M1911
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M1911(1912年頃のモデル) | |
| 概要 | |
|---|---|
| 種類 | 軍用自動拳銃 |
| 製造国 |
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| 設計・製造 | コルト・ファイヤーアームズ社ほか多数 |
| 性能 | |
| 口径 | .45 |
| 銃身長 | 127mm |
| ライフリング | 6条左回転 |
| 使用弾薬 | .45ACP弾 |
| 装弾数 | 7+1発(薬室に装填した場合) |
| 作動方式 |
シングルアクション ティルトバレル式ショートリコイル |
| 全長 | 216mm |
| 重量 | 1,130g |
M1911は、ジョン・ブローニングの設計に基づき、アメリカ合衆国のコルト・ファイヤーアームズ(コルト)社が開発した軍用自動拳銃である。
概要
[編集]1911年の制式採用から1985年まで70年以上、アメリカ軍の制式拳銃として第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争で用いられた。「コルト・ガバメント(Colt Government)」の通称でも知られており、民間向けモデルの1つ「ガバメント・モデル(官給型)」に由来する。本国アメリカでは、ナインティーン・イレブンと呼称されることが多い。兵士の間では「ハンド・キャノン」の愛称で呼ばれたこともある[1]。
ジョン・ブローニングが考案した、.45ACP(.45Auto Colt Pistol)という大口径弾を使用するM1911は、そのストッピングパワーの高さから信頼された。バリエーション展開によって9x19mmパラベラム弾や.40S&W弾など各種の弾薬に対応したバージョンが生まれた。
スライドが後退する際には、銃身の後端がわずかに下降するため、写真のように銃口が水平よりわずかに上を向く。これはティルトバレル式ショートリコイル機構(写真参照)と呼ばれ、20世紀における世界各国の自動拳銃に広く用いられる機構となった。
誕生以来パーツの設計がほとんど変わっていないため豊富にパーツが存在し、使用者の好みに合わせてカスタマイズしやすい銃である。現在もM1911を称する拳銃を多数のメーカーやカスタムショップが製造しており、バリエーションは把握できないほど増え続けている。グリップはラバー製やアルミ製、中には象牙などの高価な素材で作られたものまで販売されており、専門のコレクターまで存在している。
歴史
[編集]開発経緯
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19世紀当時、アメリカ軍ではコルト製のM1892という.38口径の回転式拳銃を使用していた。1898年の米西戦争でフィリピンの先住民モロ族は森林戦で蛮刀を振るって米軍に突進した。米軍は「1発でも、敵の動きを止められるだけの威力がほしい」という.38ロングコルト弾以上のストッピングパワーを持つ.45口径弾の採用を考えた。同時期にジョン・ブローニングが自動拳銃の考案をする。この銃はコルト社により.38口径の「コルトM1900」として市販され、いくつかの派生型も生産された。可動バレルとバレル全長を覆う重いスライドで反動に対処するティルトバレル式ショートリコイル機構である。リボルバー用.45口径弾を短縮・リムレス化した.45ACP弾が開発され、1905年に.45ACP弾を用いる拳銃・「M1905」が開発された。M1905の5インチ銃身型にグリップセイフティを追加したモデルが試作され、スライドとフレームの構造を変更して強度を向上させ、銃身のロッキング機構を変更した"M1909"、グリップの角度を変更した"M1910"、M1910にマニュアルセイフティを追加したモデルが開発される。ハンマーをコックした状態でもかけられるサムセーフティが左側に備えられ、そして握った時親指と人差し指の股が当たる部分に安全装置(グリップセーフティ)があり、これをしっかり握り込まないと撃てない仕組みである。
制式採用
[編集]M1910にマニュアルセイフティを追加したモデルの制式名称が"M1911"となり、1911年3月29日に米軍に採用された。第一次世界大戦ではストッピング・パワーの高さと多くの状況で作動する機構で信頼された。供給が間に合わず、同じ口径のM1917リボルバーが開発され、不足分の穴埋めが行われた。
第一次大戦での実戦データから、1926年に改良型のM1911A1が開発され1927年に販売された。軍用のM1911およびM1911A1の装弾数はシングル・カラム・マガジンによる7+1発。従来型のM1911とは次の各点で見分けられる。これらは外面部分の変更にとどまったため、M1911とM1911A1の部品には互換性があった。
- トリガー長が短くなった
- トリガー後方のフレームに面取り加工が追加された
- グリップ後端下部に位置するメインスプリングハウジングが膨らんだ形状に変更
- フロントサイトがM1911の単純な円弧形状に対し、後面に直線状の斜面を追加
- リアサイト溝をU字形から角型に変更
- ハンマー指掛けを小型化
- ハンマー直下のグリップセーフティ突起を延長
- グリップパネルを平滑面が無い樹脂製に変更
- 鉄鋼部品の表面処理を青染めからリン酸塩皮膜処理に変更
- 弾倉底板のループが廃止された
グリップセーフティについては、前線で戦っている兵士が本銃を使用した際、親指と人差し指の付け根の部分がハンマーとグリップセーフティの間に挟まり怪我をしたため(ハンマーバイトという)、グリップセーフティの後端を延長するよう進言したことによるという。
第二次世界大戦中は、コルト社、スプリングフィールド造兵廠の他、レミントンランド(銃器会社のレミントン・アームズではなく、タイプライターなどで知られる印刷機器会社)、シンガー、イサカ・ライフル、ユニオン・スイッチ・アンド・シグナルなど、様々な機械系メーカーで臨時生産されていた。軍用M1911のグリップの材質は、製造メーカーや製造時期によってベークライト製のものやウォールナット製のものなどがある。M1911A1の製造数はコルト製よりもレミントンランド製の方が多い。アメリカ軍はこれ以降新規に発注を行っておらず、戦後は全て部品の入れ替えなどによる旧品の維持で対応されたが、1985年にベレッタM9が新たに制式採用となるまでアメリカ軍の制式採用銃であり続けた。一部の部隊では現在もベレッタM9ではなく、M1911ベースの.45口径拳銃を使っている。改良を加えたM1911と部品の一部を新品に交換した物が一部の特殊部隊と海軍で使用され続けている。銃の使用年数を加算すると100年を超え、一部はアメリカ軍に配備されてから90-100年以上も使用されているものもある。

神町駐屯地防衛館で壁に掛けられた展示品。実銃なので落下や盗難に備えてチェーンでつながれ、弾倉も外されている。
日本では、戦後発足した自衛隊が、アメリカ軍より供与されていたM1911A1を11.4mm拳銃の名称で使用していた[2]。供与されたM1911A1はコルト純正ではなく、大戦中に大量生産されたレミントンランド社製やシンガー社製の物が多数を占めていた[2][信頼性要検証]。11.4mm拳銃は、主に上級指揮官、迫撃砲の砲手、戦車搭乗員に支給された[2]。1982年にザウエル&ゾーン社のSIG SAUER P220を9mm拳銃として採用するまでの、約20-30年に渡って使用された。結果として自衛隊の拳銃は現在に至るまでも外国製が採用されており、小銃については64式7.62mm小銃や89式5.56mm小銃、20式5.56mm小銃といった国産銃が採用されたのとは対照的である[2]。
日本の警察にも戦後にアメリカ軍からM1917リボルバーやミリタリー&ポリス等の回転式拳銃と共に軍の余剰分が供与された。1950年に全警察官に拳銃の支給が完了した時点で、供与された拳銃の101,770丁のうちM1911は14,160丁であった。当時の日本の警察は、