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まじかよミステリーツアー

    ※これまでのお話。


    まじかよミステリーツアー

    「さあ、ミステリーツアーに出かけよう!」
     と「ボール任しとけ」は「ビードロ吸う」のメンバーに言った。
    「さあ、幕が上がるよ、幕が上がるよ、ロールアップ、ロールアップ!」
     「ボール任しとけ」はひとりではしゃいでいる。

     「ビードロ吸う」のメンバーは冷めた目をして「ボール任しとけ」を見ていた。なぜなら彼らはシェアハウスでのミッション失敗で落ち込んでいたからだ。
     ボール任しとけはそんなムードを一掃しようとして、みなを誘ったのだ。

    「何だよ、ミステリーツアーって」
     と「ジャム例の」はなげやりな口調で「ボール任しとけ」に問いかけた。
    「バス旅行だよ。どこに行くかわからない。ミステリーツアーだよ。どうだい、わくわくするだろう?」
    「わくわくなんてしないよ。わくわくさせてくれるのはミポリンだけだよ。ミポリンは死んじゃったから、もう誰も僕をわくわくなんてさせてくれないんだよ」
     「ジャム例の」は涙を浮かべてそう言った。「ジャム例の」は中山美穂のファンだったのだ。


    「そんなこと言わずにさ。ともかく僕に任しとけ!」
     と「ボール任しとけ」は言った。自信満々の笑みを浮かべてみなを見ていた。そんな「ボール任しとけ」の姿にメンバーたちは心を動かされた。
     何しろ「ボール任しとけ」に任せておけば間違いがない。いつだってそうだ。いつだってそうだ。「ボール任しとけ」に任せておけば、間違いはないのだ。
     いつまでも落ち込んでなんていられない。

    「ビードロ吸う」のメンバーはワゴン車に乗り込んだ。
    「バスじゃなかったのか?」
     と「リンゴ擦った」は「ボール任しとけ」に言った。
    「これじゃあいつものライブハウス周りのライブツアーじゃないか。ぜんぜんわくわくしないけど。だいたい何で楽器積んでるんだよ?」
     と「リンゴ擦った」は疑念の表情をして「ボール任しとけ」に言った。
    「だいじょうぶ、だいじょうぶ、みんなで歌えば楽しいよ。さあ、ロールアップ、ロールアップ、まじかよミステリーツアーの始まりだ!」
     あいかわらずハイテンションの「ボール任しとけ」は言った。


     ワゴン車は山の中の駐車場に止まった。
    「さあ、最初の目的地はここだよ」
     と言って、「ボール任しとけ」はワゴン車を止めた。
     「ボール任しとけ」は車から降りると、丘の上に駆け上がってはしゃぎまくった。
     それを見ているメンバー。
     「あれは、丘の上の馬鹿だね」
     と言って「障子張りする」は笑った。


    「さあ、ここで演奏するぞ」
     と「ボール任しとけ」は言った。
    「ここでって、どこだよ?」
     と「ジャム例の」は「ボール任しとけ」に訊ねた。
    「この先さ」
     と「ボール任しとけ」が指さした先には、野外ステージがあった。丘を越えた先には野外ステージがあった。そしてその前にはたくさんの観客が集まっていた。
     「ビードロ吸う」のメンバーは楽器を持って丘を越えた。

    「お~か~を~、越えて~ゆ~こうよ~♪」
     と「ボール任しとけ」は歌った。


     広場のステージに楽器を下ろした。
    「さあ、これをかぶるんだ」
     と言って「ボール任しとけ」はトドのマスクをメンバーに配った。
    「何でトド?」
     とメンバーは一斉に突っ込む。
    「僕らはエッグマンだ。コーンフレークの上に座るんだ」
     とうれしそうに「ボール任しとけ」は言った。
    「何のこと? それってセイウチじゃないのか?」
    「トドのつまり北口榛花になれってこと?」

     ともかく「ビードロ吸う」のメンバーはトドのお面をかぶって演奏をした。もう投げやりだった。


     でも演奏をしてみると楽しかった。そうだ、そうなんだ。僕たちの音楽を楽しんでくれる人たちに音楽を届ける。それがなによりもうれしいのだ。
     「ビードロ吸う」のメンバーは幸せだった。
     ありがとう、「ボール任しとけ」。
     ぐぐーピチュー、ぐぐーぴちゅー!♪

     演奏が終わるとメンバーたちは楽器をワゴン車に積みこみ、次の目的地に向かった。

     次にワゴン車が着いたのはレストランだった。
    「さあ、ランチだ」
     と言って「ボール任しとけ」はレストランの中へと入っていった。

     ここでも何か仕掛けがあるのかと思ったが、大した仕掛けはなかった。
     だけどもなぜだか隣のテーブルに太った女性が座っていて、そのテーブルの上にウェイターがスコップでポテトサラダをすくって乗せていた。
     太った女性は「こんなに食べれない、もうやめて~!」と叫んでいたが、ウェイターはお構いなしにテーブルの上にポテトサラダを盛り続けた。
     何だか夢で見たような光景だな、と思いながら「ビードロ吸う」のメンバーはランチを食べた。

     こうして楽しい旅は続いた。

     何だか昔のイギリスのテレビ番組を真似ただけのツアーになってしまった。
     オチがなく、もう限界なのか。
     そして「びーどろ吸う」は最終話へと向かってゆく。

     つづく


     
    僕は小説を書いています。noteで販売をしています。 甘野書店にいらっしゃい! 映画が好きです。チョコレートが好きです。 メンバーシップをやっています。共同運営マガジンもあるよ。

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