気分であっただろう。

今回の道中で感じたのは、水の豊かさ。真正面左に見える小屋も、水飲み場。飲料可能な冷たい水が、こんこんと湧き出ていた。
午前中は、人影も少な目。

そして、
宿場町についたら、昔も今も目的は同じ
メシ!
▼ すんき?とうじ?どっち?
本日は、「山なか」さんにお邪魔します。

とうじそばにするか、すんきそばにするか
悩んだ末、すんきそばに決定!
本来は、12月~6月にしか食べられない一品。
「終盤の味になってきたけど、すんき、まだあります。」
という一言に心が動いた。(限定に弱いのだ。笑)

説明しよう!
すんきとは、木曽で古くから食べられてきた漬物。地元野菜である赤かぶの葉茎を、乳酸菌発酵させたもの。
ずるずるっ
そばを一口すする。
おぉぉ・・
おしっこした後の震えに近い、ぶるっとくる酸っぱさ。体の奥底から感じる酸っぱさが、口に広がる。(女性にはわからないか・・・)
汁もすする。おぉ、見事にすんきに汚染されている。じんわり酸味が続く、それでいて旨味も感じる。
▼ 発酵つながりといえば
もうひとつ、オイラがどうしても訪れたかったのが
「杉の森酒造」
以前、雑誌で読んで、気になってたんですよねー
蔵と別の場所ですが、試飲や購入、角打ちもできる「sagyobar stand」があります。ぜひ、寄ってください。いや、言わなくても酒好きなら吸い寄せられるはず。

ここは、廃業した酒蔵の免許を譲り受け、再出発した酒蔵です。ひとりで醸す小ロット生産の酒蔵です。呑むとわかる、新たな風を感じる蔵です。
えっ?
なぜ、わかるかって?
我が家には、試飲担当がいるからです。
妻が、美味そうに試飲している横で、運転手のオイラは、匂いを嗅ぐのみ。拷問です。笑
そして、色々試飲した結果、「narai β7」(酒蔵限定販売、妻が試飲済)をゲット。妻も、限定に弱いんです。
杉の森酒造は、鳥居峠付近の分水嶺から湧く山水を使って酒を醸しています。途中でたっぷり味わった、あの柔らかな冷水です。美味い水とお酒はセットなんです。
どうやら、この酒蔵をはじめ、奈良井宿がより面白く変わりつつあるようです。
かつては、観光バス客中心の短時間滞在の観光地でした。それが、文化、歴史、そして食も(酒も)楽しめる、滞在型の場所に変貌しつつあります。お昼過ぎには、どこも駐車場は満車。その列は、国道19号まで延びていました。じっくりのんびり楽しむなら、朝から訪れるのが正解です。
▼ 再び平沢地区へ
少し歩きます。
平沢地区は、早朝と変わらぬ静けさであった。
奈良井宿が商業地区なら、平沢地区は生産地区。木曽漆器の生産が盛んな場所で、今でも町並みは、古き良きままです。
奈良井宿の喧騒を離れ、じっくりと木曽路の雰囲気を味わうことができます。ここに駐車場を確保すれば、最後にじんわりとした余韻を残した旅として、締めくくることができます。

名古屋からなら、日帰り圏内の奈良井宿。
頑張って、早起きしてみませんか?
それでは、次回のなぐツーは、別の場所からお届けします。
次回も、おったのしみにー!
(おしまい)