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Photo bybokonyan

私だけの櫻井陽菜さんオリジナルボイスで毎日の仕事終わりの酒がうまい。

    以前、櫻井陽菜さんが関わるクラウドファンディングがすごいことになっているぞという話をしました。

    返礼品の目玉はリクエストボイス。私は棚ぼたで2万円コースを購入することができ、名前は呼ばれないけど50文字のセリフをリクエストする権利を得ました。その返礼品のボイスが! なんと!! ついに届いたのです!!!

    いやこれすごいぞ。めちゃくちゃ嬉しい。ここ数日で何回再生したことか。

    時を遡ることリクエスト〆切間近の6月下旬。エンタメとしても面白いと感じた私は名前呼び付き100文字の4万円コースを勝ち取った仲間とリクエストボイスを考えようの会を開くことにしました。実質キショ会分科会。

    50文字って短いんですよ。俳句3句詠むより短い。この限られた文字数で櫻井陽菜さん(が演じる池田みのりさん)に何を言ってもらうと私が幸せになれるのか。

    考えようの会を共にした仲間は「おはよう」メッセージにして目覚ましアラームにするのだそうです。それもいいでしょう。しかし予期せぬところでアラーム誤爆をすると社会的に死ぬ可能性があります。それだけは避けたい。まだ死にたくない。日和った私は仕事終わりに「おつかれさま」メッセージを聴くことで日々のダメージを軽減する方向で考えることにしました。

    改めてこえのつばささんのレギュレーションを確認すると思いのほか難解で。「指定された文字数に収めてください」と言いながら指定が「50字以内」と「50字程度」で揺れていたり、「文字数以内であっても複数文章はNGです」と書いてあるのに例文が複数文だったり、参照するページによって注意事項の解釈に余地があるのです。

    文字数はさておき複数文NGが本当だとすると自由度が一気に下がります。そもそも50文字や100文字で複数文NGは一般的に考えても文章として冗長です。読書を支援する団体としては文章の美しさにも拘ってほしいところ。ここはたぶんおそらく「100文字だからって50文字のシチュエーション2パターンはダメなんだからね!」という意図に違いないと自分たちにとって都合のよい勝手な解釈をして進めることにしました(とはいえ不安なところもあったので、本来句点である場所を読点にして「こ、これは1文ですけど?」と言い張る苦肉の策も使いました)。結果的に少なくとも今回は複数文でも特に問題なかったようです。

    そんなこんなであれこれ考えて捻り出した私のセリフリクエストがこちら。

    始めに、今日もお疲れ様、どうせヒマでしょ、これから僕と飲みに行こうよ、キミとゆっくり話したくてさ。

    カナで50文字ぴったり。まずはワンクッションを置いてから定型の挨拶文。いきなり誘うのは恥ずかしく、手前に軽く煽りを入れて照れ隠し。最後にポロリと漏れる本音。我ながら完璧な起承転結です。この50文字に魂を込めました。語尾の調整や展開の順序など、どうすれば自分好みの気持ちのよい響きになるのか、何度も試して推敲しました。

    「始めに」を冒頭に入れたのは決して自分のHNを入れることにより擬似的な名前呼びを実現するためとかじゃないから! 真剣に向き合った結果だから!! たまたまだから!!!

    たまたまと言えば、このリクエストを出してからボイスが手元に届くまでに櫻井陽菜さんのバースデーイベントがあり、そこで嬉々としてノンアルではないワインを飲む姿から「どうやらお酒いける側らしい」ことが発覚したんですよね。それを知ったときは、そんな彼女(が演じる池田みのりさん)から飲みに誘われるシチュエーションをたまたまリクエストしていた過去の私と固い握手を交わしました。よくやったぞ、過去乃はじめ。

    これによって、仕事終わりに再生ボタンを押せば、お酒がいける櫻井陽菜さん(が演じる池田みのりさん)が私の名前を呼んでくれる風の始まりで私を飲みに誘ってくれるという夢のような環境を手にすることができました。回復1000ポイント。QOL爆上がりです。

    実際のボイスを聴くとちょっとボリュームを落としてちょっと照れているかもしれない「キミとゆっくり話したくてさ」がもうね、堪りませんでした。文字だけなのに行間を読み取ってくれる櫻井陽菜さんのプロの業を垣間見ました。

    リクエストボイスの他に朗読劇(これも素晴らしかったです!)なども含まれているのでリクエストボイス単体の価格を考えると50文字を読み上げる約10秒で12000円です。1秒1200円。これだけ聞くと少々お高い気もしますが100回聴けば1回120円で缶ジュースより安いし?? 10000回以上聴けばもう実質タダでは???

    いやいやそんなセコイ計算をするまでもなく、物書きの端くれとしては自分の創作物が櫻井陽菜さんに読み上げられている事実にプライスレスの喜びがありました。それが自分の手元にあっていつでもボタンひとつで再生できるのすごくないですか?

    かつて自分が書いた小話に挿絵をつけてもらったことがあります。かつて自分が書いた100文字のシチュエーションから作家さんが5分程度のストーリーを書き上げてくれて逢田梨香子さんが演じてくれたことがあります。

    自分の手がけたものが別の職人の手により拡張されるという点で、この櫻井陽菜さんの10秒ボイスに対しても似たような高揚感を覚えました。100文字あったら(4万円だけど)もうひと展開作れただろうなぁ! 2つ作れたら(10万円だけど)どんなシチュエーションを追加していただろうなぁ!!

    たいへん貴重かつ面白い体験でした。こえのつばささんが再度クラウドファンディングされることがあり、私の好きな声優さんが協力されるのであれば、また前向きに寄付を検討したいです。価値観は人それぞれですが唯一無二の推しボイスがほしい人は選択肢のひとつに入れていいと思います。

    あとはショートショート的な作品を書き続けなきゃね。いつかそれなりの作品を書き上げて、誰かの声で読んでもらうことが、私のささやかな夢のひとつです。

    最後に、櫻井陽菜さん素敵なボイスをありがとうございました。これで私、毎日頑張って働けます。

    余談
    複数文NGのレギュレーションが怖すぎて、1回限りの1週間以内リテイクに怯えながら、しばらくは恐る恐る受信箱と迷惑メールを毎日覗く生活が続きました。何事もなくセリフ確認終了の連絡が来たときは心底ホッとしました。

     
     
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