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【エッセイ】20代の頃、看護師から皿洗いバイトになった時の話#はじめてのお金

    レンタル無職ズボラさんが立ち上げた企画を知った本日。
    あまりにも楽しそうで思わず参戦させていただきました!

    テーマは『はじめてのお金』

    初任給の話にしようか、それともライターにまつわるものにしようか。
    頭の中でこねくり回してましたが、自分なりに、これは、というのをひとつ。

    それは、看護師を一度リタイアした20代の頃の話。
    時々患者さんや新人さんに話すネタでもあります。

    私、20代の半ばで一度、看護師を辞めたんですね。心身の疲労が深刻になって。
    まあまあそれなりの休息期間を経て、そろそろバイトでも、と思ったわけです。

    で、ここで当時の私はひとつの知見を得ました。

    看護師、つぶしが効かない!!

    いざ医療業界から離れた職種を目指したら、まあ、驚くほど働き先がない!

    そもそも看護師になるまで一度もバイトをしたことがありませんでした。
    看護学校は入る前も入った後もハードモードだったのでバイトする余力なしでした。

    つまり、いわゆる接客スキル皆無。
    レジ打ちとかもしたことなし。
    事務も全然わからない。

    履歴書提出の書類選考段階で落ちる、落ちる、落ちる。

    しかも、私は氷河期世代。
    看護学校からストレートに病院就職したので全然意識してませんでしたが、普通に勤めようとすると社会は厳しかった!

    そりゃ、看護師としてのスキル以外持ち合わせていない、他の業種もすべて未経験ともなれば、落とされるわけです。

    愕然としつつも納得。
    当時、登録制のライター仕事も始めてましたが、まあ月に数千円いくかどうかです。

    そんなこんなで一年が経過し、ようやく別の友人の紹介で決まったのが、老舗ホテルのパントリー業務。

    週5日で約6時間。
    早朝6時半出勤でモーニングビュッフェタイムに数千枚の食器を洗い続けるバイトです。

    毎日5時に起きて始発電車で職場に行く日々。
    スクランブルエッグやポテトサラダがべっとりついたお皿の洗いにくさにおののいたりとか、割れたガラスの器で手を切って五針縫ったりとかしつつ、なんとか過ごしていきました。

    そうしてひと月後。
    はじめての時給制ではじめてのバイト代を手にした20代の私。
    看護師の月給の半分どころか5分の1以下。
    でもすごく嬉しかったんです。

    看護師をふくむ医療の現場は、なんだかんだで特殊なんですよね。
    だから、その業界しか知らないと、患者さんやご家族の感覚とずれてしまうリスクが高いと言うか、一般常識から外れるリスクもあると言うか。

    なので、この老舗ホテルで色んな業種の方と関わりながらしたバイトは、貴重な社会勉強の場ともなりました。

    この後、本屋さんやカフェへとバイト遍歴を重ねていくのですが、やはりパントリーのバイト代が一番鮮烈です。

    そんな私も、看護師に復帰して、まもなく20年になります。

    「看護師辞めて、一時期皿洗いのバイトしてたんですよー」というと、患者さんは決まって、「またまたぁ」とか笑うんですけれど、持ちネタとしてもありがたい、「はじめてのお金」の思い出なのでした。


     
     
    あなただけの物語をオーダーメイドで綴る"物語ライター"であり、ミステリと少しの不思議をこよなく愛する看護師でもあり 読書や観劇、おでかけ、趣味あれこれもつづる字書き

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