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AI時代、中小企業のシステム開発は「外注」か「内製」どちらが正解か?

    AIの進化によって、システム開発のあり方が大きく変わろうとしています。

    これまでは、会社の業務を効率化したいと思っても、システム会社に相談して、要件を伝えて、見積もりをもらって……という進め方が一般的でした。

    ところが最近は、AIに相談しながら、自分で簡単なシステムやツールをつくることもできるようになってきました。

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    では、中小企業はこれからもシステム開発を外注すべきなのか。
    それとも、自社で開発できるようにするべきなのか。

    私自身、これまで受託開発やプロダクト開発に関わってきましたが、AIの進化を見ていると、時代が変わりつつあると感じています。

    先に結論をお伝えすると、私の答えは、「すべてを内製する必要はない。ただし、自社で理解し、改善できる力は育てていくべき」というものです。

    中小企業にとってそれは今までとてつもなく難しいことだったことは承知の上で、AI(システム)を理解し、コントロールしようとする力は、今後、必須で身につけていかなければいけない。というのが私の持論です。

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    今回は、その理由を3つの観点から考えたうえで、何を自社で行い、何を専門家に任せるのか、その目安を整理してみたいと思います。

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    理由① システムは「つくって終わり」ではないから

    まず考えたいのは、システムを導入した後のことです。

    システム開発というと、どうしても「つくること」に目が向きがちですが、実際には、導入した後も改善や保守が必要になります。

    例えば、家を建てることを想像してみてください。
    家は完成したらそれで終わりではありません。

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    住み始めてから、雨漏りや建て付けの悪さといった不具合が見つかることがあります。
    子どもが生まれたり、親と同居することになったりして、家族構成が変わることもあるでしょう。そうなると、部屋を増やしたい、間取りを変えたいと考えるようになります。

    そして、そのたびに大工さんにお願いすれば、別途お金がかかりますよね。

    システムも同じです。
    事業が成長して取引先が増えたり、新しい商品を取り扱うようになったり、業務の進め方が変わったり。

    最初は使いやすかったシステムも、時間がたつにつれて現場に合わなくなることがあります。

    さらに、AIを使った仕組みであれば、入力されるデータや業務環境の変化、利用するAIモデルの更新などによって、期待していた精度が維持できなくなる可能性もあります。

    だからこそ、導入後も効果を確認し、必要に応じて見直すことが重要です。

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    もちろん、外部のシステム会社に保守を依頼することはできます。
    ただ、改修のたびに費用が発生したり、依頼から対応まで時間がかかったりすることもあります。

    大企業であれば、保守も含めて、外部の専門家に十分な予算をかけるという選択もあります。
    しかし、経営資源に限りがある中小企業にとって、すべてを外部に任せ続けることが最適とは限りません。(なかなか難しく、保守は置き去りになっているという会社は今も多いのではないでしょうか?)

    小さな改善なら自分たちで対応できる。難しい部分は専門家に相談する。

    そんな状態をつくれたら、会社としての改善のスピードも、費用の使い方も変わってくるのではないでしょうか。


    理由② 業務を一番理解しているのは、社内の人であるから

    2つ目は、システムをつくるためには、その業務を深く理解する必要があるということです。

    例えば、ある会社が「受発注業務を効率化したい」と考えたとします。
    外部の開発会社に依頼する場合、まずは現在の業務を説明するところから始まります。

    ・誰が、どのタイミングで、何を確認して、どんな判断をしているのか。
    ・例外的な処理はあるのか。取引先によって対応が変わるのか。

    こうした業務の背景を理解するには、相応の時間がかかります。
    そして、その理解が不十分なまま開発が進むと、システムは完成したのに、現場では使いにくいということも起こります。

