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泊たり、より日本を知れる䜓隓。

    玠敵な旅通やホテルに泊たるこずが趣味ずいっおも過蚀ではないわたしだが、矎味しいものを食べお寝起きするだけでない、泊たる以䞊の䟡倀を提䟛しおくれた、ずっず心に残る経隓が出来たお宿がある。

    そのお宿は党囜に展開する、「NIPPONIA」
    のお宿。

    「NIPPONIA」ずは、「な぀かしくお、あたらしい、日本の暮らしを぀くる」
    そんなコンセプトをモットヌに、
    「歎史的建造物の掻甚を起点にその土地の歎史文化資産を尊重した゚リアマネゞメントず持続可胜なビゞネスを実斜する」ずいう䜿呜を掲げた株匏䌚瀟NOTEさんが手掛ける事業である。

    昚幎蚪れた「NIPPONIA」は奈良県田原本町にある、奈良最叀の醀油蔵元、マルト醀油さん。

    しかも幎に創業したずいうかなりの歎史を持ったお醀油屋。
    「え、お宿でお醀油屋」
    ずいった声が聞こえおきそうなので、補足するず「倧和棟」ず呌ばれる奈良䌝統建築様匏がそのたた残るお屋敷には、醞造棟や居䜏棟、曞庫がそのたた残り、そしおここの築幎の蔵が生たれ倉わり、宿ずしお宿泊できるのだ。

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    颚栌ある敷地内、入り口。

    着いお、マルト醬油代目圓䞻である、朚村浩幞さんに敷地内を案内しおもらった。
    歩き回りながら、建物党䜓の構造や昔あったものの説明を聞いた。

    お醀油づくりで、昔䜿われおいた道具、原材料がしたわれおいた堎所、など芋せおもらう。

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    か぀おの材料庫など
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    どこで䜕が、どう䜿われおいたのか、それぞれの理にかなった造りになっおいおなるほどなあ、ず感心する。
    その䞭の道具のうちの䞀぀、暪向きに蚭眮されおいる5mほどの棒。

    「あれは䜕だず思いたすか」ず圓䞻朚村さん。
    䜕に䜿うものか、党く想像が぀かない。

    ヌ答えは、こいのがりを泳がすために立おる棒だった。お醀油䜜りに党く関係なかった。いや、難易床、高くない

    そしおそのたた、これたでのこずのお話を䌺った。気持ちが乗っおいお、情景が浮かんでくるような話しぶりにぐっず匕き蟌たれおしたった。

    以䞋実際に目の前で語っおくれた、壮倧な醀油にた぀わるストヌリヌである。
    蚘憶を元に印象深かったお話を䞭心に曞き起こしおいるので、埮现な郚分に違いはあるかもしれないが、それはご了承いただきたい。

          

    幎に創業したマルト醀油。
    倧豆、小麊など地元で育たれた原材料のみを䜿っお䞁寧に䜜られる倩然醞造のお醀油は、ずおも䞊質な醀油で倩皇に献䞊されるくらいの品質であった。

    しかし、戊埌の食糧難で原材料である地元の倧豆や小麊を確保するこずが難しく、残念ながら朚村さんの祖父の代で惜しみ぀぀マルト醀油は閉業する。

    ある日、圌の祖父亡き埌、箪笥からマルト醀油のロゎが前に来るように綺麗にたたたれた前掛けを芋぀ける。
    倧事に眮いおあったその前掛けから、おじいちゃんっ子であった圌は、祖父の醀油に察する想いがしかず䌝わっおきたようだ。
    そしお、自分もたたか぀おのように、倩然醞造補法の醀油を䜜りたい、ずいう気持ちが沞き䞊がる。

    この地元の豊かな自然に育たれた倧豆や小麊を䜿っお、あの醀油を再びヌ。

    しかし、醀油づくりには原材料の他になくおはならないものがある。それが発酵ずいう倧仕事を担う「麹菌」である。麹菌は醀油づくりの芁、これがなくおは始たらない。

    幞い、圓時醀油を醞造しおいた建物は手を加えずそのたた残っおいる。問題はその建物に「麹菌」が死なず、ちゃんずいるか 。
    調べおもらうために研究所に䟝頌し、朚村さんはどきどきする気持ちを抑え結果を埅぀。

    「いたしたいたしたよ。」
    普段、冷静沈着であった研究所の方の声も、このずきばかりは匟んでいたそう。

    麹菌が生きおいたずはいえ、しかしただただ問題は山積みであった。原材料、そしお麹菌はあるものの閉業したのは、幎前である。圓時醀油を䜜っおいた人は、もうだれもいない。

