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Photo byokome_thai

江戸川乱歩が呼び起こした私の記憶の入れ替わりは、語るべき怪談

    📚
    #人間椅子
    #江戸川乱歩

    面白かった。引き込まれてしまった。人間の想像の怖い部分を言葉で表現出来る作品は、読んでいてストレスを感じない。それは、説明を省く作業をきちんとして恐怖を想像させるからだと思う。

    なんとなくですが、表現方法としてあえて時代を感じさせない言葉の使い方をしていると思われる。頭の中ですぐにイメージが出来る。

    仮にもしそうだとしたら、物凄くエンターテイナーだ。いつの時代に読まれてもいいことを想定して届けるのは、粋でしかない。そうあって欲しいと願うし、そうだと思える自分が今、時代を越えて読書しているというのがまた、読書の醍醐味だと思う。

    江戸川乱歩の世界に酔いしれた私にやってきたのは、かつて自分の身に起きた不可思議な出来事をを思い出させた。記録として残しておくべきだと思う。

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     春陽堂のカバーが好き

    ついにホラーコニシ木ノ子がデビューするしかない。私に必要なのは、ホラー要素だと常々思っていた。いいですか。ここから先はこわいです。

    それでもよければぜひ👻

    「記憶のバトン」というはなし。

    高校2年の冬でした。

    少し、身体がだるく熱っぽかった僕は学校を早退して病院に行くことにした。

    病院は、家の近所に一軒しかなくどうしたって混むような所。

    近所に住むお年寄りは、診察というよりは会合といった感じで集まるような所だった。

    建物は古く、長椅子を整然と何列かに整列させただけの古い待合室。

    僕は、長く待つのも想定しながら病院にフラフラしながらたどり着いた。

    待合室は、ごった返していた。

    どこでもいい。どこでもいい。座りたい。
    そうやって空いている所を確認した。

    スーツを着こなした洒落た老人の隣の席がそこだけなぜか別空間のように空いていた。

    僕は、ボーっとした頭で考えていた。

    洒落た老人の隣はさすがにおばあちゃん同士でも牽制しあって話しかけられないのか。

    いくつになっても乙女だな。少し可愛く見えてきた。

    僕は、誰も腰掛けないその老人の横に腰掛けた。
    フラフラしていたので、すぐにでも寝ようとうつらうつらしていたんだ。

    何か、耳元で声が聞こえる。

    気のせいではない。夢ではない。

    老人が僕に話しかけている。

    「あなた○○高校かね」

    見ての通りだよ。話しかけないでくれ。
    僕は痛い頭を押さえながら、いやいやうなずいた。

    「お礼を言わなきゃならんことがあるから聞いて欲しい」

    え。今ですか。僕関係ないですよ。
    寝かして下さい。

    なんて言えない純朴青年。

    老人に聞こえるか聞こえないかくらいの声で必死に呟いた。

    「なんのはなしですか」

    どうやらこの頃から僕は決め台詞として使っていたらしい。

    老人は、お構い無しにマイペースで僕に語りかけた。

    「前にね、君の学校の近くに長い坂があるだろ?私はそこで車に乗っていて信号待ちしていたんだ」

    語りですか。
    もしかして長いやつですか。

    心でツッコミながら、痛い頭で頷く。

    「その日は、強風でね。なんとなしに外を見ていたんだ。そしたらどうしたと思う?」

    クイズですか。

    もしかして答えなきゃいけないやつですか。

    必死に答えた。

    「ちょっとなに言ってるかわからないです」

    それを聞いた老人は、

    「ふぉっふぉっ」

    笑ってる場合じゃないし。
    頭痛いし。

    今時ふぉっふぉっなんて笑う人いないし。

    今時じゃないからいいのか。なんて思うし。

    「君の学校の女の子が自転車に乗っていたんだよ」

    ふぉっふぉっ。乗るわな。そりゃ自転車くらい。

    ふぉっふぉっ。←これ意外と使えるじゃん。

    「スカートがめくれたんだよ」

    は?

    「それで見てしまったのがバレてね。ちょっとその女の子と目が合ったんだよ」

    え。なにこれ。なんの告白ですか?

    ふぉっふぉっも言えない。

    「そしたらその女の子が私に向かってピースしたんだよ」

    全然整理出来ないんですけど。

    「それ以来、君の学校の子に会ったらお礼が言いたくてね。その子に一発で惚れたんだ。ありがとう」

    僕?
    それ僕に言うの?
    僕にお礼でいいの?

    言うだけ言って満足そうに帰った老人。

    ふぉっふぉっ話しはここからである。

    後日、それを友人に話した。
    僕は、事あるごとにその思い出話しを話した。
    それはいつの間にか僕の鉄板話しになっていった。

    僕の話は、話す回数が増える毎に、色鮮やかになっていき自分のものになっていった。

    何なら帰り道、そこを通るようになった。
    女の子のイメージをするようになった。

    20年以上経過した今でも風が強い日になるとその坂を思い出す。

    おわかりですか

    いつの間にか自分の記憶のように刷り変わってしまっているはなし

    こうして、僕はこのはなしを次の世代に引き継がなければと思っている。

    スカートがめくれる坂の都市伝説のはじまりだ。

    あまりに鮮烈過ぎて、人の記憶が自分の記憶となり、架空の女の子はそれまた理想になり、今でも下着を見せてくれて鮮やかにピースしているのである。

    なんのはなしですか

    記憶のバトンを受け継いでしまったはなし👻
    ふぉっふぉっ僕は、ホラーもいける🤔

    次はあなたが繋ぐ番

    肩の荷がようやくおりました。


    他者の記憶というものは、時として自分の擬似体験を通して、より鮮明に自分のものともなり得るる。下着も然り。より鮮明なイメージの方がいいと考える。

    コニシ 木ノ子怪談集

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