    一方で、社内の人は日々その業務に携わっています。

    「ここが面倒なんだよな」
    「この確認作業、毎回同じことをやっているな」
    「これが自動化できたら助かるのに」

    そんな小さな気づきを、すでに持っているはずです。

    これまでは、その気づきをシステムという形にするために、専門的な技術が必要でしたが、AIによって状況が変わり始めています。

    業務を理解している人が、AIに相談しながら簡単なツールを試作したり、既存の仕組みを修正したりできるようになってきました。「業務を知っている人」と「システムをつくる人」の距離が縮まっているのです。

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    これは、中小企業にとって大きなチャンスだと考えています。

    ただし、社内の人がつくれば必ず良いものになる、というわけではありません。日々の業務に詳しいからこそ、今のやり方を前提に考えてしまうこともあります。

    ある部署の業務が便利になっても、別の部署の負担が増えてしまうかもしれません。そもそも、今やっている業務自体が本当に必要なのか?という視点も重要です。

    だからこそ、業務を深く理解している社内の人と、会社全体を客観的に見られる人の両方の視点が必要だと思っています。

    外部の専門家には、単に言われたシステムをつくるだけでなく、本当に解決すべき課題を一緒に考える役割もあるはずです。

    私は、中小企業診断士も、そうした役割を担える存在だと考えています。


    理由③ デジタル化は、経営者が向き合い続けるテーマになるから

    3つ目は、(釈迦に説法ながら、)経営者自身の姿勢についてです。

    これからの経営において、デジタル技術やAIの活用を避けて通ることは、ますます難しくなっていくと思います。

    人手不足への対応、生産性の向上、新しい顧客価値の創出。

    限られた人員で事業を成長させるために、AIやデジタル技術は心強い選択肢になります。(そして、もはやAIやデジタルを全く活用しないという選択肢は無くなってきていると思います。)

    何のために導入するのか、どんな効果を期待するのか、そして本当に効果が出ているのか。

    そこに向き合い続けることは、経営者の重要な仕事だと考えています。


    何を自社で行い、何を専門家に任せるのか

    ここまで読むと、私がシステムの内製化を強く推奨しているように感じられるかもしれませんが、そうではありません。

    システム開発には、AIが進化した今でも専門的な知識が必要な部分があります。

    例えば、過去のデータの整理や移行、データベースの設計、セキュリティ対策、ほかのシステムとの連携などです。

    最初は動いていたとしても、データが増えるにつれて処理が遅くなったり、少し修正しただけで別の部分が動かなくなったりすることもあります。顧客情報や重要な経営情報を扱うシステムでは、慎重な判断が必要です。

    では、何を自社で行い、何を専門家に任せればよいのでしょうか。
    私は、次のような目安で考えています。

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    判断に迷ったときは、「うまくいかなくても影響が小さく、すぐに元に戻せるもの」は自社で試し、「止まったり情報が漏れたりすると、事業に大きな影響が出るもの」は専門家と一緒に進める、と考えるとわかりやすいと思います。

    自分たちで理解できるところは理解する。
    自分たちで改善できるところは改善する。
    そして、専門性が必要なところは、きちんと専門家の力を借りる。

    この役割分担こそが、これからの中小企業にとって大切なのではないでしょうか。

    まずは、社内にAIに詳しい人を1人つくる

    私が中小企業の経営者におすすめしたいのは、社内にAIの活用を推進できる人を1人育てることです。

    必ずしも、エンジニアを新しく採用する必要はありません。
    今いる社員の中から、業務改善に関心がある人や、新しい技術を使ってみたい人を選ぶだけでもよいと思います。

    ただし、片手間でお願いするだけでは、日々の業務に押されて続きません。例えば、週に2〜3時間でもよいので、業務改善に使える時間を正式に確保することをおすすめします。

    最初から難しいシステムをつくる必要もありません。最初の3か月は、例えばこんな進め方が考えられます。

    • 1か月目:AIツールを自分の業務で使ってみる(報告書の作成、Excelの集計など)