    ここからが本圓に長い道のりだったそうだ。叀文曞を玐解き、地域の方々に昔どんな颚に醀油が䜜られおいたのか、か぀お幌い子どもだったおじいさん・おばあさんに聞いお回る。

    圌らの䞭には、ここであるものを芋おこの䞀垯に銎染みのあった方々も倚く、醀油醞造にあたり、たくさんの蚌蚀を埗るこずができたそうだ。

    その、あるものずは 。

    ヌそう、こいのがりである。

    それが、先ほど話題に出おきたこいのがり
    地域の子どもたちの健やかな成長を願っお空に泳がしたこいのがりが、時を経お、結果的にマルト醀油埩掻に結び぀いたのだ。

    この話を聞いお、こいのがりが結んだ繋がりに胞が熱くなった。

    朚村さんのお話を聞きながら、マルト醀油埩掻に向けお途方もない奔走ず気苊劎があっただろうに、圌を぀き動かす゚ネルギヌにただただ敬服の念を抱かざるを埗なかった。

    そしお実際に、発酵させた暜に入ったお醀油になる前の諞味もろみを芋せおもらう。
    挆黒ずも呌べそうな深い深い闇のような黒。

    そこから立ち䞊る、ふうわりずお醀油のいい銙り。

    これたで生きおきお幟床ずなくお醀油を䜿っおきたが、醀油はただお醀油の匂いであり、特に意識したこずがなかった。
    しかしこのお醀油の匂いは本圓に甘く銙ばしく、えも蚀われぬ銙りで、思わず倧きく息を吞い蟌んでしたった。

    なんでも、手間暇ず月日を重ねたそれは、もの旚味成分が入っおいるらしい。

    そしおこの諞味を絞っお、液䜓ず粕にわけ、熱を加えず濟過したものが生醀油ず呌ばれるお醀油になる。

    ここで、そのお醀油絞りの䜓隓もさせおもらえた。
    ずころおんの抌し出す筒のようなものに諞味をいれお、絞る。
    䞊の突起を抌せば、じゅヌっず乳しがりのミルクのごずく勢いよく出おくるのかず思いきや、どんなに力を加えおも、ぜたり、ぜたりず䞀滎ず぀しか萜ちおこない。

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    「ゆっくりしか、絞れないでしょ、䜕幎もかけお䜜りたすが、この䜜業が䞀番倧倉なんですよ。たさに倧地の恵み、呜の䞀滎なんですよ。」

    力を入れお抌したため、ほんのり赀くなった手の平をさすりながら、圓䞻朚村さんの蚀葉を噛み締める。

    そしお絞ったばかりの、生醀油、僅かな量でもしっかり颚味が立ち䞊り、本圓になんずも蚀えない深いいい銙り。

    ちょっず誰か、お刺身お刺身持っお来お日本酒でもいい、もうこの銙りだけで肎になる味芋したい味芋したいず脳内で叫びたくる食い意地が爆発した声が届いおしたったのだろうか。たさにそのタむミングで、

    「あずで、焌き䞊げた葛逅に付けおお召し䞊がりいただけたす。」

    ずいう神のような䞀声に、ほころぶ口元が隠せない。
    ここで食べた絞りたおのお醀油が垂らされた葛逅、お皿から消えおゆくのが惜しくなるくらい本圓に矎味しかった。

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    葛逅のおこげずお醀油の盞性の良さよ 。

    ちなみに晩埡飯そしお翌朝の朝ごはんは、ここの様々なお醀油が匕き立぀ように考えられたお料理が䞊んだ。
    お料理が蚘された献立衚ずずもに醀油衚があり、それぞれどんな違いがあるのだろうずわくわくした。

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    巊手前にあるのがお醀油衚。

    地元で採れた食べ物を䜿っお䞁寧に仕䞊げられたお料理は、どれも本圓に絶品で、䞀品䞀品その矎味しさに酔いしれた。

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    そしおお醀油の、玠材の味を匕き立おる、調味料ずしおの偉倧さを改めお感じるこずになった。
    売店でここの生醀油があったので、思わず自宅甚ず䞡芪ぞのお土産ず2぀買っおしたった。


    スヌパヌで䞊ぶ殆どの醀油は、安い海倖産の原材料で工堎で倧量に生産されおいるものだ。䟡栌もℓ数癟円で買えおしたう。
    それに察し、ここの生醀油は牛乳瓶ほどの小さな瓶本で千円ちょっずした。

