日々是分岐─セガサターン名作「街」の総監督が語るサウンドノベル回顧録・第三十回「サウンドノベルのスタッフロール」
セガサターンの名作「街」の総監督を務めた麻野一哉氏自らが、当時の開発の裏話を回顧録として綴っていく連載コラム「日々是分岐」。
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第三十回目は当時のスタッフロールについて麻野氏が振り返ります。ぜひご覧ください。
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31. スタッフロール
今回の話は本来は恥ずべきことなので、書かない方がいいのかもしれないが、当時の自分にとってはかなり大きなことだったので、書ないわけにもいかないと思い、書くことにした。
開発末期になって、ずっと迷っていたことがある。それは、スタッフロールに自分の名前を載せるのをやめるよう社長に頼むかどうか、ということだった。
麻野が、ゲーム業界を目指したキッカケのひとつに、スタッフロールというものの存在がある。みなさんご存知かと思うが、映画の最後に、「監督:田中一郎」とか、「役名:役者名」とか、それぞれの役割と担当者の名前が流れる、あれだ。クレジットともいう。
昔のゲームはスタッフロールどころか、そもそも、「終わり」自体がなかった。高校時代、『スペースインベーダー』に熱中したが、あれは、ラストステージをクリアすると、また最初にもどった。その頃のアーケードゲームはたいていがそういう作りで、「終わり」はなかった。家庭用ゲームになってから、はじめて「終わり」のあるゲームが出てきた。ステージクリア型のゲームや、『ポートピア連続殺人事件』など、ストーリー系のゲームも、物語が終了するので、「終わり」があった。しかし、スタッフロールのあるゲームは、まだなかった。ゲームというのは、そういうものではなかったのだ。麻野が、はじめてスタッフロールをみたのは、『ドラゴンクエスト』だった。
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