コプト語
| コプト語 | |
|---|---|
| Ⲙⲉⲧⲣⲉⲙ̀ⲛⲭⲏⲙⲓ met rem en kīmi | |
| 話される国 |
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| 話者数 | 母語話者数十名・限定的用途の第二言語として数百人〜数千人 |
| 言語系統 | |
| 表記体系 | コプト文字 |
| 言語コード | |
| ISO 639-2 |
cop |
| ISO 639-3 |
cop |
| Linguist List |
cop |

コプト語(英語: Coptic, コプト語: Ⲙⲉⲧⲣⲉⲙ̀ⲛⲭⲏⲙⲓ met rem en kīmi)もしくはコプト・エジプト語 (Coptic Egyptian) は、4世紀以降のエジプト語をさす用語である。この時期のエジプト語は当時のエジプトを統治していた東ローマ帝国の公用語であるギリシア語の影響を語彙・文法・表記などの面で強く受けており、この時代以降のエジプト語の言語体系にも基本的にそれが引き継がれているため、この時期を境にそれ以前のエジプト語と区別している。
一般的にはコプト語と呼ばれているが、コプト語という独立した言語が存在しているわけではなく、あくまでもエジプト語の一段階である。
最古級の聖書翻訳のいくつかを含むコプト語訳聖書、グノーシス思想の重要文献であるナグ・ハマディ写本、『ケファライア』を含むマニ教文献など、古代末期の宗教を知る上で重要な文献がこの言語で書かれている。
歴史
[編集]この節は中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、議論中です。 (2012年10月) |
コプト語はエジプト民族の本来の母語であるが、現在では口語としてはほぼ死滅状態にある言語である。これは7世紀のイスラームのエジプト征服に由来している。当時のエジプト人は東ローマ帝国の統治下にあり、公用語のギリシア語とその影響を強く受けた日常言語としての初期コプト語を使用するバイリンガリズム状態にあった。しかしイスラームの侵略と征服によりアラビア語が行政言語としてギリシア語にとって代わり、エジプト人は新たなバイリンガリズムにさらされることとなった。およそ3世紀〜4世紀の間はコプト語を日常言語とし、アラビア語を公的な言語とするこの種のバイリンガリズム(時にはかつての公用語であるギリシア語をも加えたトライリンガリズム)が継続したが、次第にアラビア語が優勢となり母語置換を起こすようになった。下エジプトでは遅くとも11世紀までにはアラビア語が支配的となり、上エジプトでも14世紀までにはアラビア語が支配的な日常言語として使われるようになった。アラビア語エジプト方言はこの過程で多少の借用語をコプト語、ギリシア語から受け入れたが、それ以外にほとんどこれらの基層言語から影響を受けることはなかった。
コプト語は、上エジプトでは17世紀まで少数のキリスト教徒の共同体の間で、日常言語として、また典礼の言語として保持された。ジャン=フランソワ・シャンポリオンやアタナシウス・キルヒャーはコプト語からヒエログリフ解読を試み、エジプト学を始めた。しかし、イスラム政権の圧力により、次第にコプト語はキリスト教徒の間でも廃れていき、教会のわずかな儀礼などで使用されるだけとなった。現在ではコプト語の復活運動が起こっているが、日常言語としてコプト語を使用している家庭は数えるばかりであり[1]、書記言語としての未来も不確かである。日本では大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)の福原信義などが口語コプト語の研究と記録を通し、この言語の復興に取り組んでいる。母語としての口語コプト語と教会の言語としての文語コプト語には多少の差異がある。
なお、現在のエジプトでは脱イスラーム化が推進されているが、6000年にも及ぶ自国の歴史を象徴し、イスラーム以前から連綿として続く民族固有の言語であるエジプト語の保存と復興については何ら対策を講じていない。未だにエジプトでは危機言語の保存はおろか言語学自体盛んではないため、コプト語の保全と復興の障害となっている。
言語の呼称
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コプト語でこの言語は、サイード方言で ⲙⲛ̄ⲧⲣⲙ̄ⲛ̄ⲕⲏⲙⲉ([mn̩trm̩n̩kemə])、ボハイラ方言でⲙⲉⲧⲣⲉⲙ̀ⲛⲭⲏⲙⲓ(再構音: [mətrəmn̩kʰemɨ]、教会改革発音: [mɛtrɛmʔɛnkiːmi])と呼ばれる。語頭の ⲙⲛ̄ⲧ- / ⲙⲉⲧ- は、動詞 ⲙⲟⲩϯ mouti「話す」から派生した、抽象名詞を形成する接頭辞であり(「言語」等に関係するものだけに限らない)、直訳すれば「エジプトの人々の言葉」という意味である。他にも、ギリシア語由来の単語で、ⲙⲛ̄ⲧⲕⲩⲡⲧⲁⲓⲟⲛ mentkuptaion ⲙⲉⲛⲧⲁⲓⲅⲩⲡⲧⲓⲟⲛ mentaiguption「エジプトの言葉」という名称もある。また、サイード方言には ⲗⲟⲅⲟⲥ ⲛ̄ⲁⲓⲅⲩⲡⲧⲓⲟⲥ「エジプトの言語」という呼び方もあるが、 ⲗⲟⲅⲟⲥ(言語)も ⲁⲓⲅⲩⲡⲧⲓⲟⲥ (エジプト)も共にギリシア語由来の単語である。「コプト」という語はこの ⲁⲓⲅⲩⲡⲧⲓⲟⲥ が変化したものである。コプト正教会の礼拝では、この言語を正式には Ⲧⲉⲛⲁⲥⲡⲓ ̀ⲛⲢⲉⲙ ̀ⲛⲭⲏⲙⲓ tenaspi en remenkimi「我々エジプト人の言語」と呼んでおり、ⲁⲥⲡⲓ aspi は「言語」を表すエジプト語起源の単語である。
地理的分布
[編集]危機に瀕する言語であり、エジプトにおいても公的地位は確認されていない。しかし、コプト正教会やカトリック・コプト教会においては、正則アラビア語と並んで今日でも典礼言語として使用されている。アラビア語エジプト方言は借用語のほか、コプト語の形態論的、統語論的、