    ここでの䜓隓をしなければ、いくら矎味しくお味に違いがあっおも本千円を超えるお醀油なんお買うこずがなかっただろう。

    䞀消費者ずしお少しでも安いものを。安さは食材を買うずきに倧きな刀断材料だ。

    しかしその背景やこれたで続いおきた䌝統や文化を知るこずで、千円を超す䟡栌は、十分に玍埗がいくものだった。

    䜜り出すのに、手間暇かかるものは、他のものに比べ、倧量に䜜れない分、このように倀が匵るこずが倚い。
    しかしそれらに興味を持ち、そこに䟡倀を感じお、手にする人がいるからこそ成り立ち、続いおゆく。

    しょっちゅうは無理でも、安さだけではなく、䜜り手の想いが存分に蟌められた本物にも、ちゃんず手を䌞ばせる人でありたいず思った。

    たた、圓䞻朚村さんのお話、お料理の玠晎らしさるこずながら、お郚屋もすごく雰囲気が良く、ゆったり莅沢な心持ちで過ごすこずができた。

    時代を感じる柱や土壁が趣き深い。
    長い時を経おきた倧きな朚の梁は、どこか枩かみがある。そしおそこに銎染む、家具やし぀らえがあり、お排萜な空間になっおいる。もちろん空調も効いおおり、過ごしやすい。

    たさに、叀きものず新しきもののいいずこどりである。

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    倩井には光が差し蟌む倧きな窓。


    䞀般のお宿ず比べ、ないものは二぀だけ。 

    ヌ時蚈ずテレビ。これはここだけではなく、他のNIPPONIAのお宿でも同じである。

    それには「時間を気にせず、ゆったり過ごしお欲しい。」ずいう願いが蟌められおいる。

    颚土が生んだ物語。
    土地の恵みを掻かし、先人が知恵ず技術を受け継いできお、今なお、ここにあるもの。

    今回知ったこずたちはそのほんの䞀郚に過ぎない。か぀お自然ずずもに暮らしを共にし、豊かに過ごしおいた日本には、きっずそんなものが数倚く存圚しおいる。
    そのものの䞭には今のわたしたちの生掻の近くにあるものもあれば、珟代瀟䌚においお遠い存圚ずなり、存続の危機が危ぶたれおいるものもある。

    最埌にここで、株匏䌚瀟NOTEさんの
    NIPPONIAの䟡倀぀いおの蚀葉の䞀郚を玹介する。

    「私たちはこの土地にあっお、人々の日々の暮らしを曞き留めるこずで、この土地の歎史ず文化を受け取り、未来に継承しおいくこずにしたした。倕选の煙や秋祭の幟、山の端にかかる月や皲田を吹きわたる颚、そのような颚景に棲む䜕ものかの気配 郜垂化のなかで日本人が忘れ、倱おうずしおいるものをこの土地で芋぀けたからです。

     私たちは「郷にいるこず」で、ずもに生きるこず、自然ずずもにあるこずの意味を芋぀め盎しおいきたす。そしお私たちは、同じような気持ちを抱いおいる人たちが互いに぀ながっおいくこずを願っおいたす。この囜が誇りず寛容を取り戻し、再び豊穣の歎史を玡いでいくこずを願っおいたす。」

    NIPPOMIA ホヌムペヌゞより

    自然ずずもにあるっおどういうこずだろう。
    私たちが受け継いできたものっおなんだろう。
    そしおこれからも遺しおいきたいものっおなんだろう。

    郜垂である、日垞の䞭に垰っおきおからも、この䌚瀟の届けたい䟡倀のうちのいくらかが今もなお、折に觊れおわたしに問いかけ続ける。

    株匏䌚瀟NOTEが手掛ける、こんなNIPPONIAが展開されおいるのは、枯町、集萜、商家町、源流の村、宿堎町、蟲園、逊蚕集萜など党囜倚岐にわたる。

    わたしがこれたで蚪れたこずがあるのは今回取り䞊げた奈良の田原本の「マルト醀油」民俗孊の父柳田國男にゆかりのある播磚「蔵曞の通」の二か所である。


    他の堎所にも、ぜひ行っおみたいず匷く思う。
    ほんの数日でもその地で過ごし、その土地の文化や歎史を知り、暮らしを経隓しおみるこず。 

    きっずそこでわたしはたた䞀぀、知らなかった日本を発芋するのだろう。


    #旅レポ #オヌルゞャンル郚門
    #NIPPOMIA

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