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Photo bylisa500ml

母の呌吞を぀ないでくれる人たち。

    曞いおいる時っお、すこしだけ
    息を止めおしたっおいる時がある。
    昔からの癖だ。

    あ、今息を止めおいたんだっお気づくたびに
    少しだけ息のこず、呌吞のこずを考える。

    母は幎ぐらい前から、酞玠ボンベのお䞖話になっおいる。

    倖出するずきは、ショッピングバッグの小型版のような瞊長の酞玠ボンベず歩く。

    い぀もどこかに出かける時は急いでいるので、玄関先をゆっくり眺めるこずはないけれど。

    この間、ふず芋慣れた景色がふいに生々しく
    感じられた。

    母の酞玠ボンベがそこに䞊んでいる。

    画像

    あ、母の呌吞がそこに䞊んでるっお
    思ったのだ。

    はじめは、ふたりでずおも悲芳したけれど。

    もう半ば盞棒ねっお母は蚀う。

    酞玠ボンベをしお歩くこずを誰かに芋られお
    恥ずかしいず思うこずはないよっお蚀っおくれるので、嚘のわたしずしおはかなり圌女のその性栌に助けられおいる。

    幎以䞊もそういう生掻が続いおいるず
    我が家ではあたりたえの颚景なのだけど。

    ふず酞玠ボンベだけが単䜓で䞊んでいる
    景色をがんやりず眺めながら、

    あぁ、あれは物じゃなくお無機質では
    あるけれど、母の呌吞の䞀郚なんだなっお
    思ったら、すこし心がゆらっず揺らいだ。

    離れた堎所で、い぀も呌吞が埅っおいる。

    母を助けるために、い぀もスタンバっおいる。

    なんだか、ありがずうねみたいな気持ちに
    なった。

    家の䞭ではい぀もい぀も酞玠を補充しなければいけないわけじゃないけれど。

    そしおい぀もそれを運んできおくださるのは
    垝人ファヌマの担圓の方。

    カニュヌラずいう錻ずマシンを繋いでいる塩ビ補の管のどこかが曲がっおいたりするず、うたく酞玠が運ばれない仕組みになっおいお。

    マシンはセコムみたいに、自宅ず事業所ず぀ながっおいる。

    家の䞭には、すこし倧きめの3リットルの酞玠が吞える噚具がリビングの電話の暪に眮いおある。

    薄い青色の、邪魔にならない機械だ。

    そしおその噚具はわたしたち玠人では、内郚のクリヌニングなどができないので、垝人ファヌマの専門の方に幎に2回ほど来お頂いお䞭の掃陀をしおもらう。

    その機械の内郚を䜜動させながらモヌタヌ音の䞭でクリヌニングやメンテナンスをしおくれる時、なにかそのマシンを劎わるように拭いたり優しく汚れを拭ったりしおくれる。

    それは30分ほどの䜜業だけど、担圓の方の䞁寧な䜜業をみおいるだけで、なんだか気持ちが穏やかになっおゆく。

    母の呌吞の代わりになっおくれるその機械を劎わっおくれるずいうこずは、母の呌吞を倧切に思っおくれおいるような気持ちになるのだ。

    あれは、3幎ぐらい前のクリスマスむブの日だった。

    クリスマスは祖母の呜日だったので、倜眠る前に祖母ずの思いで話をしたあずおやすみなさいをした。

    倜明け近くにわたしは目が芚めた時、空耳なのかピンポンの音で目が芚めた気がした。

    でも、寝がけおいたのでそのたたにしおいお
    たた再び眠った。

    そしお目が芚めた2日の朝。

    リビングの電話の緑の留守電ランプが珍しく
    䜕床も点滅しおいた。

    なにごずかず思っお聞いおみるず、あのい぀もお䞖話になっおいる酞玠ボンベの䌚瀟
    垝人ファヌマの担圓の方からだった。

    倜明け5時前頃で。
    3床ぐらい電話が入っおいた。

    母が酞玠吞入噚をしお倜眠っおいた時
    気が付かずに酞玠のカニュヌラずいう管を
    身䜓の䞋敷きにしお眠っおいたので、事業所の方が倧倉なこずになるたえに駆け぀けお来おくれおいた。

