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ショートショート 「推し活と串カツ、どっちにするの?」 #アマノ文筆クラブ

    反社のボス、山田は悩んでいた。  

    警察の介入を免れるための、新しいフロント企業の形態を…。

    流行に乗れば紛れ込みやすい。だが、手堅すぎると逆に怪しまれる。  

    その狭間で、山田はいつものようにAIの“愛ちゃん”に相談した。

    他言できない悩み事は、もっぱら“愛ちゃん”だった。  

    いつも的確で、忌憚のない意見をくれる。  

    ここまで組織が成長したのも、彼女のおかげだ。

    「推し活と串カツ、どっちにするの?」  

    愛ちゃんの質問は、実にシンプルだった。

    「俺が串カツ大好きなのも知ってて提案してくるとは…」  山田は、即決した。串カツ屋だ。

    飲食業界は初めてのチャレンジだった。  

    やることは山ほどあった。  

    コンセプト、ターゲット層と価格帯の設定、メニュー構成、立地選び、厨房設備とカウンター設計、許認可の取得、食材・備品の仕入れ、スタッフの採用と教育、オープン告知…。

    山田は事あるごとに“愛ちゃん”に相談しながら、事業を立ち上げ、育てていった。

    気がつけば、「串カツ山田」は日本一の串カツ屋になっていた。  

    山田は裏稼業からも、きっぱりと足を洗った。

    それもこれも、  

    「推し活と串カツ、どっちにするの?」  

    という“愛ちゃん”の一言があったからだ。そのことを知る者は、山田と“愛ちゃん”以外他に誰もいない。

    完

    (本文544字)


    あとがき

    甘野充さんの企画『アマノ文筆クラブ』お題「推し活と串カツどっちにするの?」に参加させて頂きました。お題を一読した時に、書くの諦めようかと思ったのですが、年始早々それも嫌だったので書き上げてみた。こんな平和なオチもあっていいのではないか?自分に言い聞かせて締めてみました。

    #アマノ文筆クラブ
    #推し活と串カツどっちにするの ?
    #反社
    #裏稼業
    #AI


     
     
    思いつきを物語に。日常の片隅に潜む違和感から、クスッと笑える奇想天外なショートショート、ちょっぴり不思議で哲学的な掌編まで。言葉遊びと予想外の展開を楽しみながら、今日も気ままに妄想中。5分で読める物語を中心に綴っています。

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