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外局

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

外局(がいきょく、英語: Independent Organ)とは、日本政府の内閣府または省に置かれる、特殊な事務、独立性の強い事務を行うための組織で、内部部局(本府または本省)と並立する地位を有するものである。現在では、合議制の委員会と独任制の庁の2つに大別される。

1998年(平成10年)の中央省庁等改革基本法第16条第4項により、後述する例外を除いて、「主として政策の実施に関する機能を担うもの」と定義されている。ただし中央省庁等改革実施時点(2001年)で庁である外局15庁のうち8庁が実施庁であったが、2022年12月現在では庁である外局15庁のうち5庁が実施庁であり庁の数からは例外の方が多数になっている。

概要

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日本政府の行政組織は、内閣のもと1府11省2庁からなり、それぞれの府省の内部には、内部部局として、大臣官房および局(部)が、その下に課または室が設けられている(国家行政組織法の適用を受けないデジタル庁及び復興庁は、このような組織構成とはなっていない)。外局は、この局と同程度の業務を受け持ちながら、その業務が特殊性・専門性を帯びているために、ある程度独立した機関として設置されているものである。

外局の長については、委員会の長は委員長であり、庁の長は長官である。委員長および長官は以下のような権限を有し、本府・本省に対しての独立性を有している。

  • 外局内の職員の任免権。ただし、外局に置かれる審議会等の委員の任命権は大臣が有していることが極めて多い。
  • 所管の大臣に「内閣府令・省令」の発出を求める権限

また、委員会および長官は以下のような権限を有する。

  • 所掌事務について特別の命令(いわゆる外局の規則)を制定する権限(ただし、法律の定めが必要)
  • 告示を発出する権限
  • 部内に訓令・通達を発出する権限

しかし、閣議の請議や「内閣府令・省令」の発出を大臣に依頼しなくてはならない点など、所管の大臣の指揮監督の下にあるがゆえの制約もある。

ちなみに庁の長官については、所属府省の出身者が就任することが多いが、その庁の出身者が就任することは、気象庁および最近の海上保安庁を除き、まれである。上記のように外局を含めた府省の中でも権限が多いことから府省の事務次官に次ぐ地位と見られている。なお、各府省によって異なるが、長官就任後、担当府省の事務次官に就任する例も多く見られる。逆に事務次官経験者が外局たる庁の長官に就任したのは、事務次官経験者が国会議員となって大臣庁の長官に就任したケースを除くと、環境事務次官を務めた藤森昭一が宮内庁長官に就任した例、内閣府事務次官を務めた内田俊一が初代の消費者庁長官に就任した例がある。

現在、内閣府及び各省の外局とは、内閣府は内閣府設置法第49条によって、各省は国家行政組織法第3条により規定されるもので、内閣府においては内閣府第64条及び各設置法等において、各省においては国家行政組織法別表第一に列挙されたもののみであり、○○委員会、○○庁という名称を用いていても、外局ではないものがある。例えば、証券取引等監視委員会(金融庁設置法第6条、「審議会等」という。)、宮内庁(内閣府設置法第48条)、警察庁(警察法第15条)及び検察庁(法務省設置法第14条、「特別の機関」という。)などがこれにあたる。

また、内閣府の外局たる委員会の長には、国務大臣を充てることができ、これを大臣委員会という。かつては内閣府(それ以前は総理府)の外局たる庁で、その長に国務大臣を充てるものがあり、これを大臣庁と呼んだが、2007年1月9日、内閣府の外局で最後の大臣庁であった防衛庁が防衛省に昇格し、内閣府設置法から、内閣府の外局たる庁で、その長に国務大臣を充てる大臣庁に関する規定が削除され、大臣庁は現行法上、消滅した。

沿革

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かつて(1949年の国家行政組織法施行前)は、内務省の社会局、宮内省の内大臣府や掌典職、厚生省の引揚援護院、陸軍省の陸軍兵器行政本部、海軍省の海軍艦政本部などの外局に相当する機関があった。「○○省官制」の中の条文に基づき設置された内部部局と異なり、これらの機関は「□□局官制」のように独自の官制に基づき設置されたが、官制上は「○○大臣の管理に属し」とあるだけで機関の性格についての規定はなく今日の特別の機関、施設等機関や地方支分部局に相当するものもあり、それらと必ずしも区別し難い。また、これらの機関の長の職名も、「□□局長」「□□局長官」のようにまちまちであった。このように、外局の呼称は、時代により異なり、定義や位置づけも、その時代の法令の規定の仕方に依拠している。

府省の外局という位置づけを法律上明確に規定されたのは1948年7月1日に設置された水産庁であり、水産庁設置法(昭和23年7月1日法律第78号)第1条で「政府は、水産業を振興し水産物の増産を図り、もつて経済の興隆と国民生活の安定とに寄与するために、農林省の外局として水産庁を設置する。」と初めて法令上で、○〇省の外局の用語が使用された。ただし、外局の用語は、これに2か月先立つ海上保安庁法(昭和23年4月27日法律第28号)で、「運輸大臣の管理する外局として海上保安庁を置く。」での使用が初めての使用例である。外局の用語を使用するものの、それまでの、「○〇大臣の管理に属」も使用している。なお、現行の海上保安庁法でも「国土交通大臣の管理する外局として海上保安庁を置く。」となっている。

実施庁

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「その所掌事務が主として政策の実施に係るものである庁」として国家行政組織法第7条第5項および別表第二で規定されている庁を「実施庁」と称し、具体的には公安調査庁、国税庁、特許庁、気象庁および海上保安庁がこれに該当する。2001年1月6日の中央省庁再編時点では、このほかに郵政事業庁、社会保険庁および海難審判庁も実施庁とされていた。実施庁は、内局や実施庁でない庁の課の設置が政令で定めるとされているのに対し、実施庁の課の設置は省令で定めるとされるなど差異がある。

