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読まない日を、設計で作った。|おはようカノジョ #134

    22時、30人のリストが開けなくなった

    「おはようカノジョ」は、AIイラストの彼女が毎朝7:30にいってらっしゃいを言ってくれるXアカウント。生成AIを使った個人開発の開発日記を毎日書いている。

    おはヨミというPWAがある。お気に入りのnoteクリエイターの記事を、朝のうちに読みに行くためのツールだ。

    それを、別物として作り直した。


    上から順に読んでも、最後に辿り着けない

    朝、通勤時間におはヨミを開く。フラットに並ぶ30人のリストを、上から順に読んでいく。

    でも、中盤で電車を降りる時間になる。残った人たちは、今日は会えない。

    夜、22時にもう一度開く。疲れた頭で、朝の続きから読もうとする。でも、途中で閉じる。また積み残しが増える。

    毎朝5時のリセットは、本当はやさしい合図だったはずだ。「今日は新しい日だよ」と。でも余裕がない時には、昨日の積み残しごと上書きされる合図に変わる。

    今日もまた、最後まで会えない。全員と等価に向き合おうとするほど、最後まで辿り着けない。そういう朝が、静かに積み上がっていた。

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    v1は全員を等価に並べるシンプルな1リスト。
    朝のリセットで毎日仕切り直される。

    「等価であること」が、積み残しを作っていた

    1月までは、これで十分機能していた。登録人数が少なく、朝のうちに全員と会える余裕があった。

    でも、読む時間が消えた。仕事が山場に入り、4月にはメンバーシップ「はしゃもの観測所」を始めて、ツールの整備やデータ確認に時間を割くようになった。

    状況は変わっていた。でも、おはヨミの画面は変わらなかった。

    おかしかったのはツールじゃない。設計が、今の自分と噛み合わなくなっていた。

    全員を等価に扱うフラットなリストは、余裕がある時には誠実だった。お気に入りのクリエイター全員に、同じ気持ちで会いに行ける。でも時間が足りなくなった瞬間、その「等価であること」が誰にも会えないに化ける。上から順に読んでいっても、中盤で時間切れになる。下の方の人には毎日会えない。でも「下の方だから後回し」という意図は、自分にはなかった。ただ並び順がそうなっていただけ。

    自分の中には、現実にはもう濃淡があった。毎日必ず会いたい人、たまに覗ければ嬉しい人。それが画面に存在していないだけだった。


    「観測は続く。」とは、向きが違った

    並行して動かしている「観測は続く。」というツールがある。自分の記事に反応してくれた人を見るツール。つまり受け取る側のツールだ。

    おはヨミは逆だ。自分から能動的に会いに行く。届けに行く側のツール。

    向きが違えば、設計思想も違っていていい。「観測は続く。」が全員フラットに並べるのは、来てくれた人を平等に扱うのが誠実だから。でもおはヨミは「自分の時間と気持ちをどう分けるか」が問題になる。

    優先度が、必要だった。


    3つの頻度と、「ゆっくり」という逃げ場

    クリエイターを3つの頻度に分けた。

    • 毎日:メンバーシップメンバーや、日々やり取りしている仲良し

    • 週単位:週に一度は覗きたい相手

    • 月単位:たまに読めば嬉しい相手

    「毎日」は常に画面に並ぶ。「週単位」「月単位」は、最終訪問日からの経過で自動的に「今日のローテ」に入ってくる。読んだ後は周期から外れる。

    画面は3つのセクションに分けた。

    • コミュニティ:毎日会う相手

    • ひろがり:今日のローテーションに入った相手

    • ゆっくり:今日のローテには入っていない相手

    「ゆっくり」は、読まないことを許す場所だ。今日はローテに入っていないけれど、気が向いたら読める。でも急がなくていい。そう言ってくれるセクションがあるだけで、画面を開いた時の呼吸が変わる。

    今日読まなくていい日を、設計で作った。全員と等価に向き合おうとして積み残す構造を、やめた。

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    コミュニティ/ひろがり/ゆっくりの3セクション。
    「今日読むべき人」が自動で絞られる。

    色を削ったら、優先度が立ち上がった

    画面の刷新を考えていた時、しろのあるさんのサイト(shiro-inc.com)を見ていた。前に、しろのあるさんの「2種類のモチベーション」の記事で考え込んだことがある。今回はサイトのデザインで、また手が動いた。

    モノクロ。色を使っていないのに、どこを見ればいいかが一瞬で分かる。

    気づいたのは、色で優先度を示そうとすると、色同士が競合するということだった。赤を目立たせたい。でも緑も目立たせたい。青も目立たせたい。全部を目立たせた結果、どれも目立たない。全員を等価に扱ったら誰にも会えなかったのと、同じ構造だった。

    v2は色を削った。優先度は、配置と余白で示す。「コミュニティ」は一番上で、余白を広めに取る。「ゆっくり」は画面の下、余白は詰める。色ではなく位置で、視線の順序を作った。

    画面を開いた瞬間、迷わなくなった。

    ただ、一箇所だけ赤を残した。新着バッジ。

    新着は、設計ではなく相手側のタイミングで生まれる情報だ。こっちが配置で作った優先度とは別の軸で「今日読むべき理由」を伝えてくる。それは位置では示せない。だから赤は、全部消した上で、1つだけ戻した。

    削ることで、設計が立ち上がる。そして何を残すかで、何を伝えたいかが立ち上がる。リストから頻度を切り出したのと、同じ動きをデザインでもしていた。


    曜日キャラが、ひと息つかせてくれる

    画面上部には、その曜日の担当キャラが立っている。月曜は月子、火曜は陽、水曜はしずく、木曜は凛華、金曜はるな、土曜はまひる、日曜は日和。

    「コミュニティに3件、新着があります。順にいきましょう」
    「コミュニティは終わり。……コメントは、した?」
    「今週もおつかれさま。ゆっくり休んでね」

    今日の状態に合わせて、一言声をかけてくれる。コミュニティ全員を確認できた日は、褒めてくれるモーダルも出る。

    一人で画面と向き合っていると、数字が重くなる瞬間がある。曜日キャラは、達成を受け取ってくれる存在であり、ひと息つく合図でもある。

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    v1を殺さなかった

    v2は別リポジトリで公開することにした。v1は今まで通り使える。

    v2の設計が自分にとって正解だとしても、既存のv1ユーザーにとって同じかどうかは分からない。「前の方が良かった」と言われた時に戻れる場所があるのと、ないのとでは、設計に対する自分の向き合い方も変わる。

    「これが正解だ」と言い切らない余白。それは既存ユーザーのためであり、自分自身のためでもある。


    続けるための設計は、ひとつじゃなかった

    v1は間違っていなかった。あの時の自分には、フラットなリストが正解だった。

    でも状況が変われば、設計も変わっていい。仕事が山場に入れば読む時間は減る。メンバーシップを始めれば時間配分は変わる。その時々の自分に合わせて、ツールの形を変えていける。

    意志で続けるのではなく、設計で続ける。読むことも、コミュニティを大事にする行為も、持続可能にするのは設計だ。


    おわりに

    続けたいなら、祈るな。
    設計しろ。


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    まひるの一言

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    ……んー、なんか今日、軽くなってない?

    で、次はどうするか。

    このまま続けるのか、変えるのか。


    選択肢は、自分で取りにいける。

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