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Photo byakanemachi

祝祭の痺れ|ファトラジー


    千年前にダムに沈んだ霧雨は晴れ着すがたで
    「仰向けのキャベツの歌に投げ銭を」と
    扇子片手に懇願する

    牛車に積まれた仕草の山がいうことには
    猛獣の銃口を
    ひらりとかわした朝顔とほほ笑みをかわす
    なす
    そら飛ぶ河童
    見栄っ張りの心願成就
    どれもが闇市場を踊り場にしている

    ミラーボールの素性が見えた潔癖の猿は
    酢醤油がらみの親分を追い込み漁に誘い
    スーパーボールの沈む影に星々の欠伸を見た








    今回は、材料がありました

    ①「嵐の夜に晴れ着の装い」 
    ②「仰向けのキャベツ」 
    ③「嘆きに投げキッスを」 
    ④「荷台に積んだ仕草の山」 
    ⑤「猛獣の銃口をひらりかわした昼顔とほほ笑みをかわす」 
    ⑥「照り輝ながら沈む球体の影に星々の欠伸」

    車の助手席で外を眺めているときに思いつくことが多い気がします。2週間ほどで集めたこれらで作りました。過去作のファトラジーはほとんど即興でしたから、これははじめての試みです。

    これらの材料をどのように料理したのか、残しておきます。

    ご興味があれば、覗いてみてください。


    ・・・


    ①材料:「嵐の夜に晴れ着の装い」
     →霧雨は晴れ着すがたで

    元のままでは字面の対比でしかないので、絵が浮かんできません。「嵐の夜」と「晴れ着」の対比も今ひとつ。「嵐」ではつまらないような気がして、「雪」や「雹」も考えました。最後「霧雨」の妙な静けさとしっとり感が気に入って決めました。そして、「霧雨は﹅」と主語にして、絵で見えそうで見えない、微妙なラインに設定しました。

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    ②材料:「仰向けのキャベツ」
    ③材料:「嘆きに投げキッスを」
     →仰向けのキャベツの歌に投げ銭を

    「仰向けのキャベツ」は気に入ってそのまま採用。「嘆きに投げキッスを」は完全に音の遊びなのですが、まぁ、あまりおもしろくない。もはや音遊びすらなくなって「投げキッス」が「投げ銭」になりました。「投げ」しか残っていません。

    ───

    ④材料:「荷台に積んだ仕草の山」
     →牛車に積まれた仕草の山

    発想では「仕草」を植物のように扱いました。「干し草」のように。そして荷台に積んだわけです。
    「荷台」が「牛車」になった経緯は、1連で並べた言葉が「千年前」「晴れ着」「扇子」などと、古い日本の雰囲気を持っていたので、それを受けて2連冒頭に「牛車」をおきました。

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    ⑤材料:「猛獣の銃口をひらりかわした昼顔とほほ笑みをかわす」
     →猛獣の銃口をひらりとかわした朝顔とほほ笑みをかわす

    実際に昼顔を見たときに作ったものです。でも朝顔にしました。そのほうが通りがよく、イメージをしやすいと思ったからです。
    思いついたときは、植物の「昼顔」の名前をそのまま「顔」として扱おうという意図がありました。そして「ほほ笑みをかわす」を選択した。
    その「かわす」を拾って別の意味を持ってきた。「昼顔」という音があったので、「ひらりとかわした」となったのですが、「朝顔」にしたので音の繋がりはなくなっています。

    ここで、何を「ひらりとかわした」ことにしようか考えるわけですが、「朝顔」「ほほ笑み」との対比から「猛獣」「銃口」を選びました。もちろん、「猛獣」「銃口」の間にも音での繋がりをもたせています。


    ───



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    ⑥材料:「照り輝きながら沈む球体の影に星々の欠伸」
     →スーパーボールの沈む影に星々の欠伸を見た

    元の言葉の着想のきっかけを忘れてしまいました。まぁ、並びもおもしろくないと思います。メモしたときは良いように感じたのでしょう。「照り輝きながら沈む球体」って「太陽」のことでしょう、おそらく。このままではまったく使えません。

    そこではじめは「球体」を「やり手」にしました。「沈む」から引っ張ってきたのかな。でも映像がイマイチ。そのあと「日輪」とか「浮き輪」とか考えましたが、パッとせず。全体を読んでみると直前に「ミラーボール」があった。そこで「スーパーボール」に決着しました。俗っぽさがあること、カラフルで光の粒を含んだ感じが、あとの「影」や「星々」とうっすらとしたつながりがあるような気がしています。






    次に全体の設計です。
    (すっかり料理でなくなってしまった。)

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    ◉音遊びをいくつか仕込んでいます。わかりやすいのはこんなもの。これらを同じ連の近くにおいています。

    ・「千年前に」「投げ銭をと/扇子片手に」
    ・「猛獣の銃口」
    ・「ひらりとかわした」「ほほ笑みをかわす」
    ・「ひらりとかわした朝顔とほほ笑みをかわす/なす」
    ・「そら飛ぶ河童(パ)」「見栄っ張(パ)り」
    ・「ミラーボールの素性」「酢醤油がらみ」
    ・「ミラーボール」「スーパーボール」


    ───


    他にも意図的な言葉の選択をしています

    ◉全体を通して「湿気」
    「ダム」「霧雨」「河童」「酢醤油」「追い込み漁」

    ◉全体を通して「和・古来」
    「晴れ着」「扇子」「牛車」「朝顔」「河童」「心願成就」「猿」

    ◉ほんのり繋ぐもの「食物」
    「キャベツ」「なす」「酢醤油」

    ◉ほんのり繋ぐもの「生き物」(「古来」の共通項もある)
    「牛車」「河童」「朝顔」「猿」


    ・・・


    ◉古来の雰囲気からの反転
    1連 「千年前」「晴れ着」「扇子」
    2連 「牛車」「心願成就」「踊り場」

    この「踊り場」で反転させる。2連は古代の舞台の踊り場。3連は現代的な踊り場。

    3連 「ミラーボール」


    ◉全体の「流れ」
    古来の祭り/現代の祭り(縁日・夜の光)
    1連 「晴れ着」「扇子」
    2連 「牛車」「心願成就」「踊り場」
    3連 「ミラーボール」「スーパーボール」


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    【 ファトラジーとは 】




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    何者でもないことの誇りを伝えてみたいのに 何者でもないから伝えられなくて驚いた ‖‖ 2025•3•27 こんにちは!noteが楽しくなってきました。 読んだ人が楽しくなってくれたら うれしいです♪

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