外局の規則(委員会規則・庁令)

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委員会および庁の長官は、法律の定めるところにより、政令・内閣府令・省令以外の特別の命令を定めることができる(内閣府設置法58条4項、国家行政組織法13条1項)。委員会が定める命令が規則であり、庁の長官が定めるものが庁令である。これらを総称して外局の規則という。 現在、外局である委員会はすべて規則を定めることができるが、庁令を定めることができる庁は海上保安庁のみである。同庁は、海上保安庁法第33条の2により、海上保安学校および海上保安大学校の名称、位置および内部組織については庁令で定めることとしている。

英語表記

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内閣官房が公表している『部局課名・官職名英訳名称一覧』によれば、外局の英訳は「Independent Organ」[1]とされているが、「Affiliated Agency」[1]との表記もみられる。

外局の一覧

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庁や委員会の名称を持つが外局ではないもの

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過去に存在した外局等

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国家行政組織法施行後

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  • 総理府→内閣府
    • 統計委員会 - 1949年6月1日-1952年7月31日、行政管理庁に統合
    • 全国選挙管理委員会 - 1949年6月1日-1952年7月31日、自治庁に改組
    • 公職資格訴願審査委員会 - 1949年6月1日-1951年3月31日、廃止
    • 外国為替管理委員会 - 1949年6月1日-1952年7月31日、大蔵省に統合
    • 宮内庁 - 1949年6月1日-2001年1月5日、内閣府に置かれる機関に移行
    • 特別調達庁 - 1949年6月1日-1952年3月31日、調達庁に改称
    • 賠償庁 - 1949年6月1日-1952年4月27日、大蔵省に統合
    • 行政管理庁 - 1949年6月1日-1984年6月30日、総務庁に改組
    • 地方自治庁 - 1949年6月1日-1952年7月31日、自治庁に改組
    • 地方財政委員会 - 1950年5月30日-1952年7月31日、自治庁に改組
    • 北海道開発庁 - 1950年6月1日-2001年1月5日、国土交通省に改組
    • 電波監理委員会 - 1950年6月1日-1952年7月31日、郵政省に統合
    • 首都建設委員会 - 1950年6月28日-1952年7月31日、建設省に移管
    • 公益事業委員会 - 1950年12月15日-1952年7月31日、通商産業省に統合
    • 土地調整委員会 - 1951年1月31日-1972年6月30日、公害等調整委員会に改組
    • 調達庁 - 1952年4月1日-1958年7月31日、防衛庁に移管
    • 自治庁 - 1952年8月1日-1960年6月30日、自治省に改組
    • 保安庁 - 1952年8月1日-1954年6月30日、防衛庁に改組
    • 経済審議庁 - 1952年8月1日-1955年7月20日、経済企画庁に改組
    • 防衛庁 - 1954年7月1日-2007年1月8日、防衛省に改組
      • ※調達庁[2] - 1958年8月1日-1962年10月31日、防衛施設庁に改組
      • ※防衛施設庁[2][3] - 1962年11月1日-2007年1月8日、防衛省の外局に移行
    • 経済企画庁 - 1955年7月20日-2001年1月5日、内閣府に改組
    • 科学技術庁 - 1956年5月19日-2001年1月5日、文部科学省に改組
    • 首都圏整備委員会 - 1956年6月9日-1974年6月26日、国土庁に改組
    • 沖縄・北方対策庁 - 1970年5月1日-1972年5月14日、沖縄開発庁に改組
    • 環境庁 - 1971年7月1日-2001年1月5日、環境省に改組
    • 沖縄開発庁 - 1972年5月15日-2001年1月5日、内閣府に改組
    • 国土庁 - 1974年6月26日-2001年1月5日、国土交通省に改組
    • 総務庁 - 1984年7月1日-2001年1月5日、総務省に改組
    • 金融監督庁 - 1998年6月22日-1998年12月14日、金融再生委員会に移管
    • 金融再生委員会 - 1998年12月15日-2001年1月5日、金融庁に統合
      • ※金融監督庁[2] - 1998年12月15日-2000年6月30日、金融庁に改組
      • ※金融庁[2] - 2000年7月1日-2001年1月5日、内閣府の外局に移行
    • 特定個人情報保護委員会 - 2014年1月1日-2015年12月31日、個人情報保護委員会に改組
  • 総務省
  • 法務府→法務省
  • 外務省
    • 出入国管理庁 - 1950年10月1日-1951年10月31日、入国管理庁に改組
    • 入国管理庁 - 1951年11月1日-1952年7月31日、法務省に統合
  • 大蔵省
  • 文部省
  • 厚生省→厚生労働省
  • 農林省→農林水産省
    • 食糧庁 - 1949年6月1日-2003年6月30日、農林水産省に統合
  • 通商産業省
    • 資源庁 - 1949年6月1日-1952年7月31日、通商産業省に統合
    • 工業技術庁 - 1949年6月1日-1952年7月31日、通商産業省に統合
  • 運輸省→国土交通省
  • 電気通信省
    • 電波庁 - 1949年6月1日-1950年5月31日、電波監理委員会に改組
    • 航空保安庁 - 1949年6月1日-1950年12月12日、航空庁に改組
  • 労働省
  • 建設省
  • 防衛省
    • 防衛施設庁 - 2007年1月9日-2007年8月31日、防衛省に統合
  • 経済安定本部
    • 外資委員会 - 1949年6月1日-1952年7月31日、大蔵省に統合
    • 物価庁 - 1949年6月1日-1952年3月31日、経済安定本部に統合
    • 経済調査庁 - 1949年6月1日-1952年7月31日、行政管理庁に統合

国家行政組織法施行前

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