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【やめとけ】あなたがローカルメディア開設・運営に向いていない4つの理由

    地域の生活情報に特化したローカルウェブメディアとして「暮らしのインフラ」を目指した、サイト立ち上げ当初の背景や個人的な想い、現状についてあれこれ書いています。

    でも、地域密着型のウェブサイト開設や運営を気軽にオススメすることは、しません。

    むしろ「やりたい」という人が目の前にいたら、まず全力で止めるでしょう。

    正直に、はっきりと書きます。
    「あなたがローカルメディア開設に向いていない4つの理由」。

    せっかく抱いた夢や理想を木っ端微塵にしていたら、ごめんなさい。

    【理由1】 タイパ・コスパ主義である

    はい。

    今すぐ、このnoteを読むのをやめてください。

    実際のところ、ローカルメディアほど「調整」がめんどうくさい仕事は、地域の中でも滅多にありません。
    多種多様な地域住民と関わるからこそ、コミュニケーションは丁寧に、気を遣いたい「仕事」です。
    サイト運営のために必要な各種調整や人間とのやりとりを「手間ひま」「苦労」と考える人には、絶対に向いていません。

    かく言う私も、努力はしていますが、第三者から見て果たしてちゃんとできているのかどうか。
    ある程度割り切ってはいるものの、実際に怒られたり失敗した経験もありますし、キリキリと胃を痛めたり気まずい思いをする夜もあります。

    作業の簡略化を追求したとて

    AIによる自動化を試みるメディアもありますが、本質的な「地域で読まれる」信頼構築は結局、人間にしかできません。
    地域経済は、信用・信頼で成り立つ世界。
    得られる報酬に対して、その手間を惜しむ人には向いていません。

    自動化に近い形でメディアを立ち上げるなら、私が継続できている運営方法・マネタイズとは、別のアイデアや試行錯誤が必要だと思います。

    【理由2】 副業にしたい

    「パソコン一台で、隙間時間に地域貢献しながら副収入を」。
    そんな甘い考えで始めたら、半年か1年で後悔すること間違いなし。

    本気のローカルメディア運営の現実は、平日昼間の対面取材や休日のイベント取材、深夜になるかもしれない入稿作業など。
    対面での取材は、取材先の都合に合わせる仕事です。
    これらを「本業の合間」にこなす体力と精神力が、ありますか?

    田舎町のローカルメディアは、地域という運命共同体に片足を突っ込む仕事です。
    「副業」という感覚で取り組むと、初心者ほど、予想以上の身体的・時間的・経済的負担に驚くことになるでしょう。
    本業として、あるいは人生のメインプロジェクトとして全力投球する覚悟がない限り、収益化の入り口に立つことさえ不可能です。

    経済的な余裕があるなら

    それでも本気でウェブメディアを立ち上げて活動を継続していきたいなら、潤沢な予算やスポンサーがいることが、大前提。
    お財布事情に余裕があったり何らかの不労所得がある人ならば、はじめやすく、続けやすいでしょう。

    そういう意味では、当時「専業主婦」だった私は、ローカルメディアを始めやすい立ち位置にいたのだろうと思います。

    ボランティアと割り切っても厳しいメディア運営

    私は非営利のまちづくり団体(任意団体)として活動を始めたため、実のところ「稼ぐ」意欲はほとんどありませんでした。
    町の補助金を受けて初期の体制を整えましたが、続けようと思うほど、推奨されるボランティア活動の「自立自走」とその活動を支援する「補助金」の関係に矛盾を感じて、今に至ります。

    さらにインボイス制度の導入で、「任意団体」による営利活動は厳しくなっています。
    小さな町では寄付を集めるにも、限界があります。

    資金繰りや家族の理解を含め、少なくとも「3年は食えなくてもやり抜く」土台がないなら、手を出さない方が賢明です。

    専業主婦だった私自身は、「稼がねば」と決めてから 3年のチャレンジと割り切り、取り組みました。
    周囲の理解と支援に助けられ、その後、フリーランスとして家族の扶養を外れています。

    【理由3】 町を変えたい

    町のために、何かしたい。お気持ちはよく分かります。

    でも、「ムラ社会」的ローカルメディアは、情報インフラを支える「プラットフォーム」にしかなれません。
    土地そのものの在り方を変える力は、ありません。

    「この町はここがダメだ、こう変えるべきだ」という声高な正論は、地域では時に暴力になります。
    ローカルメディアは、町の改革者ではなく、町の営みを淡々と、かつ誠実に記録し続けるアーカイブ係のようなもの。
    自分の正義(エゴ)を抑えて、町の今ある姿、価値観の多様性をそのまま面白がれる度量がないと、自分も地域も不幸になります。
    メディアとしての思想が強すぎると、結果的に読者も限定されることでしょう。

    町を変えるのは「政治」です

    もしあなたが地域の現状を変えたい革命家なら、悠長にメディアを育てる時間を費やすより政治の世界に飛び込んだほうが、理想に近い「成果」に繋がりやすいはず。
    地域の政治や行政運営に関心を持ち、まちづくりの現場に積極的に関わり、選挙に行きましょう。

    実際に、地域活動をきっかけに政治家の道を志す方は、よく見かけます。

    「報道」とローカル取材は似て非なるもの

    地域の課題を考える・見直すきっかけを提供する、ジャーナリズム精神でウェブメディアを始める人もいるでしょう。
    でも先述の理由があり、「ムラ」規模で改革者の立ち位置が、果たして成立できるのか?

