
【AI×経営】AIの成果を決めるのは、AIの性能ではなく、渡すデータの整い方です
生成AIを仕事で使い始めた、中小企業の社長やフリーランスのみなさん。AIに「今月の売れ筋を出して」と頼んだら、見覚えのない数字が返ってきたこと、ありませんか。
僕は、あります。先日、その原因を数字で見せてくれる調査が出ました。従業員100人以上の会社で生成AIを業務に使っている541人に聞いた『日本企業のデータ整備とAI活用実態調査』(株式会社Mer)です。
先に結論を言います。AIの成果を決めるのは、AIの性能ではなく、渡すデータの整い方です。今日はその話です。
「データは整っている」が8割。でも「問題なし」は4%でした

調査の数字を、3つだけ並べます。
・自社の業務データは「整備されている」と答えた人:79.1%
・データに「問題は特にない」と答えた人:3.7%
・データが整っている会社でAIの成果が「十分に出ている」人は31.5%、整っていない会社では6.4%
8割が「整っている」と言いながら、問題なしは4%。中身を見ると、「必要なデータが欠けている」54.5%、「表記や入力ルールのばらつき」44.2%、「どこにデータがあるかわからない」36.8%でした。
そして、整っている会社と整っていない会社では、AIの成果が5倍近く違う。AIが賢くても、渡したものが欠けていたり、書き方がばらばらだったりすれば、返ってくる答えもそうなります。従業員100人以上の会社でこれなので、人数が少なく、データを1人が手で入れている会社なら、なおさらです。
AIの前に、データが止まっていました

僕の本業は、EC(ネットショップ)の支援です。15年やってきて、売上の集計がおかしいとき、原因はいつも計算のほうではなく、元のデータのほうでした。
同じ商品が「Tシャツ 白 M」と「白Tシャツ M」で2行に分かれている。同じ取引先が「株式会社」と「(株)」で別の会社になっている。受注はこのシステム、顧客はこの表、問い合わせは担当者のメール。集計の前に、まず揃える作業があって、その作業に時間の半分が消えていました。
AIに渡しても、同じです。AIは渡されたものを疑いません。2行に割れた商品は、2つの商品として集計されます。
調査でも、整備が進まない理由の1位は「担当部署や責任者が決まっていない」45.1%。「整備したことはあるが、保つ取り組みはしていない」も37.0%でした。一度きれいにしても、担当がいなければ、また崩れるんですよね。
AIに渡す前に決めるのは、場所・書き方・担当の3つです

高いツールを入れる前に、決めることは3つで足ります。
1:場所。AIに読ませるデータは、どの表のどの列か、1つに決める。
2:書き方。商品名・取引先名・日付の書き方を1行で決めて、表の一番上に書いておく。
3:担当。その表を月に1回見直す人を、1人決める。
僕も記事を書くとき、AIに渡す材料は1か所に置いています。置き場所が決まっているだけで、頼むたびの説明が減りました。
一度、数字にしてみる

仮に、顧客リストが2,000件あって、表記のばらつきで同じ相手が2行になっているのが1割、200件あるとします。AIに「今年の上位20社を出して」と頼むと、この200件分の売上が2つに割れて、順位がずれます。ずれた順位で、お礼の連絡先や、来年の営業先を決めることになる。
揃えるのに1件30秒なら、200件で100分。最初の1回だけです。そのあとは、書き方を1行決めて、月1回30分、担当が見る。年に6時間で、AIの答えが信じられる状態が続きます。
AIで成果が出るかどうかを分けるのは、AIの賢さではなく、渡すデータの整い方です。
みなさんの会社のデータは、AIに渡せる場所に、1つの書き方で、置いてありますか?
出典:株式会社Mer『日本企業のデータ整備とAI活用実態調査』(PR TIMES、2026-11-06)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000054314.html