    • 2か月目:社内の「ここが面倒」を集め、小さなテーマを1つ選んで改善してみる

    • 3か月目:結果を社内で共有し、次に取り組むテーマを決める

    あわせて、最初に簡単な社内ルールを決めておくと、安心して試せます。

    • 顧客情報や個人情報は、AIに入力しない

    • 利用してよいAIツールを決めておく

    • AIの出力は、必ず人が確認してから使う

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    実際に使ってみると、「ここは便利だけど、ここはうまくいかない」といった発見が生まれます。その経験を社内で共有し、少しずつできることを増やしていく。

    やがて、ほかの社員からも「こんなことはできないかな?」と相談が集まるようになるかもしれません。


    外部の専門家の役割と、私が目指す支援

    では、社内でAIを活用できるようになるなら、外部の専門家は不要になるのかと聞かれると、私は、むしろ外部の専門家に求められる役割が変わっていくのだと思います。

    これまでは、専門的な知識を持っていること自体に、大きな価値がありましたが、AIによって専門的な知識にアクセスしやすくなり、簡単なシステムなら自分でつくれるようになってきました。

    そうなると、外部の専門家に求められるのは、単に「つくれること」だけではなくなります。

    何を解決すべきなのか。 そもそもシステムが必要なのか。 どのような順番で取り組むべきなのか。 そして、どうすれば会社の中に定着するのか。

    そうしたことを、経営者と一緒に考え、実現していく力が重要になるはずです。

    私は中小企業診断士として、AI・IT活用の支援にも取り組んでいます。

    特定のシステムを売ることが目的ではありません。場合によっては、「今回はシステムを導入しない方がいいですね」という結論になることもあるでしょう。それも、会社にとって良い判断であれば、十分に価値のある支援だと思います。

    そして大切にしたいのは、私がシステムをすべて開発してお渡しすることよりも、お客様自身がAIを活用し、業務を改善できるようになっていただくことです。

    最初は一緒に課題を整理する。

    AIでできることを考える。 必要であれば、一緒に簡単な仕組みをつくってみる。 実際に使いながら、少しずつ改善していく。

    その過程で、社内に知識や経験を蓄積していただき、将来的には私がいなくても、自分たちで新しい課題を見つけ、AIを活用しながら改善を続けられる状態を目指したいと思っています。

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    ※高度なシステム開発や専門的な技術が必要な場合には、私の知人である技術の専門家をご紹介することもできます。継続的なご相談や顧問としての支援が必要であれば、喜んでお手伝いします。

    目指したいのは、私への依存ではありません。
    お客様自身が、AIを活用して事業をより良くしていく力を身につけること。それが、これから私が大切にしていきたい支援のあり方です。

    おわりに

    AI時代、中小企業のシステム開発は「外注」か「内製」か。

    冒頭でお伝えしたとおり、私の答えは、すべてを内製する必要はない。
    ただし、自社で理解し、改善できる力は育てていくべき、というものです。

    AIの進化によって、専門的な技術を持たない人でも、できることが大きく広がっています。

    だからこそ、今まで外部に任せるしかなかったことも、少しずつ自分たちでできるようになるかもしれません。

    大切なのは、誰がシステムをつくるかではなく、誰がその会社をより良くしていくか。

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    その主役は、いつだって経営者と、そこで働く皆さんであってほしいと思います。

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    「Gembally(ゲンバリー)」では、経営課題の整理からAI・IT活用の検討、導入、社内への定着まで伴走しています。

    例えば、こんなときはお気軽にご相談ください。
    初回60分のご相談は無料です。

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    Gembally 公式サイト

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    磯﨑翔也|中小企業診断士
    経営・事業開発・AIについて、実務と学びを通じて考えたことを発信していきます。

    Gembally(ゲンバリー)
    公式サイト:https://gembally.com/

    ※本記事は個人の見解であり、所属組織の公式見解ではありません。

     
     
    中小企業診断士 | Panasonic→freeeで新規事業開発やプロダクト開発に携わり、現在はGembally代表。得意領域は、AI・デジタル活用と新規事業開発。 公式サイト➡︎ https://gembally.com/ ※投稿は個人の見解で、所属組織とは関係ありません。

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