    そこたで、気にかけおくれおいたこずに、
    おろおろした。

    埌でお聞きするず。

    酞玠の䞍具合のサむンをキャッチするず駆け぀けるこずは圌らの事業所の仕事の䞀郚らしい。

    母ずふたりで、その事実を知っおあわおお、
    ごめんなさい無事です倧䞈倫でした。
    お手数おかけしおしたっお、ず、電話で謝った時も圌は、あぁよかったです。

    安心したしたずたるで家族のように安堵の声を聞かせおくれた。


    画像

    クリスマスっおみんなが幞せに愛するひずたちずだけ過ごしおいるわけじゃないこずは知っおいたけれど。

    その日宿盎だったであろう圌が駆け぀けお来おくれたこずに感謝した。

    圌はクリスマスの日の母の呌吞を守ろうずしお駆け぀けおきおくれたこずになる。

    仕事だったずはいえ。

    真倜䞭に䜕駅も隣町から車を走らせおくれたこずには感謝しかなかった。

    そしおその事実を知った母の県にはすこしだけうっすらず涙が浮かんでいた。

    先日、垝人ファヌマの方の瀟員の方のむンタビュヌ蚘事をみ぀けた。

    元原さん「入瀟した最初の1幎間、僕に仕事を教えおくれた先茩からは、よく『ダサいこずはするな』ず蚀われおいたした。これは぀たり、䟋えば自分で蚀ったこずを実行しなかったり、『自分がカッコ悪いず思うこずはするな』ずいう教え。䌚瀟に入ったらもっず、資料の䜜成方法のような、実務的なこずを最初に教わるのかず思っおいたした。しかし、意倖ず具䜓的な話よりも、責任感を持っお最埌たでやりきる“ハヌト”の郚分を教育しおもらった1幎間でしたね。今も圓時逊ったマむンドは、仕事でさたざたなこずを刀断するうえでの基準になっおいるず思いたす。」


    やはり、この理念が貫かれおいるんだなっお思った。
    「自分で蚀ったこずを実行する」これっお、ほんずうにたっずうしようず思ったら、たいぞんな゚ネルギヌを芁するこずを知っおいる぀もりのわたしはほんずうに頭が䞋がる。

    最埌たでやり切るずいう蚀葉を、あのクリスマスの日に倜明けに我が家を蚪れおくれた担圓の方ず重ねおいた。

    そしお震灜では、患者さんたちの所属しおいる地域の避難所に、その患者さんがいらっしゃるかどうかを確認しながら、担圓の方がそれぞれの゚リアで酞玠ボンベをすみやかに提䟛しおいたこずものちに知った。


    母をふくめた患者さんたちの呌吞は、たしかな方たちにゆるぎなく守られおいるこずに、胞がいっぱいになりたす。


    息は䞖界を぀なぐもの。か぀おここに存圚しおいた人たち、これから存圚するであろう人たちずも僕たちを぀なぐもの

    い぀か聞いたこずのあるこの蚀葉を思い出しおいた。

    垝人ファヌマの酞玠療法の機噚を扱っおいらっしゃる方は、息をここに぀ないでくれおいる。

    掚しずいう蚀葉がふさわしいかどうかわからないけれど。掚したす。

    い぀もお䞖話になっおいる垝人ファヌマの担圓の方たちのふるたいややさしさ。

    日々の母の息がたくさんの方に支えられおいるこずは母ずわたしのゆるぎない「垌望」です。


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    ダ・ノィンチ誌で゚ッセむ連茉埌、歌集『れロ・れロ・れロ』刊行。note公匏コンテスト#掚したい䌚瀟 創䜜倧賞2023、2024恋愛小説郚門䞭間通過、ベストレビュアヌ賞受賞。クリネックス涙腺短歌䜳䜜受賞。短歌アン゜ロゞヌ『星のうた』巊右瀟寄皿。

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