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Photo bypinkcat009

ツクツクボウシは迷っている——夏の終わりの見極めと、もっと上手な歌い方について。

    ツクツクボウシの声が聞こえると、
    「夏も終わりだな」って思います。

    9月に入って少しだけ、一瞬だけ涼しくなったときに、
    庭でツクツクボウシの声を聞くこともあったんですが、
    また、聞こえなくなってしまいました。

    セミも、
    「しまった、まだ早かった!」
    とか思ったんでしょうか。

    私は、庭でツクツクボウシの声がすると、
    「それ撮影だ!」と勇んで、玄関のドアを開けるんですが……

    ツクツクボウシって、セミの仲間の中でも、
    とびっきりのビビりなんです。

    ガチャッとドアが開いたら、
    急に黙ってしまうことがしばしば……

    あるいは、ピューッと飛んで、一目散に逃げてしまうか。


    先日の話。

    ドアを開けたら静まり返ったものの、飛んで行った気配はないので、
    こちらも、息をこらしながら、声がした方に近寄りました。

    まぁ、サルスベリの木だろう、と当たりをつけて探したんですが……

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    ぜんぜん見つからないので、サルスベリの花と実の写真を撮って、
    部屋に戻ろうと、ふと横のブロック塀を見ると……

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    いました!

    こりゃ、見つからんわ……

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    真横から、しっかり写真を撮らせていただきました!

    それにしても、隠れるの上手いですね。

    <きのころ心の俳句>

    夕暮れに 息ひそめ合う 我とセミ



    ツクツクボウシの名前は鳴き声に由来しているといいますが、
    よく図鑑とかに載っている鳴き声は

    「ツクツクホーシ」

    です。

    ……こんな風に聞こえる人、多いんでしょうか?

    私の耳には、いつも、

    「オーシー、ツクツク」

    に聞こえます。

    もっと言うと、ツクツクボウシの鳴き声は、
    鳴いている途中で変化していきます。

    もっと上手な歌い回し、
    もっと(メスの)心に届くメロディーを追求するように。

    こんな風に、鳴き声が途中で変わる虫は、極めて珍しいそうです。


    ツクツクボウシの鳴き声(完全版)

    【私の耳にはこう聞こえるver.】

    <開始>
    ジーーー(小声)

    <メイン>
    オーシー、ツクツク
    オーシー、ツクツク
    オーシー、ツクツク
    ……(繰り返しながらだんだん早くなる)

    <最後>
    ウィーウォーウィ、
    ウィーウォーウィ、

    ウィーウォーウィーーーーーィィィ、ィ、ィ……

    (沈黙)


    ……皆さんには、どう聞こえますか?

    きっと、百人いたら、百人が違う聞こえ方をするんでしょうね。


    この鳴き声、文豪や歌人には、また別の響きに聞こえるようです。

    夏目漱石は「おしいつくつく」。
    「惜しいつくづく」という意味を掛けました。

    島崎藤村は「おうしいつくつく」。
    赤ちゃんが「美味しいちゅくちゅく」と言っているようだと例えました。

    平安時代にもすでに、「つくつくぼふし」の名で呼ばれていたそうですが、
    その声は、自由に聞かれていました。

    たとえば、藤原高遠の『高遠集』の中には、

    「屋の端に、つくつくぼふしの鳴くを聞きて」として、
    「我が宿のつまは寝よくや思ふらむうつくしといふ虫ぞ鳴くなる」

    という歌が収められています。

    妻が寝ているときに、つくつくぼふしが
    「うつくし」(現代語だと「いとしい」に近い)と鳴いた、というのです。

    こんな風に聞こえたら、
    ツクツクボウシのこと、好きになっちゃいますよね!

    これから、ツクツクボウシの鳴き声を耳にしたら、
    「私のこと、うつくしって言ってるのかも」と思うようにしましょう!


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    関西在住。1級FP、独立系司書。50代でFIREを達成し、 何があっても「この先、生きのころー!」をテーマに 自称「マルチ・ポテンシャライター」(多趣味ライター 的な造語)として活動。今まで読んだ5000冊以上の本 から生まれたアイデアをもとに、童心で楽しむ日常 や創作を発信中。

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