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Photo byharu_33

"本当の"初任給 #はじめてのお金

    私には、初任給をもらった経験が2回ある。

    1回目の初任給~サラリーマン時代

    1回目はサラリーマン時代。もう10年以上前の話だ。
    新卒ピンピンの私。流れに身を任せていたら、何を間違えたか、大阪が拠点の会社なのに、大都会東京の配属となった。煌めくネオン、美しい夜景を見ながらの生活。……などというわけではない。テレビでイメージされる、いわゆる東京は、丸の内とか港区である。
    東京支社は池袋にあった。関東の方はご存じだろうが、池袋というと、埼玉の玄関口と呼ばれる場所だ。めちゃくちゃ都会か?といわれると、正直怪しい(いや、田舎出身の私からすれば十分都会なのだけれど)。
    私は、池袋のある豊島区のお隣、練馬区に、駅からそこそこの距離の月6万の1Kアパートを借りて、それほど派手でもない暮らしをしていた。
    独り暮らしも初めてだったのに、いきなり東京だなんて、と私はブルーな気持ちに……まったくならなかった。というのも、私はそもそも独り暮らしがしたくてしたくてたまらなかったのである。しかも東京に住める!
    正直、浮かれていた。

    そんな私が初任給を何に使ったかというと……貯金だ。
    貯金が好きだった。いや、どちらかというとお金の使い方がわかっていなかった、といった方が正しい。だから、生活費以外はすべて、何も考えずに貯金用の口座にぶち込んだ。当時はまだ通帳が主流だったから、そこに印字される数字が増えることが快感だった。ただ、こんな調子だったものだから、お金の本当のありがたみをあまり理解していなかったように思う。

    東京から再び奈良へ~ライターになりたい

    その後、東京で転職し、東京で結婚もし、新型コロナウイルスの流行も、東京で経験した。東京で子育ても始めた。
    そして、現在。私は奈良の実家に、子どもを連れて出戻っている。今は、専業ライターになることを目指し、ライターとスーパーのレジ打ちのダブルワーカーだ。……走馬灯の勢いで説明したが、気になった人は私のポートフォリオや自己紹介をのぞいてみてくださいね。

    実家に出戻ったことをきっかけに、私は、自分の本当にやりたいこととは何かを、考えまくった。気になった本は片っ端から読んだ。流されるだけの人生に嫌気がさしている自分に気づいた。子どもに胸を張って、母ちゃん頑張っているよ、と言えないことも嫌だった。
    このまま頑張らずに死にたくない、と思った。

    書く仕事がしたい。
    ライターになりたい。
    東京で浮かれポンチになっていた女の子は、10年以上の時間かけて、やっと覚悟を決めた。覚悟の決まったおばさんになった。

    2回目の初任給~お金の重み

    さて、そんな私の"2回目"の初任給。
    それは、ライターとして初めて頂いた報酬だ。2025年2月。1月に納品したクラウドソーシングの案件で、初めてライターとしてお金を頂いだ。
    会社のお給料とは違う。自分だけの力で、手に入れたお金だ。生まれて初めて、自分の好きなことをして、自分だけで稼いだお金。
    額面にすれば1回目の初任給の方が何倍も多かった。でも、ライターとしての初任給は、それと比べもできないほど、重く感じたのである。

    本来お金はすべて、同じものだ。誰のものと名前も書けないし、色も重さも同じ。それぞれに違いがあったら、あちこちの計器が故障するだろう。いや、最近ではキャッシュレス決済が主流なのだから、もはや重みすらないのかもしれない。
    でも、私はこの重さを忘れない。忘れてはいけない。
    そして、お金をもらえるということは、支払ってくれる人がいるということも。助けてくれる人がいるから、お金がもらえるように働けるということも。忘れては、いけないのだ。
    そんな当たり前のことを、いい歳になってやっと理解した気がする。
    だから、2回目の初任給が、私にとって"本当の"初任給だったのです。

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    この記事は、「はじめてのお金」をテーマに、開催されているnoteコンテストに向けて書きました。

    #はじめてのお金

     
     
    奈良県在住のライター。 奈良県を中心に活動中。インタビュー/店舗/イベント/スポット……取材はすべておまかせください。 noteでは毎朝コラムを執筆中。 ポートフォリオは「仕事依頼」タブからご確認ください。 Mail:k.yoshioka.writer@gmail.com

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