    何より、地域情報の空白を埋める取材活動を「報道」にくくるのは、ジャーナリストに失礼だと個人的には思っています。
    ローカルライターは暴かないし、あえて書かないという選択もする記録係です。
    意地悪な言い方をすると、地域と「ズブズブ」の関係に甘んじるのが、ムラ社会的ローカルメディア。
    よほどのことがない限り、情報発信による課題提示には、慎重です。

    【理由4】 「いいね」が欲しい

    何者かになりたい。
    全国的にバズりたい、インフルエンサーになりたい。

    編集長になれば、地元で「顔を知られる」くらいの反響はあるかもしれませんが、発信者である個人の魅力や熱が伝わるブログやSNSの方が、真のカリスマへの近道でしょう。
    私を含め、ローカルメディアの中の人たちは、情報発信の「黒子」です。

    メディア運営に取り組む私たちが手にするのは、画面の中の「1万いいね」ではありません。
    スーパーで会うご近所さんや友人からもらえる、「あの記事、読んだよ」という優しいねぎらいの一言です。

    取材活動を続けていると、地域に顔見知りが増えていきます。
    そういう日常の延長線上にあるささやかな喜びを「地味でメリットがない」と感じるなら、ローカルメディア運営には向いていません。

    「表」に立つのは責任感から

    私は自分のためではなく「編集長を務めているサイト」のために、表に立つことを厭いませんでした。
    顔出し・名前出しは、地域の事業者にとって、確かな「信用」「信頼」につながります。サイトの認知にも直結します。
    それはすなわち、何かあったときに矢面に立ち、責任を代表者一人で背負うという覚悟です。

    地元で顔を知られることはメリットか?

    テレビや新聞、地元広報の取材を個人として受けると、結果的に名前と顔が地元の一定数に知られることになります。
    ……我ながら、地元で顔を知られている「メリット」ってなんだろう。

    小さな町で、知らない人にも存在を知られているって、実はあまり居心地良いことではないかもしれないですよ。
    プライベートと仕事の境界線が曖昧になりますし、家族にも少なからず影響があります。そして、思ったほど知られていないパターンもあります(自意識過剰)。

    ただ、編集長が何らかの事業主であれば、ウェブメディア運営以外の「仕事」につながりやすいメリットは間違いなくあります。
    その一点をうまく活用できるかは、個人の才覚次第です。

    そもそも「理解されない」可能性も

    地域でウェブメディアを立ち上げたら、「認められる」以前に「理解されない」絶望が待っている可能性についても、触れておきます。

    誤解を恐れずに言えば、ローカルで「インターネット」にプロ級に詳しい人は本当に数えるほどしかいません。
    だから、ウェブメディアや広報広聴の「本当の価値」を理解してもらえない。「数字」や日々の苦労も、分からないから、評価してもらえない。

    「好き」の反対は「嫌い」ではなく、「無関心」とはよく言ったもの。
    ウェブメディアも、地域の多くの人にとっては、そういう存在です。

    いかがでしたか?

    安易なローカルメディア開設をやめた方がいい理由、4つ。
    ここまで読んで、あなたの気持ちに変化はあったでしょうか。

    辛辣かもしれない現実を理解した上で、それでもローカルウェブメディア開設に向けて動き始められる人のモチベーション、それは「怒り」に近い衝動だと思います。

    少なくとも、当時の私は、そうでした。

    快適に暮らしたいのに、できていない。
    探しても、欲しい情報が見つからない。
    もっと、本当は、できるはずなのに。

    その「不足」に、私は耐えきれませんでした。

    地域の情報インフラを何とかしたいという、フラストレーションが少しでもあるならば。
    茨の道を受け入れることができたなら、その気持ちを種火に明日からより一層、メディア創設に向けて本気になれるはずです。

    何より、そんな地道な活動を通して数少ない理解者(事業者や行政マン、読者)に出会えた時の喜びは、何物にも代えがたい瞬間になるでしょう。
    それが、小さな町でローカルメディアを続けていく「やりがい」です。

    がんばって!
    あなたなら、やれる!


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    ライター・PR・編集業。「ローカル情報は暮らしのインフラ」を掲げ、人口1.7万人の町で浸透率95%のWebメディアを黒字運営中。年間PV35万(町の人口の約20倍)。補助金なしで自立自走するメディア運用術や、伝わる文脈設計のノウハウを公開しています。俳号:杢いう子

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