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##4 AIに「答え」ではなく「仕事」を頼む――Codexしか使ってなかったが、ChatGPT Workを触ってみてわかった件

    普段Codexを使っているため、触ったことがなかったChatGPT Workを実際に動かすウェビナーに参加した。講義を聞くだけではなく、架空のサービス企画とCSV分析を題材に、AIへ作業を任せ、完成したファイルを開いて確かめるところまで体験する内容だった。

    いちばん印象に残ったのは、Workは「詳しい答えを返すChatGPT」ではない、ということだ。

    ChatGPTが相談相手なら、Workは成果物まで持ってくる担当者。Codexは、技術的な作業現場まで一緒に入る開発担当者。

    この違いが分かると、AIへの頼み方がかなり変わる。

    まずは、ChatGPT・Work・Codexの違い

    3つには重なる機能もあるが、入口と見せ方が違う。

    ChatGPT:質問、相談、アイデア出し、短い文章の作成。受け取るのは答えや会話。一問一答。

    ChatGPT Work:複数工程のある仕事、資料作成、分析、定期的な更新。受け取るのは確認して使える成果物。

    Codex:コード修正、テスト、レビュー、リポジトリを使う技術作業。受け取るのは実装、差分、技術的な作業結果。

    ChatGPTは、すぐに聞きたいことがあるときに使いやすい。Workは「何を完成させたいか」が決まっている仕事に向く。Codexは、コードやファイル構成、テスト結果など、作業の中身まで確認しながら進めたい場面に強い。

    ただし、これは厳密な境界線ではない。WorkとCodexには重なる部分があり、Codexで文書や資料を作ることもできる。違いは、Workが日常業務向けに技術的な表示を控え、完成物を中心に見せるのに対し、Codexは差分やコマンドなど開発者向けの情報も見せる点だと理解した。

    会話、成果物づくり、技術作業という三つのAI活用場面
    ChatGPTは相談、Workは成果物、Codexは技術作業。境界は重なりながらも、入口と見せ方が違う。

    実習1 調べて、考えて、ページまで作る

    最初の実習では、架空のサービスを題材にキャンペーン制作を任せた。

    依頼を送ると、Workは調査、企画、制作、確認という工程を順番に進めた。最終的にできたのは、企画書、複数ページの説明資料、そしてブラウザで操作できる申込みページだった。

    これまでのChatGPTなら、企画案を受け取ったあと、自分でスライドに移し、文章を整え、ページを作る必要があると思っていた。Workでは、前の工程で作った内容を次の工程の材料として引き継ぎ、複数のファイルへ展開していく。

    「企画を考えて」で終わらず、「企画を、説明して使える形にする」ところまでつながった。

    実習2 数字を読むだけでなく、次の行動に変える

    次は、架空のネットショップの注文明細CSVを使った分析だった。

    ここでは、いきなり分析が始まらない。Workから「何を調べたいか」「どんな資料にしたいか」「誰に見せるか」「特に気になる点は何か」と質問され、それに一つずつ答えた。

    方向がそろったところで実行を頼むと、操作できるグラフ資料、提案資料、1ページのまとめが作られた。

    この流れが面白かった。AIへ完璧な依頼文を書くのではなく、対話しながら目的を絞れる。分からないときは「おまかせ」でも進められるが、最後に「この内容で作る」という確認が入るため、人が方向を修正できる。

    数字を集計するだけなら表計算でもできる。Workの価値は、数字から課題を見つけ、相手に伝わる資料と次の行動までつなげるところにあると感じた。

    表形式のデータがグラフ、提案資料、要約へ展開される作業の流れ
    一つのCSVが、分析、グラフ、提案、要約へ。Workは工程をつないで、確認できる形まで届ける。

    Workで仕事が進む、4つの仕組み

    実習を通して、Workの動きは次の4つに整理できた。

    1.引き継ぐ

    前の工程で作った成果を、次の作業の材料にする。調査結果が企画書になり、企画書が説明資料やWebページへつながる。

    2.ファイルを作る

    返事だけではなく、あとで開いて確認できる文書、スライド、表、PDF、HTMLなどの成果物を作る。

    3.AIが確認する

    数値や内容を確かめ、未確認の点を残す。ただし、AIの確認だけで完成とは考えず、出典や数字、表現は最後に人が見る。

    4.工程を進める

    必要な情報がそろえば次の作業へ進み、足りなければ質問する。人は途中で答え、方向を合わせ、重要な操作を承認する。

    自分の仕事に置き換える「4点セット」

    Workへ仕事を頼むときは、長いプロンプトを暗記するより、次の4点をそろえるほうが大切だ。

    目的:何を決めたいか。何を楽にしたいか。

    材料:メモ、公開資料、共有してよいデータ。

    成果物:企画書、説明資料、集計表、報告書など。

    確認条件:どこを見て「使える」と判断するか。

    たとえば、次のように頼める。

    添付したアンケート結果を読み、よく出ている意見を整理してください。来月の説明会で使う6枚のスライドと、話す順番をまとめた進行メモを作成してください。数値は元データと照合し、判断できない点は未確認として残してください。まず構成案を見せ、確認後にファイルを作ってください。

    大事なのは、AIへ「何をして」とだけ言うのではなく、「何のために、何を使い、何を作り、どう確認するか」まで渡すことだ。

    便利だからこそ、最後は人が見る

    Workは、Web調査、ファイルの読み取り、文書や表、プレゼンテーション、画像、Webページなどの作成を組み合わせられる。デスクトップ版では、設定と許可の範囲でローカルファイルやブラウザ、アプリを使うこともできる。

    一方で、利用できる機能はプラン、端末、地域、組織の設定で変わる。社外秘や個人情報をいきなり入れず、最初は公開資料や練習用データ、小さな仕事から試すのが安心だ。

    そして、完成したファイルは必ず開く。数値、出典、抜け、表現、リンクの動作を人が確認する。AIに任せることと、確認まで手放すことは別である。

    「答えを聞く」から「仕事を任せる」へ

    今回の体験で、AIへの見方が少し変わった。

    ChatGPTに質問し、答えを読むだけでも十分便利だ。しかしWorkでは、目的を伝え、材料を渡し、途中で方向を合わせ、完成したファイルを受け取るところまで進められる。

    最初から大きな仕事を任せなくてもよい。手元の共有してよい資料を一つ選び、「この材料から、誰に見せる何を作りたいか」を考える。そこからなら、AIとの仕事は始めやすい。

    次にAIへ頼むときは、質問ではなく、完成させたいものから話してみようと思う。

     
     
    出張先のバーで出会うウイスキーと、DX・AIの学び、旅と昔話パロディを書く会社員。「一期一会のウイスキー」と「〜件」シリーズを連載中。

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