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Photo bynonosports

私のなかのアクを見つめる休日

    このお正月休み中には来客があった。若い頃からの友人が我が家を訪問してくれた。新築祝いのタイミングで来てくれることになっていたのが延期になり、さらにコロナ禍が重なり、今まで延びてしまっていた。

    私たちが会うのは、5、6年前の彼の結婚式以来だ。そのあいだにお互いの暮らしぶりが変わり、それぞれの子どもたちも大きくなった。

    家族も交え、リビングで話していたとき、彼が笑いながらぼそりと言った。

    「相変わらずアク強つえぇな、おい」

    私は耳を疑った。生まれてこの方、アクが強いなんて言われたことがない。アクってあれですよね、「灰汁(あく)」。食材に含まれる苦みや渋みの成分。人に対して「アクが強い」と言う場合、個性が強すぎて一般的に受け入れられにくい人を指すことが多いはずだ。

    会話の進め方が遅いほうなので、彼にツッコむのもワンテンポ遅れてしまった。「ちょっと待って、さっきの『アクが強い』ってどういうこと?」。

    「ちょいちょいアクの強いこと言うんだよ、あなたは」

    それでその場は終わったのだけれど、今頃、じわじわと気になってきている。

    私は個性的だと指摘されたことがほとんどないし、ごくごく平均的な女性として生きていると思う。いたずらに人のあいだに波風を立てないような言動を心がけてもいるつもりだ。それなのに、この年になって友人に「アクが強い」と言われるとは。

    今まで彼は「こいつ、アク強ぇな」と思いながら付き合ってくれていたのか。聞いてないわよ、そんなもん。20年以上の付き合いではじめて知った。いっしょに仲良くしていたAちゃんやYくんは知っていたのだろうか。うーん。

    旧知の仲だと思っていても、お互いの印象について語り合うことは少ない。「ちょっと自分の言動を見つめ直してみるわ」と言った私を見て、夫は笑っていた。

    20年越しの真実を知ったお休みだった。言えるのは一つ。自分の印象なんて、自分ではわからない。そして、彼の息子くんはとてもかわいらしかった。お互いがおだやかに年を重ねていることをまずは喜び合うべきなのだろう。

     
     
    ライター、9歳双子の母。小さな幸せを大切にする、40代関西人。連続更新1300日超。|育児日記|思い出話|読書記録|ひとり井戸端会議|モノとわたし|自省のひと言| ご連絡は「クリエイターへのお問い合わせ」、またはDMにお願いいたします。

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