
『自分とか、ないから。』はどんな人におすすめ? 読んで感じた魅力と、しっくりこなかった点
『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』を読みました。
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その後、サラタメさんの要約動画を見ていたところ、「心が折れそうな人には東洋哲学が効く!」と紹介されていました。
最近、わりといろいろと大変なことがあったのですが、正直なところ、私にはそれほど効いた実感がありませんでした。ただ、この本を読んでよかったとは思っています。悩みが消えたからではなく、自分がこれまで考えてきたことを、もう一度見つめ直せたからです。
いつもとは逆の順番で本を買ってみた
普段は、次の順番で本を買っています。
①YouTubeの本要約動画やnote、Webサイトなどで、本を知る
②Amazonの欲しいものリスト(ウィッシュリスト)に登録する
③しばらく寝かせる 👈ここが重要
④その後、まだ本当に読みたいと思ったものを買う
ここで重要なのは「しばらく寝かせる」という習慣で、衝動的に購入することを抑えていました。しかし、今回はBOOKOFFで見つけて(本が呼んでいる気がしたので)衝動的に買ってみました。
その後に、ChatGPTにおすすめ度を聞くと評価は9.2点。そして、読んでから要約動画をみるという、いつもと逆の順番で試しました。
「無我」は、あまりしっくりこなかった
ブッダ・龍樹、老子・荘子、親鸞・空海の思想を、インド→中国→日本という構成で紹介されており、東洋哲学を面白おかしく学べました。
ただ、正直「無我」に関しては、固定的・独立的な自己はないという考え方はわかるものの、「自分がない」という表現よりも「自分と世界はつながっていて、境界が曖昧」という表現のほうがしっくりきました。
高校生の頃から好きだった『攻殻機動隊』や、井上雄彦先生の『バガボンド』にも、そうした感覚のセリフがあります。
草薙素子「生命は枝の先になる果実ってところね」
沢庵和尚「それでも天はお前とつながってる」
私が感じている「私であり、世界でもある。」というつながりの感覚は、「無我」と対立する考え方ではないですし、重なる部分もあります。そして、感覚的にはこちらのほうが理解しやすいのです。
「本当の自分」を探し続けても、見つからないのかもしれない
自分探しをした結果、「自分とか、ないから」という結論は面白かったです。個人的にも、自分探しはほどほどがよいと感じます。
例えば、自己分析は大事です。何が得意で何が苦手か、今の環境は何が求められていて、どれだけマッチングしているかなどの分析は役に立ちます。
ただ、もっと自分に合っている仕事、職場があると思って転職して、ちょっと失敗だったなと思ったことはあります。
大切なのは、今の自分に合うかどうかだけで判断しないことです。
自分も環境も変わり続けることを前提に、自分が将来どうなりたいかを考えて、そこを目指す方がよい気がします。
読んだあとに要約動画を見ると、感想が違っていた
ちなみに、サラタメさんの動画を、本を読んだ後に見てみると、自分の感想との違いや、自分では注目していなかった点に気づけて面白かったです。
「悩みが全部消えすぎて、逆に不安になる本(笑い)」というタイトルで、「心が折れそうな人には東洋哲学が効く!」という内容でしたが、私は、あまり効いたという実感はありませんでした。
確固たる自分とかないのに、自分探しの旅に出て、どこかにあるように思えてきてしまう。これは毒でしかない。
という話は面白かったですし、龍樹の「空」についても、興味深いと感じました。
例えば、お金は、人間社会の仕組みや信用によって価値が成立しています。その意味では絶対的な価値ではありません。ただ、「お金なんてフィクションだから、稼ぐ意味はない」になると極端で、絶対的な価値がないからといって、現実的な価値まで否定する必要はないと感じました。
ChatGPTのおすすめ度は9.2点。この評価が正しいかわからないが、読んでよかった
ChatGPTのおすすめ度は、9.2点でしたが、正直、ここは何点が適切だったのかわかりません。
9.2点だとかなり高得点ですが、読み終わった時、もう少し低くてもいいと感じました。その理由は、教養としての東洋哲学という点では面白かったものの、特に強く刺さったわけではないからです。
しかし、
「特に反発したところが重要だと思います。」
とChatGPTから提案があった通り、無我に対してしっくりこなかった理由を深掘りすることで、自分はすでに何を考えていたのかが明確になりました。
そして、『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』を読んだからこそ、『反応しない練習』を読み直したいと思えたので、9.2点でも悪くはないと感じています。
では、どんな人におすすめなのか?
実際に読んでみて、私なら次のような人におすすめしたいと思いました。
おすすめしたい人
東洋哲学に興味はあるものの、難しそうで手が出せなかった人
「本当の自分」を探し続けることに疲れている人
自分の考え方を、これまでとは違う視点から見直してみたい人
少し合わないかもしれない人
東洋哲学を学術的に、厳密に学びたい人
具体的な問題解決の手順や即効性のある対策を求めている人
本書は、著者の体験やユーモアを交えながら、東洋哲学に触れられる本です。難しい哲学の入門書ではなく、とにかく面白い。スラスラ読めます。
『無我』や『空』を説明されても全くわからないという人も、この本なら感覚が掴めるのではないかと思います。
自分を理解する。でも、決めつけない
今回の読書によって悩みが劇的に消えたわけではありません。しかし、過去に出会った作品を思い返し、昔の仕事観を振り返り、自分の考え方が少し明確になりました。
ただ、今回は、これ以上深追いしなくてもいい気がしています。
またいつか、「私はこういう人間だ」という思い込みが強くなって固定的な自己が出たら、この本を開いてみようと思います。
人間は、一度理解したことを忘れたり、以前はできていたことが、できなくなったりすることがあります。疲れや体調、周囲との関係性、環境の変化などによっても、考え方や行動が変わります。
だからこそ、自分自身を観察しながら、その都度考え直していけばいいし、AI時代になっても、少し時間が経ってから、また本を手に取り、読み直すことは価値があることだと感じます。
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