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「お雛祭りと猫さんの食器(3月2日)」

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    明日は3月3日のお雛祭り。桃の節句です。
    地方の旧家などでは、今でもお雛祭りには最上段からお内裏様にお姫様。そこから下に向かって三人官女、五人囃子。さらには右大臣、左大臣がずらりと並んでいます。

    残念ながら、都心住まいの核家族では、お雛祭りをお祝いするとしても、このような豪華絢爛に祭壇を整えることは難しくて、お内裏様とお雛様がおられるだけかもしれません。

    しかし、お飾りこそは簡素だとしても、お雛祭りをお祝いする気持ちは、整えられた食卓に現れています。お雛祭りの食卓には蛤のお吸い物が並ぶ。おりしも"春は貝類の旬"でもあるのです。


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    ("猫好き絵師"として知られる歌川国芳の浮世絵『源氏雲浮世画合』の「柏木」 (東京都 立図書館蔵)にも、アワビの貝殻の皿でごはんを食べる猫がさりげなく登場している。)
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    そういえば、かつての日本では「猫さんの食器に貝殻を使っていた」のです。

    そのことは江戸時代の浮世絵にちゃんと描かれていて、そこに登場する猫さんは「大ぶりの鮑の貝殻」をあてがわれているのを見ることができます。

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    さらに、将軍家定の御台所天璋院(みだいどころ てんしょういん)が飼っていた猫さんは、「黒塗の膳と瀬戸物のあわび型の皿」を専用に持っていた。

    ふだんは天璋院の食事のお下がりを食べましたが、精進日で魚類が出ない時、猫のための鰹節とどじょう代で、一年に二十五両(*注釈)もかけたそう。

    また、庶民の飼っていた猫は、あわびの貝がらに食べ物をもらっていたことが落語の「鮑のし」や「柳多留」の古川柳に残っています。


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    (歌川国芳の東海道五十三次の宿駅を猫で表した『其のまま地口 猫飼好五十三疋』にも、アワビやホタテの貝殻を皿として使う猫たちが描かれています。)
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    (桑名宿の猫さんは、大ハマグリではなくて、アワビの貝殻を与えられている。)
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    (赤膚焼 国芳touch 豆皿【貝・猫親分】
    薬味皿・豆皿 赤膚焼 大塩正史 作 © CREEMA LTD.)

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    そういえば夏目漱石の「吾輩は猫である」の主人公、名前は『まだない』も、自分専用の食器として、一枚のアワビの貝殻を与えられていたわよね。

    ところで、私が『吾輩は猫である』の
    "名もなき猫さんのお名前"を長らく
    『まだない』ちゃんと誤解していたことは内緒である。🤭

    「明日はお雛祭り。桃の節句をみんなでお祝いいたしましょう。」

    今日も、良い一日になりますように。
    (🎹MIYABI)


    (*注釈)
    「天璋院の頃の二十五両。」

    将軍徳川家定の御台所(正室)である天璋院(篤姫)が江戸城大奥にいた幕末(安政・文久)の二十五両は、現代の価値に換算すると約5万円〜数十万円(時代や米価による)と言われており、二十五両は現代でも、たしかに贅沢な金額と言える。

    でも、"かわいくて大切な"ねこさんには、一週間に一度くらいは贅沢させてあげたいし、おやつには「ちゅ〜る」を楽しんで欲しい。

    ひょっとして、一年の合計額で二十五両(約5万円〜数十万円)ぐらいなら、猫さんのために使っているのではないか?

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    音楽と言葉で、気付きと癒しをお届けしたい。 Pianistみやび & Violinistえみりん。 プロフィールもお読みくださいね。

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