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「ファミマホラー」(四百字のスケッチ)

     以前、家から一番近いコンビニはファミマだと書いたことがある。最寄り駅の近くにあるのもファミマである。駅の裏側にも同じくファミマがある。少し離れた駅前にあるのもファミマである。駅と駅の間にもファミマがある。

     といった内容をホラーとして書いたものだった。今思えばホラーでも何でもない。周知の通り、セブンイレブンも、ローソンも、ヤマザキデイリーストアも、今では皆ファミマの傘下に入った。全てのコンビニはファミマになってしまった。

     ファミマは空気である。水である。ライフラインは電気・水道・ガス・ファミマである。ファミチキは人類の主食である。ファミチキは、人類の、主食、で、ある。ファミマと人間のハーフも増えてきた。最寄り駅自体ファミマになったし、そこから発車するのも電車ではなくファミマだ。

     もちろんフィクションである。ファミマ駅からは普通に電車が発車している。ミニストップも生き残っている。

     以前書いたファミマ物はこちら。

    二百八人目 ファミマ

    ファミマ、はファミマに囲まれた家に生まれた。一番家に近いコンビニがファミマであった。最寄りの駅前にあるコンビニもファミマであった。駅の反対側にもファミマが建っていた。別の沿線の駅に向かう途中にもファミマがあり、その駅の前にもやはりファミマがあるのだった。

    ファミマは小学校に上がるまで、ファミマ以外のコンビニがあることを知らずに育った。反抗期になるとわざわざ遠くのセブンイレブンへと通った。反抗期が収まる頃にはそのセブンイレブンすらファミマに変わってしまっていた。

    そもそもそんなにファミマが集まっていたら、競合して潰れていくばかりではないか、と思う人も多かったが、むしろファミマ以外のコンビニが潰れていった。ファミマは両親に名前の由来を尋ねると「二人ともファミコンマニアだったからだ」と意外な答えが返ってきた。ともあれファミリーであることに変わりはなく、その後も周辺にファミマは増え続けた。

    泥辺五郎「千人伝」より「二百八人目 ファミマ」全文


     
     
    ドロベ・ゴロウ。二児の父。脳脊髄液減少症。何かしら書いてます。旧名「名無しさ」「村野」「楢山孝介」「新都社モラトリアム新書」「山下チンイツ」など。「みんなのフォトギャラリー」で画像を使用していただいた記事にスキをつけることがあります。見知らぬ人からのスキだと怖がらないでください。

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