
開くたびに新しい「美」を見る本|製本のアトリエ生まれのアリス
小雨ちらつく週末とは打って変わって
秋晴れの月曜日。ホッとしますね。
風もゆっくりと動いて、のどかな午後です。
歩いていたら、
近所のオリーブがたわわに実をつけていました。
今日はどんぐりと一緒に本の撮影を。

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』。
私はこの豆本を手にするまで、映画やアニメでしか物語に触れていませんでした。
取り寄せてからも、全編、原文のまま(英語)だから眺める専用。


豆本作家・赤井都さんの作品を
数年、いや4、5年間隔くらいで
コレクションしています。
コレクションといってもほんの数点ですが。
こちらの「不思議の国のアリス 愛蔵版」を買う時も、ずいぶんと思い切りが必要でした。
私にとっては文化財を手元に迎えるくらいの貴重さと価値がありましたので…。
それでも所蔵させていただきたく思いました。
赤井さんの手仕事の跡を
自分のてのひらに載せながら
どうしても拝見してみたくて。

藍染のドロップが囲む
↑直径1〜3mmほどの丸い窓。
立体と平面のあわいを感じさせてくれる。
魔法のように美しい装丁。

同じくてのひらサイズのベアと共に♡

まるで一枚の革のようになめらか。

洋書とはこうであって欲しい、
そんな理想を一心に受け止める美しい赤です。
山羊革からは
「薄さ、きめの細かさ」と「わずかなクッション感」が同時に伝わってきて、
肌に吸いつくようななめらかさ。
ひらいてみると…


マーブル紙、というのだそう。
おだやかなブルーです。
刷毛目が鳥の羽みたいで、いくら眺めても見飽きません。
私はいつも本編ではなくて
この見返しをパタ、とひらき
ブルーを目から吸い込み
満足したらまた引き出しに仕舞って、
の繰り返し。

さすがに翻訳版を読もう!
と思いたち、矢川澄子さん訳のものを
文庫版で買いました。

場面がくるくる変わって
登場キャラクターが毒々しくて
最後まで読むたびに
すぐ内容を忘れるから
また読みたくなる。
不思議な魅力の物語。

金子義國さんのアートが添えてあって
文庫本だけどとっても華やか。

子どもの頃
離人症の症状が時々あったので
アリスみたいに
自分の身体が巨大化したり
米粒のように小さくなったり
という感覚がすごくよくわかります。
アリスの書評を読んでいて
「離人症」(別名:不思議の国のアリス症候群)という言葉を知ったときは
とても嬉しかったです。
こんなところに仲間がいたのか✨と。
子どもの多くが体験するけれども
大人に話しても相手にされない、
夢を見たのだろうという判断で片付けられがちなのだそう。
😱😱😱💘
私がゆっくりとこの記事を用意しているあいだに
赤井さんの「アリス豆本」
ピンクカラーの新作が発刊されていました。
函のデザイン!攻めてる〜💘💘💘
お写真を眺めて、キュートな世界観にため息です。


天小口の金箔&パステル加工も
愛書家版だけの装い。
夜になり
部屋の照明にキラキラと輝いています。
いつかどこかで見た、
水面(みなも)のことを思い出します。
ブックサイズ 普及版:天地74×左右57×厚さ15mm/特装版,愛書家版:天地74×左右58×厚さ18mm
著者 ルイス・キャロル
挿画 テニエル
印刷 言壺(本文レーザープリント、普及版:タイトルラベル活版印刷/特装版:別革に箔押し/愛書家版:別革に金箔押し)
製本 赤井都 署名入り
発行 言壺 普及版2013, 特装版2014, 愛書家版2020
普及版:104ページ 特装版,愛書家版:173ページ
背バンド付総山羊革装(フランス製革)、見返しマーブル(イタリア)
↑こちらも無比の可愛さを生み出す職人さん🧸💕
ムーヨックさんのテディベアたち
いつもありがとう!